2019年6月

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2019年6月の海外旅客船情報

クルーズ定期船がベニスの埠頭に突っ込んで観光客が避難(イタリア)

MSC Operaが埠頭に突っ込んだ際に警笛を鳴らしたが、小型の観光船「Michelangelo(注、「River Countess」の誤り)」に突っ込んだ時、4人が怪我をした。

イタリアのメディアは、今朝午前8時30分に、ジュデッカ運河のサン・バジリオ埠頭で、恐ろしい出来事があったことを報じた。最初、埠頭の観光客らは、この巨大船からゆっくりと離れただけだったが、明らかに止まりそうもなかったことから走り出したのだった。衝突の耳をつんざくような音が、この船の船体がコンクリートに接触して、30秒間続いた。この動画では、すすり泣く声が聞こえるが、観光客はこの恐ろしい試練で、明らかに衝撃を受けていた。

伝えられるところによると、MSC Operaは、2隻の曳船によってこの運河を曳航されていたが、サン・バジリオ埠頭で、何か深刻な間違いが生じたのだった。

Michelangelo(注、「River Countess」の誤り)は、係留中に船尾側をぶつけられた。この小型船の乗客は、船が上から押さえつけられたことから、必死になって海に飛び込んだ。この出来事で、人がギャングウェイ(注、連絡通路)からも海に落ちた。4人が病院に搬送された。同船の船体は損傷を受けたが、現在、正確なことは不明だと報じられている。

2004年建造、長さ275メートルの定期船は、2,679人の乗客を収容する能力がある。(Daily Star: Published 2nd June 2019)

クルーズ船、COSTA MEDITERRANEAの救命艇事故、ノルウェー(ノルウェー・イタリア)

6月1日、ノルウェーのスタバンゲルで、クルーズ船、COSTA MEDITERRANEAは、救命艇を保持する訓練中、2隻の救命艇をダビット(注、吊り柱)に吊り上げることができなかった。救命艇を元に戻して固定するため、クレーン船が配備されなければならなかった。

出発は、6月1日の晩まで遅れた。スタバンゲルは、ドイツのブレマーハーフェンで終わるこのクルーズの旅程の最後の寄港地だった。怪我人はいなかった。

クルーズ船 COSTA MEDITERRANEA、IMO番号 9237345、総トン数 85619、2003年建造、船籍 イタリア、運航事業者 COSTA CROCIERE、収容力 旅客2680人、船員912人。(Maritime Bulletin: June 2, 2019 1:11 pm)

ノルマンディーの退役軍人がD-Day行事に向かうため、クルーズ船を傭船(英国・フランス)

退役軍人らは、D-Day(注、ノルマンディー上陸作戦が行われた1944年6月6日)の75周年を記念する式典に先立って、Royal British Legion(=英国在郷軍人会)によって傭船された船に乗船するため、ドーバーに到着した。

このMV Boudiccaという船は、歴史上、最大の陸海空軍共同の上陸作戦を記念する1週間に亘る行事に先立って、日曜日の夕方に出発した。Sir Rod Stewart(=Rod Stewart卿)が、出発前に船上で、Second World War (=第二次世界大戦)の退役軍人に、1975年にヒットしたSailingというセレナーデを歌って、公演することになる。

この退役軍人らは、月曜日にダンケルクの浜辺を訪問する機会を得、それから火曜日にPoole Harbour(=プール港)で、Royal Navy(=英国海軍)による展示を見物することになる。水曜日にポーツマスでNational Commemorative Event(=国家記念行事)に出席し、それからバイユーとアロマンシュである行事のため、ノルマンディーに向かう。

この船は、土曜日にポーツマスに戻り、日曜日にドーバーで旅を締めくくることになる。(後略)(ITV: 2 June 2019 at 7:54pm)

ベニスで衝突の船長、「衝撃を避けるようあらゆる処置」を命じた(イタリア)

録音で、クルーズ船の船長が、日曜日にベニス(注、ベネチア)で観光船に突っ込んだ船の原因は機関不調であると描写していたことが浮かび上がっている。

港長との会話で、MSC Operaの船長は、2本投錨していたが、機関が「locked(=固定)」されているために不十分だと言っている。「我々は衝撃を避けるため、可能性ある処置は全て行いました。」と言っている。

この衝突で4人が怪我をし、同市のGiudecca(=ジュデッカ)運河から大型船が出航するのを禁止せよとの呼びかけが再燃している。ジュデッカ運河は、人気のSt Mark's Square(=サン・マルコ広場)に繋がるもので、ベニスの主要な水路の1つだ。

衝突の原因は何か?

音声記録では、この長さ275メートル(900フィート)の船の船長が、同船が制御不能になって、船を停止させようと試みたことを述べているのが聞くことができる。「(船と埠頭の間の)隙間を広げるために曳船を位置に就かせました。」と話しており、ある時点で、曳船に接続された係留索が切れたと付け加えている。

バース(注、停泊位置)に船を導いていた曳船組合の長であるDavide Calderanは、機関不調を確認し、船長はそれを「immediately(=直ちに)」報告したと話した。「機関はブロックされていましたが、加速していたので、推進力はオンになっていましたね。」と話した。この事件の映像では、接岸している船に乗船していた観光客に、衝撃に先立って警告を試み、高らかに鳴らしている同船の警笛が聞こえる。

政府の反応は?

この事件は、イタリアの2つの与党の間で、騒ぎを引き起こしている。イタリアのDeputy Prime Minister(=副首相)で、右翼のLeague(=同盟)党のMatteo Salviniは、ポピュリスト(注、大衆主義者)のFive Star Movement(=五星運動)がこの問題の解決に向けた取り組みを抑止したと非難している。

Salvini氏は、こうした事故を防ぐための解決策、すなわち、運河の拡幅とPorto Marghera(=マルゲラ港)の本土地域に、何がしかのクルーズ船を移動させるといったことは進展しており、昨年始まったが、この計画は「because a 'no' was received from a ministry, and it was not a ministry of the League(=ある閣僚から「反対」を受け取っており、これはLeague(=同盟)の閣僚ではなかったことから)」阻止されていると、ある決起集会で語った。

Five Star Movement(=五星運動)はこれに応じて、「if the League has a plan to solve everything tomorrow, they should present it(=もしLeague(=同盟)が明日にでも、あらゆることを解決できる計画を持っているのならば、それを示すべきだ)」と述べ、同党からは何の提案も出ていないように見えると付け加えた。

Infrastructure Minister(=社会基盤大臣)のDanilo Toninelliは、Five Star(=五星運動)に所属しているが、マルゲラの産業地域に定期船を移動させることは、「a cruise ship and an oil tanker colliding(=クルーズ船と油槽船の衝突)」という危険があることから、実行可能な解決策ではないと述べた。

Unesco World Heritage(=ユネスコ世界遺産)都市の代わりに、大きな石油化学工場の前に立つ観光客の団体が写っている写真や絵ハガキを見ることになる可能性もあると語った。しかし以前のツィートでは、この事件は、大型船がジュデッカ運河を走るべきではないことの証明であることに同意していた。「長年の惰性の後、我々は遂に、潟と観光業の双方を保護するための最終解決に近づくことになりました。」と詳細を示すことなく語っていた。

日曜日、Venice Mayor(=ベニス市長)のLuigi Brugnaroは、Vittorio Emanuele III(=ビットリオ・エマヌウェレ3世)として知られている同市の代替運河の開業に向けて、直ちに活動することを促した。

Environment Minister(=環境大臣)のSergio Costaは、次のようにツィートした。「ベニスの港で起きていることは、しばらくの間、我々が言ってきたことの証明なのだ。」「クルーズ船は、ジュデッカ運河を航行すべきではない。もう何か月も我々は、クルーズ船を移動させる件で作業してきたのだ。そして解決に近づいている。」

船舶往来について批判者は何を言っているか?

批判者は、MSC Operaのような大型船は、この潟の都市(注、ベネチア)の保護に危険をもたらし、水質や海の美しさを汚染していると言っている。運河でクルーズ船が立てる波で、定期的に洪水を被っているこの都市の土台が侵食されていると言っている。ある者は、ベニスの歴史地区の美しさが損なわれ、余りにも多過ぎる観光客を連れてきていると不平を述べている。

ベニスの港湾局は、クルーズ船交通の過剰問題を解決するための行動に出ることを求めている。

政府は先に、このクルーズ船論議を解決しようとしていた。2013年、ジュデッカ運河で、重さ(注、総トン数(容積)の誤り)が96,000トン以上の船を禁止したが、この法律はその後、反故にされた。

2017年、政府は、大型船舶を歴史的な中心地から離れて迂回させることを発表した。しかしこの計画は、発効するのは4年後であると見られていた。(BBC News: 3 June 2019)

Carnival、クルーズ船が大洋汚染を継続しているという申し立てを巡り2000万ドルで和解(米国)

マイアミ発。Carnival Corp.は月曜日に、この世界最大のクルーズ客船会社が2000万ドルの罰金を支払うことで、連邦検事と和解した。同様の行為を抑止することを狙った以前の刑事上の有罪判決にも拘わらず、ここの船舶が、大洋を汚染し続けていたためだ。

Senior U.S. District Judge(=合衆国地方裁判所上級判事)のPatricia Seitzは、Carnival Chief Executive Officer(=最高経営責任者)のArnold Donaldが公開法廷に出頭して、以前の環境関連事件に由来する執行猶予中の違反行為の同社の責任を認めたことから、この合意を承認した。

「会社は有罪を認めます。」とArnoldは、同社のChairman(=会長)でMiami Heatの所有者であるMicky Arisonや、その他Carnivalの幹部がいる満席の法廷内において、6回述べた。「弊社に不十分な点があったことを認めます。私は本日、それを解決する計画を立てるために、ここにいるのです。」とArnoldは付け加えた。

「The proof will be in the pudding, won’t it?(=証拠はプディングの中にあるということなのですよね?、注、「論より証拠ということなのですよね?」の意)」と判事は応じた。「もし環境に対して何もしないのならば、あなた方は、売るべきものが無くなるのですよ。」

Carnivalは、そのPrincess Cruise Linesの船から油廃棄物を投棄し、それを隠したことで、2016年に刑事上の有罪判決を受け、その執行猶予の条件に違反したことを認めた。Carnivalは4000万ドルの罰金を支払い、この事件では5年間の執行猶予に置かれたが、これは100隻以上を擁する、ここの9つのクルーズ商標の全てに影響するものだった。

今やCarnivalは、ここの船が環境犯罪に関わって以来、長年に亘って、アラスカ州のGlacier Bay National Park(=グレーシャー・ベイ国立公園)のようなところに「gray water(=雑排水)」を投棄したり、バハマで生ごみと共にプラスチックを投棄することを知っていながら許してきたことを認めた。これらは、海洋生物に対し深刻な脅威となるものだ。同社はまた、遵守文書の偽造や、予定された検査の直前に清掃チームを船に行かせるといった、その他の管理上の違反も認めた。

マイアミに本拠を置くCarnivalは、9つのクルーズ商標と、世界中で105隻を経営・運航している。(FLORIDA TODAY: Published 11:48 a.m. ET June 3, 2019)

ドナウの惨事、更に2人の犠牲者発見(ハンガリー・韓国)

先週、ブダペストで沈没した遊覧船から行方不明になったと推定される朝鮮人(注、韓国人)乗客の2体の遺体が月曜日に発見された、と当地の政府が述べた。

この発見は、Hableanyが、33人の朝鮮人(注、韓国人)乗客と2人のハンガリー人船員を乗せて沈没して、6日目になされたもの。乗客のうち、7人は救助されたが、他に7人が死亡していたのが判明し、更に19人と船長、船員1人が行方不明になっていた。

政府は、遺体1体は、悲劇の場所から100キロメートル余下流のHarta村で、川沿いを歩いていた少年により発見され、警察に通報されたと話した。この遺体は、60代の朝鮮人(注、韓国人)男性であることが確認された。同じ日のその後、朝鮮人(注、韓国人)女性と推定される別の遺体が、事故現場に近い橋から収容された。

朝鮮(注、韓国)とハンガリーの合同チームは、沈没船の周辺地域を調べるため、ドナウ(注、ダニューブ)川に潜水夫を送り込んでいる。ハンガリー当局者は、朝鮮(注、韓国)政府に対し、水曜日に沈没船の引き揚げ作業を開始し、日曜日までに完了すると語った。引き揚げに先立ち、同船の内部や周辺で、行方不明となった乗客を必死になって発見しようとしているところだ。

ブダペストのKorean Embassy(=韓国大使館)のSong Soon-geunは、次のように話した。「当方が同船内部に入ることが安全であると考えたならば、ハンガリー当局に、内部を捜索するよう説得してみます。」(Chosunilbo: June 04, 2019 09:56)

観察:クルーズ客船会社が知られたくない9つのこと(南アフリカ)

この動画(リンク先省略)では、クルーズ客船会社が話さない、知られたくない9つのことを発見することになる。

クルーズは偉大な休暇だが、クルーズ客船会社が、むしろ知らないでいて欲しいと考えているものがある。つまり、どうやって運航しているか、船内の状況、守っている規則、あなたの権利や切符を購入した時に同意したことで、物事が上手く行かなくなったときまで注意を惹かない事項に対する制約だ。

