2022年1月

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2022年1月の海外旅客船情報

クルーズ船、ウイルス勃発の中、リスボンで抑留(ポルトガル・ドイツ)

ポルトガル、リスボン発。4,000人以上を乗せているクルーズ船が、COVID-19のアウトブレイク(=勃発)で船員が感染し、ポルトガルの首都リスボンで抑留されている、とドイツの通信社dpa(=ドイツ通信社)が土曜日に報じた。

ドイツの会社であるAida Cruisesはdpaに対し、定期健診で陽性のコロナウイルス症例が発見され、これら陸上で感染した者は、リスボンのポルトガル当局と協力して、収容していると話した。

ポルトガルのメディアは、1,000人以上の労働者のうち、52人の船員が検査で陽性だったと報じた。3,000人近い乗客の中で、検査で陽性だった者はいない。乗船者の全員は、適格審査で合格しており、ドイツから同船が出航するに先立って、2回のワクチン接種を行っている。

同船は、スペインのカナリア諸島への旅を続けるため、新たな船員が到着するのを待っているところだ、とdpaは述べた。(KSLTV: January 1, 2022 at 8:38 am)

クルーズ船、Explorer Dreamの157人全員、COVID-19の検査で陰性(台湾)

1月2日、台北発。パンデミック(注、国境を越えた大流行)により誘発された7か月間の運休に引き続き、金曜日に運航を再開したクルーズ船、Explorer Dreamの157人の乗客と船員は、Ministry of Health and Welfare(=衛生福利部)のKeelung Hospital(=基隆(=キールン)病院)によると、COVID-19の検査で陰性であり、日曜日に下船が許されたという。

Dream CruisesのExplorer Dreamは、新年の到来を祝うべく、台湾東部の花蓮県(=ホワリエンシェン)への2泊の周遊クルーズに、金曜日、基隆(=キールン)を出発した。5月以来、同船の初の航海だった。乗船に先立って、乗客全員は、COVID-19に対するワクチンを、少なくとも14日間に完全接種していることが要求され、出発日の48時間前に収集された試験片で行ったPCR COVID-19検査が、陰性でなければならないものとされていた。

Explorer Dreamは、医師1名とその他5名の人員からなる専門医療チームも乗船させており、衛生福利部の下にある26の病院の支援を受けている、とKeelung Hospitalは声明において述べた。

Cruise Industry News Quarterly Magazineのウェブサイトでは、同船には陰圧隔離病棟と8台のPCR検査機が備えられており、これには、20分以内に COVID-19のような伝染病の検査ができる6台の新たに加わったVitaPCR PCR Instrumentsが含まれている。Cruise Industry News Quarterly Magazineによると、台湾で運航を再開することになっている最初のクルーズ船の1隻であるExplorer Dreamは、これまでにCOVID-19関連の出来事は記録していないという。

2020年7月から2021年5月までに、Cruise Industry News Quarterly Magazineの資料によると、Explorer Dreamで90,000人以上の客が航海したという。(Focus Taiwan (CNA): 01/02/2022 05:00 PM)

歴史的な元マンリーのフェリー、シドニー港で沈没(オーストラリア)

歴史的な元マンリーのフェリーが、同船の改装を試みた20年間を経て、シドニー港で沈没した。

引退から40年が経過した船齢99年のBaragoola(=バラグーラ、注、オーストラリア諸語で「洪水の潮」の意)は、昨夜遅く、ワバートン郊外の北限下流の埠頭で沈没した。

MV Cape Donという船の管理人、Daniel Callenderは、このフェリーが「sinking rapidly(=急速に沈み)」始めるのを見ていた。「木材がきしむ音がしたので、外に出てみると、横倒しになってゆっくりと沈み始めていました。」とCallender氏は話した。

警察は、このフェリーが港で横倒しになる前に、乗船していた2人が避難したと話した。

綱が、未だに埠頭の双係柱に縛り付けられている。(9NEWS: 7:33pm Jan 2, 2022)

ブラジル保健機関、クルーズ船でCOVID-19症例確認(ブラジル)

ブラジル、ブラジリア発。クルーズ船MSC Preziosaの乗客は、船上の26人の乗客と2人の船員からなるCOVID-19の28症例を確認したブラジル保健当局による検査のため、日曜日、リオ・デ・ジャネイロで下船するため、6時間以上も待たなければならなかった。

リオの保健事務官は、声明において、検査で陽性だった人の中で、リオや近隣地域で生活している人は、自宅で自己隔離することが可能だと話した。その他の者は、まずホテルで隔離しなければならないが、この費用を誰が支払うことになるのかという情報はなかった。

検査後、MSC Preziosaは、連邦保健規制当局のAnvisaにより、運航継続が許可された。その他の乗客は、バイア州行きの乗船を待っていた。この船は、ブジオスというブラジルの行楽地から出発していた。

Associated Press宛ての声明において、MSCは「protocols that are stricter and stronger than in any other travel industry(=いかなる他の旅行業界よりも厳格かつ強力な手順)」を適用していると話し、ワクチンを接種した人だけが乗船を許されており、乗客と船員に対する定期的な検査を実施していると付け加えた。

同社は、確認した場合、陽性症例はバルコニー付きの船室に隔離し、最初に船が寄港したところで下船させるとも話した。船上で確認された症例は「are only a small fraction of those identified on land(=陸上で判明したほんの僅かに過ぎない)」と同社は話した。何人の乗客が乗船しているのか、あるいはその国籍については話すのを拒否した。

伝染病学者のDenise Garrettは、Sabin Vaccine Institute(=サビン・ワクチン研究所)のvice president(=副所長)でもあるが、クルーズ船内の雰囲気は「very conducive to transmission, especially now with omicron(=大変に感染し易く、とりわけ今は、オミクロンに感染し易い)」と語った。「何千人もの人が同じ屋内空気を共有しているのです。」と話した。「費用がいくらかかっても、避けるべきです。」

先週、U.S. Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)は、COVID-19は例えワクチンを完全接種していたとしても、船内の人々の間で容易に広がり得ると言って、クルーズでのCOVID-19の感染拡大の危険を最高段階に引き上げた。

Anvisaは、ブラジルの保健省に対し、旅行シーズンを一時中断するよう勧告を出した。同省は、覚書において「will evaluate the appropriate measures together with the ministries related to the issue(=この問題の関係省庁と共に、適切な措置を評価することになる)」と述べた。(ABC News: 3 January 2022, 10:37)

中国最大の港が封鎖されたの受け、供給懸念(中国)

世界最大の港の本拠地である、東中国の浙江(=チョーチアン)省の寧波(=ニンポー)市が部分的に封鎖され、運転手やトラックの不足や、Nike(=ナイキ)やAdidas(=アディダス)のような国際的な商標の供給に対する懸念が高まるといった問題が起きている、とGlobal Times(=環球時報)紙は報じた。

中国当局は、土曜日にコロナウイルスの症例が発見されたのに引き続いて、寧波のベイルン区でのロックダウン(=封鎖)を発表した。この感染者は、NikeやUniqlo(=ユニクロ)のような世界的なスポーツや娯楽商標に供給するShenzhou Internationalという寧波の大手衣服加工会社の従業員だ。寧波は、23人のコロナウイルスの症例とアウトブレイク(=勃発)を報告しているが、ベイルンのShenzhouの工場にかなり集中している。

Shenzhouは月曜日に声明を出し、地元の隔離対策に従い、同社のベイルンの生産基地は短期間、操業を停止すると述べている。同社はこの勃発で操業にどれ位の影響が生じるのか、評価を積極的に行う、とこの記事にはあった。これは中国のコロナウイルスの広がりが、海外の衣料品商標に「hit(=打撃を与える)」ことになるのかもしれないという懸念を引き起こした、と同記事は報じていた。

ベイルンの封鎖で、より広範な影響を与えてもいる。というのは、ベイルンは寧波舟山(=ニンポー・ヂョウシャン)港の19地域の1つであり、ここは同市で最も忙しいコンテナ・ターミナルの何がしかの本拠地であるからだ。昨年、寧波舟山港の処理能力は、標準コンテナ3000個を越え、記録的だった。

専門家は、Shenzhouは、中国の他の港に切り替えるか、非感染の従業員を働かすかするといった、コロナウイルスにより引き起こされた生産中止に対処するための緊急時対応策を策定しておくべきだったと話した。(The Business Standard: Last Updated at January 4, 2022 17:31 IST)

何千人も香港のクルーズ船でCOVIDの検査で抑留(中国・米国)

香港発。何千人もの乗客が水曜日、保健当局が乗客9人が最近のオミクロンのクラスター(注、集団)と関係していると話して、同船に引き返すよう命じたのを受け、コロナウイルスの検査で香港のクルーズ船で抑留されていた。

政府の声明によると、当局者らは、日曜日に「cruise to nowhere(=どこへも行かないクルーズ)」で航海を開始したRoyal CaribbeanのSpectrum of the Seas(=スペクトラム・オブ・ザ・シーズ、注、「海の領域」といった意)を水曜日早くに戻って来るよう強制したという。

