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2017年2月

2017年2月の海外旅客船情報

中国による制裁は、今やクルーズ船にも及ぶ(中国・韓国)

国際的なクルーズ船運航事業者が、中国と南朝鮮(注、韓国)を直接に結ぶ運航の回数を削減している。この動きは、ソウル(注、韓国政府)が合衆国のミサイル防衛システムを導入する決定を行ったことに対する北京(注、中国政府)の報復措置と一致するものと思われる、と業界筋が火曜日に話した。

同筋によると、中国北東にある天津(=ティエンチン)市から出発して南朝鮮(注、韓国)に直行しているクルーズ船を運航しているMSCは、今年から、今や通常よりも3回少ない旅行を提供している。同社が直ぐに朝鮮(注、韓国)行きのクルーズの本数を元に戻す計画はないと言われている。

「最近、天津を出発するクルーズ船の中には、寄港地を南朝鮮(注、韓国)から日本に変更したところがあります。」と業界筋は、匿名を条件に語った。「朝鮮(注、韓国)に(直接)向かう船舶を減らしているように見えます。というのは、Thaad(=戦域高高度地域防衛)を巡る緊張が高まっている中、同国(注、韓国)への渡航許可を取得することが困難になって来ているからです。」

天津は、上海と並んで南朝鮮(注、韓国)に向かうクルーズ船を抱える中国の主要港湾で、その大半は中国人観光客だ。

昨年暮れに、Princess CruisesやNCLのような他のクルーズ運航事業者が、中国から朝鮮(注、韓国)に向かう運航を減らして、同様の行動を取っていた。

この動きは、南朝鮮(注、韓国)がU.S. Terminal High Altitude Area Defense(=合衆国終末高高度地域防衛)というミサイル迎撃システムを領土内に配備することを許可する決定を7月に行ったことに対抗する、一連の中国の報復措置と見られるものの最新のものだ。

中国は、戦域高高度地域防衛の強力なレーダー・システムは国家安全保障を危機に晒すものだと言って、この決定には公然と反対している。南朝鮮(注、韓国)と合衆国は、この配備は北朝鮮からのミサイルだけを標的にすることを意図していると言っている。

中国は、報復的な行動を取ることを公式には認めていないが、北京(注、中国政府)は文化、娯楽、化粧品から観光までの多くの領域において、南朝鮮(注、韓国)に対し厳しく取り締まるようになっている。

中国は、格安旅行を撲滅する努力の一環だと言って、朝鮮(注、韓国)行きの旅行者を約20パーセント減らすよう命じたと言われていることから、観光業界は潰されるものの1つとなっている。

また南朝鮮の航空会社が、Chinese New Year(=春節、旧正月)の休暇に先んじて、中国から朝鮮(注、韓国)に向かうチャーター便の飛行の要求を拒絶したことも知られている。

経済と商取引の分野での中国からの圧力増大に直面し、ソウル政府(注、韓国政府)は先に、中国との戦域高高度地域防衛騒動をWorld Trade Organization(=世界貿易機関)に持ちこむ可能性を含めた様々な対抗手段を準備していると話していた。(JoongAng Ilbo: Feb 01,2017)

MSC CruisesとARTA、クルーズ船LNG燃料補給で協力(スイス・フランス)

MSC CruisesとARTAは、MSC Cruisesの船舶用の液化天然ガス(LNG)バンカーリング・システムの開発で協力すると発表した。この過程において「クルーズ船向けのLNGバンカーリングの新しい水準を設定する」ことを狙いとしている。

この協力を通じて、両社は、LNGを燃料補給船や陸上の施設からクルーズ船に移送することを意図した耐久二重波形ステンレス鋼ホースを開発したと話している。(中略)

Ship & Bunkerが先に報じたように、MSC Cruisesは水曜日に、4隻のLNG駆動クルーズ船の建造で、STX Franceとの間で同意書(LOI)に署名し、2022年、2024年、2025年、2026年に引き渡すことになっていると発表した。(Ship & Bunker: Wednesday February 1, 2017)

Total、Brittany FerriesのLNG駆動の新造船にLNG燃料を供給へ(フランス)

フランスのTotal S.A. (Total)はBrittany Ferriesとの間で、このフェリー運航事業者の新造LNG駆動船に液化天然ガス(LNG)を供給する契約に署名した。この船は、ポーツマス―カン航路に2019年に配船されることになっている。TradeWindsが報じた。

Ship & Bunkerが12月に報じたように、Brittany FerriesはドイツのFlensburger Schiffbau-Gesellschaft mbH & Co. KG (FSG)との間で、この新船の建造についての同意書(LoI)に署名した。

Total Marine Fuelsのmanaging director(=代表取締役)であるOlivier Jounyは、アムステルダムであったLNG Bunkering Summit(=LNGバンカーリング・サミット、注、「液化天然ガス燃料補給最高首脳会議」の意)で、両社は合意に達したことを確認し、この手配ではトラックによって供給されることになりそうで、このフェリーの寄港地にLNG貯蔵施設がないことの解決策を提供するものとなると言及していた。

12月にShip & Bunkerは、TotalがLNGバンカー市場において「key player(=中心的存在)」になる意図を示唆してきたと報じていた。

またJounyはShip & Bunkerに対し、本日発効する変更として、Total Marine Fuels Global Solutionsとして知られている新グループに、その舶用燃料補給事業を再編すると話していた。(Ship & Bunker: Wednesday February 1, 2017)

オンライン・クルーズ雑誌が禁止された旅行者に「アメリカ」を提供(米国)

ドバイに本拠を置く中東と南アフリカ向けのオンライン・クルーズ雑誌「Cruise Arabia」は、イラン、イラク、スーダン、リビア、イエメン、シリア、そしてソマリアから合衆国に入国することを旅行者に禁止したPresident Donald Trump(=Donald Trump大統領)が署名した大統領命令である、所謂「Muslim ban(=イスラム教徒禁止令)」を回避する選択肢を旅行者に提供している。

この法令によって影響を受けるアラブ首長国連邦の100万人のために、Cruise Arabiaは「中東または正にアラビア湾(注、ペルシャ湾)を実際に離れることなく、アメリカ文化の浮島を訪れる象徴的な機会」を思いついたのだ。

この一覧は、「『Americaness(=アメリカらしさ)』の順位に従って並んでおり、 NorwegianやRoyal Caribbeanのような見覚えのあるクルーズ客船会社で行く旅行が含まれており、ドバイを出発して、イタリア、ギリシャ、シンガポール、南アフリカのような国に向かうものだ。

一覧は、合衆国に接岸する代わりとなるものを探している旅行者にとっては、重宝するものとなる。週末、イラン人科学エンジニアでグリーン・カード保持者(注、永住権取得者)であるMaysam Sodagariが、メキシコへのゲイ・クルーズから戻って来たところ、フロリダ州のポート・エバグレーズで合衆国税関職員によって3時間抑留された、とMiami Herald紙が報じた。「一夜にして私の地位が変更になりました。合法的な人物から、一種の違法な人物になったのです。」とSodagariは語った。

