2022年2月

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2022年2月の海外旅客船情報

問題を抱えたCrystal Cruisesの背後の億万長者、カジノに大金を賭けて前進(マレーシア)

Genting Hong Kongの子会社であるCrystal Cruisesが保有する豪華クルーズ定期船のCrystal Symphonyは、1月22日の土曜日にマイアミに到着するものと思われていた。ところが金曜日午前1時、船長は乗客に、同船は代わりにバハマに接岸すると告げたのだった。

この予定変更は、Crystal SymphonyがU.S. Marshals(=合衆国係官)により差押えられるのを回避するためのものだった。もしこのクルーズ定期船がマイアミに接岸していたならば、当局者はPeninsula Petroleum Far Eastが提起した訴訟の一環として、同船を差し押さえていたであろう。ここは、同社が2017年以来、未払いの燃料請求書を460万ドルもため込んでいると主張している。

月曜日、2隻目のCrystal Serenityが、合衆国で差し押さえられるのを回避するためにバハマに接岸した、とAssociated Press(=AP通信)は報じた。

この逃亡者となっているクルーズ定期船は、マレーシアの億万長者であるLim Kok Thayが経営するGenting Hong Kongの抱える問題の兆候となっている。

1月初めにGenting Hong Kongのドイツの造船部門であるMV Werftenは、ドイツ政府や債権者との間の合意が不調に終わり、破産を申し立てた。1週間後、Genting Hong Kongは、同社の清算申請を申し立てた。Limは即座にGenting Hong Kongのchairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)を辞任した。

マレーシアで最も金持ちの男の1人であるLim Kok Thayは、昨年以来、自己の財産が30%減少するのを見てきた。2021年4月、Limは27億ドルを保有し、マレーシア11位の金持ちとなっていた。今日、彼の総資産は19億ドルとなっている。Genting Hong Kongにおける彼の2億5000万ドルの持ち分は、破産手続きが進行し、今やゼロとなっている。Limが持ち分の44%を保有するGenting Berhadの株価は、6月以来、15%の下落で、先月だけでも8.5%下落している。

しかしLimは、父親が1960年代に始めたGenting Groupという複合組織を未だに代表している。Gentingとその子会社は、エジプト、マレーシア、シンガポール、連合王国(注、英国)、そして合衆国にカジノを保有しており、ヤシ油農場やガス事業も保有している。

クルーズ客船会社での厄介な問題や、パンデミックの打撃にも拘わらず、 Gentingのカジノ帝国は、荒海の外側を進んでいる。

Fitch RatingsでGentingのマレーシアとシンガポールの資産を担当しているシンガポールに本拠を置く分析者のErlin Salimは、Resorts World Sentosaというリゾート・カジノを経営しているGenting Singaporeは「managed the downturn quite well(=かなりうまくこの低迷に対処した)」と話す。

地元博徒の堅調な需要と、費用削減方針のお陰で、Resorts World Sentosaは肯定的な正味現金地位にあり、2021年の最初の9か月間が2億9000万ドルという肯定的なEBITDA(=金利・税金・償却前利益)だ。

昨年、Sentosaは、ゲーム収益が5億9200万ドルというパンデミック前の収益の55%を稼ぎ出しており、昨年の同時期よりも16%増だった。そしてSalimは、この資産は2022年、パンデミック前の収益の75%を稼ぐものと見ている。

香港に本拠を置くMorningstarの分析者、Jennifer Songは、シンガポール政府が「live with Covid(=Covidと共に生きる)」ことを選択したため、Sentosaは回復途上にあると話す。しかしこの回復には、国際的な博徒が必要となる。すなわち、Sentosaの総ゲーム収益の30%は中国人博徒で、50%が国際観光客からのものとなっている。

「完全回復は2025年になりそうだと、弊社では考えています。」と話す。(後略)(Forbes: Feb 1, 2022,11:36am EST)

Arnold DonaldがCarnival Corp.株、180万ドルを売却(米国)

President and CEO(=社長兼最高経営責任者)のArnold Donaldが、複数の取引において、1株当たり19.08ドルの平均価格で、95,796株のCarnival Corp.株を売却した。

このうち47,150株は、2021年1月19日に許可された制限付き株式に関連する租税に充てるために売却された。同売却は、1月28日に履行された。

Donaldは、なおも366,527株のCCL株を直接保有し、587,942株を委託により間接保有している。

CCLは火曜日、20.93ドルで引け、5.65%の上昇だった。(Seatrade Cruise News: Feb 01, 2022)

M/S Estonia惨事のテレビ・シリーズが計画、フィンランド史上最高額ドラマと宣伝(フィンランド)

バルト海のフェリー、M/S Estoniaの死亡者が出た沈没についての劇的なテレビ・シリーズとその後の調査が、5月に制作開始することになっている。

このシリーズの制作者によると、この作品は、フィンランドで制作される最も高価なドラマになるという。この作品の後援者は、ストリーミング・サービスのC More、制作会社のFisher King、スウェーデンのTV4とMTV Finlandで、Beta Filmが協力する。C Moreのdrama and development chief(=ドラマ開発主任)のJani Hartikainenは、この番組の予算は1500万ユーロ近いものとなると話した。

1994年9月28日、タリンからストックホルムへの夜間航海で、M/S Estoniaはバルト海のフィンランド水域で沈没し、852人の命を奪った。僅か137人がこの事故で生き残ったが、20世紀で最も多い死者を出した海難事故(注、この記述は誤り)だった。この8つの章からなるシリーズの制作者は、フェリーの沈没、救助作業、その後の調査を描く予定だ。

芸能ニュースのVariety (siirryt toiseen palveluun)によると、同シリーズは、フィンランド、スウェーデン、エストニアで撮影され、水の場面は、ベルギーのブリュッセルで撮影するという。同シリーズの脚本と製作総指揮者はMikko Oikkonenで、監督はMans ManssonとJuuso Syrjaが共同で行う。Varietyによると、Fisher KingのMatti Halonenは、登場人物の物語は「gripping but also highly emotional story(=人の心をしっかりとつかむ大変に感動的な話)」になると語った。

Varietyによると、「事故から30年近く経過し、フィクション(注、創作話)の力も借りて、起きたことについての新たな視点を語ることが可能となりました。調査委員会の作業は大変に困難なもので、極めて政治的でした。3年後に出された最終報告は、論争を以て迎えられました。」とHalonenは語ったという。

同シリーズは、今年の暮れまでに封切られる(注、放映される)予定。(Yle News: 1.2. 20:20)

更に2隻の船、Carnival Cruise Line船隊から離脱へ(米国)

Carnival Cruise Lineは本日、更に2隻の船が船隊を離脱すると発表した。同社は、SensationとEcstasyに別れを告げることになる。またCarnivalは、配船変更数の概要も明らかにした。

1991年建造のEcstasyと1993年建造のSensationは、このクルーズ運航事業者の船隊における2隻の最古船となっていた。(後略)(Cruise Industry News: February 03, 2022)

マレーシアのカジノの巨人、Gentingのスキーの賭け、冬季オリンピックで実現(中国)

