2025年10月
2025年10月の海外旅客船情報
ミクロネシアの第二次世界大戦の日本難破船から油の漏出、緊急事態宣言(ミクロネシア・日本・米国)
マニラ発。ミクロネシアのChuuk Lagoon(=チューク諸島、注、旧称は「トラック諸島」)で、World War II(=第二次世界大戦)中に沈没した日本船から油が漏出し、この島の政府によると、海洋生物や漁業経済に対する危険により、国家緊急事態を宣言することになったという。
ニューヨークでのthe 80th U.N. General Assembly(=第80回国際連合総会)での最近の演説で、Micronesian President(=ミクロネシア大統領)のWesley Siminaは、国際社会に対して、単独では同国の対処能力を「far exceeds(=遥かに超える)」事件であると述べて、共同して漏出を阻止するよう呼びかけた。
「こうした戦争の遺物が、今や我が国の水産業、共同体、そして我々の生計を脅迫しているのです。」と語った。この難破船から、どれ程多くの油が漏出しているのかは依然として不明だ。
Chuuk State(=チューク州)政府は、日本と合衆国からの支援も要請している。
この漏出は、Mitsui O.S.K. Lines(=商船三井)の前身(注、大阪商船)が所有していたRio de Janeiro Maru(=りおでじゃねろ丸)から生じているもので、同州政府によると、1944年にU.S. military (=合衆国軍)により沈められたものだという。
同船は1940年10月にImperial Japanese Navy(=旧日本海軍)により徴用され、軍事作戦において使用された。
Japanese Embassy in Micronesia(=在ミクロネシア日本大使館)は月曜日、Kyodo News(=共同通信)に対して、日本がこの状況に取り組む「needs to take concrete measures(=具体的手段を取る必要)」があるのかどうかを検討すると話した。
州政府によると、今月これまでに、潜水夫がこの漏出を発見し、油は以来、近隣の島々に広がっているという。
1944年2月のU.S. air raids(=米国の空襲)で、この地域で多くの船が沈められた。難破船は「Ghost Fleet(=幽霊船隊)」として知られ、今では世界中からスキューバ・ダイバーを惹きつけている。(Mainichi: October 1, 2025)
労働時間を巡るギリシャのストライキで、フェリー、鉄道が運休(ギリシャ)
アテネ発。水曜日、首都アテネでギリシャの鉄道、フェリー、タクシーが運休し、延長労働時間に反対する1日ゼネストで、抗議行動が予想される。
この行動は、1つの仕事を持つ労働者に対して、2つの仕事を持つ労働者のために、一日の労働時間の上限を延長する政府の計画に抗議するギリシャ最大の民間労働組合と公務員労働組合により組織されたものだ。この規則は、10月に通過する見込みだ、と労働省幹部は話した。
組合は、これは、賃金や年金が大幅に削減され、失業者が急増した2009年―2018年の債務危機で現れた、ギリシャの労働者に対する圧力を増加させるものだ、と話している。一連の賃上げの後、ギリシャの経済は回復しつつあり、生活水準は改善する一方で、ギリシャは、住宅費と食費の上昇で、未だに購買力においては、ヨーロッパ諸国の後を追っている。
「我々は、13時間の1日の労働時間に反対します。労働時間は、商品ではないのです。我々の生活なのです。」と民間部門の約250万労働者を代表するGSEE組合は、ストライキに先立つ声明で述べた。労働者は朝、アテネ中心部に集まる見込み。
政府は、この改革は、年間最大37日までしか適用されず、労働者に対して40パーセントの割増賃金を得る機会が提供され、より柔軟な労働市場に向けた使用者と労働者の需要を受けたものだ、と話している。(Arab News: October 01, 2025 05:00)
Candelaの空飛ぶ電動フェリー、タイの楽園の島を結ぶことに(タイ・スウェーデン)
スウェーデンの電動船製造者であるCandelaは、東南アジアで大きな取引を確保したばかりだ。P-12という電動水中翼船フェリーの10隻が、タイで最も原始的で、最も開発されていない島の1つであるKoh Kood(=クート島)への航路を、間もなく運航するというのだ。
この合意は、SX Sustainability Expo(=サステナビリティ・エキスポ、注、「持続可能性博覧会」の意)期間中に、Candelaとタイの運航事業者であるSeudamgo by Leopard Transportation Co., Ltdとの間で、バンコクで署名されたものだ。排気ガスを排出して、航路を汚染し、島の静かな自然とは釣り合わない、長年、煩いガス焚きの高速船に頼って来たクート島にとっては、重要な転換を記すことになる。 Governor of Trat(=トラート州知事)や、Swedish Embassy in Bangkok(=在バンコク・スェーデン大使)を含む地元当局者とスウェーデンの代表者らは、手元で、この取引を見守った。