同船は、乗客9人が、新たなオミクロンのクラスターと関連のある感染患者と濃厚接触があったことが判明したのを受けて、帰港を命じられた。同船は、水曜日朝に香港に戻り、乗客は検査を待つ間、船内に抑留された。

Royal Caribbeanは声明で、9人の客は直ちに隔離され、全員が検査で陰性だったとし、同社は、流行予防対策と規制に対処すべく、当局と緊密に作業しているところだと述べた。

この1週間、香港当局は、市内でコロナウイルスの変異株が拡大することの回避を求めて、オミクロンのクラスターの出現と関係する数棟の居住用建物を封鎖していた。このクラスターは、数人のCathay Pacificの乗組員が、規則を破って、市内の食堂や酒場で夕食を取り、その後、オミクロン変異株の検査で陽性となった後で出現したものだ。

Royal Caribbeanは、この影響を受けた船に乗船していた客は、クルーズ料金の25%の返金を受けることになると話した。同船の木曜日の航海も、船員が義務的な検査を受けなければならないことから、中止となった。客は、全額返金を受けることになる。(New York Post: January 5, 2022 1:24am)

Royal Caribbean株、空売り筋のツィートを受け、下落(米国)

Royal Caribbean Cruisesの株は、空売り筋(注、相場師)のHindenburg Researchが、Twitter上で、このクルーズ客船会社が負ける方に賭けたと述べ、木曜日、約3%下落した。

「『Royal Caribbean』とクルーズ産業に対する展望は、他の接客・娯楽の『post-Covid(=Covid後)』の物語よりも、遥かに暗いものだ。」とHindenburgはツィートした。

Royal Caribbeanは、Reutersの論評の求めに直ちには応じなかった。企業の株式は、Hindenburgやその他の空売り筋の、対象企業関連のツィート・リサーチ(=調査)を受けて、しばしば下落する。空売り筋は、株式が下落することになる賭け事により、金儲けすることを狙っている。

Royal Caribbeanの株は、オミクロン変異株が11月下旬に世界市場を混乱させたのを受けて、この数日の間に約18%下落した。それ以来、COVID-19症例が世界中で急増し、ボロボロのクルーズ産業の始まったばかりの回復の足を引っ張っていたとしても、反発してきた。

水曜日、Royal CaribbeanとNorwegian Cruise Line Holdingsは、症例増加のため、航海を中止した。Norwegianは木曜日に1%下落、一方Carnival Corpは0.3%の下落だった。

U.S. Centers for Disease Control and Prevention(=合衆国疾病対策予防センター)は先週、90隻以上の船での症例調査を開始した後で、人々に対して、クルーズ旅行を避けるよう勧告していた。(WTVB: Jan 6, 2022 | 3:31 PM)

Genting HK株の取引き、発表まで中止(マレーシア・中国)

クアラ・ルンプール発(1月7日):クルーズ船運航事業者のGenting Hong Kong Ltdは、長引くパンデミック(注、国境を越えた大流行)による頑固な不確実性を考慮して、新たな資金源を探しているところだが、金曜日(1月7日)、株式の取引は、発表まで停止となっている。

「Genting Hong Kong Ltdの要求により、The Stock Exchange of Hong Kong Ltd(=香港証券取引所)における弊社の株式取引は、2022年1月7日金曜日午前9時から、弊社の内部情報に関連する発表があるまで、停止する。」とGenting HKは、取引所に対する文書において述べた。

2021年9月、Genting HKは、2021年6月30日締めの6か月間の業績発表(6MFY21) において、「弊社の財務成績は、Covid-19のパンデミックによる影響を厳しく受けたままであり、損失の程度は、多くの要素に依拠しており、これにはクルーズ船隊の運航完全再開の時期が含まれている。」と述べていた。「弊社は、回復の不確実性を考慮しつつ、新たな資金源を探し続けている。」と述べていた。

この香港上場企業の6MFY21(=2021年営業年度6か月間)の純損失は、台湾とシンガポールでのクルーズ運航を再開し、営業経費の管理を行い、減損損失の縮小により、6MFY20(=2020年営業年度6か月間)の6億8706万米ドルから、2億3123万米ドルに減少した。

収益が、2億2623万米ドルから1億8226万米ドルに減少したにも拘わらず、この業績改善は、主としてCrystal CruisesとStar Cruisesの運航の停止が継続していることによるものだ。

この取引停止に先立ち、Genting HKは木曜日(1月6日)、73香港セントに落ち着き、前日の大引けからは、5セント、すなわち6.41%減となった。(The Edge Markets: January 07, 2022 20:26 pm +08)

MV Werften、助成金の支払を巡る訴訟で、Gentingと共に懸念高まる(ドイツ)

地元ニュース局のNDRとのインタビューにおいて、MV WerftenのMD(=専務常務取締役、社長)のCarsten J. Haakeは、十分な現金は利用可能だと強調したが、一定の法律状態故に、今日、賃金を支払うことは不可能だと話した。Haakeは、流動性資産(注、現金)は、合計3000万ユーロに上ると話した。

それでもMV Werftenの支払い不能の可能性についての憶測が、金曜日の午後、メクレンブルク・フォアポンメルン州で広まった。

助成金支払いを巡る法的紛争

州政府とドイツの連邦政府によるMV Werftenに給付する財政支援についての交渉は、しばらくの間、続いてきた。

デルタ変異株とオミクロン変異株が、Genting HKのクルーズ運航の回復に影響を与えていることから、同社は、州政府によって提供される7800万ユーロのバックストップ(=安全装置)施設の縮小により、最小流動性資産条項を乗り超えることになる危険を緩和することを模索していた。

声明において、Genting HKは、支配株主であるGolden Hopeにより12月に供給された3000万ドルの資金を含む、引き下げ条件に満足していると述べていた。同社は、メクレンブルク・フォアポンメルン州が引き下げに向けた追加的な前提条件を課しているとし、そのためGenting HKは、提訴したと述べていた。

1月11日の審尋

当初、シュウェリーン地方裁判所は、同州に対し、7800万ユーロの全額を支払うよう命じたが、その後、560万ユーロの即時一部支払いに減額し、その後、即時支払いは可能ではないと決定して、1月11日に聴聞を予定した。

同州の7800万ユーロは、助成金が、連邦政府により供給されることになる3億ユーロに上るまでのバックストップ(=安全装置)として機能するものと思われていた。見返りとして連邦政府は、MV Werftenの所有者としてのGentingによる何がしかの貢献を要求しており、これには、600万ユーロと、MV Werftenが操業を継続することについての保障が含まれていた。3億ユーロは、Global Dreamの竣工を第一に確実にするためのものだ。

Gentingは、要求された貢献は、既に満たされている財政支援の前提条件であると強く考えている。

政治家はイライラ

Gentingの訴訟は、メクレンブルク・フォアポンメルン州ばかりではない多くの人を驚かせた。先週、州の経済大臣は、この差し止め請求に対するイライラを表明したが、交渉は継続すると話した。

水曜日、メクレンブルク・フォアポンメルン州の財務委員会は、MV Werften問題を議論し、Finance Minister(=財務大臣)のHeiko Geueは、連邦政府の助成に向けて地固めするには、Gentingの柔軟性が重要だと強調した。メクレンブルク・フォアポンメルン州議会の大半は、未だにMV Werften救済の試みに対して支持しているが、MPs(=国会議員)の多くは、Gentingが提訴したことについては、不満だ。

野党のAlternative fur Deutschland(=ドイツのための選択肢)のある国会議員は、対照的に、Gentingと合意に達しなかった場合のPlan B(=次善の策)が州政府にないことを批判した。批判の中には、メクレンブルク・フォアポンメルン州の造船業が長年、手腕を試されるような状況にあったことから、「permanent rescue(=恒久的救済)」の筋書きに対して、警告しているものもある。The Association of Taxpayers(=納税者協会)は、更なる助成金には警鐘を鳴らしており、ここの地域代表代理は、MV Werftenに対する救済構造全体は、当初から足元がふらついていたと述べている。

支払不能が劇的な結果となる

MV Werftenの支払い不能は、低迷する経済と高い失業率のメクレンブルク・フォアポンメルン州にとっては、破滅的なこととなり得る。造船所の労働者は、地元での他の雇用を見つけることは難しいことが判ることだろう。

しかしドイツにおいては、支払い不能は、必ずしも企業に終止符を打つことにはならない。再建への地固めともなり得るものだ。このことは、MV Werften造船所にとっては、初めてのことにはならないだろう。(Seatrade Cruise News: Jan 07, 2022)

ブラジルで10人死亡した崖の岩壁が船の上に崩壊した惨事が動画に撮られる(ブラジル)

潜水夫は日曜日、岩石層が崖から剥がれ落ちて、観光客を満載していた船の上に叩きつけ、少なくとも10人が死亡したのを受け、ブラジルの湖で犠牲者の捜索をしていた。この惨事は動画に撮られていた。