中国、張家口(=チャンチアコウ)発。熱帯のマレーシアのGenting Groupが 後援しているスキー・リゾートが、中国が金曜日にBeijing Games(=北京五輪)の正式開幕を準備しているように、木曜日にフリースタイル・スキーで、初の冬季オリンピックの行事を主催する。

張家口の崇礼(=チョンリー)区にあるGenting Snow Parkは、オリンピック開催地として選ばれた都市におけるそうした9つある施設の中の唯一のものだ。首都から列車で約1時間のところにある同公園は、スノーボードの他、エアリアルやモーグルなどの、アドレナリン溢れる行事を主催することになる。

1つの冬季オリンピックの開催地としては最も多い約20個の金メダルが、ここで手渡されることになる、と誰もが話した。

このリゾートは、2012年にGenting Resort Secret Gardenとして開業したもので、5年前にPresident Xi Jinping(=習近平主席)の個人的な視察を受けていた。当時、習は、この施設のウェブサイトによると、このリゾートの創業者であるLim Chee Wahに対し「earnestly implement the plan and ensure the construction of ski slopes as well as [ensure] related supporting facilities are of high quality(=熱心に、この計画を実現して、関連支援施設を高品質にする(ことを確実にする)ばかりではなく、スキー場の建設を確実にするように)」と語ったという。

中国は、先進国ではずっと人気のある冬のスポーツの新参者であった。雪は主として北京の北にある山で降るものであり、最近数十年間に同国の経済が急騰するまでは、スキーをするところは殆どなかった。

亡き父親がGentingそれ自体を設立したというLimは、1990年代半ば、このリゾートを建設する土地を探していたが、崇礼が自動車で5時間で到達できる唯一のところだった。

それでも彼とカジノで最もよく知られている複合企業のGentingは、Secret Gardenの建設で初期投資に180億元(28億ドル)を賭けたのだった。今やそれは、スキー場、ホテル、そして近隣の住宅開発を自慢とするものになっている。

「1996年の雪のリゾートは、大変に基本的なものでした。」とLimは、昨年のインタビューで、Phoenix New Mediaに語った。「私は企業家であり、市場に従って場所を選択しています。事業の見返りを確保することが、不可欠なのです。」

2017年に訪問した際、Xi(=習)はこのマレーシアの複合企業とLimに対して、オリンピックと中国における冬のスポーツの発展に貢献したことに、感謝の意を表明した。

モーグル男子と女子の予選は、木曜日の晩にGenting Snow Parkで始まる。

一方、地元メディアは、合衆国が主導する外交的ボイコットと、COVID-19のアウトブレイク(=勃発)抑制のために、何がしかの中国の諸都市で厳しい封鎖がなされている中での大会について、過熱モードの中で肯定的解釈(注、ずる賢い印象操作)を行っているところだ。

国営メディアのXinhua(=シンホウ、新華社)は水曜日、2008年のBeijing Summer Olympics(=北京夏季オリンピック)と今回のとの間の、中国の「dramatic transformation(=劇的な変容)」についての記事を掲載し、同国の貧困撲滅と、月探査という飛躍的進歩達成の成功を強調していた。(Nikkei Asia: February 3, 2022 15:54 JST)

「我々は好機を見出している」:Genting Hong Kongの崩壊に関しBayley語る(米国・中国)

中国はRoyal Caribbeanの考えにおいて、とりわけGenting Hong Kongのもめごとには「very much(=大変に関心があり)」、「We see opportunity(=好機を見出している)」とMichael Bayleyは金曜日に語った。中国は、香港を別にすれば、クルーズに門戸を閉ざしたままの、鍵を握る世界市場の1つだ。

オリンピックの後にニュースが?

「我々は待っていますよ。」とBayleyは中国再開の見込みについて語った。「オリンピックが終わったら、もっと肯定的なニュースが中国から出てくるという意見があります。」と付け加えた。このCEO(=最高経営責任者)は、中国はRoyal Caribbeanにとって浮き沈みのある「long journey(=遠い道のり)」だと描写した。「弊社の好機に対する欲求は変わっていません。」と語った。「中国は、常に弊社の戦略的品揃えの重要な部分を占めております。」

船舶再配船

今までのところRoyal Caribbeanの船は、香港のSpectrum of the Seasを除けば、中国の外にいる。最近、Spectrumは、6か月間、シンガポールに移動し、そこで4月に運航を再開することが計画されている。

昨年、Royal Caribbeanは、新しいOasis級の船であるWonder of the Seasを中国に投入しない決定を行った。その代わり、この新たに引き渡された船は、合衆国で間もなくお目見えし、その後、ヨーロッパに向かう。「で、反応は信じられないほど堅調なものでありまして…、ですから中国外に再配船することの銀の裏地(注、希望の兆し)となっているのです。」とBayleyは語った。アジア班は、既にGenting後の好機に向けた計画を立てている。

長期的には「弊社は中国にいて、中国を動かし、巨額の利点と機会があることが判っています。」と付け加えた。「Gentingが退場したことは、弊社にとっては好機であって、弊社のアジア班は既に、弊社が好機となり得ると考えているものを計画し、活用しているところです。」

他社の中国に関する最近の考えについては、「Princess committed to Asia but Japan restart is delayed(=Princessはアジアに全力投球、しかし日本の再開は遅延)」を参照。(Seatrade Cruise News: Feb 04, 2022)

NorthLink、更なるフェリーの混乱が日曜日の運航に影響すると発表(英国)

日曜日の夜の横断が遅延することになる更なるフェリーの混乱が、発表されている。

NorthLink Ferriesは今日(土曜日)、明日の夜のHrosseyの北行き便は、今や月曜日の「mid to late morning(=深夜から朝遅く)」まで、ラーウィックには到着しない見込みであると顧客に警告している。カークウォールへの到着も、1時間ほど遅延することになる天候次第となる。

以前報じられたように、今晩の航海も、混乱に直面している。Hrosseyは、本来の予定よりも2時間早い、午後2時30分にラーウィックを出発する。カークウォールとアバディーンへの到着は、時刻表通りの見込み。

Hjaltlandは、今日夕方の午後5時に、予定通りアバディーンを出発する予定になっている。しかし悪天候のため、カークウォールからの出発は、明日の午前6時まで遅れる。明日の正午頃、ラーウィックに到着する予定だ。

Hildasayの貨物便は、午後3時に早めにアバディーンを出発する。(The Shetland Times: February 5, 2022)

「Global Dream」ドイツの港町の悪夢と化す(ドイツ)

世界最大の定期船の1隻となる運命だった「Global Dream(=グローバル・ドリーム、注、「全世界の夢」の意)」は、アジア人が所有するMV Werften造船所が先月、破産申請を行ったことから、就航できれば儲けものだ。

名乗りを上げる買い手はおらず、同造船所の何千人もの雇用は危機に瀕しており、地元経済は大きな打撃を受けている。「我々は、コロナウイルスの典型的な被害者です。」とMV Werftenのchief executive(=最高責任者)のCarsten Haakeは話した。