日曜日にTrumpの大統領令について書いた海事弁護士のJames Walkerによると、グリーン・カードを保持しているイランやイラク出身の他の数人の客も、クルーズ船が接岸するや、フォート・ローダーデールで抑留されたという。この法令については不明な点があることから、Trumpの禁止国一覧の出身者であるかどうかが明らかではなくても、とりわけ、主としてイスラム教国出身の多くのクルーズ職員には、混乱や戸惑いが生じている。

「私は、通過査証でやって来た人には、単純にフォート・ローダーデールで今週末に起こったことから、トラブルを予想すべきだと話しています。」とWalkerはVocativに語った。(Vocativ: Feb 01, 2017 at 4:38 PM ET)

クルーズ定期船を惹きつけることを目指して6つの日本の港湾を改修へ(日本)

火曜日、運輸省(注、国土交通省)は、より多くのクルーズ船と海外からの観光客の増加を狙った事業の下で、施設の改修を行う6つの国内港を選択した。この6つの港湾は、横浜、静岡県の清水、長崎県の佐世保、熊本県の八代、そしていずれも沖縄県の本部と宮古島。

この事業では、クルーズ船運航事業者が、港湾で自己資金を使って旅客ターミナルやその他の施設を建築する。他の運航事業者は、これらの施設を利用することが許されることになる。その代り、施設を建築した会社には、これらの港湾の埠頭を使用する優先権が付与されることになる。

この事業に関わっている運航事業者は、大手海運会社のNippon Yusen K.K.(=日本郵船株式会社)の子会社である日本のNYK Cruises Co.(=郵船クルーズ)と合衆国のRoyal Caribbean Cruises Ltd.。

クルーズ船で日本にやって来た訪問者数は、2013年の174,000人から、2016年には190万人に急増している。2020年に訪問者を500万人に引き上げることを狙っている政府(注、日本政府)は、将来改修する更に多くの港湾を選択する計画だ。(The Japan Times: Feb 1, 2017)

Balearia、2隻以上のLNG焚きのフェリーを発注(スペイン・イタリア)

2017年2月1日。スペインのLaNaval造船所に巨大な232.2メートルのLNG焚き「smart(=高性能・格好いい)」クルーズ・フェリーを発注してちょうど1年ほどして、フェリー運航事業者のBaleariaは、イタリアのCantiere Navale Visentiniとの間で、2隻の僅かに小型の二元燃料フェリーの工事についての2億ユーロ(約2億1500万ドル)の契約に署名した。

長さ186.5メートルで、810人乗り。貨物や乗用車150台向け2,180リニア・メーターの収容力を有することとなる。この造船所からの引き渡しは、2018年の暮れまでになるものとみられる。この船は合計出力20,600 kWの2基の二元燃料機関により、速力は24ノットに達するものとなる。

両船は実質的に同一の特徴を有しており、船室は123室で乗客席が402席、船上では幅広いサービスを提供することになる。これにはア・ラ・カルト(注、一品料理)食堂やセルフ・サービス食堂、酒場、売店、視聴覚プログラム、子供のワークショップ(注、子供部屋)、手品公演が含まれる。

Baleariaのpresident(=社長)であるAdolfo Utorは、これら2隻の新しいフェリーで「競争力を得ると同時に」、同社は乗客と物流業者の双方に対し、改善されたサービスを保障することが可能となると語った。この2隻の高性能船は「より持続可能な(注、地球環境に優しい)ものとなる最新の技術を組み込み、最高の旅客旅行体験を保障するものとなる。」(Marine Log: FEBRUARY 1, 2017)

腹痛の勃発がクルーズ船のお客を襲う(オーストラリア)

クルーズ船の100人近いオーストラリア人乗客が、パプア・ニュー・ギニアに向かった12日間航海の終わりに悩まされた腹痛ウイルスに襲われた。

Sun Princessは、木曜日にブリズベンに接岸し、2000人の乗客全員が下船後に、徹底的に清掃された。Carnival Australiaは、お客の比較的「small number(=少数)」と船員の何人かが、この周遊旅行の終わりにノロウイルスに罹患したことを認め、同船はニュー・ジーランドへの14日間クルーズに向かう前に徹底的な清掃が行われた。(NEWS.com.au: February 2, 20175:39pm)

ウクライナ:日本の海運会社のNYK、Chornomorsk港に注目(ウクライナ)

日本の海運会社のNYK Line (RoRo Division)の代表団がChornomorsk港を訪れ、このフェリー・ターミナルの運営可能性をよく理解した。同社が今年にも同港で作業を開始する可能性は高い、とUkrAgroConsultは報じた。

同港の経営陣は、NYK Line (RoRo Division)の代表団とウクライナの代理店であるMICS LTDが含まれる公式代表団を受け入れた。この日本の客は、同港の社会基盤をよく理解し、満足していた。

伝えられるところによると、この会談で事実上、2017年第1四半期にもChornomorsk港でNYK Line (RoRo Division)の最初の船が寄港する結果となるかもしれない。

NYK Line(=日本郵船)は、日本最大の海運会社。Mitsubishi Group(=三菱グループ)に属している。RoRo Divisionは、世界最大の外洋RoRo船運航事業者。(UkrAgroConsult: 02.02.2017)

旅行掘出し物:15日間日本旅行とクルーズで1000ドル引き(日本・オーストラリア)

緑に囲まれた名高いOsaka Castle Garden(=大阪城西の丸庭園)、京都のFushimi Inari Shrine(=伏見稲荷神社)で朱色のtorii(=鳥居)という門を潜って行く散策、そして2階の最上階が完全に金箔で覆わられている禅寺であるGolden Pavilion(=金閣寺)の驚異。

その後、東京、宮崎、境港、釜山、敦賀、そして秋田に行くGrand Princessでの8泊クルーズとなる。船上での全食事と娯楽付き。

通常、この15日間日本旅行とクルーズは、シドニー、メルボルン、ブリズベン、パースからの航空機込みで3999ドルだが、現在、2月28日までに支払うと1000ドル引きで、1人当たり2999ドルから提供されている。8月22日の出発は、全て英語を話す観光ガイド、観光と移動機関、乗り換えの料金を含む。Ph 1300 813391。詳しくはウェブサイトへ。(Western Advocate: 3 Feb 2017, 11:25 a.m.)