Minas Gerais State Fire Department(=ミナス・ジェライス州消防局)のcommander(=司令官)であるEdgard Estevoは、事故はサン・ジョゼー・ダ・バーハとカピトーリオという2つの町の間にあるフルナス湖で、土曜日に起きたと話した。この地元消防局は、潜水夫とヘリコプターを大至急で、愕然としている観光客をこの湖から救助すべく派遣した。

Police Chief(=警察署長)のMarcos Pimentaは、行方不明者数は不明だと話した。(中略)

フルナス湖は、1958年に水力発電所の一部として作られた。人気の観光地であり、カピトーリオには約8,400人の住民がおり、通常、週末には5,000人の訪問者があり、休日には30,000人に上る。(USA TODAY: Jan.9, 2022)

ドイツのアジア人所有の造船所、破産申請へ(ドイツ)

フランクフルト発。ドイツに本拠を置くクルーズ船造船業者のMV Werftenは、コロナウイルスのパンデミック(注、国境を越えた大流行)が、アジアの観光・カジノの巨人、Gentingのこの子会社を沈没させたことから、月曜日(1月10日)に破産申請すると話した。

「The bankruptcy petition should be submitted today(=破産申請が、本日、提出されることになっています。)」とMV Werftenの広報担当者は月曜日、AFP(=フランス通信)に語った。

この業績不振の造船業者は、「Global One」という特大定期船の完成のための資金を確保することに失敗し、この措置を取ることになった。同社によると、既に工事は80パーセント終えているという。2,500室の船室に5,000人の乗客を乗せるように設計されたこの巨大船は、2021年に同造船所を後にすることになっていたが、パンデミックが同社の予定表を強打して針路から逸脱させ、予算を捻じ曲げたのだった。約6億ユーロ(9億2100万シンガポール・ドル)が同船の完成に必要な資金であり、この造船業者は政府の支援を求めていた。破産宣告の決定は、両者の「clearly have not found common ground(=明らかに共通点を見いだせなかった)」当局者の間で延々と議論した後で出てきたものだと、この広報担当者は話した。

Global Oneという船は、かっての東ドイツのメクレンブルク・フォアポンメルン州のバルト海の沿岸にあるMV Werftenの3つある造船所の1つであるヴィスマールにあり、約2,000人を雇用している。

6月、同州は同事業の6000万ユーロ相当の持ち分を取得し、同社に対する4700万ユーロの融資を拡大させていた。パンデミックの開始以来、政府はMV Werftenに対し、全部で約3億ユーロの財政支援を提供してきた。

この崩壊は「dark day for shipbuilding(=造船業の不遇の日)」だと、地元のIG Metallの労組委員長、Daniel Friedrichは話した。Global Oneの竣工と、12月分の賃金の支払い遅延は、組合にとっては優先事項であり、ここは交渉者間の「exhaustion of trust(=信頼の枯渇)」を批判している。

とりわけアジアでは、旅行は未だに厳しく制限されており、同社は巨大クルーズ船や豪華特大ヨットに対する需要は低下していると見ている。同業界は、健康対策を強化しているにも拘らず、定期船では最近、コロナウイルスのアウトブレイク(=勃発)が多発していることから揺さぶられており、このパンデミックの打撃を受けた分野では、新たな頭痛の種となっている。(The Straits Times: Jan.10, 2022)

Genting所有のLloyd Werftも破産申請(ドイツ)

ブレマーハーフェン地方裁判所は、この月曜日の午後に確認した。Per Hendrik Heermaが破産管財人に任命された。Elsflether Werftで同じ役割を果たした経験がある。

Lloyd Werftの将来は不透明だが、希望の余地は残している。というのは、同造船所の売却交渉は、この申請の前であっても進行中であったのであり、数人の関係者が買収に関心を示していると報じられているためだ。

Genting、2016年に経営権所得

1857年にまで遡ることができるLloyd Werftは、2015年から2016年にかけてGentingのドイツ造船業界に参入する冒険事業となった。同社は2015年9月に1750万ユーロを支払って過半数の持ち分を取得し、その後2016年1月に完全支配権を取得して、その2か月後に、後にMV Werftenとなったメクレンブルク・フォアポンメルン州の造船所を買収した。

この企業買収以来、Lloyd Werftの財産は、大変に入り混じったものとなっていた。当初、Gentingは、同造船所を改造や修理の希望を持つ他、プロトタイプ(=試作品)の専門として開発する計画だった。2016年夏、Lloyd Werftは、MV Werftenの新造事業の野心を支援するための予備となり得るものとされた。しかし2017年初めに、Lloydの約400人の優秀な人員は117人に減らすと発表し、解雇手当に1200万ユーロが支払われた。

豪華ヨット、クルーズ船改装

この再編の後、Lloyd Werftは、次第に豪華ヨットの建造に集中したが、クルーズ船の改修や内装の改装の他、定期入渠の相当数の契約も獲得していた。

昨年2月には、Lloyd Werftは、年末までには売却か閉鎖になるものとして知られるようになり、Gentingは、メクレンブルク・フォアポンメルン州での活動に専念したいと表明していた。

昨秋、買い手が見つからない場合は、2022年3月までに、同造船を閉鎖する決定をしていた。

ブレマーハーフェンに本拠を置くHeinrich Ronner Gruppeは関心を示している関係者の1人だが、Seatrade Cruise Newsでは、Ronnerは提示価格が高すぎると考えているものと理解している。また、外国権益が既に持ち分の50%を買収するletter of intent(=基本合意書)に署名しているという噂もあった。Lloyd Werftは現在、約300人の従業員を抱えている。

破産で売却しやすくなる可能性

破産手続きは実際、強制売却に役立ち得る。恐らくは、これまでGentingが求めていた価格よりは低いものになる。

地元消息筋はSeatrade Cruise Newsに、Ronner Groupは未だに関心を持っていると話し、更にブレマーハーフェンとメクレンブルク・フォアポンメルン州でのGentingとの経験を経て、大半の労働者は外国の投資家よりは、ドイツ人所有者の下に行くことを好んでいると付け加えた。

Heinrich Ronner Gruppeはドイツの同族企業であり、財政的には健全であると考えられており、良い評価を受けている。同グループは、20社以上の子会社と生産設備からなり、200人の見習いを含む1,400人余の労働者を抱えている。ブレーメン連邦州において約500人が活動中だ。

最近、Ronnerは、別のドイツの造船所で破産申請しているレンズブルクに本拠置くNobiskrug Werftの製鋼部門を買収して拡大した。この買収された部門で働く27人の職員は、留め置かれた。

再編のドイツ造船業

全く予期しなかったものではなく、Lloyd Werftの支払い不能は、MV Werftenの申請の文脈においても見られたものだったが、MV WerftenとLloyd Werftの破産申請で月曜日、ドイツの海事部門中に波紋が広がった。それにもかかわらず、ドイツの造船産業は、日ごとにやせ細っている。すなわち、昨年夏には、世界最古の造船企業の1社であるハンブルクに本拠を置くPella Sietasが破産申請している。この造船所の運命は未だに定まっていないが、この地の造船業の未来は、益々ありそうもないものとなっている。大半の労働者は解雇されている。

破産したElsflether Werftは、当初、2019年にLurssenに売却されたが、ちょうど1年後に閉鎖となった。同様に破産したNobiskrug GmbHは、昨年、Flensburger Schiffbau-Gesellschaftに買収された。この造船所は今日、ドイツの投資家のLars Windhorstに所有される会社に支配されている。この人物は次に、2019年にFlensburgerを破産の瀬戸際から救っている。

本日の申請で、ドイツの造船部門の統合は、終わりそうもないものと思われる。(Seatrade Cruise News: Jan 10, 2022)

エジプトでトラックがフェリーから滑り落ちてナイル川に落ち、2人死亡(エジプト)

カイロ発。小型トラックがフェリーから滑り落ちてナイル川に落ち、乗っていた少なくとも2人が死亡、8人が行方不明になっている、と火曜日、エジプトの当局者が話した。

事故は、月曜日、カイロの少し郊外で発生したもので、ギザ州のMonshat el-Kanaterの町で起きた、と検察庁は声明文において述べた。声明によると、運転手はトラックの制御が取れなくなり、一方、無免許のおんぼろフェリーは、川を横断していたという。

このトラックは、子供を含む24人の労働者を乗せており、働いていた農場から自宅に戻るところだったという。14人が救助され、救助隊員らは未だに行方不明者を捜索しているところだという。当局者は、トラック運転手と3人のフェリー労働者を逮捕し、このフェリーの船主を探しているところだ、と声明にはあった。

フェリー、鉄道、そして自動車事故は、主として貧弱な保守と規制の欠如のために、エジプトではよくある。(The Intelligencer: Jan. 11, 2022 5:28 a.m.)