破産申請は、10,000人の乗客と船員を収容できる最初の船の1隻になることになっていた同船での建造作業が、中断することを意味した。MV Werftenの運命は、同造船所の所有者であり、Dream Cruisesの経営者である、何千キロも離れたアジアにある、Genting HKの事務所の中で決定された。旅行業とカジノに特化した同社が、パンデミック(注、国境を越えた大流行)による旅行の混乱により崩壊し、マレーシアの親会社、Gentingによってなされた決定は、これを放棄するというものだった。十分な財務保証がないことから、同造船所を支援することで合意していたドイツの州政府は、手を引いた。

それ以来、Eiffel Tower(=エッフェル塔)よりは少し高いことになる、宇宙飛行士と人魚のどぎつい漫画のフレスコ画で装飾されたこの長さ342メートルのクルーズ船は、救い主を待っている。15億ユーロの費用と見積もられるこの事業は、同造船所の経営陣によると「75 percent(=75パーセント)」完成したという。しかし工事を継続するには、6億ユーロが必要だ。同船が待っている一方で、以前、東ドイツだったメクレンブルク・フォアポンメルン州沿岸のシュトラルズント、ロストク、そしてヴィスマールのMV Werftenの埠頭の2,000人の従業員を、不確実性が、しっかりとつかんで離さないでいる。

秒読み

Christoph Morgenは、「find a buyer for the Global Dream(=Global Dreamの買い手を見つけろ)」という1つの目標を持っている同社の法律上の管理人に指名されている。同船は、クルーズ事業が急騰していた時に思いついたものだったが、海洋休暇の需要は、パンデミックによって損なわれている。例え「some investors have expressed an interest(=関心を示す投資家がいたとしても)」、Morgenが言うには、こんな巨大な船に対する待ち望んだ申し出を確保することは難しく、少なくともコロナウイルスが未だに蔓延している中では困難だという。管理者は3月1日まで活動しており、この時までに、実行可能な解決策を見つけなければならない。

この状況は、地元政府によっても緊密に監視されており、今回の崩壊は「shock, as it was for the whole city(=街全体にとって衝撃だ)」とSocial Democrat mayor of Wismar(=社会民主党のヴィスマール市長)Thomas Beyerは、AFP(=フランス通信)に語った。「多くの家族がこの施設に頼っており、何世代もそこで働いてきたのです。」と付け加えた。

この造船所は、同市の歴史と密接に結びついている。Second World War(=第二次世界大戦)後に建築されたもので、最初はソビエト船舶の運航のために使用され、その後、1950年代に拡張した。Berlin Wall(=ベルリンの壁)が崩壊して、東ドイツの産業が崩壊し、大量の解雇がなされた。1990年代に民営化された同造船所は、その後、ドイツと海外の双方の一連の所有者の手に渡ったが、経済の浮き沈みの中で、今まで生き永らえてきた。

もはやヴィスマールは終わり

ハンザ同盟の都市の典型的な色彩豊かな建物に取り囲まれたヴィスマール中心部の広場で、Heike Reimann(67)は、この街の基幹産業が消える衝撃があるかもしれないことを懸念していた。「ヴィスマールは、造船所がなければ、ヴィスマールではないのです。」と夫のSiegfriedが船渠で10年間働いてきたというReimannは話した。

もし買い手がつかなければ、この造船所は、同国のエネルギー転換の象徴である沖合の風力発電所、あるいは水素製造工場に転換されなければならないことになる、と管理者のMorgenは話した。この考えに共鳴する住民もいる。「地球の温暖化に繋がる大型船を未だに建造するというのは、良い考えなのでしょうか?」とChristian Buenger(63)は話した。

しかしグリーン(=環境に優しい)・エネルギーへの転換は、地元労働者にとっては災難になる、と労働組合は話した。「異なる事業には、異なる技術を持った、異なる従業員が必要となるのです。」とIG Metallという組合のHenning Groskreutzは話した。

市長事務所も同様に、この考えには冷淡だ。「私たちは、私たちの海事産業を維持しなければなりません。それは、私たちの一部なのです。」とBeyer市長は話した。(The Local de: 6 February 2022 09:30 CET)

当局、Genting Hong KongのCrystal Cruises所属の2隻船をバハマで差し押え(バハマ)

未払い燃料請求書の460万米ドルを巡る訴訟に関連して、Genting Hong Kongの Crystal Cruisesに所属する2隻のクルーズ船を、当局が差し押さえたと伝えられている。

Cruise Law Newsによると、船員が、Crystal SymphonyとCrystal Serenityという船が、差押を避けるために本来の目的地を迂回していたが、バハマで差し押さえられたことを確認したという。

Inside Asian Gamingが以前報じたように、Crystal Symphonyは合衆国の係官によって差し押さえられるのを避けるため、1月24日にマイアミからバハマに転進していた。その後、先週、Crystal Serenityがビミニ島で合流した。 Crystal Serenityは、アルバ島での接岸許可を拒絶していた。

両船は、金曜日にフリーポート近くの水域で乗っ取られた、と船員は話した。 しかし合衆国当局の司法管轄権外にあるバハマが、どのようにして差し押さえたのかは、ハッキリしないままだ。

この劇的な出来事は、燃料請求書の460万米ドルが未払いであると申し立てて、Crystal CruisesとStar Cruisesの両社に対して、Peninsula Petroleum Far Eastによって始められた訴訟の一環として、合衆国判事が同船の差し押さえを命じたのを受けたもの。

Crystal Cruisesは1月、親会社のGenting Hong Kongが、合計28億米ドル近い負債を抱えて清算を申請したのを受けて、少なくとも2022年4月29日まで運航を中止すると発表していた。しかし3隻の船は既に洋上におり、Crystal SerenityとCrystal Symphonyはカリブ海を航海しており、Crystal Endeavorは南極にいたが、運休する前に航海を終えるつもりだった。

Genting Hong Kongは、中核資産を保護し、価値を維持するため、Dream Cruisesを使ってアジア発のクルーズ運航を継続することを主張していたが、 この子会社(注、Dream Cruises)は、先週、会社の清算を申請した。(iag: Mon 7 Feb 2022 at 05:42)

Crystal Cruises、伝えられるところによると営業終了(米国)

多くの消息筋によると、Crystal Cruisesは今週、営業終了となるという。

Crew CenterのTwitter上の音声投稿の中で、Crystal Symphonyの船長と称する男性は「the entire Crystal Cruises office in the U.S. is closing down.(=合衆国内のCrystal Cruisesの全事務所は閉鎖となる)」と言っていた。

「Unfortunately, this is the end of Crystal Cruises, and we don't know what's going to happen in the future(=残念ながら、これでCrystal Cruisesは終了で、将来、どうなるのかは判りません)」と、この声の主は述べ、「the ships are for sale. ... I know you probably have a lot of questions, but I unfortunately don't have any answers right now.(=船は売りに出されており…恐らくは皆さんに多くの疑問があることは知っていますが、残念ながら、今現在、私は判りません)」と付け加えていた。

この船長は、Crystalのpresident(=社長)であるJack Andersonからの声明を待っていたが、これまでのところ、それはなかったと話した。数人のCrystalの陸上従業員は、最後の日は2月9日で、マイアミのCrystalの本店は閉鎖になると告げられた、と話している。