三菱重工は全商業造船部門の分社化を視野に(日本)

東京発。Mitsubishi Heavy Industries Ltd.(=三菱重工業株式会社)は木曜日、膨張するクルーズ船建造費用の下でもがいていることから、全商業造船事業を分社化することを検討しているところであると述べた。

この分社化は、早ければ7月に実行し得るものだが、同部門の設計部門だけではなく、製造部門も含まれることになる、とPresident Shunichi Miyanaga(=宮永俊一社長)は、同社の業績を発表した記者会見で述べた。この重機製造業者は、旅客ジェットの開発費用の急増にも直面している。

同社は、4月から12月までの期間に112億4000万円(1億ドル)のグループの純損失を計上したが、2015年の同時期は533億9000万円の純利益だった。これはクルーズ船事業の追加損失と、予想よりも円が強かったことによるものだ。12月までの9か月間のグループの営業利益は、1年前よりも63.1パーセント急落して684億8000万円になり、売上高は2.69兆円で、1年前よりも4.9パーセント減少した。子会社のMitsubishi Aircraft Corp.(=三菱航空機)によって行われている事業であるMitsubishi Regional Jet(=三菱リージョナルジェット)の開発費用の増加も収益に重くのしかかっており、この輸送部門は営業損失を記録している。

この重機製造業者は、通年収益予想を変えておらず、3月締めの年度内に4兆円の連結売上、2400億円の営業利益、1000億円の純利益を予想している。

同社はまた、航空機製造会社の62歳のHiromichi Morimoto(=森本浩通)が3月31日に退任し、65歳の三菱重工のexecutive vice president(=常務執行役員)のHisakazu Mizutani(=水谷久和)と交代すると発表した。

先月末に三菱重工は、この旅客機の最初の引き渡しを2020年半ばまでを延期すると述べていた。これは引き渡し予定において、5回目の遅延となる。この延期は、開発費用に更に約1000億円が追加となり得るものであり、現在、開発費用は4000億円から5000億円になるものと予想されている。

宮永は、経営陣の入れ替えが従業員の士気を高めることに役立つことを期待している(注、「人心を一新してもう一度頑張る」)と語った。(Mainichi: February 3, 2017)

アジア初のハイブリッド電動フェリーが就航(台湾・フィンランド)

もし旗津(=チージン)島のフェリーが期待に沿ったものであれば、台湾の高雄(=カオシュン)の港町では、その全てのフェリーをディーゼルから電動に切り替える計画だ。

このアジア初のハイブリッド電動フェリーは、電動船技術を使った同市の海上輸送部門の清浄化計画の第1期において、台湾の高雄港に就航した。

フィンランドの電動船製造業者のVisedoが台湾のShip and Ocean Industries R&D Centerと共同作業し、旗津島の旅客フェリーを電動駆動に改造して、アジア初のハイブリッド電動フェリーを作り上げた。

この新しい電動フェリーは、Ferry Happinessと呼ばれ、先月末から港を横切って、旗津島という台湾の人気の観光地に乗客を運んでいる。通常航海の50パーセントで電力で運航しており、毎日15,000人を輸送するために通常使用される燃料が半分になっており、年間では、毎年25,000リットル以上の燃料が節約される見込みだ。

フェリーは現在、未だに半分はディーゼルで駆動しているが、Visedoによると、急速陸上充電能力が導入されるや、電動駆動時間のパーセンテージは更に上がるという。

もしこの改造フェリーが成功すれば、高雄市は同市の汚染を削減し、大気環境を改善すべく、この地域の船隊の残りを改造する計画だ。

アジアは、グリーン(注、環境に優しい)フェリーにとっては鍵となる市場だ。多くの人々が毎日通勤のためにフェリーに頼っているが、しかしディーゼル機関による大気環境に対する懸念は高まっている。例えば香港では、旅客フェリーはビクトリア港の免許された船舶の大半を占めているが、大気汚染で毎年、この都市圏では3,000人以上が死亡している。(後略)(businessgreen.com: 03 February 2017)

LNG海運の展望は楽観的、需要の成長と供給改善到来と船主話す

LNG(=液化天然ガス)供給の著しい増加が予想され、新たな需要中心地の多くが成長していることから、長期傭船をしているLNG運送業者にとっては、需要見通しは楽観的なままだ、と今週、船主のGasLogは話した。同社は「複数年傭船の申し出が続いており、弊社では、これからの数年に誕生する新しい液化天然ガス施設から運送することに使われるものと見ている。弊社では、新たなLNGが、今日の市場のおいて利用可能な船舶に加え、追加した船舶の需要を作り出すものと考えている。」という。

GasLogの資料によると、「第4四半期において、LNG供給と海運需要の高い成長が継続しているという数件の発表がある。

BPは、ENIのCoral South Floating LNG (“FLNG”)という施設によって生産されるLNGの100%を購入することを確約した。この施設は、モザンビーク沖に導入され、年間(“mtpa”)約330万トンの能力があるものと見られる。この関与により、ENIでは、この事業を発展させることが可能となった。

またBPは、モーリタニアとセネガル沖の埋蔵ガスを開発し、アフリカに新たなLNG中心地を建設すべく、約10億ドルの投資を行うと発表した。

PETRONASの1.2 mtpaのマレーシアのFLNG(=浮体式液化天然ガス)施設は、2016年に成功裏に始まった8つのLNG液化事業の1つだった(他のものには、Sabine Pass(=サビニ・パス)、Australia Pacific(=太平洋オーストラリア)、Gladstone(=グラッドストーン)、Gorgon(=ゴルゴン)がある)。

Totalは、TellurianのドリフトウッドLNG事業に2億700万ドルの投資を行ったと発表した。最終的に当四半期におけるLNG供給の増加は、Train 1が保守のために操業停止したChevronのゴルゴン施設の供給停止により、僅かに相殺された。」

GasLogは更に次のように述べた。「当四半期中、新しい浮体式貯蔵・再ガス化ユニット(“FSRUs”)についての数件の発表があった。これらの事業は、陸上のターミナルよりも概して市場に早く送られ、しかもより柔軟なFSRUsを選択した新規および既存の輸入国の傾向を継続させている。

12月、GasLogは、Gastradeの20パーセントの株式を取得する売買契約を発表した。Gastradeは、FSRU(=浮体式貯蔵・再ガス化ユニット)やその他の固定社会基盤を活用する北部ギリシャの独立した沖合天然ガスシステムの開発免許を得ている。

Global Energy Infrastructure Limitedは、パキスタンのカシム港にあるそのLNG輸入施設のため、20年間のFSRUチャーター(=貸切り契約)に署名した。これはカシム港の3つ目のFSRUとなるもので、この地域における需要増加を実証するものだ。

Totalが率いるCI-GNL (Ivory Coast LNG)という共同事業体は、象牙海岸(注、コートジボワール)の3 mtpaのFSRU を建設・営業する権利が与えられた。

ブラジルのガス電力事業であるPorto de Sergipe Projectは、最終投資決定(“FID”)を行った。このFIDと関連して、この事業の出資者は、25年FSRUチャーター契約を締結した。

また当四半期においては、トルコがその最初のFSRUであるGDF Suez Neptuneをフランスの公益事業会社であるEngieからチャーターした。

この年、7件の新たなFSRUの参入者があり、前年までよりもかなり増加しており、沖合再ガス化社会基盤の需要が伸びていることの実例となっている。これは今日、世界中で約20の既存のFSRU事業が操業中であることと比較される。」

この船主によると、「当四半期における短期海運市場においては、大西洋海盆のスポット相場が1日当り約45,000ドルに増加し、年度末には50,000ドルを上回ることを仲介業者が報告した。触媒となっているものは、合衆国からパナマ海峡を通過してアジアに向かう多くの貨物による巨大なton-mile(=トン・マイル)需要。不定期傭船の期間も、往復運航経済により改善し、今や短期航海でも改善が見られるものがある。