ここでは、知っておく必要のある9つのことを明らかにする。これは乗客から隠されている、むしろ普通ではない施設も含まれている。

(1)クルーズ船は、旅程の全ての港に寄港するとは限らない

接岸は天候に左右される。私は2本のクルーズにしか乗船したことがないが、いずれのクルーズでも、寄港することになっていた2つの港のうち、1つには寄港しなかった。

(2)もしクルーズ船に乗り遅れたら、待ってはくれない

もし寄港地観光から遅れて戻ったら、船に乗り遅れることになる。独自に帰国する方法を探さなければならなくなる。もし病気になったら、最寄りの港で降ろされて、自前で病院に移って、医学的支援を手配しなければならないことになる。これは、連中の責任ではないのだ。

(3)犯罪

窃盗のような犯罪は報告されていないが、暴行や性的暴行のような、より深刻な犯罪だけが報告されている。大半の大型クルーズ定期船には、監獄や「brig(=営倉)」が船内にある。手に負えない乗客は、次の上陸地点の港湾当局に引き渡されるまで、そこに留置されるか、旅行の終わりまで留置されることになる。

(4)大洋にものを投棄している

投棄しているモノについては環境に配慮しているものの、生ごみは、公海で捨てることが許されている。しかしクルーズ定期船は、徐々に投棄する前に汚水を処理するようになってきている。処理した生ごみや雑排水を、洋上で投棄している。食用油、化学薬品等については厳格な規制があり、港で降ろすことになっている。全てのクルーズ定期船には環境保護係員が乗船している。

(5)二酸化炭素排出量

クルーズ客船会社は、大量の二酸化炭素排出量を正に放置しているが、より二酸化炭素排出の少ない、新たな設計により、減らそうと試みてはいる。

(6)クルーズ船では人が行方不明になっている

年間平均19人が、クルーズ中に行方不明になっている。転落はほとんど不可能なものであるにも拘わらずだ。つまり大半は自殺か、あるいは酔っぱらってTitanicの瞬間をまねてみようとしたものだ。

(7)全てのクルーズ船には死体安置所がある

年間、船上で平均200人が死亡している。主として高齢者だ。同報メッセージの「operation rising star(=希望の星作戦)」を聞いたならば、船内で1人死んだとことを知ることになる。

(8)大半のクルーズ定期船は外国の港に登録されている

船会社が登録されているところの規則に従う必要はないのだ。「fly flags of convenience(=便宜置籍)」なのであり、より自由な雇用法令で、より自由な環境保護法令の国に登録している。

(9)クルーズ切符を買ったならば、契約に従うことになる

この契約には、医師やスパの職員を含む、当クルーズでの契約従業員の振舞いには責任は負わないことの他、人やその人物の船室を捜索することを認めることも含まれている。

この契約には、画像の使用も含まれている。すなわち、契約においては、船内で撮影された如何なる画像も、広告のために、当該クルーズ会社によって使用されることに合意する内容の署名となる。しかし、あなた自身の写真をあなたが使用することを、クルーズ客船会社は制限するものとなっている。

取り消し政策は、非常に厳格だ。確認すべきだ。上陸の90日前までに取り消した場合、料金の25%を失う可能性があり、60日以内だと50~75%、30日以内だと100%とされている。また氏名の変更は、取り消しとして考えている。前もって予約する場合は、旅行保険に加入すること。

法的事項

もしクルーズ会社を相手に訴訟となった場合、クルーズ客船会社が訴訟管轄を選択できるものとされている。(IOL: 4 June 2019, 5:30pm)

Damen、Seaspan向けの2隻のLNG RoRo建造へ(オランダ・カナダ)

ホリンヘム発。オランダの造船グループであるDamenは、Damen Shipyards Mangaliaで、カナダのSeaspan向けに、2隻のLNG-Hybrid RoRoフェリーを建造する。この2隻の革新的な149メートルの船は、レーン長1,034メートルで、船内には、電池容量が2メガワット時のものの他、209立方メートルのLNG(=液化天然ガス)を貯蔵する。

Seaspan Ferriesの船隊代替計画の一環として、就航することになる。この船は、Bureau Veritasにより船級を受け、2019年に工事が始まり、2021年に就航する。

「Damenは、この事業を獲得するために一生懸命に仕事をしたもので、Seaspan Ferriesでは、ルーマニアのマンガリアの新しい造船所で、彼らと提携することで興奮しております。」とSeaspan FerriesのDirector Fleet Engineering & Vessel Development(=船隊工学・船舶開発監督)のHarly Pennerは語った。

「この造船所は品質に対する評判がよく、Seaspan Ferries向けのこの偉大な船を建造するのに必要な人や社会基盤を持っています。Damenは、この船の最高性能能力を確実なものとするために、Seaspanと緊密に作業してきており、Seaspan Ferriesは、この興奮する事業でDamenのチームと仕事をすることを心待ちにしております。」(The MediTelegraph: June 04, 2019)

合衆国政府はキューバ渡航政策を変更、アメリカ市民向けキューバ・クルーズ終了(米国・キューバ)

Trump政権は今日、合衆国からアメリカ市民を乗せていくキューバ・クルーズを事実上終了させることになる新たな渡航制限を発表した。

U.S. Department of the Treasury(=合衆国財務省)は、キューバへの人と人とが直接接する、教育的団体旅行の許可を終了させることにした。これは、クルーズ客船会社が合法的に合衆国市民を輸送してキューバを観光できるようにするものだった。Associated Press(=AP通信)は、Commerce Department(注、商務省)も、次のような新たな規則を作ったことを報じている。

「Cruise ships as well as recreational and pleasure vessels are prohibited from departing the U.S. on temporary sojourn to Cuba effective tomorrow(=娯楽・気晴らし用の船舶の他、クルーズ船は、明日より、キューバに向けて、一時的な短期滞在で、合衆国を出発することが禁止される。)」と商務省が声明文の中で述べた、とAP通信は報じた。

アメリカ人向け現代キューバ・クルーズは、President Obama(=Obama大統領)がクルーズ会社に、合衆国市民をキューバに連れて行くことになる陸上での文化的・教育的活動に限って、団体が人と人とが直接接することのできる免許を許可した2015年に始まった。2017年までに、多くの主要クルーズ客船会社が、キューバ旅程を売っており、アメリカ人が、このキューバ最大の島に行く人気の方法の1つになっていた。政権交代でキューバ向け政策が変更になっており、制約が増加し、今日の発表に繋がった。(後略)(CruiseCritic: June 5, 2019)

ドナウの船舶衝突の船長は、オランダの事故の船長ではなかった:Viking Cruises(ハンガリー・スイス・オランダ)

ブダペスト発。ブダペストのRiver Danube(=ダニューブ川、注、ドナウ川)で遊覧船と衝突して、28人が死亡したViking Sigyn(=バイキング・シギョン)というクルーズ定期船の船長は、オランダで事故を起こした時の別の船の船長を務めてはいなかった、とViking Cruisesは木曜日に話した。

ハンガリー検察はこの日これまでに、現在、ハンガリーで逮捕されているViking Sigynの船長は、オランダで4月1日に事故を起こした別の船の船長を務めていたと語った。

ヨーロッパ最長の川で、巨大ホテル・クルーズ船の人気航路になってきているドナウ川で、この半世紀以上で最悪の事故となった原因が何かは不明だ。警察が捜査しているところだ。5月29日のブダペストの衝突では、28人が死亡した。大半は南朝鮮人(注、韓国人)の観光客だった。

「弊社では、Viking SigynのCaptain(=船長)が4月1日にViking Idun(=バイキング・イードゥン)に乗務していたことは確認できますが、事故当時、同船の船長を務めてはおりませんでした。Viking Idunは、別の船長の指揮下にありました。」とVikingの広報担当者は、Reuters(=ロイター通信)の質問に対する電子メールでの回答の中で述べた。「いずれの事故の捜査も続行中なので、これ以上の詳しい論評をすることはできません。」

このViking Sigynの船長は64歳のウクライナ人男性で、警察により、オデッサ出身のC. Yuriyであることが確認されており、容疑者として拘束されている。船長の弁護士らは、船長は酷く落ち込んでいるものの、何も間違ったことはしていないと話していた。弁護士らから論評を得ることはできなかった。

検察側は声明文において、この船長がブダペストでの衝突後に「deleted data from his phone(=自分の電話のデータを消去した)」とも述べている。このデータが、事故と関連があるのかは不明だ、と話した。

遊覧クルーズで南朝鮮人(注、韓国人)観光客の団体を乗せていたThe Mermaid(注、正しくはHableany、ハンガリー語で「人魚」の意)は、これより大型のViking Sigynと衝突して、転覆・沈没した。ハンガリー検察は、EU(=ヨーロッパ連合)の司法ネットワークを通じて、この船長は、4月1日にオランダであった事故の船の船長でもあったことを知ったと話した。

メディアの報道では、このオランダの事故では、Viking Idunという川船が、アントワープ(注、アントウェルペン)からヘントに向かう途中、貨物船と衝突したと報じている。メディアに引用されたVikingの声明文によると、Idunに乗船していた者で、怪我をした者はいなかったという。

スイスに本拠を置くViking Cruises Ltdは、Viking Idunの他、Viking Sigynを所有しているが、先週、ハンガリーの捜査当局と協力していると述べていた。The Mermaidの運航事業者は、この事故についての論評の求めには、返答していない。

7人の南朝鮮人(注、韓国人)は、救助された。19体の遺体が収容され、9人は正式に行方不明者として一覧に掲載され、死亡したものと推定されている。これには、南朝鮮人(注、韓国人)の子供1人と、ハンガリー人船員1人が含まれている。(後略)(Reuters: June 6, 2019 / 9:33 PM)

ピレウス港とギリシャのチノス島とレスボス島を結ぶ新フェリー航路(ギリシャ)

ギリシャの主要なピレウス港と、初めにチノス島のメスタ、それからミティリニのシグリ港とを結ぶことになる航路が、6月15日土曜日に開設される、とANAは報じている。

Blue Star Ferriesの「Nissos Chios」がこの航路に就航し、8時間40分の航海をして、シグリに到着することになる。予定は次の通り。

Nissos Chiosはピレウスを毎週土曜日の13時に出発し、メスタに18時40分、シグリに21時40分到着。

毎週、土曜日の23時にシグリを出発して、メスタに日曜日の1時30分、ピレウスに7時40分に到着。(TornosNews.gr: 06.06.2019 23:09)

Ulstein、RoPax市場向けのX-BOW船を公開(ノルウェー)

ノルウェーの造船業者Ulstein Groupは、ロール・オン、ロール・オフ旅客(RoPax) 市場向けの一連のX-BOW船を導入した。

同社は、改善された収容力の船や、新造に金のかからないものを提供することを狙って、より短く、より幅広の、そしてより遅い、設計解決策の製品を建造すべく、「compact concept(=小型構想)」の資金調達を行っている。

多くのRoPax船は、厳しい地域で運航されており、元々X-BOWは、こうしたもののために設計されたものだ。伝統的な船首の船舶と違い、UlsteinのX-BOW船は、同一速力、同一天候状況で運航した場合であっても、出力消費が少ない。更に新船は、荒天で減速する必要がなく、これにより海運会社は、運航予定を維持することが可能となる。

Ulsteinは、推進システムは、船の運航データや一連の運航予定を考慮して設計することが可能だと話した。より小型の推進システムは、資本投資が少なく、保守もエネルギー消費も少ないために、船をより効率よく運航させることができる。長期に亘る排出ゼロを達成するため、この造船業者によると、同RoPax船には、Ulstein ZEDという解決策を装備することが可能だという。

Ulstein Design and SolutionsのCOO(=最高執行責任者)のTore Ulsteinは次のように語った。

「RoPaxは成長分野の1つで、長年に亘る船隊更新を見ることになります。 Ulsteinの設計の考え方を、一連のRoPax船に統合すべく、しばらくの間、作業してきました。」「これらの船には、全て、X-BOW船体の特徴を装備しております。天候上、厳しい状況で運航する場合には、自然な選択です。」「弊社のRoPax船の設計は、市場の必要性に従って最適化されており、量のある市場向けに、一連の工事が行われることになります。この船を工事することになる1つの見込みのある国は、中国です。」

更にUlsteinは、同社では、自前の原型となる造船所であるノルウェーのUlstein Verftを、高度の特注生産を求める顧客のために使用することになると話した。

3月、同社は、Lindblad Expeditions Holdings向け極地船を建造する契約に署名している。(Ship Technology: 7 June 2019)

MSC、ベニスでの衝突事故を受け、次回のOperaのクルーズを中止(イタリア・スイス)

MSC Cruisesは、先週、ベニスであった本船とUniworldの船との衝突事故を受け、MSC Operaの次回の航海を中止した。

Operaは、日曜日(6月2日)にこの都市に到着する際、「technical issue(=技術的問題)」を被り、係留していたRiver Countessと衝突する結果となった。

Operaの修理作業が完了したにも拘わらず、MSCは、当局による事故調査の結論を待っており、これは「taking a few days longer than originally expected(=当初の見込みよりも数日長くかかる)」と語った。

この結果、6月8日にバリ、6月9日にベニスから乗船する予定になっていた本船の次回のクルーズは、中止となった。「弊社では、この中止について、お客様と取引先に通知しており、多くの代替的選択肢を提供しており、これには、予約したサービスの他、クルーズ料金、被害を被った旅行費用の全額返金が含まれております。」とMSCは声明文において述べた。