様々な消息筋によると、V.Ships Leisureが、Crystalの船舶管理を引き受け、この客船会社の清算人によって任命されたと見られているという。

先週、Crystal SerenityとCrystal Symphonyは、バハマで差し押さえられた。Crystal Endeavorは、アルゼンチンでの南極クルーズを終えて、ウルグアイのモンテビデオに向かっているところだ。Crystalの5隻の川船は、冬の間、ヨーロッパで係船されている。

消息筋は、Crystalの資産は、一括して、というよりは、むしろ個別に売却されることになりそうになってきている、と話している。

Crystalは先月、親会社のGenting Hong Kongが、現金が枯渇したと言って、その資産を清算することを申請したのを受け、運航を中止したと話した。バミューダの裁判所は、Crystalやアジアに本拠を置くDream Cruisesなどの資産を監督するため、清算人を任命していた。(Travel Weekly: Feb 08, 2022)

QUEEN ANNE、洗練された客船会社の次の船(英国)

2022年2月8日、連合王国(注、英国)、サウサンプトン発。豪華遠洋旅行の開拓者であるCunardは、世界的に有名な船隊に加わることになる新船の名称、Queen Anne(=クィーン・アン、注、アン女王)の発表を喜んでいる。Queen Anneは、Cunardの249番船となり、Queen Mary 2、Queen Victoria、そしてQueen Elizabethの注目すべき4姉妹を形成することになる。これで1999年以来、初めてCunardが洋上に4隻を保有することになる。

Queen Anneの処女航海は、5月に発売となり、同船の初航海は、2024年初旬となる。更なる詳細は、間もなく共有されることになっている。(中略)

Cunardについてのより詳しい情報、あるいは航海の予約は、貴方のTravel Consultant(=旅行相談員)1-800-728-6273番のCunardにお電話か、ウェブサイトへ。

更なる情報に関心のある旅行代理店は、貴方のBusiness Development Manager(=事業開発管理者)OneSourceを訪れるか、無料電話1-800-528-6273番でCunardにお電話を。(yahoo!finance: Tue, February 8, 2022, 10:00 PM)

CDC、クルーズ船向けの新たなCOVID-19プログラム開始(米国)

U.S. Centers for Disease Control and Prevent(=合衆国疾病対策予防センター)は、合衆国水域で運航するクルーズ船向けの新しいCOVID-19プログラムを遂に公表した。

このプログラムは推奨されており、クルーズ客船会社は、2月18日までに選択しなければならない。船上でのCOVID-19症例の色状態システムは継続し、これは同業界から冷ややかな目で見られているものだ。

このプログラムを選択するクルーズ客船会社は、同プログラム参加の条件として、全ての勧告と指針に従うことが要求されている(換言すれば、従っている勧告を選りすぐることはできないことになる)。クルーズ客船会社は、詳細なCOVID-19対処計画を有さなければならず、港湾との同意に加え、乗客と船員の船上検査を継続し、その他の方針及び手順を継続しなければならない。(Cruise Industry News: February 09, 2022)

大きな一里塚:クルーズ船Disney Wishが進水を祝う(ドイツ・米国)

ドイツ、パーペンブルク発。Disney Cruise Lineの最新船、Disney Wishが金曜日、大きな一里塚を達成した。

同船は、初めてこの巨大な造船所の格納庫から進水した。格納庫を後にして数分後に、Disneyは花火と音楽で、この大きな瞬間を祝った。

写真には、今日の式典でのCaptain(=船長)Minnie Mouse(=ミニー・マウス)が写っている。写真家がこの進水を捉え、オンライン上に投稿していた。(中略)

Disney Cruise Lineでは、処女航海は現在、7月14日を予定していると話している。

Disney Wishは、液化天然ガス、すなわちLNGという利用可能な最も清浄な燃料の1つにより駆動する、と幹部は話した。およそ144,000総トンで、1,250室の客室がある同船は、Disney DreamやDisney Fantasyより僅かに大きい。

Disney Wishが航海に出ると、家族は、とりわけ家族向けに作られた魅了する新世界を発見することになる。客は、Disneyの没入できる世界を探索することになる。これには、Frozen(=アナと雪の女王)、Star Wars(=スター・ウォーズ)、Marvel Superheroes(=マーベル・スーパーヒーローズ)の他、もちろんMickey Mouse(=ミッキー・マウス)、Minnie Mouse(=ミニー・マウス)、そしてその仲間たちが含まれる。

Disney Cruise Lineの予約は、こちらをクリック。(WKMG ClickOrlando: February 11, 2022, 6:20 PM)

Stena Line、60人のフェリー職を急募、大量応募にびっくり(英国)

Stena Lineは、採用活動開始に対する応募の水準に「astonished(=びっくりしている)」。

このフェリー会社は、ホリーヘッドとダブリン間を航海する船の30人を含む、アイリッシュ海の船の60人分の雇用を急募している。幹部らには、応募が殺到している。30人近い職に1,700人が応募した。

今やStena Lineは、選抜過程の初期段階にあり、初めてバーケンヘッドとベルファストで、応募しそうな人のために、2日間のOpen Days(=一般公開日)を主催することになった。

Stena LineのHead of Onboard Sales and Services(=船上販売・サービス主任)のStephen Brydenは、次のように話した。「A Life Less Ordinary(=普通じゃない)採用活動に対する大衆の反応に驚いています。」

「こんなに多くの応募があったことはありませんでした。」(NorthWalesLive: 07:19, 14 FEB 2022)

Manfredi Lefebvre、Crystal Cruisesの買収の意向を確認

Silversea Cruisesの元所有者で会長だったManfredi Lefebvre d’Ovidioが管理するHeritage Groupが、Crystal Cruises買収のための2件の完全資金供給申出を行ったことを確認した。

1件目の申し出は2021年第1四半期に行ったもので、2件目は清算の発表の後だった、とHeritageは、Seatrade Cruise News宛ての声明文において述べた。

「Crystalを成功物語に変容させることが可能」

「我々は、正に信頼できる買い手であって、80年代後半にまで遡ることができるクルーズ産業に根ざしております。我々は、超豪華分野の知識やノウハウ(注、実務知識)で、Crystalを成功物語に変容させることが可能であることをきっぱりと確信されているのです。Abercrombie & Kentとの提携で、回復を促進し、過去数週間に悪化したブランド(=商標)の劣化を、ある程度は埋め合わせることになる相乗効果を生み出すことが可能です。」とLefebvreは話した。

Crystal商標に対する愛と情熱

Heritageのchief investment officer(=最高投資責任者)で、Silversea Expeditionsの元managing director(=代表取締役)であるCristina Levisは、次のように付け加えた。「私のCrystal商標と製品に対する愛と情熱は、Silversea Expeditionsの舵取りを任された時にまで遡ります。私は自分のチームに、CrystalをSilverseaのような偉大な商標の一例として見て、見習って、競争してみなさいと言っていました。」

「Crystalの船は、心から死なせたくないと願うことになる魂を有しています。」とLevisは続けた。「営業再開と乗客の信頼を得ることは容易いことではないですが、機会が与えられたならば、失望させないよう、一層の努力をいたします。」