太平洋海盆では、相場は大西洋よりも1日当たりの約38,000ドルと低いと報告されており、多くは当期中の船舶の利用可能性が増えていることによるものだ。」

一方、当四半期における合衆国天然ガス価格は、30%増の100万British thermal units(=英国熱単位)(“mmbtu”)当り4ドルになった。

しかし北東アジアのLNG価格は60%まで上昇し、mmbtu当り約10ドルとなっている。これは日本、中国、朝鮮(注、韓国)のような鍵となる需要中心地において、冬の寒さが始まったことによるものだ。目的地の柔軟性から、ton-mile(=トン・マイル)需要が増加しているアジアへ更なるLNG貨物を送ることが可能となっている。

2016年全体で約275隻の短期設備があり、2015年よりも50%以上の増加となっている。一方、持続的回復を予想するのは時期尚早であり、弊社では基本的には、2017年以降も回復の方向性を示し続けるものと考えている。」とGasLogでは結論付けた。(Hellenic Shipping News Worldwide: 03/02/2017)

世界最大のハイブリッド・フェリーが2018年にノルウェーに遣って来る(ノルウェー)

ノルウェー最大のフェリー会社の1つであるColor Lineは、世界最大のバッテリー・エレクトリック・ハイブリッド・フェリー(注、「電池電動混合フェリー」の意)の建造で、Ulstein Verftとの間で同意書に署名した。長さ525フィートのColor Hybridは、乗客2,000人と乗用車500台を積載し、サンネフヨルとストレームスタード間を運航することになる。サンネフヨル内と、この航路の両終点での岸壁付近では、電力のみを使用する見込み。(中略)

船内の電池は、岸壁の電力と接続しているFrench NG3プラグを使ってサンネフヨル埠頭で充電することになる。同一のプラグが類似のフェリーでも使われている。この電池パックの容量はまだ決まっていないが、4MWhよりは大きなものとなる。合計30分間、船内のディーゼル機関からの助けを受けることなくフェリーを駆動させる能力がある。この電池は、もし必要があれば、運航中にディーゼル機関により再充電することが可能だ。

Fosen YardのDesign manager(=設計支配人)であるPer Edvin Tandeは、Color Hybridでは新しい船体設計を使用すると話している。

「過去の事業から得た弊社の経験と知見による新しくて改良された船体設計があります。エネルギーと環境に対する懸念が、この新しいフェリーの設備に対する設計要素を推進させるものとなっています。」とTandeは語った。

「弊社の野心は、ヨーロッパ近海海運の指導者となることであり、Color Hybridはこの1つの証明となるものです。」とColor LineのTrond Kleivdalは話す。

「Color Lineは現在、ノルウェーに登録された船舶のみを使用して、しかもノルウェーの会社によって保有されている国際旅客及び貨物事業における唯一の会社となっております。弊社の新船で焦点を合わせていることは、環境技術です。」

Color Hybridは、ノルウェー政府が推奨している現代技術水準を遵守しているおかげで、合衆国での使用が承認されることになっている。(Gas 2.0: February 4th, 2017)

乗客127人が乗ったフェリー、Prevelisがギリシャ沖で浸水(ギリシャ)

フェリーのPrevelisが、ギリシャのセント・ジョージ島沖のサロニコス湾で浸水した。同船は乗客127人を乗せてピレウスからミロス島に向かう途中だったが、出発して間もなく、バラスト・タンクのいくつかから水が溢れて、右舷に制御できない程、傾き始めた。船員らはピレウス港に引き返し、そこでこの浸水は制御され、乗客全員は降ろされた。怪我人や損傷の報告はないが、フェリーPrevelisは、更に修理するまで運航中止となった。地元当局は、航海に復帰させる前に、このフェリーの特別検査と安全性の調査を行うよう命じた。(中略)

このフェリー、Prevelis (IMO: 8020927) (注、旧「フェリーおれんじ2」)は、全長143.00メートルで、幅23.00メートル、最大喫水5.50メートル。本船の載貨重量トン数は3,300 DWTで、総トン数は9,851 GRT。このフェリーは、1980年に日本のImabari Shipbuilding(=今治造船)で建造され、ギリシャの会社であるAnek Linesが運航している。(Maritime Herald: February 5, 2017)

P&O Ferriesの魅惑の過去が新刊書の中で語られる(英国)

ハルの最大の会社の1つの歴史が、新刊書の呼び物となっている。

P&O 180は、国際的に有名な海運会社の200年近い歴史を図解している。これにはハルからロッテルダムに向かう人気の航路も含まれている。本書は、Lily Publicationsから出版されたもので、今週、この会社の180回目の誕生日を記念して発売される。

多くの批判家が続かないという中、P&Oは、冒険的に1965年にハルからの運航を始めたものだった。ところがP&Oは先月、ハルからオランダのアムステルダムとロッテルダムの両方に向かうCity of Culture(=文化の都市)というテーマのミニ・クルーズを発表している。更に11月には、同社は、ハルからゼーブルージュに向かう航路で運航しているPride of YorkとPride of Brugesの800万ポンドの改装投資を行うことを確認した。P&O Ferriesのmanaging director(=代表取締役)であるJanette Bellは、次のように話した。

「Peninsular & Oriental Steam Navigation Companyがどのようにして政府に代行してスペインやポルトガルに郵便を輸送するようになったか、そして数十年間に、世界で最も有名で良く知られた海運会社になったかという話は、今年P&Oが180周年を祝うに当たり、再び語られるに相応しいものです。」

「この会社の設立者には、ビクトリア時代の実業界の2人の大立者が含まれており、Brodie McGhie Willcoxという船舶ブローカーと、その提携者であるArthur Andersonです。彼の旅というのは、出身のシェトランド諸島の浜辺での(注、塩漬けや燻製等の)保存用の魚から始まって、P&OのManaging Director(=代表取締役)に登り詰めたというもので、無一文から金持ちになったという19世紀の偉大な話の1つになっています。」

「WillcoxとAndersonは、P&Oの運航を地中海、エジプト、インドに拡大しました。1860年代、当社は中国、シンガポール、オーストラリアにも運航を行いました。この郵便業務が、この時代の驚異の1つであると考えられていたと言っても誇張ではないのです。海外、しばしば世界の最も遠いところで働いていた多くの英国人に、本国へのライフライン(注、頼みの綱)を提供していたのです。」

「P&Oは、平時と戦時の双方における英国の機関の1つとなり、World War One(=第一次世界大戦)、World War Two(=第二次世界大戦)、更に近時のFalklands War(=フォークランド戦争)においても、極めて重要な船舶を提供いたしました。今日、P&O Ferriesが、フランス、オランダ、ベルギー、そしてアイルランドに運航しているサービスは、弊社船が過去180年間に亘って運航して来たのと同じ航路の多くを網羅しているのです。」