この客船会社は、影響を受けた乗客に対し、2020年の終わりより前に催行する、7泊から21泊の将来のクルーズの50%割引も提供している。(TTG: 07 Jun 2019)

バルセロナ港、クルーズ船の大気汚染で、ヨーロッパ最悪(スペイン)

ある報告書によると、既に大量の観光客で困惑しているバルセロナ港は、クルーズ船が排出した大気汚染量で、ヨーロッパの50港の中でトップに立っているという。

この調査によると、2017年、クルーズ船は、バルセロナで32.8トンの硫黄酸化物(SOx)を排出したという。パルマ・デ・マヨルカが第2位で28トン、そしてベニスの27.5トンと続き、19.7トンのサウサンプトンは第5位だった。

バルセロナは、クルーズ船の排出する発がん性のある窒素酸化物(NOx)の量でも、トップに立っている。クルーズ船は、ヨーロッパの全ての乗り物が排出するNOxの15%を占めている。

「諸都市では、理由があってディーゼル車両を禁止していますが、同時に、計り知れない損害を招くものを排出している船を保有するクルーズ船会社の参入は、自由に許しているのです。」とこの報告書を後援しているNGO(=非政府組織)であるブリュッセルに本拠を置くTransport and Environment(注、「運輸及び環境」の意)のmaritime coordinator(=海事調整者)のFaig Abbasovは語った。

船は燃料油によって走るが、これには、通常のディーゼル油の約2,000倍以上の硫黄酸化物が含まれている。この報告書では、ヨーロッパの港湾に接岸しているクルーズ船は、こうした国全体における2億6000万台の乗用車の硫黄排出量の10倍を排出していると主張している。バルセロナの場合では、2017年にクルーズ船は、同市の全乗用車のSOxよりもずっと多い、5倍近い量を排出していた。

環境保護団体、Ecologists in Action(注、「行動する環境保護活動家」の意)による最近の報告書では、船からの有毒粒子は、バルセロナ港から249マイル(400キロメートル)も離れたところで観測されたと言っている。この影響は、港で機関を動かしっぱなしにしている船により、悪化している。

同市は、ヨーロッパの最も混雑しているクルーズ船目的地であり、2017年には、800隻の船から、270万人の乗客が下船している。昨年10月のある1日には、18,000人の乗客と6,000人の船員を乗せた7隻の船が、同港に接岸した。

環境保護団体と同市の住民団体は、人数を抑制すべく、長年に亘って活動をしてきた。昨年、世界最大のクルーズ船であるSymphony of the Seasは、処女航海でバルセロナに到着した際に、抗議者の出迎えを受けた。

活動家らは、船が住民の健康を危うくするだけではなくて、とりわけ港の近くで暮らしている者にとっては、同市に殆ど利益をもたらさない観光業形態なっていると論じている。大半の乗客は、同市を約5時間訪問し、1人平均57ユーロ消費して、夜は船に戻ってしまう。

同港に隣接するこの古い都市を代表するバルセロナのcouncillor(=議員)の1人であるGala Pinは、クルーズ船客をイナゴと比較して、昨年、少し人々を驚かせた。「私の意見では、この種の観光業を持つべきではないです。」と語った。「まるでイナゴの大発生ですよ。連中は公共空間をむさぼって、去っていくのです。」

市当局者が船の数を制限しようとしている一方で、市議会ではなくて、中央政府が管理する同港にとっては、良い事業になっている。

International Maritime Organization(=国際海事機関)は、燃料油の硫黄量を3.5%に制限しており、2020年には0.5%の新たな規制が発効する。しかしEuropean Union(=ヨーロッパ連合)の清浄空気政策では、地中海の制限は、0.1%にまで引き下げられることになるかもしれないのだ。

現在の規則の下では、バルト海、北海、英仏海峡の港湾で停泊中の船舶の排ガス・ゼロ政策はあり、これを地中海に拡大する計画がある。(The Guardian: Fri 7 Jun 2019 10.58 BST)

史上最も不潔な10隻のクルーズ船(米国)

Centers for Disease Control and Prevention(=疾病対策予防センター)(CDC)は、乗客が発病する危険に晒される衛生問題を有しているかどうを調べるため、クルーズ船を検査している。

圧倒的多数の船は、100点満点中、少なくとも86点の合格点を獲得しているが、一握りの船は、不適切な温度で食品を貯蔵していたとか、飲料水の扱いで十分な手続きをしていなかったといった理由で、不合格になっている。1995年から2017年までにCDCが実施した検査で、不合格になっている最低得点の10位までは、うち6つは10年以上も前のものではあるが、次の通りだ。

10位. Amadea(注、旧、飛鳥)

クルーズ客船会社:Bernhard Schulte Cruise Services
検査日:2012年11月11日
検査得点:63点
違反事項:不適切な食品貯蔵手続き、不潔な台所設備

9位タイ. Hanseatic

クルーズ客船会社:Hapag Lloyd Kreuzfahrten
検査日:1998年8月8日
検査得点:62点
違反事項:不適切な食品貯蔵、清潔な台所用品と不潔な台所用品を一緒に保管、不潔な台所設備、食品調理区画でのゴキブリの発見

9位タイ. Stad Amsterdam(2006年)

クルーズ客船会社:Rederij Clipper Stad Amsterdam
検査日:2006年4月8日
検査得点:62点
違反事項:飲料水の不適切な扱い、飲料水の水質を確保するための必要な設備や手続きの欠如

7位タイ. Grande Caribe

クルーズ客船会社:Blount Small Ship Adventures
検査日:1998年7月13日
検査得点:61点
違反事項:飲料水と非飲料水の間の逆流防止設備の欠如、不適切な食品貯蔵、清潔な台所用品と不潔な台所用品を一緒に保管

7位タイ. Kydon(2017年12月)

クルーズ客船会社:Ferries Del Caribe
検査日:2017年12月27日
検査得点:61点
違反事項:不適切な食品貯蔵、故障した台所設備

7位タイ. Pearl Mist

クルーズ客船会社:V. Ships Leisure USA
検査日:2014年7月15日
検査得点:61点
違反事項:不適切な食品貯蔵、給食区画のくしゃみ除けの欠如、故障した冷蔵庫

4位. Kydon(2017年7月)

クルーズ客船会社:Ferries Del Caribe
検査日:2017年7月28日
検査得点:58点
違反事項:飲料水の不適切な扱い、不適切な食品貯蔵、清潔な台所用品と不潔な台所用品を一緒に保管

3位. Stad Amsterdam(2007年)

クルーズ客船会社:Rederij Clipper Stad Amsterdam
検査日:
2007年3月29日
検査得点:56点
違反事項:不適切な食品貯蔵、清潔な台所用品と不潔な台所用品を一緒に保管、不潔な台所設備

2位. Nippon Maru(=にっぽん丸)(1995年)

クルーズ客船会社:Mitsui OSK Passenger Line(=商船三井客船)
検査日:1995年6月9日
検査得点:48点
違反事項:飲料水の不適切な扱い、不適切な食品貯蔵、給食区画のくしゃみ除けの欠如

1位. Nippon Maru(=にっぽん丸)(1998年)

クルーズ客船会社:Mitsui OSK Passenger Line(=商船三井客船)
検査日:1998年7月4日
検査得点:36点
違反事項:飲料水の不適切な扱い、不適切な食品貯蔵、手袋なしでの食品の取り扱い、不潔な台所設備(Business Insider: Jun. 8, 2019, 9:17 AM)

乗客がクルーズ船から船外に転落した恐れ(スペイン・米国)

中高年の観光客が、地中海の真ん中で、クルーズ定期船から転落して死亡した恐れがある。

Norwegian Epicは、土曜日の朝にマヨルカ島に接岸することになっていたが、The Sun紙によると、船長は、桃色のパジャマを着た乗客が、船外に転落した「good evidence(=十分な証拠)」を得て、引き返すと発表し、乗客に衝撃を与えたという。

同船はその日、泳げないと報じられている63歳の朝鮮人女性が、大洋で行方不明になった恐れがある海域を広範に探し回って過ごした。乗客らは、ヘリコプターや航空機、救命船が捜索に加わる中、12時間も、時化の海で、同船の手摺に並んで立っていた。遭難警報が、この海域の全航海士に向けて発令された。

「今や、捜索は終了しました。そして残念なことに、このお客様は発見されませんでした。」とNorwegian Cruise Lineの代表の1人は、日曜日に話した。「我々の想いと祈りは、この困難な時にある、この個人のご家族と共にあります。」とこの代表者は語り、行方不明の女性は63歳で、朝鮮人であることを確認した。(New York Post: June 9, 2019 9:52am)

フェリーのWightlink、持ち分の50%をカナダの投資家に売却(英国・カナダ)

国際的な投資会社が、ワイト島のフェリー運航事業者であるWightlinkの持ち分の50%を買った。

Fiera Infrastructureは、Basalt Infrastructure Partnersから非公開額でこの持ち分を取得した。ここは共同所有者として続けることになる。このトロントに本拠を置く買手は、、同社に「committed to investing(=投資することに傾注している)」と語った。

Wightlinkは、3000万ポンドの新しいハイブリッド駆動フェリーであるVictoria of Wightを8月に投入したところだが、職員にとっては「very much business as usual(=正に通常通りの事業)」だと語った。Chief executive(=最高責任者)のKeith Greenfield は、次のように語った。

「今回、乗り組んでくることになるFieraは、弊社の現在の戦略や、Victoria of Wightの成功裏の導入といった変化を支持しています。」「弊社は、安全、サービス性能、そしてワイト島の顧客と訪問者も同様に、顧客体験を重視し続けます。」

Marine Accident Investigations Bureau(=海難調査局)(MAIB) は、機関火災を含む昨年のWightlinkの船舶の、4回の故障の調査を続けている。

Wight Skyは「catastrophic failures(=破滅的故障)」を8月と12月に被った、と調査官らは中間報告書の中で述べた。別の船であるWight Lightは、2月と8月にそれほど深刻ではない機関故障を被っている。

Fieraは投資家に対して、Wightlinkを「年間450万人の乗客を扱い、45,000回以上横断している、英国の指導的な内航フェリー運航事業者の1社」として描写している。Fiera Infrastructureのpresident(=社長)、 Alina Osorioは、同社は「英国で、その等級で最高の輸送サービスを提供し続けるため、Wightlinkの経営チームと一緒に働くことでワクワクしている」と語った。

Wightlinkは、2015年にMacquarie European Infrastructure Fundから、以前はBalfour Beatty Infrastructure Partnersとして知られていたBasalt Infrastructure Partnersによって買収されていた。同社は160年間に亘って、同島と行き来するフェリーを運航してきたところで、3本の航路で、6隻のフェリーと2隻の双胴船を運航している。(BBC News: 10 June 2019)

更に4体の遺体がHableanyから回収(ハンガリー・韓国)

沈没から2週間近く経過し、火曜日の朝(現地時間)、ダニューブ(注、ドナウ)川から引き揚げられた不運な観光船、Hableanyの引き揚げ作業で、4体の遺体が回収された。

朝鮮人(注、韓国人)乗客であると考えられている3体の遺体は、甲板と船室を連絡する階段の入り口付近で、引き揚げ潜水夫によって発見された。同船のハンガリー人船長であると考えられているもう1体の遺体は、操舵室内で発見された。

仮に4体の遺体が、この事故の犠牲者であると確認されれば、4人が行方不明となり、5月29日のこの船の沈没後、死亡か行方不明になっている28人のうち、24人の死亡が確認されることになる。33人の南朝鮮人(注、韓国人)乗客と、2人のハンガリー人船員が乗船していた。沈没直後に、7体の朝鮮人(注、韓国人)観光客の遺体が回収されただけだった。

船の引き揚げ作業は、朝鮮(注、韓国)時間の午後1時30分頃に始まった。Ministry of Foreign Affairs(=外交部)は火曜日、ハンガリーでの引き揚げ作業を注意深く見守っており、事故原因の究明や犠牲者への保障といった後に続く対策を、ハンガリー当局と議論することになると話した。

ハンガリー当局は、潜水夫、ヘリコプター、ドローン(注、小型無人飛行機)、救助犬を使って、朝鮮(注、韓国)当局の支援を受け、川沿いで捜索を続けており、一方、観光船と衝突した大型観光船のViking Sigynを巡っては、ハンガリー側で捜査が行われているところだ。

しかしハンガリー警察は、事故後2日間、クルーズの運航を許す判断をした後で捜査を行ったという過ちを巡る論争に巻き込まれている。一方、ハンガリーの裁判所も、衝突につながった過失や不注意が非難されているクルーズ船の船長であるYuriy C.の保釈を許可している。この論争を受けて、ハンガリー警察は厳しい捜査をすることを誓い、一方でハンガリー検察は、保釈の取り消しを求めている。(The Korea Times: 2019-06-11 17:12)

ドバイはインド初の高級クルーズ船「Karnika」を歓迎(インド・アラブ首長国連邦)

ドバイ発。ドバイは、インド初の高級クルーズ定期船「Karnika」を歓迎した。Jalesh Cruisesによるもので、今シーズンは、ミナ・ラシードを母港とする。Karnikaは、この地域を母港とするJalesh Cruisesの最初の定期船であり、インド国内及び国際クルーズ産業の双方にとって、大きな金字塔となるものだ。