Heritageは、Paul Hastingsの提携者であるDavid EreiraとMatthew Poxonの援助を受けている。(Seatrade Cruise News: Feb 15, 2022)

Windstar Cruises、元Crystal Cruisesの船員を惹きつけるため1500ドルの契約金提供(米国)

超豪華クルーズ市場を全く新しい水準に引き上げたCrystal Cruisesの物語の突然の終了で、自己の将来について多くの疑問を持つ何千人もの船員が、あとに残された。最も愛するクルーズ客船会社に対し、サービスの年月を捧げたこれらの高度な技術を有する一流のプロは、この困難なご時世に、職を見つけることができるのだろうかと思い始めている。

しかし過去数週間において、何だか興味深いことが起きている。豪華なクルーズ客船会社の多くは、全てでないとしても、Crystal Cruisesの最も価値ある資産である船員に対し、関心を示している。クルーズ客船会社は、求人提携者を通じて、Crystalの船員に優先的に与える新しい仕事の機会についてソーシャル・メディア上で多くの申し出を行っている。

元Crystal Cruises President(=社長)のJack Andersonも、船員や陸上従業員が新たな職を見つけることを支援するための活動で、業界窓口と接触している。

「一人一人の従業員が何らかの保証を得られるよう支援すること以上に、大切なものは思いつきません。Crystalのチームが顧客に集中し、正しいことをしようとし、疲弊し、終わりを迎えたことは、何と並外れた栄誉であり、名誉なことでしょう。誇りに思います。全員が大好きです。」とAndreson氏はSeatrade Cruise Newsに語った。

Crystal Cruisesの本当の家族として、船員らはこの困難な時においてお互いに支援しあい、クルーズ業界市場での新しい仕事の募集についての情報を共有してきた。最も直近の、恐らくは最も関心のある申し出は、Windstar Cruisesからのものだった。小型豪華クルーズ船の船隊を運航しているこの金持ち相手のクルーズ客船会社は、経験ある船員を乗船させるために、臨時奨励金として、1500ドルまでの契約金を申し出ている。今後6週間内にWindstarに加わった新人は、船に乗船した際に契約金が支払われることになる、と船員宛てのWindstarの書簡にはあった。

Windstarは、Housekeeping Stewards(=客室清掃係)、Dining Room staff(=食堂スタッフ)から、Captains(=船長)やHotel Managers(=ホテル支配人)の果てまでの全職種において、同社に多くの価値をもたらすことができる経験あるプロを探している。

可能性ある従業員に対する契約金は、常に一流に提供される陸上職の脇に追いやられてきたものだったが、これは初めてクルーズ客船会社が、船上従業員に奨励金を提供するものだ。

応募するためには、関心のある志願者は、Windstar Cruisesの公式採用提携者に連絡を取る必要がある。フィリピンのSinga Ship Agency、インドネシアのSBI Agency、世界のその他の地方の場合は、Viking Recruitment。(CrewCenter: Feb 16, 2022)

時速94マイルの風がドイツを打ちのめし、フェリー正面窓を水が突き破る恐ろしい瞬間(ドイツ)

これは、Storm Ylenia(=暴風イレニア)が、時速94マイルの風でドイツを打ちのめし、荒海の中でフェリーの正面の窓を水が突き破った恐ろしい瞬間だ。

乗客の1人によって、港の連絡船の内部から撮影された映像には、ハンブルクとフィンケンヴェルダー間のエルバ川を下って、その後、巨大波が突き破った際、同船が巻き込まれた様子が写っている。怯えた乗客が、ガラスが木っ端みじんにされて、直接、水の通り道となったフェリーの正面に座っているのが写っている。

これは、木曜日にヨーロッパ中部を猛烈な嵐が打ち付け、少なくとも4人が死亡したときに起きたもので、風速は時速112マイルになり、交通の混乱が広がった。少なくとも3人が、この水浸しによって座席から投げ出されたようだ。(中略)

ドイツのニュース通信社のMOPOによると、木曜日の事故を確認し、このフェリーは、ハンブルクと、この都市の郊外のフィンケンヴェルダー間のエルバ川を下るRoute 62(=62号線)を航行中だったという。この事故の後、大型船は、ハンブルク港から海に連絡するLower Elbe(=下エルベ)川を上流に向かうことを禁じられた。

フェリーを運航している会社であるHadag and Hochbahnの広報担当者は、MOPOに事故を確認し、怪我人はいなかったと話した。他の報道では、乗客1人が軽傷を負ったことを示唆していた。(後略)(Daily Mail: 13:55 GMT, 17 February 2022)

億万長者のLim Kok ThayのGenting Singapore、3億ドルを費やしてカジノ・リゾート、テーマパーク刷新へ(マレーシア)

マレーシア人の億万長者、Lim Kok Thayに支配されるGenting Singaporeは、ライオン・シティ(注、シンガポール)にあるカジノ・リゾートとテーマパークを刷新すべく、今年、4億シンガポール・ドル(2億9800万ドル)を投資して、パンデミック後の観光業回復に向け、資産を備える。

「パンデミックから小休止している現在の期間は、弊社のホテルを改装し刷新する機会の窓となっております。」とGentingは、木曜日の業績発表の一環として述べた。同社は、Resorts World Sentosaにある1,200室以上を有するここの3つのホテルは、第2四半期から2023年まで、進歩的刷新作業を行うと述べた。

同社は、2021年度の通年税引前利益は、前年との比較で倍増し、1億8300万シンガポール・ドルだったとする一方で、利益は、Covid-19感染の新たな急騰のために下期に弱体化したと話した。Gentingの競合他社であるMarina Bay Sandsは最近、シンガポールのカジノで改善した利益を報告していたが、ここも10億ドルの大改造で、中央商業地区にある象徴的な資産を刷新する。

ホテルの改装の他、Gentingは、Universal Studios Singaporeというテーマ・パークも拡張し、Minion Landや、現在のSoutheast Asia Aquariumよりも3倍広くなるSingapore Oceanariumといった新たな呼び物を建設する。同社は昨年、この事業を促進すべく、シンガポール政府から租借地の追加部分を購入している。

「今後2年間、弊社の伝統的市場からの訪問者が徐々に戻って来ると予期していることから、弊社では、パンデミックから力強く浮かび上がるべく、回復力を維持し、新たな訪問者提供物を刷新して建設する機会を確保し続けます。」とGentingは話した。

Genting Malaysiaは、今月これまでに、舗装道路を横切り、マレーシアの首都であるクアラ・ルンプールの北、車で約1時間のGenting Highlandsに、刷新したテーマ・パークを再開していた。海抜1,800メートル以上ある山の頂の100,000平方メートルの土地に建設されたGenting Skyworldsは、8億ドルの費用をかけて再開発されたもので、26基の冒険や映画に触発された乗り物や呼び物を観光客に提供している。

Genting HighlandsとResorts World Sentosaの刷新は、資金繰りが苦しくなったクルーズ船運航事業者を会社清算して、Genting Hong Kongのchairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)を先月、辞任したGenting Singaporeの chairman(=会長)であるLimに対する明るい材料の1つだ。この辞任は、Genting Hong Kongのドイツの造船所部門であるMV Werftenが破産して、ちょうど2週間後になされた。(中略)