NorwegianとRoyal Caribbean、予定されたクルーズの中止を発表(米国)

今週、南極クルーズの他、アルゼンチン沿岸とチリ沿岸での旅行を始めるものと見られていたNorwegian Cruise Lineは、驚くべきことに、同社の世界的な計画を予定変更を余儀なくさせているcovid-19関連の状況により、今シーズンの南米運航を中止すると発表した。

Norwegianの発表によると、現在、11日間パナマ海峡クルーズを行っているNorwegian Pearlを含む8隻での航海も中止するという。乗客に送られた手紙の中で、Norwegianは、船員の中で、数人のCovid-19陽性例が判明していることを指摘していた。乗客は全額返金を受けることになり、2023年5月31日までのいかなるクルーズでも使用可能な、支払ったクルーズ料金の100%相当の再予約優待が利用できるという。

Norwegian Getawayは、キュラソー島、アルバ島、ドミニカ共和国に寄港する9日間カリブ海旅程を航海することになっていたが、中止となった。しかしこれが全てではない。「health and safety of guests, crew and communities we visit(=お客様、船員、弊社が訪問している共同体の健康と安全)」を引き合いに出して、Norwegianは、Norwegian Sky、Pride of America、Jade、Star、Sun、Spiritを含む追加船の航海を中止した。

乗船日が2022年2月25日までのNorwegian Skyの全クルーズ
乗船日が2022年2月26日までのPride of America Hawaiiの全クルーズ
乗船日が2022年3月3日までのNorwegian Jadeの全クルーズ
乗船日が2022年3月19日までのNorwegian Starの全クルーズ
乗船日が2022年4月19日までのNorwegian Sunの全クルーズ
乗船日が2022年4月23日までのNorwegian Spiritの全クルーズ

他のクルーズ客船会社であるRoyal Caribbeanは、Covid-19のため、今週、予定を大変更したが、4隻の船が影響を受けている。

Vision of the Seasは、今や2022年3月7日まで復帰しない。
Serenade of the Seasは、今や2022年4月2日に終える乾船渠への入渠まで復帰しない。1月8日から3月5日までの全航海は中止。
Jewel of the Seasは2月20日まで復帰せず、1月9日から2月12日までの全航海は中止。
Symphony of the Seasは、今や1月29日に復帰し、1月8日から1月22日までは中止。

「弊社お客様が長らく待ち望まれていた休暇を中止しなければならないことは、残念です。忠誠心とご理解に感謝いたします。弊社の最優先事項は、常に弊社お客様、弊社船員、そして弊社が訪問する共同体の幸福であります。」とRoyalは話した。(MercoPress: Tuesday, January 11th 2022 - 13:37 UTC)

DSME、Hyundai Heavyとの合併をしくじり、新たな所有者を探す(韓国)

Daewoo Shipbuilding & Marine Engineeringは、EU(=ヨーロッパ連合)が独占の懸念から拒否権を行使したために、より大きな競合他社のHyundai Heavy Industriesとの合併計画をしくじり、再び新たな所有者を探している。

European Commission(=ヨーロッパ委員会)は木曜日、この取引は、エネルギー価格の高騰の中で、世界的なLNG(=液化天然ガス)運搬市場における競争を逓減させる可能性があると主張して、当該合併を禁止すると発表した。

遡って2019年、Hyundai Heavyは、最大株主であるKorea Development Bank(=韓国産業銀行)から2兆ウォン(16億8000万ドル)で、Daewoo Shipbuildingの持ち分の55.7パーセントを買収すると発表した。この合併で、儲かる世界のLNG船市場だけで、60パーセント余の市場占有率を有する、世界最大の造船所が創設され得ることになった。競争国、6か国の反トラスト(注、独占禁止)規制当局は、この取引に対する独自の再調査を開始し、これまでに中国、シンガポール、カザフスタンを含む3か国は、この取引を承認していた。

Hyundai Heavyは、市場占有率は入札を基礎にする造船業においては鍵となる要因ではなく、数字は常に新たな入札の結果、変動すると言って、このEUの決定に対し遺憾の意を表明した。同社は、ヨーロッパ委員会に対する不服申立てなどの対抗手段を検討していると付け加えた。しかしEUの拒否権で、世界最大の造船市場である2社は、この合併契約に向けた反トラストの申し立てからは手を引くと述べた。

一方、国営のKDB(=韓国産業銀行)は、同社の新たな所有者を探す努力を継続すると話した。「民間所有者が、同社を根本的に正常化させるためには必要だとする我々の立場は、変わっていない。」と木曜日、関連省庁により共同で発表された声明において、政府は述べた。

Samsung Heavy Industriesは、可能性ある買い手の1社であると引き合いに出されているが、この造船業者も、2020年まで6年間連続して営業損失を記録しており、財政難に直面している。そして、この造船業者との合併は、競争国による反トラストの精査からは自由ではない。受注に基礎を置く造船市場は、世界経済に極めて敏感であることから、買収取引は巨額の財政負担となり得るため、業界外から新たな所有者を探すことは、時間がかかるかもしれない、と業界観察者は話している。

政府は早ければ今月、DSMEの競争力強化のための計画を公表するものと見られている。債権者は既に、この問題を抱えた造船業者の財政支援を、本年度末まで延長している。

朝鮮(注、韓国)は、Hyundai Heavy、Samsung Heavy、そしてDaewoo Shipbuildingという世界3大造船業者の本拠地。(The Korea Herald: Jan 14, 2022 - 15:58)

五大湖のフェリー、SS Badgerが塗装作業を終え、ミシガン州に戻る(米国)

SS Badgerは帰って来た。

このフェリーは、美容整形(注、塗装)のためにウィスコンシン州にいたが、今週、ラジントンに戻って来た。WPBN/WGTU-TV(注、地方テレビ局)によると、この船は、バジャー(注、船名であると同時に、ウィスコンシン州人、アナグマの意も)にとっては適切な場所であるウィスコンシン州のスタージョン・ベイに、検査と塗装のため、11月以来、停泊していたという。テレビ報道によると、この保守作業では、約800ガロンの塗料を使い、1ダース(注、12人)以上の作業員と12日間を要したという。

Badgerは、1952年に建造・就航したもので、五大湖で旅客運航を行っている。この4時間、60マイルのクルーズでは、旅客、自動車、自動二輪車、自転車、そして商業トラックを、6月半ばから10月半ばまで、ラジントンとウィスコンシン州マニトウォク間のミシガン湖を横断して運んでいる。本船は、William C. Gaynorによりラジントンに曳航されてきた。

SS Badger(=汽船バジャー)

Badgerは1952年建造・就航で、五大湖で旅客運航を行っている。
長さ:410フィート6インチ
幅:59フィート6インチ
高さ:106フィート9インチ(7階建)
重さ:排水量6,650トン(注、総トン数(容積)の誤りか)
平均速力:時速18マイル(Detroit Free Press: Jan. 14, 2022)

2隻目のクルーズ船がホノルル港に寄港するも、乗客は下船できず(米国)

パンデミック(注、国境を越えた大流行)開始以来、到着することになっていた2隻目のクルーズ船が、今週、ホノルル港に寄港したが、港にいる間にクルーズ幹部が港との合意を得るまで、乗客は当初、下船が許されなかった。

The World Residences at Seaは、本質的には洋上分譲住宅だ。乗客は約1年間、同じ船に乗って世界旅行している。ハワイへの初旅行で、火曜日の朝、Pier 2(=第2埠頭)に接岸した。しかし港との合意書を用意していなかったため、乗客は同船から降りることができなかった。

The Hawaii Department of Transportation(=ハワイ州運輸省)は、同船は水曜日の夜に出発する予定だったが、下船の許可が得られたいのならば、延期するよう求めた。

The Worldは、次の寄港地がマウイ島のラハイナだったが、別の船がPier 2を利用する予定だったことから、金曜日までにホノルルを離れなければならなかった。しかし、このクルーズ船は、金曜日の午後に港湾当局者と合意できるようになった。乗客に下船の時間があるのかどうかは、不透明だ。

Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)は、1月15日に失効することになっている緊急命令の下で、クルーズ船に事業の再開を許可している。州政府は、なおも追加安全措置が必要になると話している。

The World Residences at Seaは、Carnival Cruise LineやNorwegian Cruise Lineと共に、ハワイ州で運航するための健康・安全手順を決めている。(Hawaii Public Radio: Published January 14, 2022 at 4:28 PM HST)

Genting Hong Kong、資金が尽き、清算申請するかも(中国・マレーシア)

香港発。Genting Hong Kong Ltdは、ドイツの造船子会社の支払い不能を受けて、浮かび続けるための資金の確保ができないことから、早ければ火曜日にも仮清算の申請を行うかもしれない。

この問題を抱えたクルーズ運航事業者は、「credible proposals for a solvent, consensual and inter-conditional restructuring solution(=支払い能力のある、合意に基づく、相互条件付き再編解決策に向けた信頼できる提案)」が得られなければ、バミューダの裁判所に仮清算の申し立てを行う予定だ、とGenting Hong Kongは、アジアの財政中心地(注、香港)の証券取引所に対する申請において述べた。同社株式の取引も、中止となった。