インド及び湾岸諸国、とりわけアラブ首長国連邦とマスカットから来た観光客は、今や、Karnikaで短距離クルーズ旅行をすることができるようになった。この意義深い機会を祝って、伝統的な「Plaques and Keys Exchange(=楯と鍵の交換)」の儀式が、同船の船長とDubai Cruise Committeeから基幹産業の利害関係者が出席して、船上で執り行われた。

この船は、6月から2019年9月半ばまで、ドバイの住民と訪問者の双方を楽しませる定期アラビア湾旅程の運航を開始することになる。クルーズ愛好者は、ドバイを母港とする、1週間に2種類の旅程を選択することが可能だ。すなわち、金曜日旅程は、アブ・ダビとバーレーンを網羅することになるもので、月曜日旅程には、マスカットとハサブが含まれることになる。

1人当たり2091ディルハムと安いことから、ドバイから豪華クルーズに出かけ、オマーンのマスカットを通過し、最後にインドのムンバイの浜辺で終わることが可能だ。また様々な港を訪問することになる、主要な場所を呼び物とする、より短距離の旅行もある。(中略)

重さ(注、容積の誤り)70,285総トンのJalesh Cruisesの「Karnika」という船は、4月にムンバイからゴアまで処女航海を行い、以来、インドを巡る15本の旅行を行っている。この船は、5月にムンバイからドバイまでの最初の国際クルーズに出かけ、9月中旬まで、当首長国を母港とすることになる。

船上では、乗客は、様々な冒険や寛ぎといった選択の他、選りすぐりの料理や、世界水準の娯楽を楽しむことが可能だ。この船は、Broadway(=ブロードウェイ)のショー(注、ニューヨークの大劇場で行われるような世界屈指のショー)、Burlesque(=バーレスク、注、猥褻な笑劇、踊り、ストリップの類)の公演、音楽や踊りの夜、映画の上映や冒険活動で、洋上でお客を楽しませ続ける。更に港では、このクルーズでは、周辺地域を探索しようと考えている乗客のために、異なる土地で、多くの異なる陸上小旅行を提供することになる。(Gulf News: June 11, 2019 11:57)

初めてカナダ人女性が主要クルーズ船の船長に指名され、歴史を作る(米国・英国・カナダ)

Wendy Williamsは、Virgin Voyagesの最新船の舵を取ることになった時、主要クルーズ船の最初のカナダ人女性船長として歴史を作ることとなる。

このクルーズ客船会社は火曜日、Williamsが、来年の春に就航することになっているScarlet Ladyの船長となると発表した。このクルーズ客船会社によると、世界の船員の3パーセント未満が女性で、Williamsは、他の者にも道を開くことになることを望んでいるという。

「私たちは現在、素晴らしい大股で歩いているところだと思います。」とWilliamsはプレス・リリース(=新聞発表)の中で語った。「船橋の中に歩いて入った時、そこにはジェンダー(注、性)はないのです。1人のMariner(=船乗り)となるのです。1人の上級船員であり、これがなすべきことなのです。これが共になすべきことです。」

「性がどちらであるか関係すべきではないのです。そして私たちがそうなるべき船橋の好みでもあるのです。性差別を持つ余地は、現代にはないのです。」

同社は昨年、指導的役割におけるジェンダー・ギャップ(注、性差による社会的役割の違い)を克服する計画を立てていると発表していた。Williamsと共に、1ダース(注、12人)近い女性上級船員や機関士がVirgin Voyagesに採用されており、これには、hotel director(=ホテル監督)としてのJill Anderson、safety officer(=安全管理者)としてのChristin Wenge、environmental officer(=環境監督)としてのLindsay Kerberが含まれている。

Williamsは、ケベック州のセティールの生まれで、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー島で暮らしている。船で28年以上も労働した経験があり、経歴は商業漁船から始まった。年月を重ねるにつれて、甲板員からフェリーの船長、そして他のクルーズ船の船橋での労働へと、昇進した。

「Captain Wendy(=Wendy船長)の広範な海事の経歴は、Scarlet Ladyを率いる際の素晴らしい選択を行うことになりますが、洋上での生活に近づいた彼女の精神と意欲は違っていて、Virgin Voyagesの一家に加わるのに最適なものとなっていたのです。」とVirgin Voyagesのpresident and chief executive officer(=社長兼最高経営責任者)であるTom McAlpinは、プレス・リリース(=新聞発表)の中で語った。

Virgin Voyagesの1番船は、成人専用のScarlet Ladyだが、2020年にマイアミからカリブ海に向けて出発する。このRichard Bransonが後援しているクルーズ客船会社は、新しい意匠と船上での体験を大げさに宣伝しており、普通のクルーズとは違うものに考えているかもしれない旅行者を惑わしている。Williamsは、この新しい客船会社で働くことは、「dream come true(=夢の実現)」だと話している。

「私の血管には塩水が流れており、海で過ごす以上に喜びをもたらすものはないのです。」とWilliamsは話した。

この船には20以上の飲食店と、Squid Inkという異名を持つ1軒のtattoo and body piercing parlor(=刺青と体に穴を開ける店)があり、Bransonの最初のrecording studio(=録音スタジオ)から着想を得た2階建ての酒場を呼び物としている。

CNNのKarla Crippsが、この報告に貢献した。(CNN: Published 12th June 2019)

P&O Ferries、ハルの船で働く職員の「奴隷」のような賃金という主張に返答(英国)

P&O Ferriesは、あるHull MP(=ハル選出下院議員)が、ハルから出航している船の調理師が「slave labour(=奴隷労働)」のような扱いを受けていると同社を批判したのを受けて、その外国人職員には「fair rates(=公正な相場)」の支払いをしていると断固として主張した。

Hull East MP(=ハル東部選出下院議員)のKarl Turner は、House of Commons(=庶民院、注、下院)において、ハルからゼーブルージュに行くフェリーで働いているリトアニア人調理師は、時給2.40ユーロぽっちの賃金しか受け取っていないと主張した。これは、現在の為替相場をもとにすると、時給約2.13ポンドに相当し、Turner氏は、この支払水準は不名誉なものだと言った。次のように語った。

「P&O ferriesが、ハルからゼーブルージュに向かうPride of Yorkで、リトアニア人調理師を時給2.40ユーロで雇っていることは、不名誉なことです。」「Pride of Hullに乗り組んでいるフィリピン人の屈強な海員は、時給4.45ドルを支払ってもらっているのです。」

Turner氏は、全ての船乗りは、25歳以上は時給8.21ポンドとされるNational Minimum Wag(=全国最低賃金)の支払いを受けるべきだと呼びかけている。こんな低賃金は「amounts to slave labour(=まるで奴隷労働)」であるとTurner氏は語ったが、P&O Ferriesは、Turner氏に対し声明を出した。

同社は、ハルからロッテルダム経由でアムステルダムに向かうミニ・クルーズも提供しているところだが、外国人労働者は公平に支払われており、無料の食料、宿泊設備、帰国の航空運賃といった追加の利益を得る権利があると述べた。P&O Ferriesの広報担当者は、次のように話した。

「弊社では、International Transport Federation(=国際運輸労連)の協約に完全に準拠しており、弊社の北海の船では、自発的に導入しているのです。」「弊社は、英国海員の最大の単独雇用者の1社であり、弊社のために労働してくれる他国からの多くの斡旋されてきた同僚がおります。その大部分は、勤務期間中、「all found(=一切支給される)」のを基本に、船の上で生活していることから、英国経済とは無関係なのです。」「長期勤務になる傾向があり、長年、弊社で勤務している者もおり、彼らの母国の賃金水準と比較すると、公平な報酬率で雇用されております。」「契約には、母国への帰国のための航空運賃も含まれております、これはMaritime Labour Convention(=海事労働協約)によって要請されているもので、無料の食料と宿泊設備という利益を受けています。」「これは、United Kingdom(=連合王国、注、英国)水域内の他の海運会社の船員雇用と一致するものです。」

Turner氏の意見を受けて、Business Minister(=事業大臣)のKelly Tolhurstは、House of Commons(=庶民院、注、下院)に対し、政府は英国領海内で稼働している海員が、National Minimum Wage(=全国最低賃金)が受け取れるよう権利を拡大する法律を導入すると述べた。労働者に支払われている賃金の中には、「unacceptable(=容認できない)」ものもあると語った。

「如何なる事業も、英国人であろうと、なかろうと、消費者補助金から利益を得ており、英国の陸風の成長は、たとえ英国の正式な司法権の及ばないところで運航されるものであっても、英国の雇用法の精神を遵守するという、明らかな道徳的責任を持つのです。」とTolhurst女史は語った。「これには、異なる分野の労働者が含まれます。それが私たちがこの行動を取っている理由なのであり、秋に立法化されることになる理由なのです。」(Hull Live: 11:43, 12 JUN 2019)

2隻の油槽船がホルムズ海峡付近で攻撃される:これまでに判っていること(イラン)

U.S. Navy Fifth Fleet(=合衆国海軍第5艦隊)は今朝、オマーン湾での輸送船に対する攻撃が報告されていることは承知しており、この地域のU.S. Naval Forces(=合衆国海軍)が、2件の独立した遭難信号を受信していることを報告した。この信号は、6月13日、現地(バーレーン)時間、午前6時12分頃と、午前7時に受信したもの(Reutersによる)。ここにあるのは、世界の石油で輸送されるほぼ5分の1が通過しているホルムズ海峡の南で、木曜日にあった2隻のタンカー(注、油槽船)に対する攻撃に関する、Reuters(=ロイター通信)の最新のものだ。

*パナマ船籍の油槽船、Kokuka Courageousが、喫水線の上部の船体に穴を開けた「suspected attack(=攻撃と疑われる)」ものにより損傷した、と Bernhard Schulte Shipmanagementが話した。

*本船は3時間に2回攻撃され、その後、船員全員が避難した、と日本の船主であるKokuka Sangyo(=国華産業)のpresident(=社長)が、記者団に語った。

*油槽船の機関室で火災が起きている。この船は、サウジ・アラビアからシンガポールに、メタノールを輸送していた。

*2隻目の船であるマーシャル諸島船籍のFront Altairは、グリニッジ標準時間の4時頃、「suspected of being hit by a torpedo(=雷撃されたものと疑われる)」と同船を傭船している台湾の製油所のCPC Corpが話した。

*このアフラマックス級の油槽船は、ナフサ(注、粗製ガソリン)を75,000トン積んでいたが、炎上した、とノルウェーの船主、Frontlineは語った。

*Frontlineは、Front Altairは浮かんでおり、沈没したというイランのIRNA(=イスラム共和国通信)という通信社の報道を否定した。

*Frontlineは、23人の船員は、ロシア人11人、フィリピン人11人、ジョージア人(注、グルジア人)1人からなると話した。

*彼らはHyundai Dubaiによって救助され、イラン海軍の艦船に引き渡され、イランのバンダル・アッバス港に向かっている、とFrontlineは話した。

*海洋汚染は報告されていない、とFrontlineは話した。

*この油槽船は、業界筋やRefinitiv Eikonの資料によると、アラブ首長国連邦のRuwaisから台湾に向かっていたという。

*2隻の船の44人の船員全員は、イランの捜索・救助班によって救助された、とテヘランのIslamic Republic News Agency(=イスラム共和国通信) (IRNA)が、匿名の情報筋を引用して報じた。

*U.S. President(=合衆国大統領)のDonald Trumpは、「オマーン湾であった船舶に対する攻撃についての概要は承知している。U.S. Government(=合衆国政府)は支援しており、状況評価を続ける。」とWhite House press secretary(=米大統領報道官)のSarah Sandersは話した。

*バーレーンに本拠を置くU.S. Navy Fifth Fleet(=合衆国海軍第5艦隊)は、救難信号を受信後、支援していると話した。

*石油価格は、このニュースで4%急騰した。

*油槽船の船主であるDHT HoldingsとHeidmarは、湾岸諸国に対する新たな予約を一時中止した、と船舶ブローカー3者が話した。(Reuters: June 13, 2019)

中国のクルーズ船市場は世界のトップになり得る(中国・米国)

中国は、世界で最大のクルーズ市場になる構えであり、中国のクルーズ観光業界が成長することを手助けできる国際的な組織にとっては、多くの機会が残されている、とニューヨークで今週、業界の専門家の1人は語った、とChina Daily紙が報じた。

「弊社では、中国は世界最大のクルーズ市場になる可能性があると見ております。偉大な経済的乗数です。」と、世界最大の娯楽旅行会社のCarnival Corporationのpresident and CEO(=社長兼最高経営責任者)であるArnold Donaldは語った。

「世界最大のクルーズ客船会社(運航事業者)として、中国と中国人がクルーズの偉大なる側面の全てを体験できるよう助力すべく、弊社はその一部になりたいと考えました。」とDonaldは、North American Leaders Forum(注、「北米指導者公開討論会」の意)の控えで語った。Carnivalは、China State Shipbuilding Corporationと共に、2018年11月6日に、CSSC Carnival Cruise Shipping Limitedという名前で、クルーズ共同事業を始めると発表していた。

一方、中国に本拠を置く新しいクルーズ会社が、今年の暮れまでに中国のクルーズ客をもてなす独自の船隊を運航することになっている、とこの報道では報じていた。「クルーズは、経済に偉大な経済的な乗数効果があることから、中国では、5か年計画に入っています。ですから、1隻のクルーズ船は、経済において、約5人から7人の雇用を生み出すのです。全てのものが楽天的になるのです。」とDonaldは語った。