「P&O 180 - the history of P&O Ferries(注、「P&O 180年―P&O Ferriesの歴史」の意)は、オンラインで注文可能。(Hull Daily Mail: February 06, 2017)

フェリー運休(英国)

月曜日、シェトランド諸島と往復する全てのフェリーは、南東の強風が予想されることから運休する。運航事業者のSerco NorthLinkも、火曜日の夜行便は、高確率で運休する状況の下で天候調査中。月曜日の運休には貨物便も含まれており、火曜日も運休となりそうだ。(Shetland News: 09:15 Monday, 06 February 2017)

SkySea、朝鮮人乗客調達へ(韓国・中国・米国)

SkySea Cruise Lineにとって、ソース・マーケット(注、「収入源となる市場」の意)は中国を超えて開かれることになるのかもしれない。

今春の大ニュースは、ソース・マーケットに南朝鮮(注、韓国)が加わることになることだ。朝鮮(注、韓国)人乗客は、釜山で乗船して日本に航海し、その後、上海で下船して、飛行機で帰国することになる。

中国人乗客と朝鮮人乗客の間の船上商品(注、サービス等)の釣り合いは、同社にとっては手腕の試されるものの1つとなる。この会社は、Royal Caribbean CruisesとCtripが関与している合弁事業だ。

1月、以前、MSCやRoyal Caribbeanに在職していたKen Muskatが、CEO(=最高経営責任者)として同社に加わった。Min Fanは、chairman(=会長)に昇進し、この商標に対する(更なる船舶という)投資の立役者となり、このクルーズ客船会社の長期戦略を発展させることになる。(Cruise Industry News: February 07, 2017)

中国、インドが2050年までに合衆国経済を追い抜く

世界経済の規模は、2050年までに2倍以上になるものと見られるものの、PricewaterhouseCoopersの出した新しい報告書では、今から数十年後には、アメリカは、もはやお山の大将ではなくなることを示唆している。

このタイトル(注、お山の大将の称号)は、代わりに中国に向かうことになる。ここはgross domestic product(=国内総生産)の点で現在、合衆国に次ぐ第二フィドル(注、バイオリン)を演奏している(注、後塵を拝している)が、2030年までに、アメリカ経済を抜くものと見られている。

しかしPwCの予測を最後まで見ると、合衆国は今から数十年間で、銀メダルすら取れないことになる。purchasing-power-parity(=購買力平価)を基準とすると、これはGDP(=国内総生産)を国際交換比率と現地調達に関連する費用により調整したものだが、インドが中国に次ぐ第2位になり、合衆国は上位3位の締めくくりとなる。

「Brexit(=英国のEU離脱)という国民投票と、President [Donald] Trump(=Donald Trump大統領)の選出という大きな政治的衝撃の1年を経て、2050年は言うまでもなく、2017年の経済見通しを述べる勇気が出て来たように思えます。」とPwC U.K.のchief economist(=主席エコノミスト)であるJohn Hawksworthは木曜日にこの報告書に添付された声明文の中で述べた。

「2050年までに、我々は中国がかなりの余裕をもって世界最大の経済国になるものと予測しております。一方インドは、合衆国に僅差で勝利して第2位となり、インドネシアが第4位に浮上し得るでしょう。」(中略)

2050年におけるGDP-PPP(=国内総生産・購買力平価)大国
中国
インド
合衆国
インドネシア
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PwCは、この報告書では、これらの結果は「will(=必ず)」起こるものというよりはむしろ、「could(=可能性として)」起こり得るものという言い方で表現している。そして世界は「entering a period of considerable political, social and economic uncertainty.(=政治的、社会的、経済的にかなり不確実な時代に入って来ている)。」と言及している。(後略)(U.S. News & World Report: Feb. 7, 2017, at 2:40 p.m.)

巨大海運会社のMaersk、2016年度の27億米ドルの純損失を発表、会長は辞任へ(デンマーク)

コペンハーゲン発。Moller-Maerskは水曜日、第4四半期の収益予想が外れ、この世界最大の海運会社は変化に押しつぶされ、機能障害に陥り、配当金は大幅削減となり、新しい会長を発表するに至った。

石油と貨物部門の低価格と供給過剰によって損害を受けたMaerskは、9月に大規模な再編計画を発表していた。

「悪く、満足のいかない年でした」とChief Executive(=最高責任者)のSoren Skouはジャーナリストらに語り、この業績は、とりわけコンテナ海運事業のMaersk Lineの低迷によって損なわれたものだと付け加えた。

Maersk Lineの前社長のSkouは、6月にグループCEO(=最高経営責任者)に昇進していた。(AsiaOne: Wednesday, Feb 8, 2017)

Cinderellaというフェリーで、VikingとHeinekenが提携(スウェーデン)

Viking Lineは、Heineken Global Duty Freeと共に、Viking LineのM/V Cinderellaで、新たに店内でビール部門の展示を始めた。

この新しい部門の構想は、声明文によると、店内に興味をそそり楽しめるよう、高級ビールからサイダー(注、リンゴ酒)までの様様な範囲で展示するというものだ。

1月半ばに始まり、買い物客は、製品に繋がる主要要素を発見することが可能。(後略)(Cruise Industry News: February 08, 2017)

オーストラリア人クルーズ船労働者、ニュー・ジーランドでの爆発で死亡(ニュー・ジーランド)

ニュー・ジーランドのダニディン近くに停泊中のオーストラリアのクルーズ船で、恐らくはガス・ボンベが爆発し、男性船員1人が死亡した。Emerald Princessであったこの事故は、木曜日の現地時間午後4時45分頃、ポート・チャルマーズで起きた。

クルーズ運航事業者のCarnival Australiaは、第一報は、当時、テンダー船(注、連絡船)の油圧装置で技術的な作業を行っていたことを示唆していると話している。「Emerald Princessの船員の1人が、この事故で致命傷を負ったことを弊社はとても悲しく思います。」と声明文では述べられていた。Carnival Australiaは、捜査中の警察やその他の当局と連携していると話した。

この船は、3080人の乗客を乗せることが可能だが、シドニーからニュー・ジーランドの目的地への12泊周流旅行を行っているところだった。警察では、検視官に代わって死亡事故を捜査しているところで、WorkSafe New ZealandとMaritime New Zealandの双方に助言を求めたと話した。

Port Otago(=オタゴ港)では、本船は今朝到着して、予定された午後6時の出発に先立って、No.1 container berth(=第1コンテナ・バース)に停泊したと話した。「ガス・ボンベが船上で爆発したかもしれないものと理解されている。」と同社は声明文の中で述べていた。

救急隊が呼び出され、消防、救急車、警察が対応した。爆発当時に同船に戻って来た乗客は、オタゴ港のクルーズ施設に収容され、その後、バスで同船のギャングウェイ(=舷門)に運ばれた。(NEWS.com.au: February 9, 20176:44pm)

中国、入国する全ての外国人の指紋採取開始へ、金曜日に深川で開始(中国)