Genting Hong Kongの間接完全所有の造船子会社であるMV Werftenは、先週、ドイツの地方裁判所に支払い不能の申し立てを行った。これは、ドイツ当局者とGentingとの間での口論の最中にあった救済会談が、MV Werftenの崩壊と1,900人の可能性ある雇用喪失について、両者が相手側に責任があるとしたために失敗に終わったのを受けて、出てきたものだ。

この香港のクルーズ会社は、投資家に対し、合計27億8000万米ドルに上るクロス・デフォルト(注、ある債務の債務不履行が、他の債務の債務不履行になること)が発生することになるかもしれないと警告した。

Genting Hong Kongの経営状態は、Covid-19が旅行需要を消し去り、クルーズ運航が世界的に停止したのを受けて、悪化した。このため、同業界は相次ぐ再編や債務不履行に見舞われることになった。同社は、どこへも行かないクルーズの傾向において「seacations(=シーケイション、注、洋上休暇の意)」を提供していたが、去年5月には、17億米ドルの記録的な損失を計上していた。この最新の展開は、パンデミック(注、国境を越えた大流行)が始まって以来、最も厳格なウイルス規制の何がしかを香港が再び課したことから起きたものだ。

Genting Hong Kongは火曜日、ドイツの裁判所が、MV Werftenが8800万米ドルの命綱を利用できることになる申請を拒絶したと話した。「弊社は、資金調達について、関連取引先との交渉をするための、責任ある全ての努力を果たしたと考えております。」とGenting Hong Kongは声明において述べた。「暫定清算人の任命は不可欠であり、財務再構築を成功させる機会を最大限にして、請求に対する支払い猶予を行い、債権者による無秩序な会社清算の回避を求める、弊社、弊社株主、そして債権者の関心事であります。」と付け加えた。

これとは別に、Genting Hong Kongは、Alan Smith、Lam Wai Hon、AmbroseとJustin Tanが、独立非業務執行取締役を辞任し、同社の監査、報酬・指名委員会の委員を辞めたと述べた。(FMT: January 18, 2022 12:16 PM)

Crystal Cruisesの親会社のGenting HK、清算申請へ(中国・マレーシア)

Crystal Cruisesの所有者、Genting Hong Kongは、清算申請を行うことになりそうだ。

ドイツの裁判所が、Genting HKが以前は合意したと言っている8800万ドルの財政支援の要求を拒否した。土壇場の救済を失い、申請を進めることになった。

「関係取引先との契約上の義務の統合が不調に終わったことから、グループの流動性資産において、即時に大きな隔たりが生じました。」と過半数を保有するLim Kok Thayは話した。「弊社は、責任ある全ての努力を行ってきたと考えております。」

Genting HKのMV Werftenというドイツにおける造船事業は、今や支払不能となっている。しかしドイツの当局者は、新たに提案された財政計画をGenting HKが拒絶したことを非難している。

「取締役会では、暫定清算人の任命は不可欠なものであり、弊社、弊社株主、債権者の利害において、成功の機会を最大にするためのものであると考えております。」とLimは話した。

MV Werftenは、同社の3社あるクルーズ客船会社用の社内造船業者。Genting Cruise Lines部門は、アジアに本拠を置くDream CruisesとStar Cruisesの他、Crystalを経営している。Genting HK株は、先週、56%の沈没だった。

Limは、マレーシアに本拠を置くGenting Bhdも保有しており、ここはラス・ベガス、フィリピン、連合王国(注、英国)を含む世界中にカジノ・リゾートを保有している。(Travel Mole: Tuesday, Jan 18, 2022)

Incat Tasmania、Daezer向け高速フェリー建造へ(オーストラリア・韓国)

オーストラリアに本拠を置くIncat Tasmaniaは、high-speed craft(=高速船)(HSC)の双胴フェリーの製造で知られている会社だが、南朝鮮(注、韓国)のDaezer Construction向けの新しい高速フェリー1隻の建造契約を獲得した。

このIncatの76メートルの高速船の建造作業は、既に始まっている。新しいフェリーは、長さ76.7メートル、幅20.6メートルで、喫水は2.35メートルとなる。Revolution Design(注、「革命設計(意匠)」の意)を目玉とし、浦項(=ポハン)と鬱陵(=ウルルン)島の間をDaezerの下で航海する。載貨重量が175トンのフェリーは、貨物を248平方メートル積載することが可能だ。船員を含む乗客990人を収容し、45ノットの速力で航海する。本船は、2023年第1四半期に引き渡される見込み。

Incat Tasmaniaは、Sunflowerと命名されたIncat船体番号037番を、1995年に南朝鮮(注、韓国)に第一船として引き渡していた。(中略)

2019年、Incat Tasmaniaは、111メートルの新船を就航させたが、これはスペインの会社、Naviera Armas向けに、ホバートのPrince of Wales Bay造船所で開発されたものだった。(Ship Technology: January 18, 2022)

Crystal Cruises、4月まで運航停止へ(米国)

Crystal Cruisesは、4月29日まで、2隻の遠洋船と1隻の探検船の運航を停止し、リバー・クルーズは、5月末まで維持する。

「これは極めて困難な判断でございましたが、現在の事業環境と弊社親会社の最近の進展において、賢明なものであります。」とCrystalのpresident(=社長)Jack Andersonは語った。「Crystalは、30年以上にわたり豪華クルーズの代名詞となっており、弊社が運航を再開する際に、弊社の大切なお客様を再びお迎えできることを心待ちにしております。この進行中の手腕を試される時において、信じられない位のご支援をしてくださったことに、お客様と旅行アドバイザー(注、旅行代理店)の皆様に感謝いたします。」

このニュースは、親会社のGenting Hong Kongが本日、1月末までに現金が枯渇することになることに言及して、清算することを発表したことに引き続いて出てきたものだ。

Genting Hong Kongは、Crystal、Star、そしてDream Cruisesという商標を所有している。同社が所有するMV Werftenという造船所は、今月これまでに、支払い不能を発表していた。「運航停止で、Crystalの経営陣には、現在の事業状態を評価し、前進するための様々な選択肢を吟味する機会が与えられることになります。」とCrystalは、顧客と旅行代理店に送られた声明文において述べていた。

Crystalの3隻の船は、現在、運航中で、Crystal SerenityとCrystal Symphonyはカリブ海を航海中で、Crystal Endeavorは南極におり、現在の航海を終えることになる、と同社は話した。

Crystal Symphonyの現在の航海は、1月22日にマイアミで終了する。Crystal Serenityは、1月30日にアルバ島で現在のクルーズを終え、Crystal Endeavorは、アルゼンチンのウスアイアで、2月4日に終える。

連続航海に乗船する乗客には、Crystalは、付随する港湾料、税、手数料の他、支払い済みのクルーズ料金の未使用日相当額を返金する。Crystalは、影響を受けた予約で、支払い済みのクルーズ料金の全額を返金する。返金は、元の支払い形式に対し、自動的に行われる。したがって、客の側は何もする必要はない。もしこのクルーズが、Future Cruise Payment or Creditにより支払われた場合は、全額がCrystal Societyのプロファイル・アカウント(=口座)に返金されることになる。

豪華クルーズ市場の完全破壊については、Cruise Industry NewsによるLuxury Cruise Market Report(=豪華クルーズ市場報告)を参照してください。(Cruise Industry News: January 19, 2022)

世界初の無人運航船、日本で初走行を終える 22週間情報収集(日本)

プレス・リリースによると、世界初の完全自立船舶(注、無人運航船)航海システムの実証実験が、1月17日に日本で成功裏に行われたという。

この大型フェリーは、日本の伊予灘で、26ノット(時速30マイル、時速48キロ メートル)の速力で、149海里(240キロメートル)に亘って自立航海し、この航海の最後には接岸作業も実施した。

この実証に利用された技術は、Nippon Foundation(=日本財団)(注、三菱 重工の誤り)の子会社のMitsubishi Shipbuilding(=三菱造船)により開発されたもので、Shin Nihonkai Ferry Somany(注、Shin Nihonkai Ferry(= 新日本海フェリー)の誤り)の長さ728フィート(222メートル)の車両積載 フェリーのSoleil(=それいゆ)が使用された。

この実証は、Nippon FoundationのMEGURI 2040という完全自立船舶航海システムの一環。Nippon Foundationは、MEGURI 2040プロジェクトを2020年2月に開始し、今後3か月間に亘って、自立航海システムの実験と実証を行う計画だ。

「これが、実用的用途に向けた更なる開発に結び付くことを期待します。まだ解決すべき多くの問題がありますが、本日の結果が、完全自立船に向けた国際的な規則の創設に向けた指針となるものと信じています。」とDirector of the Nippon Foundation(=日本財団常務理事)のMitsuyuki Unno(=海野光行)は語った。