Cruise Industry Newsによると、Carnival Corporationは、2017年には26億米ドルだったのに対して、2018年に32億米ドルの純利益を報告したという。2018年の収益は189億米ドルであり、前年よりも、14億米ドル上回っていた。(Asia Times: June 13, 2019)

World Duty Freeが、P&O Ferriesの船隊で最初の改装した店舗を正式に開店(英国)

英国・フランス発。Dufryの商標であるWorld Duty Freeは、P&O FerriesのPride of Burgundyで、改装店舗を正式に開店した。

この11層甲板船は、1993年以来、ドーバーからカレーに向かう航路で運航してきたが、530台の乗用車と1,420人の乗客を乗せて、1日に8回、横断している。

Dufryは、この280平方メートルのwalk-through store(=通り抜け方式の店舗)は、P&O Ferriesの船隊で、改装され、開店することになる14店舗の最初のものとなったと話した。

この店舗では、主要な免税部門の国際的及び地元商標の、選りすぐりのものを提供し、これには美容、酒、食品及び菓子類、煙草、ファッション及びアクセサリー(サングラスを含む)、玩具、お土産、そして旅行に不可欠なものが含まれている。

P&O Ferriesは、以前は小売り運営を自前で扱っていたが、他の要素と共に、顧客体験の改善を図る戦略的展望の一環として、外部委託を選択したと話した。

Dufryは、店舗の完全リブランド(注、商標の再生)を引き受けており、11店舗が、既に完全にリブランドされている。残りの3店舗は、7月にリブランドし、2店舗は、Pride of BurgundyとPride of Kentだが、完全リブランドを実施中だ。他の全ての店舗は、今後12か月から18か月の間に、完全リブランドされることになる、とDufryは話した。(後略)(The Moodie Davitt Report: 13 June 2019)

ポアントートランブル発のフェリー便が日曜日に始まる(カナダ)

ポアントートランブルとモントリオールのOld Port(=旧港)間の通勤フェリー便が、日曜日の朝10時に始まる。この試験的な事業は、今や2年目で、9月28日まで、週7日間、運航することになる。

Societe des traversiers du Quebecは、昨年から始まったこの水上通勤便の運航で、Croisieres Navarkに対し、3年間、700万ドルの契約を裁定した。徒歩客と自転車客に狙いを定めたこの通勤便は、東端の住民に対し、長期に亘る代替的通勤方法を提供する。

切符は、navark.caでオンライン予約するか、このサイトで購入することが可能だ。クレジット・カードと現金の双方が、利用可能。当分の間、このフェリー便の試験運航中は、火曜日まで、3日間有効の切符が買えるだけだ。その後、乗客はもっと以前から予約することができるようになる。

このフェリーは、徒歩客1人が3.50ドルで、自転車利用者は4.50ドル。フェリーは、繁忙時間は30分おきで、1日の残りと週末は60分おきとなる。全運航予定は、navark.caで入手できる。

Montreal Transit Corporation (STM)の数本の路線バスが、乗船地に運行している。旅行相談は、STMというウェブサイトに相談を。

今年の試験事業は、Riviere-des-Prairies-Pointe-aux-Trembles区が昨年、試験的に5日間実施したものに引き続くもので、長期に亘る事業に向けた地固めをするものとなる。(Montreal Gazette: June 16, 2019)

バタンガス行の船がレクトウ・バンク近くで出火(フィリピン・日本)

フィリピン、マニラ発。自動車運搬船が西フィリピン海のレクトウ・バンク(リード・バンク)近くで出火して、放棄(注、委付)された、とPhilippine Coast Guard(=フィリピン沿岸警備隊)(PCG)が、6月17日月曜日に発表した。

PCG Spokesman(=フィリピン沿岸警備隊報道官)のCaptain Armand Baliloによると、外国の沿岸警備隊が、K-line(=川崎汽船)によって運航されているM/V Diamond Highwayとかいうものが、「on fire and drifting somewhere in the Philippines(=フィリピンのどこかで出火して漂流している)」という警報を発してきたという。

この火災は、6月16日の日曜日、午後11時30分頃に第一報がもたらされた、とBaliloは話した。Baliloは、同船はシンガポールから来たもので、炎によって打撃を受ける前は、バタンガスに向かっていたと語った。

この船には25人の船員がいたが、タイに向かっていたBulk Carrier(=ばら積み船)Canupos Leaderが到着して救助されてから、同船を放棄した。Baliloによると、この自動車運搬船は、午後1時40分現在、なおも炎上中であり、フィリピンのBRP Cabraが、消火の準備をしているところだという。

PCGとそのカウンターパート(注、外国の沿岸警備隊)は、未だ火災原因を突き止めていない。(Rappler.com: Published 3:09 PM, June 17, 2019)

合衆国の制裁がPeace Boatの竜巻被害のキューバ援助を阻む(日本・米国・キューバ)

非営利組織のPeace Boat(=ピース・ボート)は、最近、この島国に対する合衆国の経済制裁が強化されたことから、竜巻により破壊されたキューバに対する援助物資の配達任務を中止した。

援助物資の20箱は、約1,200人が乗船しているパナマ船籍のOcean Dreamに積まれていた。東京に本拠を置くピース・ボートの、平和と人権を推進する目的の世界一周クルーズの1本に乗船中だった。同船は、6月8日にニューヨークを出発して、6月13日にキューバの首都ハバナに到着する予定になっていた。

ところがU.S. Treasury Department(=米国財務省)が出したニュース・リリース(=新聞発表)によると、Trump政権は、6月4日にキューバに対する追加制裁措置を発表し、これにはキューバ島にクルーズ船、ヨット、自家用機が立ち寄ることを禁止することが含まれていた。このニュース・リリースは、この規則に違反した場合に科せられる罰則が何かは特定していなかったが、合衆国を出発するキューバ行クルーズは、6月5日に発効した新たな制裁措置の発表以来、中止になっている。

ピースボートは、合衆国の弁護士に助言を求めたが、弁護士はこのNGO(=非政府組織)に対して、今後、他国を訪問する際に障害となり得るとして、キューバへの旅行を廃止するよう助言した。ピース・ボートは、ハバナから、ジャマイカのモンテゴ・ベイに寄港地を変更した。

1月のキューバでの竜巻では6人が死亡し、その他大勢が負傷して、家屋が損傷、あるいは破壊された。在日キューバ人は、犠牲者の支援を呼びかけ始め、衣類や靴を集めた。ピース・ボートは、これらの品目を、マイアミに本拠を置く船会社、Seahawk Corp.が所有するOcean Dreamに積み込んでいた。このNGOは、キューバに輸送するのは費用が掛かり過ぎるため、この援助物資を日本に持ち帰る決定を行った。

ピース・ボートはキューバに18回訪問しており、原子爆弾の生き残りを含む乗客は、キューバの指導者、Fidel Castroと会見したことがある。

「支援物資を届けられないのは残念だ。」とこの組織の幹部は話した。(The Asahi Shimbun: June 17, 2019 at 16:40 JST)

インドネシアのフェリー沈没の死者数、18人に(インドネシア)

ジャカルタ発。インドネシアのフェリー沈没事故の死者数は18人に増えた、と当局者は火曜日に話した。この最新の海難事故は、この島国に衝撃を与えることとなった。

この過積載の旅客船は、ジャワの北部沿岸沖のマドラ島に近い時化の海で、月曜日に転覆した際、60人以上を乗せていた。インドネシアの捜索・救助機関は、18人が死亡し、これには7人の子供が含まれているが、39人が助かったと話した。救命船の船隊、航空機1機、そして地元の漁船が、少なくとも未だに行方不明になっている4人を海域で捜索している、と当局者は話した。しかし地元の報道では、正式な乗船名簿に載っていない犠牲者があり得ることを示唆している。

「この船は、過積載だった疑いがあります。」とEast Java Police(=東ジャワ警察)の報道官、Frans Barung Mangeraは話した。「この船は、大波に襲われて、転覆して沈没したのです。」この長さ10メートル(32フィート)の伝統的な船は、水没して間もなくして、漁師によって発見された、と付け加えた。

海難事故は、17,000以上の島嶼からなる島国のインドネシアでは、よくあることだ。ここでは、貧弱な安全基準にも拘わらず、旅行の際には、多くの者がフェリーやその他の船舶を利用している。昨年、スマトラ島の世界最深の湖の1つで旅客フェリーが沈没し、160人以上が死亡した。2009年には、スラウェシ島とボルネオ島の間でフェリーが沈没した際に、300人以上が溺死したものと見られている。(France 24: 18/06/2019 - 11:53)

ブルガリアとトルコ間の史上初のフェリー運航が始まる(トルコ・ブルガリア)

イスタンブール発。フェリーがブルガリアの都市であるブルガスから、北西トルコのクルクラレリ州に乗客を運び、トルコとブルガリア間の史上初の海上バスの輸送が、火曜日に始まった。

Istanbul's Sea Bus Operators (IDO)は、トルコの黒海沿岸の観光業を急騰させることを狙って、この運航を開始した。最初のフェリーは、Sinan Pashaと命名されたもので、5時間後にイーネアダ地方の港に到着した。ブルガリアの当局と新聞記者らが、この国際航海を行った最初の乗客だった。

IDO Chairman(=会長)のHasan Ustundagは、両国間で最初の便を立ち上げることに成功し、予想される旅客の可能性があれば、増便することになる、と語った。

District Governor(=知事)のCafer Ekinciは、フェリーの便数を増やすために必要な作業を始めることになると語った。(DAILY SABAH: Published 18.06.2019 17:49)

フロリダ行のCarnivalのMardi Grasクルーズ船が工事の一里塚を迎える(米国・フィンランド)

お目見え1年以上も前に、Carnival Cruise Lineは、Mardi Gras(=マルディ・グラ、注、「告解火曜日の祭り」に因む)向けの象徴的なキール設置式典(注、起工式)を開催した。この新しい等級の船は、ポート・カナベラルに向かう。

フィンランドのトゥルクのMeyer Turku造船所で催され、750トンのキールのブロックの上に、海事の伝統の幸運の硬貨が置かれ、同船は工事の次の段階に入った。Mardi Grasは180,000トンで、Carnival向けの最大船となる。この呼び物の中には、洋上初のローラー・コースター(注、ジェット・コースター)がある。(中略)

新船の最も注目すべき特色は、長さ800フィートのBolt: Ultimate Sea Coaster(=ボールト、究極の洋上コースター)と呼ばれるローラー・コースターだ。Carnivalにとって最大の船でもあることから、この客船会社は、6つの区画を設けることになる。Grand Central(=グランド・セントラル)、French Quarter(=フレンチ・クォーター)、La Piazza(=ラ・ピアッツァ)、Summer Landing(=サマー・ランディング)、Lido(=リド、注、イタリアの保養地が語源)、そしてThe Ultimate Playground(=アルティメイト・プレイグランド、注、「究極の遊び場」の意)だ。

食事の独特な選択の1つは、Celebrity Chef(=有名シェフ)のEmeril Lagasse初のクルーズ船での試みであるEmeril’s Bistro 1396だ。

船内での他の特色には、Guy’s Burger Jointの他、Food Network(=フード・ネットワーク、注、米国の料理専門の民放テレビ局)の人気者であるGuy Fieriの、拡張されたGuy’s Pig & Anchor Smokehouse Brewhouseが含まれている。また船内には、Alchemy Bar、Fahrenheit 555 Steakhouse、Seafood Shack、BlueIguana Cantina Mexican飲食店、そしてPizzeria del Capitanoのような、Carnivalの大黒柱もある。

この乗客6,500人乗りの船は、家族向けのFamily Harborや、成人専用のHavana Cabanaといった選択肢を含む、20以上の旅客室の範疇を、呼び物とすることになる。

ポート・カナベラルに現れるや、一回限りの8泊クルーズを10月16日から24日まで行い、その後、東部と西部のカリブ海旅程を交互に、通常の7泊旅程を開始する。東航海では、サン・ファン、アンバー・ケイブ、グランド・タークを訪問し、西航海では、コズメル、コスタ・マヤ、マホガニー・ベイを訪れることになる。(後略)(Orlando Sentinel: Jun 18, 2019 1:55 PM)

Ponant、Le Dumont-d’Urvilleの引き渡しを受ける(フランス)

豪華探検の世界的な指導者で、唯一のフランス人所有のクルーズ客船会社のPonant(=ポナー、注、「西」の意)は、その船隊の9番船で、Ponant Explorersシリーズの4番船であるLe Dumont-d’Urville(=ル・デュモン・デュルヴィル、注、Jules Sebastien Cesar Dumont d'Urville、1790年-1842年、フランスの軍人・探検家に因む)を迎えた。6月14日、PonantはLe Dumont-d’Urvilleの引き渡しを受け、船はノルウェーのSovik港をベルゲンに向けて出発して、処女クルーズに出発する準備ができている。

「こんな出産率というのは、フランス商船の歴史において初めてのことであります。これは、過去12か月の間に引き渡されたPonant Explorersシリーズの4番船です。弊社船隊の充実した拡大により、お客様に提供する目的地数の増大、並外れた航海、高品質のサービスを提供することができるようになりました。市場の反応は、大変に高い水準の予約を得ており、本当に卓越したものであります。」とPonantのCEO(=最高経営責任者)のEmmanuel Sauveeは語った。