中国が居留・入国政策の緩和を拡大し始める一方で、管理については緩めることはなく、入国する全ての外国人の指紋を間もなく採取すると発表した。

この新システムは、金曜日にShenzhen Bao'an International Airport(=シェンチェン宝安国際空港)に最初に導入される。年齢が14歳から70歳までの全ての外国人は、中国に入国することが許可される前に、指紋を残すことが要求される。また外交官用旅券を携帯する若者や老人は、この手続きを免除される。

深川(=シェンチェン)での試用段階が完了するや、このシステムは年末までに徐々に国内に拡大される、とMinistry of Public Security(=公安部)は話した。

中国は、合衆国、日本、南朝鮮(注、韓国)のように、既に外国国民の指紋採取をしている世界中で増加している多くの国に加わることになる。

同部では、この新システムは効率的であるので、不必要な遅延は生じないことを保証した。(Shanghaiist: Feb 9, 2017 5:00 pm)

沈没フェリーの船主の息子に政府に補償するよう命令(韓国)

2月9日ソウル発。木曜日、ソウルの裁判所は、2014年に沈没して300人以上が死亡したフェリーの船主(故人)の長男に、この大惨事の対処に関する補償として、政府に7500万ウォン(65,000米ドル)を支払うよう命じた。

フェリーSewolは、南朝鮮(注、韓国)の南西海岸沖で、2014年4月16日に沈没した。

政府は、このフェリーの故人である船主、Yoo Byung-eunの息子であるYoo Dae-kyunに対し、この大惨事の対処に関する費用として35億4000万ウォンを支払うよう訴えた。これには、大半が社会科見学の高校生の遺族に対する補償金が含まれていた。

Seoul Central District Court(=ソウル中央地方裁判所)は、7500万ウォンを超える部分については、政府はこのフェリーの運航事業者であるChonghaejin Marine Co.(=清海鎮海運)に対し訴えるべきだと言って、退けた。

Yooは先に、この運航事業者と他6社の子会社から74億ウォン近くを着服したとして2年の禁錮刑を言い渡されている。(Yonhap News: 2017/02/09 11:24)

TAIC、フランスのクルーズ船の2回目の調査開始(ニュージーランド・フランス)

Transport Accident Investigation Commission(=運輸事故調査委員会) (TAIC)は昨日、ミルフォード・サウンド(注、サウンドは海峡、入り江の意)で岩礁に衝突したことから、豪華なフランスのクルーズ船に対する今年2度目の調査を開始した。

同委員会調査官であるTim Burfootは、長さが約160メートルのL'Australは、船体が小破しただけだと語った。しかしBurfoot氏は、既に同船が巻き込まれた別の出来事についての調査を行っているところだと語った。

L'Australは、1月にスネア―島に乗客を輸送中に岩礁に衝突し、ブラフに修理のために寄港しなければならなかったという。

「この2回目の事故自体は、調査を開始するに十分な関心事でありますが……。こんなに短期間に2回目の出来事があったということは、我々にとっては、実際に何が起きているのかを緊急に解明する必要のあるものです。」

Burfoot氏は、3人の調査官がL'Australに乗船し、明日、ダニディンに予定されている寄港を行った際に取り調べを行うと語った。

「尋問手続きを通じて、航行システム全体を検査します。」と語った。(Radio New Zealand: 5:40 pm today)

Norwegian Starがメルボルン付近で漂流;クルーズ船は曳航され修理へ(オーストラリア・米国)

乗客2,240人乗りのNorwegian Starがオーストラリア沖で故障し、推進システムを応急修理するため、メルボルンに同船を曳航する計画が立てられている。これは、同船が2週間前から始まった別のazipod(=アジポッド、注、さや型推進器)の問題が続く中で起きた2度目のアジポッドの故障だと考えられている。2週間前から始まった別のazipodの問題では、アジアからオーストラリアに、この船齢16年の船が大変に遅い速力で航海する原因となっていた。いくつかの旅程が影響を受け、損失時間を埋め合わせるために複数の港湾が抜港となっている。

この最新の事故では、乗客がCruise Criticに語ったところでは、同船は今朝の午前3時頃から「dead in the water(=洋上で身動きが取れなくなって)」いるという。あるオーストラリア人乗客であるKatrina Bは、予定された最終寄港地であるオークランドへのクルーズの5日前までに、メルボルンに滞在するものと思っていたと話した。ニュー・ジーランドの他の港は全て行かないことになると話したが、この点は、Cruise Criticでは同船の運航事業者であるNorwegian Cruise Line (NCL)の確認が取れていない。(後略)(Cruise Critic: February 10, 10:15 a.m. AEST)

車両を運ぶ新しいフェリー航路がイスタンブールで間もなく運航(トルコ)

イスタンブール発。ボスフォラス海峡の一方の側から他方の側に横断する新しい車両輸送フェリーが、イスタンブールで間もなく運航を開始する。港の工事は竣工し、2隻のフェリーはIstinye港に接岸している。Istinye―Cubuklu航路の最初の横断日は、数日中に発表されることになっている。

3隻のフェリーは、20分毎に運航し、横断時間は8分もかからない見込み。約100万台の車両が、この航路で1年間に輸送される見込みだ。Istanbul Metropolitan Municipality(=イスタンブール首都自治体)によって始められたこの事業は、イスタンブールのMaslak地域の商業拠点の慢性的な渋滞と橋の交通渋滞を緩和することを狙っている。(Hurriyet Daily News: February/10/2017)

Mark Collins、B.C. Ferriesの社長を引き継ぐ(カナダ)

B.C. Ferries executive(=幹部)のMark Collinsは、5年間舵を取って3月末にこの組織を去るpresident Mike Corrigan(=Mike Corrigan社長)を引き継ぐことになる。Collins(55)は、4月1日に就任する。同じく5年間契約となる。

現在は、Ferriesのvice-president of strategic planning and community engagement(=戦略計画・地域庶務部長)であり、この地位はブリティッシュ・コロンビア州沿岸の住民との意見交換を行うものだった。

「フェリーというものは、共同体に直接的に影響を与えるものであり、人々の生活に影響を与えます。人々は医者にかかる必要があり、スーパーマーケットに行く必要があり、子供たちは学校に行く必要があるのです。これらは正に個人的な重大問題なのです。」とCollinsは金曜日に話した。

「弊社は、彼らの期待に応えようとする必要があります。必ずしも期待には応えていませんが、しかし最善を尽くそうとしているのです。探求しようとしていることの1つは、「弊社はどのように継続的に改善することが可能か。」ということです。

この社長職の年俸は約495,000ドルであり、Corriganの報酬よりも約10パーセント安い。Corriganは、世界的なフェリー協会であるInterferryに行くことになる。

Collinsは、2004年にこの組織に加わり、2012年までvice-president of engineering(=工務部長)。2012年にモントリオールのCSL Groupに異動し、vice-president of global technical services(=世界技術サービス部長)を経て、Ferriesに復帰した。2014年から2015年までは、B.C. Ferriesのexecutive director of project management and engineering services(=計画管理・工務サービス常務取締役)だった。Collinsは、Rolls-Royce Marine Brazil and Italyのpresident(=社長)としての期間を含む35年間の海事経験があり、船舶に関するmarine engineer(=造船技師)として働いていたこともある。(後略)(Times Colonist: February 10, 2017 09:33 AM)