この実証実験で、Executive Vice President of Mitsubishi Shipbuilding(=三菱造船株式会社常務執行役員)のNaoki Ueda(=上田直樹)によると、人工知能を含む多くの先端技術を使用する完全自立船舶航海システムの開発が大いに加速されたという。「我々は、島国である日本の海上輸送を支える上で重要な役割を果たしている旅客フェリーの、安全で高品質の サービスを達成するために得られた貴重な知見を利用して、技術の開発を継続して参ります。」と付け加えた。

Soleil(=それいゆ)は、昨年7月1日に就航して以来、Super Bridge-Xという 自立航海システムが、航路上で情報を収集する中、人間の乗組員1人により操船され、7時間、航海していた。

Executive Director of Shin Nihonkai Ferry(=新日本海フェリー株式会社代表取締役常務取締役)のMasami Sasaki(=佐々木正美)は、完全自立船舶航海システムの開発に関わることができて光栄であると話し、次のように付け加えた。「一旅客フェリー会社として、弊社は、人為的なミスや船員の労力節約を含む問題の解決策として、完全自立運航の社会的応用や広範な利用に、大いに期待をしております。」

人間の介入の必要がない、より自給自足的な船舶を作る競争は、自律走行車ほ ど激烈なものではないが、豪華自動車製造業者のRolls Royceは、2025年までに乗船する人間を必要としない完全自立貨物船の船隊を開発すべく、Intelと共同作業をしている。

一方、遡ること2019年、IBMは自立船のMayflowerを使って大西洋を横断しようとしたが、小さな技術問題のために失敗していた。(INTERESTING ENGINEERING: Jan 19, 2022)

燃料供給者、Crystal Cruisesの船舶の差し押さえ令状、確保(米国)

シンガポールに本拠を置くPeninsulaは、Crystal CruisesのCrystal SymphonyとCrystal Serenityの未払い燃料請求書の210万ドルと、Star CruisesのSuperStar Libraの130万ドルを主張している。全ての船は、Genting Hong Kongの船隊のもの。SuperStar Libraの請求書は、2017年に遡るものだ。

US District Court Judge(=合衆国地方裁判所判事)のDarrin Gaylesは、金曜日に差し押さえ命令を出した。

ビミニ島で停止

Crystal Symphonyは土曜日、PortMiami(=マイアミ港)に戻ることになっていた。ここで当面、運航を中止することになっていた。ところが乗客には、このバハマ船籍の船は、Gentingがリゾートとクルーズ停泊地を保有するビミニ島に、代わりに向かうことになると伝えていた。そこから日曜日に、フォート・ローダーデールに移送されることになる。Seatrade Cruise Newsは、今日これまでに、確認を求めてCrystalと連絡を取ったが、これ以上のことは聞けなかった。

この2隻のCrystalの船は、水曜日に同社が発表したように、運航を停止する予定になっており、Crystal Serenityは、1月30日にアルバ島で下船させる予定で、Crystal Endeavorは、2月4日にアルゼンチンのウスアイアで、その南極探検を終えることになっている。川船は、既にヨーロッパで係船している。Genting HKの暫定清算人は、バミューダで木曜日にあった法廷審問で承認されている。

その他の債権者

「マイアミの多くの利害関係者は、あらゆる選択肢を研究しているところだ。」と訴訟の提起を行うことになる別の債権者は、Seatrade Cruise Newsに語った。(Seatrade Cruise News: Jan 21, 2022)

共同暫定清算人がクルーズ運航事業者に予定(バミューダ)

共同暫定清算人が、Genting Hong Kong Limitedの債務再編を支援すべく、バミューダのSupreme Court(=最高裁判所)によって指名された。

Puisne Judge(=陪席判事)のShade Subair Williamsは昨日、バミューダに本拠を置くハミルトンのReid Street(=リード街)にあるR&H Services LimitedのAlex Whittaker、香港のAlvarezとMarsalのEdward MiddletonとTiffany Wongを、JPLs(=共同暫定清算人)として指名した。Justice(=判事)のSubair Williams夫人は、Gentingを代理する火曜日に裁判所に清算の申し立てを行った申立人であるLilla Zuill弁護士からの聴聞を経て、命令を出した。

この命令は、これら共同暫定清算人に、同グループの財務負債の再編の進展・過程において、債権者との妥協や斡旋の他、同社が継続企業として継続できるよう、同社を円滑に支援する権原を与えるものだ。

また、Genting CFO(=最高財務責任者)のChris Chanによる宣誓供述書における証拠を確定する。これには、財政的に敏感な機密情報も含まれる。

Zuill女史は、共同暫定清算人の指名のために召喚された聴聞手続において、裁判所に対し、再編は「better outcome for creditors than a liquidation(=清算よりは、債権者にとって、より良い結果となる)」だろうと語った。同グループの未払債務の52パーセントを抱える債権者の特別グループが、共同暫定清算人の指名を支持した、とZuill女史は付け加えた。

2020年の初め、Zuill女史は、背景事情として、同グループは堅実な収益があり、拡大計画があったが、その後「severely impacted by the Covid-19 pandemic(=Covid-19のパンデミックによる大きな影響を受けて)」きたと話した。

Gentingは、1993年にマン島で設立され、2000年にバミューダで継続してきた。この持株会社は、バミューダ、英領バージン諸島、マン島、香港、マルタ、ドイツ、連合王国(注、英国)、そして合衆国に子会社を保有している。同グループの事業には、クルーズ客船会社3社、総合旅行・娯楽権益、造船所、そしてフィリピンのリゾートが含まれる。

Zuill女史は、ドイツにおける最近の支払い不能申請の影響は、「trigger for the application made this week(=今週なされた申請の引き金となり)」、同社が「inability to access some funds it previously expected to draw down and has created a cash crunch for the company(=以前は引き出すことになるものと見られていた何がしかの資金に接近不能となり、同社の財政危機を作り出した)」結果になったと説明した。(The Royal Gazette: Updated: Jan 21, 2022 11:07 AM)

ブレグジットで、ダブリン港のトラック貨物の記録急減、「陸橋」航路は終わる(アイルランド・英国)

新たな数字が、英国の港とのトラック輸送の劇的な落ち込みを示している中、ブレグジット(注、英国のEU離脱)は、英国の「landbridge(=陸橋)」通過航路の終わりを告げた、とDublin Port chief executive(=ダブリン港最高責任者)のEamonn O’Reillyは話した。

英国のEuropean Union(=ヨーロッパ連合)からの離脱に引き続いて、昨年に始まった新たな国境管理の導入で、企業がブレグジット後のお役所仕事を避けるため、ヨーロッパ本土に行く直行フェリー航路に切り替えたことから、Dublin Port(=ダブリン港)を通過する道路貨物輸送量が急減した。

2021年度のDublin Port Companyを通過した貨物量の通年の数字は、かっては「landbridge(=陸橋)」として好まれていた英国を横切って、ヨーロッパ本土間を往来する航路に対するブレグジットの影響を明らかにしている。

この国内で最も忙しい港(注、ダブリン港)は、99,000台のトレーラーに相当するロール・オン、ロール・オフ(ro-ro)ユニット数が、昨年、9パーセントの落ち込みを記録し、一方でリフト・オン、リフト・オフ(lo-lo)ユニットは、より多くの貿易業者が、ヨーロッパに直接商品を船で送ることを求めていることから、10.2パーセント、すなわちコンテナ43,000個の増加だった。

この年、より多くの貿易業者が、運転手同伴のトレーラーよりも、コンテナによって我が国(注、アイルランド)から商品を船を使って輸出入することを選択したことから、トラック輸送の減少の大半は、ダブリン港を通過する運転手同伴のトレーラー数が、90,000台に減ったことによるものだ。

ダブリンとホリーヘッド

運転手同伴のトレーラーの減少で、主としてダブリンとホリーヘッド間、リバプールとヘイシャム間の航路で、取扱量が187,000台、21パーセント落ち込んで、703,000台になっていた。

「陸橋は失われました。二度と浮上はしません。そうなるとは思っていましたが、私の心の中には、再び浮上することになることを示唆するものはないのです。というのは、英国は未だに輸入管理を導入していないからです。陸橋が回復するかは判りません。」とO’Reilly氏は話した。

この数字は「change in the fiscal structure of the market(=市場の財政構造における変化)」を記録したものであり、ロスレア港とベルファスト港で貨物量が増えているのを見ているアイルランドと英国間、そしてアイルランドとヨーロッパ本土間の貿易分配における「a reset(=1つのリセット、注、初期化)」を記したものだと語った。

ダブリン港を通過する総貨物量は、5パーセント落ち込み、英国の貨物ユニット(注、コンテナ)量は214,000個減少し、一方で、EU本土の港湾との量は、158,000個増加している。

同港(注、ダブリン港)を通過したトレーラーとコンテナの数は、56,000個、すなわち3.8パーセント減少して、140万ユニットだった。英国航路は、2021年に140万ユニットの52パーセントだったが、前年の同港を通過した150万ユニットの64パーセントからは、減少した。

O’Reilly氏は、ダブリン港は、北アイルランドとアイルランド共和国から、「looser border controls than they face in Dublin(=ダブリンが直面しているものよりは緩やかな国境管理)」がなされている北部の港への輸送量を失っていると話した。