シンガポールとマレーシアのクルーズ事業と資産を除けば、Limは、フィリピンと合衆国のカジノ・リゾートの持ち分を有している。Genting Groupも、マレーシアにヤシ油農場を所有している。彼の実時間純資産は、Forbesが最新のWorld Billionaires List(=世界億万長者一覧)を出した2021年4月の27億ドルから、約20億ドルに減少している。(Forbes: Feb 17, 2022,10:50pm EST)

ギリシャ・フェリー火災:コルフ島付近で290人を乗せた船から出火(ギリシャ・イタリア)

金曜日、乗客239人と船員51人を乗せて地中海のイオニア海を航海中のイタリア船籍のフェリーから出火した。

Euroferry Olympiaという定期船は、イタリア企業のGrimaldiが所有するもので、ギリシャの沿岸警備隊の広報官によると、現地時間の4時30分頃に出火したという。同船は、ギリシャのイグメニツァ港から、イタリア東部のブリンディジに向かっていた。

乗客と船員の全員は、正午までにコルフ島の港で無事下船したものと考えられているが、ギリシャの通信社によると、当局者は同船の駐車場部分(注、車両甲板)に取り残された2人をなおも捜索しているという。

唯一、42歳の船員がこれまでに負傷したと報じられており、沿岸警備隊の艦船で近隣のコルフ島に移送され、「as a precaution(=万一に備えて)」入院した、とCorfu病院のdirector(=院長)、Leonidas Roumbatisは確認した。ERTのビデオによると、この男性は歩くのが困難で、コルフ島に到着した際、工房隊員らに介護されていた。初期のメディア報道によると、呼吸器障害だという。

これより先、Secretary of State for the Merchant Navy(=商船大臣)のKostas Katsafadosは、ギリシャのラジオ局Skaiに、乗客全員は無事で、救命艇に乗船していると話した。

ギリシャの沿岸警備隊は、金曜日朝の声明で、ヘリコプター3機の他、2隻の曳船、他にItalian Police(=イタリア警察)の1隻と2隻の民間漁船を含む5隻の船を従えた警備艇4隻を出動させたと話した。火災原因は不明で、調査が始まっている。

乗客の1人は、「were sleeping when we were alerted that there was a fire.(=火災の警報があった時、就寝中だった)」と話した。「直ぐに服を着て、甲板に上がり、そこで救命胴衣をもらいました。」とERTが電話で連絡を取ったこのトラック運転手は話した。船橋では「パニックになっていて、駐車場(注、車両甲板)から大量の煙が出ていました。息が詰まりそうでした。」と付け加えた。

このフェリーの船長は、直ちに乗客に退船を要請し、一方、警備艇、沿岸警備隊の曳船、消防艇がコルフ島から出動した、と声明にはあった。(euronews: 18/02/2022 - 11:58)

ギリシャ・フェリー火災:ギリシャ沿岸沖で船から出火、12人依然行方不明(ギリシャ・イタリア)

救助隊は、フェリーが炎に包まれて避難を余儀なくされた後、なおも12人を捜索している。

Euroferry Olympiaという船は、北西ギリシャとイタリアの間で出火した際、290人以上の乗客と船員を乗せていた。乗客は、人々は船内を走り回り、「tragic moments(=悲劇的な瞬間)」だと描写した。トラック運転手のDimitris Karaolanidisは、無事、救命艇に乗って、「I escaped hell(=地獄を脱出した)」と話した。(中略)

このフェリーを運航するイタリアに本拠を置く会社は、火災は車両が駐車していた船倉から始まったと話した。同船の船長と機関士2名は、金曜日に逮捕されたが、同日、釈放された、と当局者は話した。(後略)(sky news: Saturday 19 February 2022 17:33, UK)

マスク要請、Royal Caribbeanのワクチン接種客は取り下げ(米国)

フェイス・マスクは、Royal Caribbean Internationalのクルーズ船で合衆国から航海するワクチンを完全接種した客に対しては、間もなく選択的になる。

このクルーズ客船会社は、CDCの新しい任意プログラムに参加するというニュースに引き続き、そのウェブサイトのHealthy Sail Center(=健康航海センター)部分を変更した。マスク義務は、2月25日に、合衆国とプエルト・リコからの航海では、選択的になる。

同社は、ワクチン未接種の子供は、屋内や混雑した環境では、マスク着用を継続するものとなる見込みだと述べた。マスクは、Adventure Oceanという若者プログラムでは、全ての子供に要求している。2歳未満の客は、いかなる時もマスクを着用しなければならない。

またマスクは、同社の私有目的地であるCocoCayのPerfect Dayや、Labadeeでは選択的だ。Royal Caribbeanは、他の港では、客は現地の規則に従うよう勧告している。またマスクは、下船時の他、乗船及び審査過程の間、クルーズ・ターミナルでは着用すべきこととなる。2歳未満の客は、いかなる時もマスクを着用しなくていい。

春から始まるヨーロッパでの航海については、Royal Caribbeanはこの地域におけるクルーズの健康・安全手順をまだ決定しておらず、ニュースは間もなくある。(Cruise Industry News: Feb 20, 2022)

放棄された炎上船には「4億ドルの豪華乗用車の貨物があった」

先週、大西洋中部で出火し、放棄された船は、4億100万ドル(2億9500万ユーロ)相当の乗用車を運んでいた。これには、Porsche、Audi、Bentley、そしてLamborghiniのモデルが含まれている、と保険見積もりで明らかになった。

Felicity Aceは、4,000台以上の乗用車を積載する専用貨物船だが、水曜日の夕方にアゾレス諸島近くで出火した。同船の22人の船員は避難したが、火は数日間、燃え続け、船上の電気自動車のリチウム・イオン電池によって焚きつけられていた。

Russell Groupの保険専門家らは、月曜日、4億3800万ドルの商品が同船にはあり、これには乗用車と商品車両の推定4億100万ドルが含まれていると話した。

同グループのmanaging director(=代表取締役)であるSuki Basiは、この事故で、Porsche、Audi、Bentley、そしてLamborghiniを保有するVolkswagenに、少なくとも1億5500万ドルの損害が生じることになると話した。

「この数字は、再び国際的な供給網の危険性を示しました。」とBasiは話した。「この事故は、世界的な自動車製造業者にとって、都合の悪い時に起きたものです。下請け業者の供給網危機の真っただ中におり、その結果、新車の新たな遅延となりました。このような出来事で、消費者の信頼を得ることになる大きな取引はできないことになります。」

同船の運航事業者であるMOL Ship Management (Singapore)は月曜日に、同船は「アゾレス諸島の南で未だに燃え続け、この諸島から遠くに流されているものと推定される」と話した。

2隻の消防の曳船が、月曜日に同船の場所に到着することになっていると言われており、「初期サルベージ・チームを乗せた警備艇と共に、Felicity Aceに放水を開始し、既に現場で同船の熱を冷却している。」