クルーズ船の告白:洋上でのセックス、薬物、放蕩(ニュー・ジーランド)

Tony Wright
意見:ダニディン近郊のクルーズ船で、木曜日に人が死んだと聞いた時、私は直ぐに、この不運な人物は下甲板で働いているフィリピン人甲板員だろうと思った。3年間クルーズ船で働いた経験から得た私の直感は、悲惨にも正解だった。

労働者、つまりスタッフ(=職員)とクルー(=船員)に関しては、全てのクルーズ船で疑う余地のない階級というものがある。ガス・ボンベが爆発して死亡したこの不運なフィリピン人男性は、船員という階級に所属していたのだろう。如何なる乗客にも滅多に見掛けられることもなく、大部分の時間は下甲板に閉じ込められていたのだろう。ダニディンにおける彼の死は、彼の家族や同僚にとって、1つの悲劇だ。

私が船で過ごしていた時、クルーズ船という職場での関係は、かなり強烈なもので、場合によっては同僚が家族になったりすることが判ったのだった。下甲板での船員の生活は、現世のもので、露骨に危険なものとなり得る。一方、職員としての階級にいる労働者は、これらのクルーズ船労働者は、仕事の一環として通常乗客と関わるものだが、かなり多くの権利を有し、船上ではより快適な生活を楽しんでいる。色んな人と交際して、入り混じることができ、大部分は船上の行きたいところならば、どこにも行けるのだ。

そこで、世界の大洋を周って浮かび続ける特大クルーズ船に乗って、本当にやっていることは何なのか?

乗客ならば、時間の大半は、食って、飲んで、金を使うことに費やすことになる。事務長、踊り子、音楽家、美容師、カジノ・ディーラー(あるいは私がやっていたような写真家)といった職員としての階級にある労働者ならば、船上での生活はずっと興奮させられるもので、可能な限り酒色にふけったものとなる。クルーズ船労働者が参加している薄汚いセックスや、薬物の話を聞いたことがあるかもしれない。私が経験から話せるものは、その全てと、それ以上のものがある。

私が船で働いていた3年間のうちの2年は、カリブ海で過ごしていた。

通常、職員と船員は、とりわけジャマイカのオチョ・リオスに船が寄港した際には、莫大な量のマリファナとコカインを密輸していた。どこに行けば手に入るのか、皆が知っていて、仮に自分が関わっていなくても、自分のキャビン・メイト(=同室の同僚)が、恐らくやっているものだ。

私の元々のキャビン・メイトは、イングランド出身の若い男で、もちろんコカイン狂だった。そしてアメリカ人乗客が似合わないフォーマルな衣装を着たスタジオ風写真を、大半は夜通しで撮っていた作業時間の前に、しばしば(注、鼻で吸い込めるように直線状に粉末を並べた麻薬を)1列か2列吸っていた。彼は、次の写真撮影の時間の前に生き返るため、しばしば数時間船室に引き返してきたものだった。彼のコカインの趣味は、最終的には船の警備員に発見された。船の警備員は、大抵はex-British Navy(=元英国海軍)の兵士だったが、残りの船員と同様、酒色にふけっていた。危険を覚悟でこうした紳士と「get on(=仲良く付き合わ)」なければならなかった。私のキャビン・メイトは1時間後、マイアミで大っぴらに船から叩き出された。

私の仕事の1つは、海賊の扮装をして、船の巨大な2つある食堂を走り回って、1人1人の乗客と一緒に写真に写ることだった。1晩で1000枚以上の写真だ!大抵の場合、真っ赤になって酔っ払っていたものだった。

クルーズ船労働者はセックス三昧か?

このことを考えて欲しい。異なる国からやって来た数百人の若者と一緒に、薬物や大酒を飲む1隻の船に押し込まれれたら、何が起こると思う?それは恐ろしいほどに蔓延していて、職員同士ばかりではないのだ。乗客は職員区画に立ち入ることは許されていないが、甲板の下では、大勢が見つかっていた。とりわけ色っぱい女性客で、殆どの場合、ノルウェー人オフィサー(=上級船員)のお客様だった。私が働いた船では、上級船員の全員はノルウェー人だった。連中は、あらゆる権力を握っていた。クルーズ船のトーテム・ポール(注、階級組織)の正に最上位にいた。

危険だったか?

怖い目には数回あった。私の同僚の1人は、大盛りの睡眠薬を飲んで大西洋横断中に自殺しようとした。彼女は私の上司であるヘッド・フォトグラファー(注、写真家長)と当時、付き合っていた。もしオークランドからやって来た看護師が、船上で直ぐに行動に出ていなかったなら、あれは午前3時に起こされたものだったが、彼女は死んでいたハズだ。アルバ島にある有名な天然海水プールに行った1日旅行で、私は岩肌から滑り落ちて10メートル下の海に落ちたことがある。ほんの数センチで、岩に当るところだった。背中を少し切ったものの、他は無傷だった。海面に浮かび上がるのに約30秒かかり、同僚は私が既に死んだものと思っていた。

ロシアのサンクト・ぺテルグルグで酔いつぶれた晩、私は腐敗した警察に数時間拘束され、自由になるために、連中にウォッカ数瓶を買わなければならない羽目になったことがある。連中は港に私を置いて立ち去ることすらし、出港僅か5分前に船に戻ったのだった。

ある時は、金持ち一家のアメリカ人乗客が姿を消したことが判って、FBI(=連邦捜査局)が船の隅から隅まで捜索したことがあった。この女性の死体は、決して見つからなかった。捜査官は最終的には、彼女の弟が口論中に最上甲板にある船室から女性を押し出して死に至らしめたものと結論付けた。

私が話せる薄汚い話は、他にも沢山ある。多分、no-holds-barred(=禁じ手無しの)小説にするには十分なものだが、しかし船上での生活は滅多に退屈しなかったことは十分に言えることだ。振り返ってみると、異なる50か国以上を見る良い方法で、報酬ももらえるのだ。一生懸命働くとは言うものの、近親相姦的な船上生活から逃れることは決してできそうになかった。

再びクルーズ船に乗ろうとは、決して思わないね。(Newshub: 10/02/2017)

Seabourn Encore、係留索を切断、港内で船と衝突(ニュー・ジーランド)

現地時間の日曜日の午後、ニュー・ジーランドのティマルー港で強風が吹いたことから、Seabourn Encoreが係留索を切断し、港内で他船と衝突した。怪我人は報告されていない。

Seabourn Encoreは日曜日の朝、その晩にアカロアに向けて航海する予定でティマルーに到着した。Radio New Zealandのウェブサイトによると、「Harbourmaster(=港長)のJim Dilleyは、この船の係留索に問題があり、強い南寄りの風が埠頭から吹いていたと話した。Milburn Carrier IIという別の船に衝突して、2つの埠頭の間に挟まった。」という。両船とも、何らかの損傷を受けた。