英国のブレグジット後の国境管理の導入は遅延しており、一方、EUと英国は、英国がヨーロッパ連合から離脱した後で、英国から北アイルランドに移動する商品を網羅する貿易規則であるNorthern Ireland Protocol(=北アイルランド協定)の運営を巡る違いを解決しようとしている。

O’Reilly氏は、今年後半の英国側でのブレグジット後の国境管理の導入は、ダブリン港には大きな影響を与えることにならないことに「reasonably optimistic(=かなり楽観的)」だが、その結果として、同港を通過して英国への輸入が増加することは期待できないと話した。

昨年第4四半期の貨物量は、「people rushed to get stuff onto the ships before Brexit(=人々がブレグジット前に急いで物品を船に積み込んだ)」ことから、2020年の最後の数か月間に、ダブリン港を通過した商品輸送量が急増し、前年同一四半期の10パーセントの減少だった、と話した。(THE IRISH TIMES: Fri, Jan 21, 2022, 04:55)

Dream Cruisesの予約エンジン、オフラインに(中国・マレーシア)

Dream Cruisesは、土曜日の朝現在、将来の航海が一覧に掲載されておらず、予約できないことから、予約エンジン(注、ソフトウェアなどの予約のシステム)がオフライン(注、非直結)になったものと思われる。

親会社のGenting Hong Kongは今週これまでに、現金が枯渇することになると警告した。姉妹商標のCrystal Cruisesも、最近、運航を中止した。

Gentingは、アジア人乗客を対象にした高級クルーズ客船会社で、ここの旗艦であるDream Cruises商標は、運航する意向だと話していた。同社は、今年から運航を開始することになっている3隻の船からなる船隊を保有していた。World Dreamは、シンガポール発の短距離クルーズを航海しており、Genting Dreamは、香港発の航海、Explorer Dreamも、台湾で営業航海を行っていた。(Cruise Industry News: January 22, 2022)

Royal Caribbeanの船、船上で死者が出てマイアミ港に戻る(米国)

マイアミ発。洋上のRoyal Caribbeanの船(注、Oasis of the Seas)で死者1人が確認された。日曜日にPort Miami(=マイアミ港)に戻った。乗客はLocal 10 Newsに対し、この死亡には気が付いており、医療的症状の結果だったと聞いていると話した。

同船は、乗客をちょうど5,000人以下にして出航し、Atlantis Cruisesという毎年恒例の貸し切りクルーズ行事(注、ゲイ・クルーズ)の30周年を祝うために入港していた。(WPLG Local10.com: January 23, 2022, 6:16 PM)

報道:Genting HK最高経営責任者、 Lim Kok Thay、クルーズ事業清算申請から数日後に辞任(マレーシア)

1月24日、クアラ・ルンプール発。Genting Hong Kongのchairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)のTan Sri Lim Kok Thayは、最大のアジアの企業の1つが、これまでにCovid-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)の被害を受けているように見える中で、事業の清算申請を行い、その数日後に辞任した。

Bloombergによると、Limの辞任は、証券取引所への文書提出において発表していたように、1月21日から発効したという。この同じ報道では、同社のdeputy CEO and president (=副最高経営責任者兼社長)のAu Fook Yewも、辞任していると述べていた。この2人は、取締役会との紛争のため、辞任していなかった、と付け加えていた。

先週、世界的なパンデミックに突入して2年以上も経て、Genting Hong Kongは清算することになったと報じられていた。これより先に指摘されていたことは、合衆国の当局者が、フロリダ州マイアミで、未払いの燃料請求書を巡って、同社船の1隻を差し押さえるために準備していると伝えられているというニュースで、何がしかのクルーズのオンライン予約が中止にもなった、というものだった。

昨日、シンガポールのStraits Times (ST)紙の記事は、マレーシアの銀行3行の利益が、このクルーズ運航事業者の災難の結果、大打撃を受けることになったと報じた。STは、Genting Hong Kongの6億米ドル(25億マレーシア・リンギット)の複合的なリスクを負う主要無担保債権者に含まれると言って、この銀行は、Maybank、CIMB、そしてRHBであると名指した。

Genting Hong Kongの清算申請は、6億8800万米ドルの命綱がドイツ政府によって取り消されて、ここのドイツの造船子会社であるMV Werftenが支払い不能になって、ちょうど1週間後のことだった。これはその後、27億米ドル以上にも上る、グループ全体の様々な金融取り決めのクロス・デフォルト(注、ある契約の債務不履行事由が、他の契約の債務不履行を引き起こすこと)を引き起こしたのだった。

Genting Hong Kongでの騒ぎは、ゲームの大立者であるLimの、マレーシアやシンガポールにおけるその他の事業の、いかなる深刻な問題も、もたらすものとは見られていない。Bloombergによると、投資分析者は、Genting Hong Kongの76パーセントの権益を有するLimは、香港での経営を救済すべく、自分のより高収益の企業に取り掛かることができると推測しているというが、Genting Groupの所有権を有する未公開株式投資会社幹部は、それはありそうもないと語った。(Malay Mail: Monday, 24 Jan 2022 01:33 PM MYT)

MSC Cruises、ITA Airways買収提案により航空に進出計画(スイス・ドイツ・イタリア)

MSC Cruisesは、Lufthansaと組んで、ITA Airwaysの買収計画により、航空産業に拡大することを検討している。

この航空会社は昨日、MSCとLufthansaがITA Airwaysの過半数の持ち分を買収すべく、Expression of Interest(=関心表明)を示したことを確認した。イタリア政府は、現在この航空会社を保有しており、MSCとLufthansaは、いかなる企業買収においても、過半数の持ち分を獲得することを望んでいると話したと報じられている。この両社は、本提案に関する作業を独占的に行うための90日間を求めている。この提携の正確な本質は、この適正評価手続き中は、依然として概略しか判らないことになる。

声明において、ITA Airwaysの広報担当者は、次のように話した。「ITA Airwaysでは、最近数か月間、弊社にとって最高の可能性を提供することになるこの作業がなされたことで満足しております。弊社は、見込まれる結果に向けて開始し、旅客輸送と貨物輸送の双方において国際的な名声を有する提携者にとって、弊社が成長可能なものとして認識されることになります。」

「Board of Directors(=取締役会)では、来るべき取締役会において、この関心表明の詳細を吟味いたします。」(DFNI Frontier: January 25, 2022)

Genting Hong Kongのクルーズ船災難とは別にGentingのモノレール協議は転がって行く(米国)

彼らは会長と大株主を共有しているが、マイアミ・デイド郡のモノレールの協議の中心にあるGentingの法人は、クルーズ船の1隻を差し押さえる裁判所命令が出ている非常に多くの財政負担に直面している別のGentingの会社の清算という面倒な事態になるとは見られていない。

Genting Hong Kongは、COVID-19のパンデミック(注、国境を越えた大流行)中に、世界のクルーズ産業に打ち寄せた騒動の間に現金が枯渇し、清算の準備をしている倒産会社だ。

その資産の1つである「fugitive(=逃亡中の)」Crystal Symphonyというクルーズ船は、未払いの燃料請求書を巡って、連邦判事によって発行された令状により合衆国の係官が差し押さえる準備をしているマイアミに向かうよりは、むしろビミニ島の沖でぶらぶらしている。

先週まで、Genting Hong Kongは、Genting Berhadと同じLim Kok ThayをCEO(=最高経営責任者)にしていた。Genting Berhadというカジノ会社は、彼の親族がマレーシアに設立したもので、ここはResorts Worldという一連のカジノ等を所有している。

Resorts Worldは、マイアミの海岸の土地も所有しており、ここでは同社とその提携者が、2020年にマイアミ・ビーチに向かうモノレールの駅を建設する提案をしていた。見返りに、同郡から年間6000万ドルを得て運行するというものだった。

Limは、1月21日にGenting Hong Kongを辞任したが、ビスケーン湾に沿ってマイアミとマイアミ・ビーチを結ぶことになる民間鉄道輸送計画の中心にある複合企業、Genting BerhadのCEOには留まっている。

Genting Malaysiaの子会社であるGenting Berhadは、Resort Worldを所有している。パリに本拠を置く投資会社のMeridiamを含む団体であるモノレールの提携者の代表は、Genting Hong Kongの清算によるリスクはないと話している。

「Genting Hong Kongs(とその子会社)の経営は、財政的にも、その他においても、Resorts World Miamiやモノレール計画に対し、影響を与えていません。」とMeridiamのsenior investment director(=上級投資主任)のDamien Koloskyは、火曜日に同郡の行政官に宛てた電子メールにおいて述べていた。「Genting Hong Kongは公開会社であり、Genting Malaysia Berhad、あるいはそのResort Worldという資産の子会社でも、法人でもありません。」

Crystal CruisesとResorts Worldの双方は、Biscayne Boulevard(注、「ビスケーン大通り」の意)に面した、Hiltonホテルや、かってはOmniというショッピング・モールだった商業センターが含まれる、Genting Berhadが所有する複合施設の同一階で、マイアミ事務所を運営している。