同社は、同船は安定したままであり、油の漏れはないと話した。消火設備を備えたもう1隻のサルベージ船が、2月26日にロッテルダムから到着することになっている。

最も近いアゾレス諸島のファイアル島の港の船長、Joao Mendes Cabecasは、Reuters(=ロイター通信)に、電気自動車のリチウム・イオン電池が、この週末の間、「keeping the fire alive(=火災を維持していた)」と話し、更に、専門の装備が消火には必要だと付け加えた。電池がこの火災を起こしたのかどうかは、ハッキリしなかった。

Felicity Aceは、MarineTrafficというウェブサイトによると、Volkswagenが工場を持っているドイツのエムデンから、ロード・アイランド州のデイビィスビィルに向かっていたという。

VW(=フォルクス・ワーゲン)は、同船に同社の乗用車が何台載っていたのかについては論評しなかった。自動車愛好家のウェブサイト、The Driveは、同船は189台のBentleysを運んでいたと報じた。積荷目録によると、前の先月の航海では、21台のLamborghinisを積載していた。(The Guardian: Mon 21 Feb 2022 19.23 GMT)

クルーズ予約はロシア・ウクライナ間の緊張にも拘らず堅調なまま(ロシア)

「弊社では、ロシアとウクライナとの間の緊張の高まりによるいかなる影響も見ておらず、ロシアに寄港するクルーズ旅程に、弊社提携者による変更は出ておりません。」とMundy Cruisingのdirector of sales & marketing(=販売・マーケティング主任)のAlexander Loizouは、Seatrade Cruise Newsに語った。「小規模豪華小売業者としての私の見解では、クルーズ産業に対して影響は殆どないように見えます。」

VikingとPrincess

Vikingの広報担当者も、Seatradeに対し、5月から予定しているWaterways of the Tsars(=ツアーリ(ロシア皇帝たち)の水路)の旅程では「a high level of interest(=関心の程度が高い)」のを見続けていると話し、Princess Cruisesの広報担当者は「We are not seeing any effects on bookings yet.(=まだ予約には、いかなる影響も見ておりません。)」と付け加えた。

段階的縮小への期待

バルト海地域の32の港湾と目的地からなるCruise Balticのdirector(=取締役)であるClaus Bodkerは、この組織では予約を監視することは不可能だと話す一方で、クルーズ寄港の中止は承知していないとし、「but we all hope for a de-escalation of the situation.(=しかし全員が、状況の段階的縮小を望んでいる)」と話した。

ロシアのリバー・クルーズの運航事業者であるVodohodは、クルーズ目的地としてのロシアの可能性にむしろ特化し続けている。ロシア外の観光客に、同国のあまり知られていない地域を更に開放する目的をもって、2020年に、エニセイ川での探検クルーズを始めている。

「旅行は政治を越えるもので、世界中の人々を連帯させることになるものだと強く信じております。」とVodohodのhead of marketing and PR(=マーケティング・広報主任)であるMozharova Allaは断言した。「COVID-19のパンデミック後、旅行に大変な人数が戻り始めており、ロシアは好奇心旺盛な旅行者、とりわけリバー・クルーズ休暇にやって来た時に、提供するものが非常に多いことから、他の会社のように弊社は、クルーズの未来は2022年以降も発展し続けることを期待しております。」(Seatrade Cruise News: Feb 22, 2022)

Norwegian Cruise Line、バルト海の代わりを検討;ロシア寄港は宙ぶらりん(ロシア・米国)

Norwegian Cruise Line Holdingsは、ここのNorwegian、Oceania、そしてRegent商標のためにバルト海の港の代わりを探しているのかもしれない。executive vice president and chief financial officer(=上級副社長兼最高財務責任者)のMark Kempaによると、今年の夏に同社は、サンクト・ペテルブルクに寄港できないことになるという。

「お話しているように、代替港を調べているところです。」とKempaは木曜日、同社の年度末と第4四半期に関するearnings call(=テレビ業績発表)において述べた。

President and CEO(=社長兼最高経営責任者)のFrank Del Rioは、次のように付け加えた。「バルト海の船はバルト海に留まります。もしサンクト・ペテルブルクに行けないのならば、周辺国には多くの代替港があります。」

Del Rioは、もし必要ならば、同社は代替港を探すか、近隣の港で一泊することになると語った。「サンクト・ペテルブルクは(旅程の)最も貴重なものの1つであることから失望していますが、しかし、確かに代わりの場所はあるのです。」と話した。

Kempaは、バルト海シーズンに対する衝撃の潜在的影響を軽視し、同社は今年の夏にバルト海には約5パーセントしか配船していないと言及し、Norwegian商標に一方的に有利になっていると話した。「これは弊社が考えてきたことであり、最悪の場合の筋書きです。仮にサンクト・ペテルブルクか、近隣地域に寄港することができないのならば、弊社が寄港できるスカンジナビア地域には、他に多くの港があります。」とKempaは述べた。

Kempaは、今年の夏のサンクト・ペテルブルクに寄港する約50本の航海で、巨大な影響はないとし、このロシアの港が、バルト海旅程における主要な目的地であるとは認めなかった。「ヨーロッパは、大きな大陸でもあるのです。」とKempaは話した。「これは、ヨーロッパの非常に小さな部分に影響を与えているものであって、他に弊社が運航可能な多くの地域があるのです。」(Cruise Industry News: Feb 24, 2022)

ロシア軍、ウクライナの12海里沖で中立のヨーロッパ船に発砲(ロシア・ウクライナ・モルドバ)

ロシア軍は、モルドバ船籍の船に、同国(注、ウクライナ)の僅か12海里沖で発砲し、船員2名が重傷を負った。

モルドバの船は、同国南部にあるオデッサ港の近くの沿岸から、それほど遠くないところで砲撃された。モルドバ船籍のMillennium Spiritは、砲撃されて損傷し、2人の船員が、爆発で負傷した。これは、ロシアが侵略を継続する中での、もう一つの懸念されている進展であり、今や同地域の商船が砲撃されている。

Ukrainian Armed Forces(=ウクライナ国防軍)のCommander in Chief(=最高司令官)は、Facebook(=フェイスブック)に、この無差別攻撃について投稿した。次のように書いていた。「モルドバ船籍の船。このMillennium Spirit(=ミレニアム・スピリット、注、至福千年精神の意)という船は、モルドバ船籍で、南部の港から12海里でロシア船によって攻撃された。」(Mirror: 14:02, 25 Feb 2022)

クルーズ客船会社、ウクライナ紛争のため、ロシア旅程変更、寄港中止(米国・英国)

ウクライナにおける戦争で、多くのクルーズ客船会社は、ロシアに寄港する旅程の中止に駆り立てられている。

NCL、Oceania、Regentを含むNorwegian Cruise Line Holdings、Viking、Atlas Ocean Voyages、そして英国の客船会社のSaga Cruisesは、サンクト・ペテルブルクを含むロシアの港湾への寄港を中止した。この発表は、ロシアがウクライナを侵略して、ちょうど1日後になされたものだ。

「サンクト・ペテルブルクは、スカンジナビア旅程における戴冠用宝玉(注、最も貴重なもの)の1つであるので、失望させられております。」とNCLH CEO(=最高経営責任者)の Frank del Rioは、2月24日のpost-earnings call(注、投資家向けテレビ業績発表)において述べた。「しかし、確かに代わりはございます。」(Cruise Critic: February 25, 2022)