全てバルコニー、あるいは私的なテラス付きの、僅か92室の部屋とスィートのある流線型の上品な外観で、洗練された意匠のLe Dumont-d’Urvilleは、環境に配慮する一方で、最新の技術と新機軸を呼び物とする姉妹船に加わることになる。Le Dumont-d’Urvilleは、Ponantの先駆的な概念である「Blue Eye(=青い目)」も呼び物としている。

この水中多感覚応用休憩室は、海底を見ている鯨の目に似た2つの巨大な窓を通して、顧客が水中の世界を発見して体験することを可能にするものだ。負担を掛けない水中前照灯が景観を映し出し、キール(注、竜骨)に設置された水中聴音器が海の自然の交響楽を捉え、「Body Listening(注、「音を体感する」意)」長椅子が、音と一致して振動することにより、知覚伴奏を提供することになる。

Le Dumont-d’Urvilleの処女シーズンは、Historic Cities of the Baltic Sea(=バルト海の歴史的都市)と呼ばれる8泊航海により、2019年8月7日に始まる。そこからこの船は、フランス沿岸と地中海に向かい、オンフルール、リスボン、ダカールに寄港する。テーマのあるクルーズの豊富なプログラム、高級料理、葡萄酒の試飲、音楽、その他により、船上の客は、文化的激情と旅の愛を結び付けることが可能となる。全ての旅程は、ここで発見できる(注、リンク先省略)。

Ponant Explorersシリーズにこの4番船が引き渡されたことにより、Ponantは船隊拡大を継続し、2020年4月に予定される次船であるLe Bellotを迎える準備をしている。

Le Laperouse(2018年6月)
Le Champlain(2018年10月)
Le Bougainville(2019年4月)
Le Dumont-d’Urville(2019年6月)
Le Bellot(2020年4月予定)
Le Jacques-Cartier(2020年7月予定)
Le Commandant-Charcot(2021年5月予定)(TravelPulse: 03:47 PM ET, Wed June 19 2019)

クルーズ船労働者、窓掃除機で死亡(英国・パキスタン)

クルーズ船労働者が、同船の自動窓掃除機に押し潰されて死亡した、と審問で聴取された。

Leading Seaman(=海士長)のArshad Mehmood(57)は、2018年7月、地中海クルーズで、サウサンプトンに本拠を置くMV Azuraで働いていた。この既婚の船員は、パキスタン出身で、ハッチを開けて手を伸ばして、同船の側面で潰された、と聴取された。ハンプシャー州のcoroner(=検視官)、Grahame Shortは、Mehmood氏の死亡は事故によるものだと結論付けた。

Mehmood氏と同僚は、夜間、同船の左舷で動かしている際に機械を監視していた、とこの審問では聴取された。7月31日の英国標準時間1時頃、終了時にスイッチを切るため、機械に触れようとした、とShort氏は話した。

「彼は手を伸ばして、機械と船の側面の間に挟まったのです。」と付け加えた。「彼は押し潰されて、窒息し、その場で死亡しました。」(中略)

声明文において、P&O Cruisesは、経験豊かな船員を失って「deeply saddened(=酷く悲しんでいる)」と話した。次のように述べた。

「弊社の安全管理システムは、既に改善しておりますが、同様の事故が再び起きないよう確実にすることを継続いたします。」(BBC News: 19 June 2019)

Brittany Ferriesの乗客が船から空輸:最新情報(フランス・英国)

プリマスのBrittany Ferriesの船に乗船していた2人の乗客が、医学的な理由により空輸しなければならなくなったことを、このフェリー運航事業者の広報担当者は確認した。

この乗客は、Pont Avenに乗船しているもので、2人は別個の出来事により発病し、医学的配慮(注、治療)が必要となった、広報担当者は語った。Brittany Ferriesは、完全な声明文を出す準備をしているところだ。(CornwallLive: Updated13:43, 20 JUN 2019)

EU、2020年までロシアに対する経済制裁延長へ(ベルギー・ロシア)

ブリュッセル発。European Union(=ヨーロッパ連合)の首脳らは、木曜日に、ウクライナにおける騒乱についてのロシアに対する経済制裁を、2020年1月末まで延長し、2014年にそこで旅客機を撃墜する罪を犯した者に対して正義をもたらすことを助力するよう、モスクワ(注、ロシア政府)に呼びかけることを決定する。

EU(=ヨーロッパ連合)は、2014年3月にモスクワ(注、ロシア政府)が、ウクライナからクリミアを併合したのを受けて、ロシアに対して制裁を課し、同国東部で交戦中のキエフ(注、ウクライナ政府)の軍隊の反乱を支援し続けた。この紛争では、13,000人が殺害され、未だに一触即発の状態のままとなっている。

マレーシアの旅客機が、2014年7月にそこで撃墜されたことは、この危機に対するEUの反応にとって、もう1つの転機となった。搭乗していた、多くがオランダ人の298人全員が、死亡した。刑事責任の所在を明らかにする作業を行っていたオランダ主導の国際チームは、水曜日、ロシア人3人とウクライナ人1人が、このMH17便の撃墜で、殺人罪の容疑に直面することになると話した。

Reuters(=ロイター通信)が見た共同声明の草稿によると、木曜日のEU首脳らのブリュッセルでの会見では、「full support for all efforts to establish truth, justice and accountability for the victims and their next of kin(=真実、正義、犠牲者及び最近親者に対する説明責任を確定するためのあらゆる努力を完全に支持すること)」が表明されることになるという。「on Russia to cooperate fully with the ongoing investigation(=ロシアに対して進行中の捜査に完全に協力するよう)」呼びかける。

ウクライナを巡るモスクワ(注、ロシア政府)に対するEUの経済制裁には、ロシアのエネルギー部門、防衛部門、金融部門に対する制限が含まれており、現在は、7月末まで有効だ。同連合は、問題を抱えた東部でウクライナ人に簡易な手続きでロシアの旅券を取得することを許すよう命じているPresident Vladimir Putin(=Vladimir Putin大統領)について、「its utmost concern(=その最大限の懸念)」も表明することになっている。

EUのロシア・タカ派のポーランドとリトアニアは、この旅券問題を巡って、同連合がモスクワに対して制裁措置を拡大するよう後押しをしている一派に属している。しかし、如何なる新たなEUの制裁も、同連合の28か国の首脳の全員の合意が必要なものとされており、イタリア、ドイツ、フランスといった大半の諸国は、新たな制裁を迅速に課すことには反対している。

しかしながら首脳らは、木曜日に同連合は、和平の進行が徐々に弱体化しているウクライナ東部で発行される「stands ready to consider further options, including non-recognition of Russian passports(=ロシアの旅券の不承認を含む、その他の選択肢を検討する用意ができている)」と語ることになる。(Reuters: June 20, 2019 / 9:46 PM)

クルーズ船「ロシア当局に差押さえられ」何百人もの観光客が危機に晒される(ロシア)

何百人もの一生に一度の休日が、カナダに本拠を置くクルーズ会社の2隻をロシア当局が差し押さえたことから、危機に晒されている。

One Ocean Expeditions (OOE)は、MV Akademik Ioffeを2011年以来、MV Akademik Sergeyを2012年以来、ロシアから賃借している。この船は、それぞれ100人未満の乗客を乗せて、北極圏と南極圏のクルーズに使用され、お客に辺境を見物させて、ホッキョクグマやペンギンを間近に見る機会を提供してきた。しかしOOEは、何の前触れもなく先月、2隻は差し押さえられたと話している。

「船主が当該船舶を提供することを拒否することは、OOEとの契約の不履行になります。」と同社は、オーストラリアに本拠を置くTravellerの報告によると、予約代理人に宛てた書簡において書いたという。「OOEは、船主に、契約上の義務を固守するよう全力を尽くしました。」「意外なことに船主は、修理の目的で、ロシアのカリーニングラードに当該船舶を戻す決定をしたのです。これは、事前にOOEに連絡することがありませんでした。」と付け加えた。

OOEは、訴訟に踏み切った。書簡において、仲裁手続きに向け緊急に申請したと述べている。「残念なことに、契約にも拘わらず、とにかく来るべき2019年―20年クルーズ・シーズンには、OOEは当該船舶を提供できないことが、今や明らかとなりました。」「この契約不履行に引き続くOOEによる法的手続きにより、ロシアを離れることになる当該船舶の抑留に繋がる可能性があり、OOEでは、弊社代理人や提携者との間で発生していることの詳しい説明を共有できるよう、お約束いたします。」

8月に北極圏クルーズ・シーズンが始まる前に、ロシア政府が5月下旬に当該船舶を差し押さえた際、「modernisation project(=近代化計画)」の一環として取り組むため、カリーニングラードに当該船舶を持っていく必要があると主張していた。

OOEは、そのウェブサイト上には、2018年10月に就航した専用の乗客146人乗りの探検船、RGCS Resolute、1隻だけを掲載している。南極、カナダ東海岸、カナダ北極圏、グリーンランド、北大西洋諸島、スピッツベルゲン諸島、南米及び中央アメリカへのクルーズ旅程は、未だに掲載されている。カナダ北極圏とグリーンランドへのクルーズは、RGCS Resoluteでの10日間航海で、1人当たり7,995ドル(6,285ポンド)となっている。

探検クルーズは増加傾向にあり、今後4年間に28隻が就航することになっている。Cruise Line International Association (Clia) の2019年3月にあった初の探検クルーズ・フォーラム(注、公開討論会)での演説で、SilverseaのUK managing director(=英国代表取締役)で、Clia expedition working group(=クルーズ客船会社国際協会探検部会)のchairman(=会長)であるPeter Shanksは、探検クルーズ部門は、2022年までに30パーセント成長する見込みだと語っていた。

旅行業者100社のCliaの調査で、90パーセントが、今後5年間に、探検クルーズの販売が成長する見込みだと話している。クルーズ客を、素晴らしく快適で、しかもヘリコプターや潜水艇を船に搭載して辺境の地を航海させるよう設計された斬新な船には、 今月これから就航するCelebrity CruisesのCelebrity Floraや、フランスのクルーズ客船会社のPonantのLe Laperouseが含まれている。

OOEには、更なる論評を求めて連絡を取っている。(The Telegraph: 20 June 2019 12:32pm)

クルーズ船労働者、船外に転落した乗客を救助しようと海に飛び込む(イタリア)

イタリアで船外に転落した乗客を救助しようと、クルーズ船の船員の1人が海に飛び込んだ。

このアイルランド人女性の身元は明らかにされていないが、伝えられているところによると、月曜日にイタリアのジェノバ市で、MSC Seaviewというクルーズ船から転落したという。船員の1人が、女性が地中海に転落したのを見て、直ぐに海に飛び込んで救助した、とIndependent紙は報じた。この船員は経験ある船員で、「in minutes(=ものの数分で)」この女性を救助することができた。女性は近くの病院に、評価のために搬送された。船員には怪我はなかった。Independent紙に対する声明文において、MSC Cruisesは事故を確認し、この船員の素早い行動を称賛した。(中略)

クルーズは、予定通り続けられた。Fox Newsでは、論評を求めてMSC Cruisesに連絡を取った。(New York Post: June 21, 2019 12:59pm)

フィラデルフィア港で船によるコカイン輸送増大、今や逮捕者は6人に(米国・スイス)

フィラデルフィア発。連邦当局は、フィラデルフィア港で、船から押収したコカインの量が、35,000ポンド、すなわち15,876キログラム以上になるものと見ており、U.S. Customs(=合衆国税関)の歴史上、最大のコカイン輸送となると、当局者は金曜日に語った。

この薬物の市場価格は、11億ドルに上るものと見られている。端から端までつないで並べると、コカインの束は、約2.5マイル、すなわち3キロメートルちょうどとなる、とU.S. Customs and Border Protection Baltimore field office(=合衆国税関・国境警備隊ボルチモア出張所)のdirector of field operations(=現場作業監督)のCasey Durstは話した。

今やこの捜査で、6人の船員が逮捕される結果となっており、全員が月曜日に連邦裁判所で聴聞されることになっている。全員が船内でコカインを所持するため共謀したとして起訴されており、それぞれ連邦公選弁護人を指名している。

「我が港湾に、いとも簡単に入り込んで、捕まることなく何百万人もの人生を破壊するに十分なコカインを置いて去ることができると思ったのでしょう。そうした自分を利口だと思っていたのでしょう。しかし、そうではないのです。」とこの訴追を扱っているU.S. Attorney(=合衆国検事)のWilliam McSwainは話した。「この街を甘く見て、我が法執行機関(注、警察等)の能力を甘く見て、そして、この邪悪で不道徳な麻薬取引を殲滅する我々の関与を甘く見ていたのでしょう。」

金曜日、取締官は、MSC Mediterranean Shipping Co.というスイスの会社によって所有される、リベリア船籍の貨物船、MSC Gayaneに乗船して、コンテナを調べていた。MSCは、スイスに本拠を置く海運会社で、コンテナでは世界最大の海運会社の1社だ、とMcSwainは話した。この直近の起訴に関して、この海運会社に論評を求める伝言に対しては、金曜日に返答はなかった。McSwainは、検事局では、この船の没収を含む、あらゆる利用可能な選択肢を検討していると話した。

日曜日の夜に当局者が日課となっている検査のために同船に乗船し、船内の7つのコンテナを検査したところ、異常を検出したと話している。捜査官らがフィラデルフィアのバース(注、停泊地)まで、同船を護衛して、月曜日に徹底調査を開始して、コカインを発見するに至った。