4年近く前、香港のCrystalのクルーズ船で、Limは、当時のMayor(=市長)Carlos Gimenezや郡の委員をもてなして、マイアミに計画したリゾートとマイアミ・ビーチを結ぶことになる提案された輸送鉄道におけるGenting Berhadの権益を議論した。この香港での2018年の会合から約1年後に、Gentingと提携者は、1つの提案を提出したが、これは同郡の入札手続きの基礎となった。

この競争手続きは、2020年にGentingと提携者が郡に提出した財政概要によると、建設に少なくとも5億8500万ドルの費用が見込まれる郡の事業に、僅か1社の入札があって、終了したという。今のところ、Gentingと提携者は、同郡の委員会の承認が必要となる開発取引に向け、Mayor(=市長)のDaniella Levine Cavaの政権と交渉中だ。

2020年秋に委員会が承認した輸送鉄道のための土地開発計画の暫定合意は、今年の春には失効するが、更に6か月間延長することが可能となっている。(Miami Herald: Updated January 26, 2022 8:41 PM)

Ambassador Cruise Lineが中古船購入(英国)

英国のクルーズ運航事業者、Ambassador Cruise Lineは、中古船1隻を購入した。Ambition(=アンビション、注、「野心」の意)と命名されて、2023年に運航開始する。

本船は、以前はAIDA CruisesのAIDAmiraとして航海していたもので、714室の船室に、最大1,200人の客を乗せる能力がある。714室のうち、125室にはバルコニーがあり、113室は最大62平方メートルの居住空間があるスィート。その他の船上の目玉となるものには、階段状の主劇場、カジノ、カード・ルーム、図書室、クラフト・スタジオ(注、手芸教室)、ウェルネス・センター(注、健康施設)、体育館、2つのプール、そして一連の売店がある。更に、本船には2つの主食堂と特別正餐の選択肢があり、ビストロ(注、フランスの居酒屋)風カフェ、酒場4つ、ラウンジ(注、休憩室)、そしてパブ(注、英国の居酒屋)が1つある。

就航に先立ち、Ambitionは、2022年4月に就航することになっている新しい姉妹船のAmbience(=アンビアンス、注、「雰囲気」の意)と同様の延長刷新工事を行う。

Ambassadorは、厳格に環境保護がなされている海域で船舶が航海することを可能にする最新のバラスト・下水処理システムを導入する。本船には、窒素排出を現在の水準よりも約95パーセント逓減させる技術を備えることにもなり、International Maritime Organization Tier III(=国際海事機関三次規制)水準に準拠することを確実にする。

「新しい商標、提案、そして弊社の第1船であるAmbassadorの市場への投入を温かく受け入れていただき、喜んでおります。」とAmbassadorのCEO(=最高経営責任者)のChristian Verhounigは語った。「Ambitionが船隊に加わるという発表は、Ambassadorとクルーズ部門の将来に対する、弊社の投資の自信と意欲の反映であります。」

Ambienceのように、Ambitionは連合王国(注、英国)のロンドン・チルベリー発の50歳以上の市場を主として対象にした飛行機を使わない航海提供する。加えて本船は、ニューカッスル、ダンディー、ベルファスト、リバプール、そしてファルマスといった地方の港を出発する航海を、2023年夏に行う。(後略)(Cruise & Ferry: 27 January 2022)

Royal Caribbean、新しいWonder of the Seasの引渡しを受ける(フランス・米国)

Royal Caribbean Internationalは、Wonder of the Seasの引渡しを受けた。

3年間の工事の完了を記念する船籍変更式が、提携造船所のChantiers de l'Atlantiqueにより、フランスのマルセイユで開催された。Wonderは、3月4日にフロリダ州フォート・ローダーデールで正式にお目見えして、カリブ海での7泊クルーズを開始し、その後、スペインのバルセロナに向かい、ローマに行って、ヨーロッパでの夏のクルーズを提供する。

Royal CaribbeanにWonderを迎えたのは、Royal Caribbean Group Chairman(=会長)のRichard Fain、Royal Caribbean Group President and CEO(=社長兼最高経営責任者)のJason Liberty、Royal Caribbean International President and CEO(=社長兼最高経営責任者)のMichael Bayley、そしてフランス、サン・ナゼールのChantiers de l'AtlantiqueのGeneral Manager(=総支配人)のLaurent Castaingだった。(後略)(Cruise Industry News: January 27, 2022)

Genting Hong Kongの子会社、Dream Cruisesが会社清算申請(中国)

Genting Hong Kongは、同社は子会社のDream Cruisesが会社の清算の申し立てを申請したと発表し、荒海の中を航海し続けている。

現在、山のような債務の支払い不能に直面しているGenting Hong Kongが、Dream Cruisesは「protect core assets and maintain value(=中核資産を保護し、価値を維持する)」ために運航を継続すると言ってからかろうじて1週間経って、同社は、同グループの暫定清算人の指名に引き続き、方針変更を余儀なくされている。

金曜日の申請において、Genting Hong Kongは、暫定清算人の指名が、Dream Cruises Holding Limitedやその他の子会社の全ての未払い債務類の更なる債務不履行や終了を引き起こしたと話した。

こうしたことから、Dream Cruisesの取締役会は、バミューダの裁判所に対して、会社清算の申し立てと、現在、親会社と作業しているのと同一の暫定清算人の指名を申請した。

しかしGenting Hong Kongは、「consensual restructuring(=合意に基づく再編)」が事業を最終的に沈没させるよりは望ましいという見方を維持している。これは「will present higher recoveries to all creditors and stakeholders compared to a value-destructive liquidation of the Dream Sub-Group, which is the likely alternative outcome.(=もう1つの結末となりそうなDream Sub-Groupの破壊的な清算よりは、債権者や利害関係人全員が、より多額の回収をすることができることになる)」という。

「Dream Sub-Groupの価値は維持されており、正式かつ最終的な清算のシナリオよりは、Dream Sub-Groupの債権者にとって、より良い価値を実現することになりそうなものを追求し得る取引がある。」

Dream Cruisesは、3隻の船がある船隊を自慢としており、シンガポール、香港、台湾から航海に出ている。

もう1つのGenting Hong Kongの子会社、Crystal Cruisesは、既に運航を中止しており、ここの船の1隻は、元々のフロリダ州の目的地でUS Marshalls(=合衆国の係官)により差し押さえられることを避けるため、航海中にバハマに進路変更することを余儀なくされていた。

別の申請において、Genting Hong Kongは、ここの最後に残っていたdirector(=取締役)、Chris Chan Kam Hingが、船から飛び降りた(注、辞任した)ことも発表した。Chanは、1月21日に辞任したChairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)の Lim Kok Thayを含む他の5人の元取締役の後に続いたのだった。(iag: Sun 30 Jan 2022 at 09:33)

Discovery Princess、Princessに正式引き渡し(イタリア・米国)

Discovery Princessは今日、イタリアのモンファルコネにあるFincantieri Shipyardであった引き渡し式で、正式に引き渡された。

Discovery Princessの引渡し式には、プレス・リリースによると、Princess CruisesのPresident(=社長)のJohn Padgett、Captain(=船長)のGennaro Arma、FincantieriのGeneral Manager Merchant Ships Division(=商船部本部長)のLuigi Matarazzoが出席したという。(中略)

Discovery Princessはイタリアを出発して、2022年3月27日から4月24日までの一連のメキシカン・リビエラとカリフォルニア沿岸航海をするため、ロサンゼルス港に向かう。その後、太平洋沿岸を北上して、シアトル発の7日間アラスカ・クルーズのシーズンを開始する。

客を3,660人乗せるDiscovery Princessは、Royal級の新造6番船であり、最終船で、姉妹船のEnchanted Princess、Sky Princess、Majestic Princess、Regal Princess、そしてRoyal Princessの豪勢さと贅沢さを共有する。(Cruise Industry News: January 31, 2022)

Carnival、株式売却・株式購入プログラム延長(米国)

2021年6月28日、Carnival Corporationは、「at-the-market(=成り行きで、時価で)」普通株を提供するプログラムを通じて、時折、合計5億ドルまでの価格で提供するBofA Securities(=BofA証券、注、バンク・オブ・アメリカ)という機関を通じて普通株を提供し売却することになる旨、United States Securities and Exchange Commission(=合衆国証券取引委員会)に、追加趣意書を提出した。

Previous Announcement(=事前発表)で述べられていたように、Carnivalは、多くのCarnival株の購入を申し込んで、残った純利益を使用し、もし一般法人目的のために提供することがあったならば、そうすることで、純利益を利用する意思があると話していた。事前発表では、Share Purchase Program(=株式購入プログラム)は、2022年1月31日までに終了する見込みだと述べていた。

今日、Carnival Corporationは、2022年4月30日まで、同一条件で、株式購入プログラムを延長すると発表した。(Cruise Industry News: January 31, 2022)