Carnival商標、ロシア寄港を外すことに(米国)

Carnival Corporation商標は、同社のソーシャル・メディアへの投稿によると、予測できる未来におけるロシアのサンクト・ペテルブルクへの寄港を外し、代替港と置き換えるという。

加えて、Carnival Chairman(=会長)のMicky Arisonは、別の投稿でこのニュースを確認した。すなわち、次のようにツィートしている。「弊社は、将来の計画を発表するに先立って、弊社クルーズ船の代替旅程を確保する過程にあります。弊社では、計画が最終的なものになり次第、お客様や旅行提携者(注、旅行代理店)に間もなくご案内いたします。」

サンクト・ペテルブルクに寄港するバルト海の夏番組を持つ商標には、Carnival Cruise Line、AIDA、Princess、Holland America、Seabourn、Cunard、P&O Cruises UK、そしてCostaがあり、同社の9社あるクルーズ商標のうちの8社となる。

加えてCostaは、ロシア極東のウラジオストクに寄港する中国本土からの長距離クルーズを航海している。こうした寄港も、中国市場が再開されるや、外されるものと見られる。(Cruise Industry News: Feb 26, 2022)

Royal Caribbean、ウクライナ人船員支援を強化(米国)

Royal Caribbean Internationalは、President and CEO(=社長兼最高経営責任者)のMichael Bayleyのソーシャル・メディアの投稿によると、ここの船隊に、推定500人のウクライナ人船員がいるという。

同社は、船員支援を強化させており、家族と話ができるよう、全ての通信手段を利用できるようにしている、とBayleyは話し、契約を早期に打ち切ることを望む場合には、帰国あるいは国に近づけるよう、支援もしている。

「弊社では、予定より早く弊社船に加わることを希望するウクライナ人船員を迅速に処理しようとしております。」とBayleyは話した。「相談も利用可能になっており、船の船長と管理者も、必要な支援を提供すべく、明らかに毎日、彼らと連絡を取り合っております。」

「弊社はまた、これらの出来事に心配している200人以上のロシア人船員も有しており、同様の支援をしております。Royal一家は全船員のためにあり、弊社の想いと祈りは、この出来事で影響を受けている全ての人々に向けられています。」(Cruise Industry News: Feb 26, 2022)

日本人所有の貨物船、ウクライナ沖でミサイル攻撃される(日本・フィリピン・ロシア・ウクライナ)

愛媛県、松山発。日本の会社が保有する貨物船が、元ソビエト近隣諸国に対するロシアの侵略に引き続き、激しい戦闘が起きる中、金曜日、黒海のウクライナ沿岸沖でミサイルによる攻撃を受け、船員1人が負傷した、とこの西日本の海運会社(注、日鮮海運)は話した。

パナマ船籍の貨物船、Namura Queenは損傷し、愛媛県今治に本拠を置く同社によると、20人のフィリピン人船員のうち1人が、肩に命に別条のない怪我を負ったという。この船は運航可能で、トルコに向かっていた。そこで、同船に対する損害が評価されることになる、と同社は話した。

ウクライナ当局は、このミサイルは、今週これまでに、ウクライナを軍事侵略したのに引き続き、ロシア軍により発射されたものだと話した。外務大臣のYoshimasa Hayashi(=林芳正)は日曜日、日本政府は外交ルートを通じてロシアに対し、日本船と日本市民の安全を確保するよう促したと話した。

この事件は、ウクライナ南部のオデッサ地方の港の近くの、船舶に回避するよう警告されていた水域で起きた。Namura Queenは、この初期警告を知らず、この地域の外に移動しようとしていた際に、ミサイルによって攻撃された。同船は、同港に接岸して、穀物を積み込む予定だった。

この海運会社は金曜日の夕方、同船を運航するフィリピンの会社から、船はミサイルによる被害に耐えているとの通報を受けた。船の1隻に対する現在のロシア軍のウクライナ攻撃の衝撃で、この日本の会社の職員は、情報が混乱している。

記者団に話しかけた同社に関連するグループ会社の幹部の1人は、船員全員の命が危険に晒されていないと聞いて、ほっとしたと話した。「可及的速やかに安全な場所に移動させたいです。」と話し、出来るだけ早くウクライナにおける緊張が緩和され、船舶が安全に商品を輸送することができることを希望していると付け加えた。

今や合計3隻の非軍事船が、侵略開始以来、攻撃されている。(The Japan Times: Feb 26, 2022)

Oceania Cruises、Fincantieri造船所で新船のVistaを進水させる(イタリア)

Oceania Cruisesは、著名な海港のジェノバに近い、イタリアのセストリ・ポネンテにあるFincantieri造船所で、2月25日に新しい67,000トン、1,200人の客を乗せるVistaの進水を祝った。

現在の健康規則に準拠して行われたこの式典の後、間もなくして、巨大な船渠建屋が水で満たされ、Vistaは正に初めて海の上に浮かんだ。

この式典に出席したのは、Fincantieriのshipyard director(=造船所長)のGiuseppe Torrente、archbishop of Genoa(=ジェノバ大司教)のHis Excellency Monsignor Tasca(注、「Tascaモンシニョール閣下」といった意)。造船所のmadrina(=代母)のAnna Truccoは、同船とこれによって航海する者全員の幸運を招き寄せるべく、長年の海事伝統により、船体に向けてprosecco(=プロセッコ、注、地元のスパークリング・ワインの一種)の瓶を放った。(後略)(Travel Pulse: 11:31 AM ET, Mon February 28 2022)

Stena RoRo、世界最大の民間病院船を建造、Global Mercy、今やロッテルダムに寄港(オランダ・スウェーデン)

2022年2月28日、ストックホルム発。2月28日から3月14日まで、世界最大の病院船、Global Mercyが、ロッテルダムに寄港する。慈善団体のMercy Shipsを代理するStena RoRoにとって重大な出来事は、2013年以来、同船の工事の事業管理を行ってきたということだ。ロッテルダムで数週間を過ごす間、この新造船は、訪問者に公開される。

民間個人、機関、提携者、臓器提供者、篤志家、そしてメディアは、同船への訪問が歓迎されている一方、本船は、西アフリカでの極めて重要な使命に向けて、ロッテルダムで装備品の設置がなされることになる。

2月28日から3月14日まで、この新造された世界最大の民間病院船、Global Mercyの竣工を祝わうことになり、見学のため、公開される。Stena RoRoは、 この大変に特別な海上工事事業の設計、契約の約定、現場監督の責任を負ってきた。

船上で実施される病院活動は、船体の設計や配置から振動その他の技術的解決策の果てまでの、あらゆるものに影響する必然的に特別な前提条件が要求される。本船には手術室があり、病棟、実験室、眼科医院、歯科医院、訓練施設、そして入院患者治療と船上で働く者の双方にとって必要な全てのものがある。これには、学校、船員の子供のための保育園が含まれる。Global Mercyは、旅客サービスとして格付けされており、港内では、641人の船員を含む950人を収容することが可能だ。(後略)(PRNewswire: 28 Feb, 2022, 07:06 GMT)