厳重警備の下で、連邦捜査官は、Philadelphia's Custom House(=フィラデルフィア税関)であった金曜日の説明会で、差押えた何千ポンドのコカインを展示した。段ボール箱が、警戒する捜査官よりも高く積み上げられ、緑や青で包装されたコカインの束の山が、この建物の玄関でピラミッド状に積み上げられていた。

U.S. Office of National Drug Control Policy(=合衆国麻薬撲滅対策室)のdirector(=室長)であるJames Carrollは、Trump政権は、麻薬密売人を追跡して捕え、司法の場に引きずり出すことに尽力していると語った。

「間違いなく、我々は、こうした麻薬密売人を探し出すためにあらゆる資源を使うことになります。そして、連中を一度勾留したならば、法律上可能な限りの完全な対策を取ります。」と語った。「また我々は、薬物中毒で苦労し、助けが必要となっている同胞市民のことを決して忘れはしません。」(kjct8.com: Fri 9:04 PM, Jun 21, 2019)

北朝鮮に燃料を販売した台湾人被疑者が自殺(台湾・北朝鮮・韓国・中国)

6月22日、高雄(=カオシュン)発。昨年、北朝鮮に石油を販売したとして告発された台湾人実業家が、土曜日、高雄の6階建ての建物の最上階から転落して死亡した。警察では自殺とみている。

Chen Shih-hsien(陳世憲)は、台湾の数社の食品加工会社の社主であり、Billions Bunker Group Corp.の権益を保有している。ここは英領バージン諸島に登記しているところで、マーシャル諸島に登記されたBillions Bunker Group Corp.、そしてOceanic Enterprise Co. Ltd.やUMC Corporation Peru S.A.Cからなる。

高雄のYancheng Precinct(=小港分局)の警察は、土曜日の午前10時頃、後にChen(=陳)であることが判明した男性1人が、居住していたLai Nan Streetにある6階建ての建物から転落して死亡したとの通報を受けたと話した。死亡当時、Chenは、国際制裁に違反して北朝鮮船舶に石油を積み替えるため、2017年に香港に登録された油槽船を、Billions Bunker Groupを通じて傭船した容疑で、台湾で捜査の対象になっていた。

2017年11月には、彼の船が南朝鮮(注、韓国)の税関によって差し押さえられ、これにより台湾当局による捜査が行われることとなった。2018年1月、高雄検察による取り調べのために呼び出され、その後、150万ニュー台湾ドル(50,700米ドル)の保釈金で釈放され、出国禁止になっていた。

台湾のTerrorism Financing Prevention Review Committee(注、「テロ資金供与予防審査委員会」の意)は、その後、制裁リストに彼を記載し、彼自身と彼の会社の資産を凍結し、これにより銀行の解約、送金、名義変更、あるいは支払いを禁止した。1週間後、Chenは、高雄の自宅で、睡眠薬を摂取して自殺を試みたが、病院に急送されて治療を受けた、と警察は話した。

そうした背景があったが、土曜日の彼の死は、捜査官らによると自殺であると強く考えられるという。捜査官らによると、Chenの死亡の状況を明らかにするため、捜査が行われているという。捜査官らは、Chenの自宅で、遺書と思われるものが発見されていると話している。しかし、犯罪は既に除外されていると語った。

Chenの資産に関し、高雄検察は、凍結を解除するかどうかを判断するため、Ministry of Justice(=法務部)に、上程することになると話した。(The Central News Agency: 2019/06/22 19:28:47)

朝鮮人の遺体がドナウ川で漁師によって発見(ハンガリー・韓国)

先月のドナウ(注、ダニューブ)川での観光船の沈没の朝鮮人犠牲者と思われる遺体が、事故現場から30キロメートル余(18.6マイル)離れたところで発見された、と当局者が日曜日に話した。

この遺体は、ブダペストの南朝鮮(注、韓国)政府対応チームによると、日曜日の午後10時8分頃、ドナウ川の事故現場の下流約30キロメートルのところで、ハンガリー人漁師によって発見されたという。朝鮮のチームは、ハンガリー当局と協力しており、この遺体が、5月29日の事故以来、行方不明となったままになっている3人の朝鮮人の1人であるかどうかの身元の確認を行う。

33人の朝鮮人観光客と2人のハンガリー人船員を乗せた観光船のHableanyは、その日、より大型のクルーズ船と衝突して転覆し、沈没した。朝鮮人乗客のうち、7人は直ちに救助されたが、他の23人は、現場か、その後、川沿いで死亡しているのが発見され、3人が未だに行方不明になっている。2人のハンガリー人船員も、溺死した。

沈没船は、今月これまでに引き上げられ、一方でハンガリー警察は、この事故の捜査を継続している。当地の警察は、船にクルーズ船を突っ込ませて沈没させた、Viking Sigynの船長を呼び出すものと見られている。この被疑者である船長は、6月中旬に警察の留置所から保釈され、ブダペストに滞在している。(The Korea JoongAng Daily: June 24,2019)

Condor Ferriesの売却「切迫」(英国・フランス)

Brittany Ferriesは、Condor Ferriesの買収を検討中だと伝えられている。

同社は、連合王国(注、英国)、フランス、スペイン間でフェリーを運航しているが、ITV News(注、英国のテレビ局)に対して、今日(6月24日)これから発表することを確認した。

Condor Ferriesの所有者であるMacquarieは、昨年、英国、チャンネル諸島、フランスの間を航海しているこの運航事業者の買い手を探していると発表していた。フランスのメディアは、Brittany Ferriesが、株主から買収計画を用意する内容の命令書を受け取っているが、これは他の共同投資家次第だと報じた。

Macquarieは、約2億6000万ポンドと見られる非公開価格で、2008年にCondor Ferriesを買収したが、その展開については、今日まで論評を拒否してきた。昨年、売却の見込みであることが明らかになった時、Condor FerriesのCEO(=最高経営責任者)であるPaul Luxonは、売却は、フェリーの運航には何の影響も与えないと述べていた。(ITV: 24 June 2019 at 10:14am)

負傷したクルーズ船客、バハマでのバス衝突事故の後、フロリダ州に空輸(バハマ・米国)

観光客の一行が、バハマでのバス衝突事故で、何がしかのクルーズ客が怪我をしたのを受け、月曜日に南フロリダに移送された。

National Emergency Management Agency(注、「国家緊急事態管理庁」の意)によると、4人が重体だったという。医療救助が、この4人のために手配された。同庁では、バスがひっくり返った原因については判らないと話している。4人の患者のうち3人は、腕や足の骨折から、内蔵損傷、更には麻痺の可能性までの範囲で重傷を負っている。4人目の患者の怪我は、軽傷だった。4人の患者全員は、Broward Health Fort Lauderdale(注、病院)に搬送された。Carnivalは、次の声明文を出した。

今朝、Carnival Ecstasyの32人のお客様を乗せた寄港地観光バスが、プリンセス・キーズの北、20分の(バハマの)エリューセラ島のロック・サウンドの近くで、事故に巻き込まれました。お客様全員は、地元の内科診療所で診察され、28人は船に戻されました。負傷した4人のお客様は、病院での治療のため、空輸されました。CarnivalのCareTeam(注、「介護班」の意)がこのお客様を支援しております。

事故原因は調査中です。一方、Cathedral Cove(=カセドラル・コウブ、注、「大聖堂入り江」の意)、Ocean Hole(=オーシャン・ホール、注、「大洋の穴」の意)、Rock Sound Island(=ロック・サウンド・アイランド、注、「岩海峡島」の意)Tour(=周遊)は、一時中止しております。Carnival Ecstasyは、6月22日にジャクソンビルを出発した5日間バハマ・クルーズを催行中です。(ABC Action News: 6:30 PM, Jun 24, 2019)

運輸:ホールセイのフェリー故障(英国)

ホールセイのフェリー便が、Hendraが故障したために、月曜日に混乱した。Fillaは同航路で短時間、立ち往生し、修理の間、Lingaが通常に近い運航を提供することとなった。

これは、この数週間の間にイェル・サウンド航路で混乱が繰り返された後で出てきたもので、Dagalienは修理後、シェトランド島に復帰するのが遅れている。(Shetland News: 24 June 2019 15:22)

黄色いベスト、ブレグジット、クルーズへの反感:なぜCarnivalはヨーロッパで好機を掴めないのか

Bernhard Warner

南ヨーロッパでのリセッション(=景気後退)。フランスでの「yellow vest(=黄色いベスト)」暴動。ベニス、バルセロナ、アムステルダムでの市民の反感。そしてブレグジット(注、英国のEU離脱)を忘れてはいけない。そして更に付け加えると、Carnival Corpはヨーロッパで大問題を抱えているのだ。

この旧世界のマクロ経済学(注、巨視的経済学)的かつ地政学的問題の影響で、先週末の同社の通年予想の沈没に繋がり、過去2週間の取引で、8パーセント以上も株式は急落した。大西洋の向こう岸(注、北米から見てヨーロッパ)での状況が大変急速に悪化していることから、この世界最大のクルーズ船運航事業者が、不確実な2019年下期に警鐘を鳴らすべく、第2四半期の業績を引き下げたことから、木曜日に市場を驚かせた。

分析者との電話会議で、CEO(=最高経営責任者)のArnold Donaldは、同社は、1株当たり利益、4.35ドルから4.55ドルから、4.25ドルから4.35ドルのEPS(=1株当たり利益)に、通年見通しを大幅に引き下げた。Donaldは、イタリアに本拠を置くCostaと、ドイツ語圏のAIDAのクルーズ船事業を、10パーセントから30パーセントの低下が予想されることになる2大罪人であるとしたのだった。「弊社のContinental European(=ヨーロッパ大陸)商標は、増大した地政学的かつマクロ経済学的逆風に直面しており、これが今年の業績に影響を与えています。」とDonaldは語った。

不幸中の幸いなのは、燃料費用の低下と好都合な通貨変動で、直近四半期に、僅かに痛手を弱めていることだ、と同社は話した。しかしペルシャ湾での緊張により石油価格は急騰し、既にユーロ安は更に減退しており、こうした外部要因が、海外での同社の事業や、その最終収益に更なる負担となり得ることとなる。

ヨーロッパは、全分野にとって、とりわけ手腕の試される市場となっているが、Carnivalは、その競合他社よりもずっと無防備のように思われる。「Carnivalは、公的取引クルーズ客船会社空間における独特のものです。ここは国家主義的、あるいは国粋主義的なものと呼べるブランド(注、商標)を有しているのです。」と、CostaとAIDAに言及して、William Blairを代理して同分野を取り扱っている分析者のSharon Zackfiaは話している。「そういうわけで、国内市場の環境に向けて若干、てこを使うようになっています。」

またこの取組みには、多くの動揺もある。今年の初めには、アムステルダムはクルーズ船乗客に対し、新たな税金を課し始め、Carnivalやその他は、別の場所に接岸することを強いられた。一方、バルセロナとベニス(注、ベネチア)は、Carnivalのクルーズの2大人気目的地だが、いずれも観光客の流入を抑制して、炭素排出量を逓減するため、より遠くの港に船をかわそうとしているのだ。今月これまでに、競合他社のMSC Cruisesが運航しているMSC Operaというクルーズ定期船が制御不能となって、混雑する埠頭に衝突したのを受け、ベネチア人は、この数週間に、巨大クルーズ船に対する抗議運動を強化している。

しかし同社は、イタリアにおける大問題は、景気低迷だと話している。イタリアはここ数年、景気後退を繰り返してきたのであり、それがイタリアの中産階級の購買力に影響を与え始めているのだ。同社は、南ヨーロッパの休暇市場と競合することになる、どこでも価格を押し下げることになる北アフリカやトルコの格安行楽地の開業を引き合いに出した。

イタリアと南ヨーロッパが、クルーズ休暇に対する需要が弱いという問題があるのに対し、ドイツの問題は、過剰収容力の1つであり、あるいは供給過多だとZackfiaは話している。ドイツ語圏市場は、新たな旅行会社の参入があって流動的であり、ドイツだけではなく、スイスやオーストリアでも、切符価格が下がっているのだ。

ドイツの価格問題は、来年直ぐにも好転し得る、とZackfiaは指摘した。しかし南ヨーロッパの問題は、同社が制御できないものだ。そして同社がヨーロッパの波の荒い海域で船を進めようとした時に視界不良となっていることから、木曜日のZackfiaの株式評価の引き下げの決定に繋がった。

Carnivalは、他にも問題を抱えている。例えばTrump Administration(=トランプ政権)は、例えばキューバに対して、新たな制裁を科しているが、これは約束していた新たな寄港を雷撃するものだ。しかしヨーロッパでは、Zackfiaが言うには、同社のクルーズ船収容力の27%にもなるのであり、今後数四半期に亘って、同社の足かせとなるものだ。

「ヨーロッパは不透明ですが、そこの状況は、更に言えば、今後6か月間の価格への圧力を総合すると、我々の格付け計画対象時間である12か月間に、同社株式がより優れているとする機会があるようには思えないのです。」とCarnivalをbuy(=買い)からhold(=保留)に格下げしたことを、Zackfiaは説明した。

少なくとも投資家にとっては、近い将来は、穏やかな海のようには見えない。(Fortune: June 24, 2019)

Meyer Werft、Saga Cruisesに史上初の新造船を引き渡す(ドイツ・英国)