CandelaのP-12というフェリーは、体験を変容させることを約束する。波を切り開いて進む伝統的な船体とは異なり、P-12は、コンピュータ制御の水中翼で、海面上に浮かぶ。この結果、乗船は囁くような静かなものであるばかりではなく、在来型高速船よりも80%も少ないエネルギーを使用し、劇的に効率的なのだ。排気ガスを出さず、水中騒音はなく、実際、目を覚ますこともないもので、P-12は、島の海洋環境に影響を与えないように設計されている。
タイに向かう10隻のフェリーのそれぞれはビジネス・モデルであり、多くの手荷物空間のある空調管理された船室に、20人の乗客に座席を提供する。巡行速力は25ノット(時速約29マイル、時速46キロメートル)で、本土から島への20海里の航路を僅か40分で結ぶ。船は、2元Candela C-Podにより駆動し、連続110 kW(最大160 kW)で、300 kWまで高速充電可能な378 kWhの電池パックで駆動する。巡行速力は、毎日の運航には快適なもので、約40海里の現実の世界の領域が到来する。そして高速充電と、Candelaが海上記録を出すことになる機能により、このフェリーは、乗客の乗・下船の間に、容易に電池を満充電することが可能だ。(後略)(electrek: Oct 3 2025 - 3:54 am PT)
AS Tallink Gruppの9月と2025年第3四半期の統計(エストニア)
2025年9月、AS Tallink Gruppは、387,482人の旅客を輸送し、2024年9月との比較で 4.1%の減少だった。貨物ユニット(注、貨物コンテナ)は8.2%減の21,269個で、乗用車数は、1年前の同時期との比較で、5.9%減の55,973台だった。
今年の第3四半期(7月から9月)、AS Tallink Gruppは、1,766,335人の旅客を輸送し、前年との比較で3.0%増だった。貨物ユニットの輸送数は、9.8%減少して60,306個で、乗用車数は、1年前の同時期との比較で、0.4%増の251,751台だった。(中略)
フィンランド―スウェーデン間
フィンランド―スウェーデン間の第3四半期の業績は、ヘルシンキ―ストックホルム間(クルーズ・フェリーのSilja SerenadeとSilja Symphony)と、トゥルク―ストックホルム間(クルーズ・フェリーのBaltic Princess)の運航を反映している。
エストニア―フィンランド間
エストニア―フィンランド間の第3四半期の業績は、定期往復便のMyStarとMegastar、クルーズ・フェリーのVictoria Iの運航を反映している。1年前、クルーズ・フェリーの Victoria Iは、2024年5月31日から8月31日まで、タリン―ストックホルム間で運航していた。定期往復便のMegastarは、予定された保守作業のため、9月に2日間、運航しなかった。
エストニア―スウェーデン間
エストニア―スウェーデン間の第3四半期は、タリン―ストックホルム航路とパルジスキ―カペルシャー航路の運航を反映している。タリン―ストックホルム航路は、クルーズ船のBaltic Queenが運航している。パルジスキ―カペルシャー航路は、旅客船のSuperfast IXが運航している。1年前の同時期、パルジスキ―カペルシャー航路は、2隻の貨物船、SailorとRegal Starにより運航されていた。また、タリン―ストックホルム航路は、2024年5月31日から8月31日まで、2隻のクルーズ・フェリー、Baltic QueenとVictoria Iが運航していた。
その他の出来事
9月、Galaxy Iの傭船契約が、2026年10月まで、6か月間延長された。この契約には、期間終了後、更に12か月間の延長選択権が含まれている。(Tallink Grupp: Fri, October 3, 2025 at 3:00 PM GMT+9)
日本中部で遊覧船が埠頭に衝突し、15人が入院(日本)
日本中部の沼津港の埠頭に遊覧船が衝突し、怪我のため15人が入院した。
この船の運航事業者の従業員が、日曜日の午後に静岡県沼津市の港であった衝突を緊急通報した。
Coast Guard(=海上保安庁)と地元消防署は、乗客14人と船員1人が怪我をして病院に搬送された、と話している。当局者は、うち2人は歩くことができないが、15人全員は意識があると話している。
船の運航事業者であるChidori Kanko Kisen(=千鳥観光汽船)は、衝突時、船には乗客38人と船員2人が乗船していたと話している。同社は、同船は同港に定期的に寄港していたと話している。(NHK: October 5, 2025)
TUI River Cruises、初の新造船、TUI Luzia、ドーロ川で就航へ(ポルトガル)
夏の旅程は、2027年3月から2027年10月まで、ヨーロッパの河川船隊が35本の運航を呼び物とする。