ドイツのクルーズ船建造業者のMeyer Werftは、英国のクルーズ客船会社のSaga CruisesにSpirit of Discovery(=スピリット・オブ・ディスカバリー、注、「発見魂」の意)を引き渡した。この38,350総トンの船は、以前、中古船を運航してきたこの客船会社にとっては、史上初の新造船となる。4月にSpectrum of the SeasをRoyal Caribbean Internationalに引き渡した後、2019年にMeyer Werftが竣工した2隻目の新造船でもある。

今月これまでに、Spirit of Adventure(=スピリット・オブ・アドベンチャー、注、「冒険魂」の意)向けのキールの設置(注、起工)がなされており、Saga Cruisesの2隻目の新造船は、同造船所で祝われた。Spirit of Adventureは、2020年夏に竣工する。これらの船は、それぞれ全長236メートル、幅31.2メートルで、999人の乗客を収容することが可能だ。Spirit of Discoveryは、今年これまでに売却されたSaga Pearl IIに取って代わるものだ。ドーバーに到着後、今月これから、そのクルーズ・シーズンを開始する。

現代のクルーズ船にしては比較的小型の大きさは、Sagaの市場には適しているが、この新船の追加で、船隊全体の収容力は倍増する。この大きさは、船全体の工事で、2棟の小さな建物ホールをこの造船所が使用することを可能にするものであり、Meyer Werftにとって、利益となるものでもあった。

Spirit of Discoveryは、環境に優しく、資源を節約する設計を特色としており、Siemensによって開発されたeSiPodという完全方位角鞘型推進システムを備えた船を建造する最初の造船業者ともなった。9気筒のMAN 32/44という4組の機関は、それぞれ5,400kwであり、巡航速力は16ノットになる。

Meyer Werftは現在、2023年末まで、長期間の引き渡し注文を有しており、全ての部門で、新たな従業員を求めている。(ShipInsight: 25 June 2019)

Chelsea、「Roro」船の供給で日本企業と提携(フィリピン・日本)

CHELSEA Logistics and Infrastructure Holdings Corp.は、ビサヤとミンダナオの目的地で使用することになる旅客ロール・オン、ロール・オフ(Roro) 船を1隻供給するため、日本企業のFukuoka Shipbuilding Co. Ltd.(=福岡造船株式会社)を指名した。

この契約では、Fukuoka Shipbuilding(=福岡造船)が、旅客1,085人、バス24台、トラック11台を積載できる123メートルのフェリー1隻を建造する。この船は、2021年6月までに引き渡される。(中略)

3月末現在、このフィリピンの海運・物流会社は、ダバオに本拠を置く実業家、Dennis A. Uyの支配下にあり、油槽船、ロパックス(注、カー・フェリー)、そして貨物船に亘る40隻からなる船隊を保有している。(The BusinessMirror: June 26, 2019)

これが投資家がCarnival (CCL)を遠ざけるべき理由(米国)

Carnival Corporation CCLは、最近の輝きを失ってきている。同社の価格傾向を見ると、同社株は、過去3か月間の株式取引所では、印象的ではない動きを示している。とりわけCarnivalは、同業界が3.5%の下落であるのに対して、10.3%下落している。この最近の下落は、軟調な2019年営業年度の展望に主として原因があり得るものだ。掘り下げて見てみよう。

暗い2019年営業年度の展望

2019年営業年度第2四半期における予想以上の収入報告にも拘わらず、同社株は、同社が2019年営業年度見通しを調整したのを受けて打撃を受けた。Carnivalは今や、以前の予想では、収容力が4.6%増で、クルーズの純収入が5.5%改善するとしていたのに対し、それぞれ4.5%増、4.5%増と見ている。同営業年度、同社は、EPS(=1株当たり利益)を4.25ドルから4.35ドルの幅で予測しており、以前の4.35ドルから4.55ドルの予測よりも引き下げている。Carnivalは、前年度四半期には、1株当たり2.36ドルの調整収入だったのに対して、2019年営業年度第3四半期のEPS(=1株当たり利益)は、2.50ドルから2.54ドルと見ている。

また、第3四半期と2019年営業年度は、いずれもZacks Consensus Estimate(=Zacksコンサス予想値)よりは低位で安定している。今四半期と今年の利益予測は、過去7日間に、それぞれ5.2%と4.2%に大幅に低下しており、同社の予想利益を巡る分析者の懸念を反映したものとなっている。

キューバ渡航に関する政策変更

Trump政権のキューバ渡航に関する政策変更は、懸案事項だ。キューバへの渡航禁止は、この地域における航海需要が大変に高い夏の休暇シーズンが始まるクルーズ業界に、巨大な影響を与えることになる。2019年営業年度において、Carnivalの利益に、4パーセントから6パーセントの影響を与えることになる。更にCarnival Vistaに関連する航海混乱で、最終収益は、8パーセントから10パーセント落ち込むことになる。

これを別にしても、同社では、2019年下期に切符価格が低下するものと見ている。キューバ渡航に関する政策変更は、Norwegian Cruise Line Holdings Ltd. NCLHやRoyal Caribbean Cruises Ltd. RCLのような、他のクルーズ運航事業者に対しても影響を与えることになる。

費用高騰

Carnivalは、そこのブランド(=商標、注、子会社)が、より収益を創出する機会を生み出すものであることが明らかとなるにつれて、今年、追加投資を行うことを狙っている。長い目で見れば、こうした努力は、同社の利益になるものと見られるものの、短期的な利幅や利益には負担となる恐れがある。

また、広告やテレビ番組に対する投資の増加は、同社の費用を増大させることとなる。2019年営業年度の第3四半期において、(燃料を含む)クルーズの正味費用は、ALBD(注、一日当たりの利用可能な下寝台)当たり、前年度との比較で、恒常通貨(注、「為替変動の影響を除いて」の意)で、0.5%から1.5%増になるものと見られている。2019年営業年度において、同社は通年クルーズ正味費用(燃料を含む)は、ALBD(注、一日当たりの利用可能な下寝台)当たり、以前の見通しでは0.5%増だったのに対して、約0.7%増にまでなるものと見ている。

Zacks Rank & Stock to Consider(=Zacksの格付け・株式検討)

Carnivalは、Zacks Rank #5 (Strong Sell)(=Zacksの格付けは#5で、売りを強く推奨)。(Nasdaq: June 26, 2019, 10:08:00 AM EDT)

ドナウ川での船舶沈没で最新の遺体が見つかり、南朝鮮人行方不明者と確認(ハンガリー・韓国)

ハンガリーのドナウ(注、ダニューブ)川で先週、遺体が見つかり、死者の出た観光船の沈没で行方不明となった南朝鮮(注、韓国)人女性であることが確認された、とソウルの外交部は、金曜日に話した。

これで、5月29日の沈没で未だに行方不明の南朝鮮(注、韓国)人の数は2人となり、他の24人の朝鮮人と2人のハンガリー人船員の死亡は、確認された。DNA鑑定で、この遺体は、後ろから来た大型クルーズ船によって追突され、転覆・沈没した観光船に乗船していた33人の南朝鮮(注、韓国)人の乗客の1人である60代の女性であることが判明した。女性は、先週の土曜日に、ブダペストの沈没現場から30キロメートル余離れたところで発見された。

朝鮮(注、韓国)政府は、ハンガリーやその他の近隣諸国に対して、捜索活動で全力支援を要請しており、事故原因についての徹底捜査を呼びかけている。木曜日(ブダペスト時間)、South Korean Ambassador to Hungary(=駐ハンガリー韓国大使)のChoe Kyoo-sikは、ハンガリーの検事総長に対し、Prosecutor General(=検事総長)のMoon Moo-ilが捜査の協力と努力の継続を求める書簡を送った。

事故の夜に7人が救助され、他に7人が溺死しているのが見つかった。2人のハンガリー人船員も溺死した。船は、今月これまでに、川床から引き揚げられた。(The Korea Herald: Jun 28, 2019 - 09:45)

ドーハ港の浚渫後クルーズ観光増加へ(カタール)

ドーハ発。Doha Port(=ドーハ港)の浚渫と臨時停泊地の追加で、国にやって来るクルーズ船と観光客は増加し、国内観光業の急騰に役立つことになる。観光業の成長で、ホテル、食堂、小売店やサービス部門が主として恩恵を受けることになる、と専門家は話している。

Ministry of Transport and Communications(=運輸通信省)は先週、再開発計画の一環であるドーハ港の浚渫作業が完了したと話した。接近航路で3.5mn立方メートルの物体が除去され、臨時停泊地が、1隻以上の巨大クルーズ船を収容すべく供用されているという。(中略)

ドーハの観光客数は、顧客向け取り扱い設備や収容力、政府の観光分野に対する集中的な対策、そしてカタールに主要クルーズ客船会社を誘致するMwani Qatar(注、カタールの海港・海運ターミナルの監督官庁)の努力により、かなり増加している。

ドーハ港は、2018年―19年シーズンに、記録的な乗客数を迎えた。ドーハ港はこのシーズン中に、44隻の船に乗船した144,707人の乗客と船員を受け入れた。観光客数の増加で、主流のクルーズ船はドーハに関心があることを表明し、ドーハにより大型のクルーズ船を配船するようになった。QNTC(=カタール国家観光局)によると、カタールは、今年の第1四半期に588,000人の訪問者を受け入れており、昨年の第1四半期との比較では、10パーセント増となっている。(The Peninsula: 29 Jun 2019 - 10:06)

Ferry Hyak、就航52年後の日曜日の夜に最終航海を行う(米国)

Ferry Hyakは、就航52年後の日曜日の夜に最終航海を行うことになる。

この船は、州議会からの保守資金が得られなかったために引退する。この日曜日の夜は満員で、シアトルからブレマートンに、Prideのために向かう乗客で一杯だった。

ブリティッシュ・コロンビア州のビクトリアから来た父親と息子は、このフェリーから最後の眺めを見るために、カナダから特別の週末旅行をしていた。「このフェリーは、私と同じ年だと思うのです。実際、52歳なんですけどね。」とシアトルに住んでいたことのあるAdem Tepedelenは話した。「だから私にとっては、一種のクールなこと(注、凄いこと)であって、このフェリーが長い間、運航していたことも知っていますよ。」

Hyakは、1967年にピュジェット湾から航海を開始した。最古のフェリーではないものの…Tillicumの方が古い…、改装していない船の1隻だった。未だに数十年前と殆ど同じに見えるものだ。

Washington State Ferriesは、今後20年間に、12隻以上の船を引退させることにしている。真新しいフェリーは承認されているが、3年以上も就航する準備が出来ていない。日曜日にHyakの運航が終了して、混雑する夏の間に運航するフェリーは、23隻から22隻になる。(KIRO 7: Jun 30, 2019 - 11:55 AM)

Carnival、Royal Caribbean、そしてNorwegian Cruise Lineはクルーズ業界での支配を巡り激戦、これがその状況(米国)

Carnival Corp、Royal Caribbean Cruises、そしてNorwegian Cruise Line Holdingsは、クルーズ業界での3人の立役者だ。合わせれば、利益は60億ドル近くになり、2018年のクルーズ市場の70%以上を占めている。今年、クルーズ需要は成長するものと見られていることから、この3社は、新たな顧客を求めて戦いを続けることとなる。しかしCarnival、Royal Caribbean、そしてNorwegian は同じではない。それぞれは、業績や時価総額を反映して、異なる尺度で運航している。これは、クルーズ業界の3大会社がどういう状況になっているかを示すものだ。

利益

各社は、2018年度の通年利益を、次のように報告している。
Carnival:32億ドル
Royal Caribbean:18億ドル
Norwegian:9億5480万ドル

旅客数

各社の2018年度の旅客数は、次の通り。
Carnival:1240万人
Royal Caribbean:610万人
Norwegian:280万人

市場占有率

3社は、2018年度の世界クルーズ業界の収益において、次のような占有率となっていた。
Carnival:39.4%
Royal Caribbean:20.2%
Norwegian:12.6%
出典:Cruise Market Watch

時価総額(2019年6月現在)

Carnival:333億6000万ドル
Royal Caribbean:253億6000万ドル
Norwegian:114億6000万ドル

従業員の年俸の中央値

各社の2018年度の従業員の年俸の中央値は、次の通り。
Norwegian:20,101ドル
Royal Caribbean:19,396ドル
Carnival:19,396ドル

従業員数

Carnival:約154,161人(2018年10月31日現在)
Royal Caribbean:約77,000人(2018年12月31日現在)
Norwegian:約33,200人(2018年12月31日現在)

船舶数

Carnival:104隻(2018年11月30日現在)
Royal Caribbean:60隻(2018年12月31日現在)
Norwegian:26隻(2018年12月31日現在)

クルーズ客船会社の数

Carnival:9社
Royal Caribbean:6社
Norwegian:3社

CEO(=最高経営責任者)の稼ぎ

3社は、次のような2018年度のCEOの年俸を報告している。

Norwegian: Frank Del Rio-22,593,061ドル*
Carnival: Arnold Donald-13,515,884ドル
Royal Caribbean: Richard Fain-12,422,715ドル
*会計処理上、Del Rioの2018年度の年俸には、2017年度の株式報酬が含まれている。2017年度の株式報酬を除くと、Del Rioは、2018年度に14,873,324ドル稼いだことになる。

各社の歴史

Norwegian:53年
Royal Caribbean:51年
Carnival:47年(Insider: Jun. 30, 2019, 8:15 AM)