TUI初の特注リバー・クルーズ船である、ポルトガル語で「light(=光)」を意味するTUI Luziaは、ドーロ川で運航する。Full Board Plus(注、「三食付き以上」の意)の水準で、All Inclusive(注、「全て込み」の意)に昇格できる選択肢が付いている。
同船は、4層の甲板に111人の船客を収容することになる。ここには、浅いプールを備えた最上甲板、日光浴する人やCinder(注、「燃え殻」の意)という飲み物やセルフサービスの昼食を毎日提供する酒場兼食事区画がある。
バルコニーの選択
様々なバルコニーの等級のある56室の船室と、1人部屋が1室ある。同船のその他の施設には、Novoという主要ラウンジ・バー、Retreat(注、「瞑想」の意)という、ジュース・バーと、昼間はヨガ、夜間は静かに飲める寛げるラウンジ・バーとなる健康等級の空間を提供する混成区画がある。Sorrisoは朝食から夕食までを提供する主食堂で、Vinhaは客がア・ラ・カルトの夕食を楽しめるポルトガルに触発された屋外夕食空間で、昼間には、寛いで活力を得る場となる。
7泊のドーロ川の旅では、5つの目的地を訪問し、ポルトから周遊旅行が始まり、その後、エントレ・オス・リオス、ペーゾ・ダ・レグア、ベガ・デ・テロン(スペインのサラマンカ)と、Barca d’Alvaに到着する。ドーロ川のクルーズに参加するには、TUI提携航空会社でポルトに飛んでいくという選択肢がある。
オランダとクロアチアの新しい港
更に、TUI River Cruisesは、オランダのザーンダム市に向かうオランダとベルギーの水路を運航するTUI Ariaで、2027年夏シーズンに2つの新しい港に寄港し、ダニューブ川(注、ドナウ川)のTUI Mayaは、クロアチアのAljmasを訪問する。
期間の範囲は、初めてのクルーズ客向けに誂えた短期クルーズがあり、2027年夏まで、ダニューブ川、ベルギーとオランダの水路、ライン川、そしてモーゼル川を横断する顧客向けの、3泊、4泊、5泊、6泊、7泊、8泊、9泊、11泊、14泊、そして15泊の航海がある。(Seatrade Cruise News: October 5, 2025)
TT-Line、ro-paxの新造でJinling Shipyardに復帰(中国・ドイツ)
Jinling ShipyardとTT-Line Companyは、第二世代ro-pax(注、ro-ro方式の旅客船、カー・フェリー)船1隻と、更にもう1隻について、ヨーロッパでLetter of Intent(=基本合意書)(LOI)の調印式を行った。
同造船所は、以前の船舶事業で確立した成功と、高水準の相互信頼の上に築かれた協力であると話した。
Jinling ShipyardとTT-Line間の最初の協力は2018年に始まり、双方にとって大躍進となるもので、これはTT-Lineが初めてヨーロッパ外で新造事業を行うものであり、Jinling Shipyardとの世界的な協力における新たな一章を開くものだった。
最初となる2隻の船、Nils HolgerssonとPeter Panは、2022年に引き渡されている。
「第一世代と比較すると、この来るべき第二世代のGreen ro-pax Vessels for TT-Line(=TT-Line向けの環境に優しいro-pax船)は、中核性能を総合的に改善したものとなります。新船は、長さが約240メートルで、船客1,000人を扱うものとなります。LNG(=液化天然ガス)ハイブリッド推進構想のような数個の特色により、この船は、環境と運航効率において、新たな基準となるものになります。」と同造船所は話した。
「この協働は、新世代最高級ro-pax船の設計と建造に再び集中し、ヨーロッパの最高級ro-pax市場におけるJinling Shipyardの更なる発展を示すものです。」とJinlingは話した。(Seatrade Maritime News: October 10, 2025)
全フェリー航路が船員不足で混乱する可能性(米国)
Mariners(注、プロ野球チームの「シアトル・マリナーズ」)の試合に行くフェリーに乗る計画をしている人は、違う経路を探す必要があるかもしれない。
Washington State Ferries (WSF)は、船員不足により、全ての航路が影響を受ける可能性がある運航の混乱を予想している、とこの機関は金曜日の午後に報告した。
WSFは人々に、もし可能ならば、公共交通機関か徒歩を勧めている。「試合後、帰宅が大幅に遅れることが予想されます。」とこの機関は書いていた。
WSFは旅行者に、Washington State Department of Transportation(=ワシントン州運輸省)の最新のリアル・タイム地図を確認するよう勧告していた。(MyNorthwest: Oct 10, 2025, 2:55 PM)
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