Seabournの広報担当者は、衝突を確認し、電子メールで次のように言っている。「本船は完全に運航可能です。Seabourn Encoreは当局の検査を受け、運航許可を得て、現地時間の真夜中頃に、次に予定されていたニュー・ジーランドのアカロアに寄港するために出発しました。」(中略)

Seabourn Encoreは、この豪華クルーズ客船会社の最新船で、2017年1月7日に洗礼を受けた。乗客600人乗りの全室スィート、全室バルコニー付きの船は、Thomas Kellerの食堂を呼び物としており、ウォーター・スポーツ・マリーナ、高級最上部簡易更衣室総合施設があり、Andrew Weil博士が作り出した健康プログラムを呼び物とするスパ(注、健康施設)がある。この船は、2月2日にシドニーを出発して、16泊旅程を航海中だ。(Cruise Critic: February 12, 2017)

バーケンヘッドから来た船が港に突っ込む劇的なビデオ映像を見よ(英国)

強い突風のため、バーケンヘッドから航海して来たIsle of Man Steam Packet Companyのフラグシップが、日曜日の晩、ダグラス港の埠頭に突っ込んだ。

Ben-my-Chreeは、Wirral町のTwelve Quaysターミナルを今日の午後2時少し前に出発して、ダグラスに午後6時10分に到着し、ヘイシャムに向かうことになっていた。

乗客のJason Cheethamが撮影した劇的なビデオ映像には、この船がKing Edward VIII(=エドワード八世王)埠頭に停泊しようとした際に、埠頭に船が突っ込んで、防壁を破壊して近くの車両区画(注、車両甲板)の表面に水が噴出している様子が写っている。何が起きるのが判った際に、Steam Packetの従業員が半狂乱になっている様子を見ることができる。

驚いた目撃者らは、現場を「carnage(=大虐殺)」と描写した。幸運にも乗客や船員で、怪我人は報告されていない。(中略)

Isle of Man Steam Packet Companyは、世界最古の継続的に運航している旅客海運会社で、1830年に運航を開始した。(Liverpool Echo: 21:22, 12 FEB 2017)

タイは観光業を急騰すべくパタヤ―ホア・ヒン間のフェリー開始(タイ)

日曜日、タイは、タイ湾を横断運航するフェリー運航を正式に始めた。観光業と経済を急騰すべく、観光地のパタヤとホア・ヒン郡を結ぶ。

運航は毎日で、午前10時30分にパタヤのバリ・ハイ埠頭からホア・ヒン郡に向けて出発し、午後1時30分頃にホア・ヒン郡から反対側に向かうことになる。バスやバンでは5時間から6時間掛かるのに対し、片道約2時間となる。

片道運賃は1,250バーツ(36米ドル)だが、今月は尊敬する故King Bhumibol Adulyadej, Rama IX(=ラーマ9世、プーミポン・アドゥンヤデート国王)を追悼して、999バーツ(28米ドル)という特別価格を提供する、とこのフェリーの運航事業者であるRoyal Passenger Liner Co.,のchief executive officer(=最高経営責任者)のPreecha Tantipuraは語った。(中略)同社は、1月以来、タイ湾を横断する乗客に、無料フェリー便の提供を開始していた。

タイの運輸大臣であるArkhom Termpittayapaisithは、フェリー便の開設式典に出席して、これは、タイ湾の両岸の間の旅行時間を短縮することによりタイ経済の利益となり、観光地により多くの訪問者を惹きつけることに繋がる重要な事業の1つだと語った。(Manila Bulletin: Published February 13, 2017, 9:29 AM)

ICV、2016年クルーズ船安全報告の最新情報発表(米国)

フェニックス発。International Cruise Victims Association(=国際クルーズ被害者協会)(ICV)は、長年、クルーズ船の総合的な安全性の向上に取り組んできた。ICV(=国際クルーズ被害者協会)によると、Congress(=連邦議会)と共同して努力してきたことを通じて、2016年に新たにクルーズ船犯罪の報告要件が実施されることになったという。この新しいCruise Line Incident Reports(=クルーズ客船会社事故報告)は、Department of Transportation(=運輸省)により発表されるもので、ICVでは、これはクルーズ船で犯された実際の性犯罪やその他の犯罪を開示する形式において、透明性を図る何がしかの対策を提供することに向けた大きな一歩となったと考えている。

例えば下に示された報告は、2016年の新法の下で発表されたもので、強姦事件は以前の公的報告書の485%増であり、申し立てられた犯罪報告の合計が339%増になっていることを示している。

強姦事件
2015年の報告合計:13件
2016年の報告合計:63件

報告された犯罪合計
2015年の報告合計:28件
2016年の報告合計:95件

ICVは、11年前にクルーズ船での犯罪被害者、その家族や友人、クルーズ船における適切な医療や犯罪被害、失踪の問題に関わる個人を代表すべく設立された。今や35か国に数百人の会員を擁するこの組織は、クルーズ船における犯罪から乗客をより良く保護し、クルーズ船で発生した犯罪被害者の権利を拡大するための法律改正を支援している。

大半のクルーズ客は、外洋では独立した警察がなく、その船が船籍国にしている国(パナマ、リベリア、バハマ等のような国)のなすがままになっていることから、自国において有する法的保護の多くが、もはや受けられないことを自覚してはいない。このために、ICVによると、犯罪が発生すると適切な行動を取ることができないという。

この組織の目標は、クルーズ船乗船中の虐待から乗客と船員が安全であるクルーズ産業に成長させることに貢献することにある。

もしあなた自身、あるいはご家族が、クルーズ船乗船中に被害にあったことがあったり、あるいは単にそうした努力を支援したいのならば、ウェブサイトに来てください。ICVには会費や有給職員はなく、自発的な寄付金のみによって運営されています。(Business Wire: February 14, 2017)

沿岸警備隊、クルーズ船から転落したジョージア州の男性の捜索を中止(米国)

U.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)は、月曜日の朝に、バハマ近くのクルーズ船から船外に転落した24歳のウォーナー・ロビンズの男性の捜索を中止した。

沿岸警備隊の新聞発表によると、Carnival Elationの監視ビデオには、妻とクルーズ中のKevin Wellonsが「going overboard from the 11th deck(=第11甲板から船外に転落していく様子)」が写っていたという。

Wellonsの妻は、ナッソーに船が接岸した後の午前8時30分に、夫が行方不明になったことを通報した、と新聞は報じている(Atlanta Journal Constitution: 9:18 p.m Tuesday, Feb. 14, 2017)

2人の男が強姦の申し立てによりP&O FerriesのSpirit of Franceで逮捕(英国)

2人の男が海峡横断フェリーで申し立てられた事件の後、強姦の容疑で逮捕された。

昨日、乗客らはドーバーに到着後1時間近く、警察がこの事件を処理するためにSpirit of Franceという船に留まることを余儀なくされた。Port of Dover Police(=ドーバー港警察)のspokesman(=広報官)、Justine Wingateは、暴行の通報を受けて駆け付けたことを確認した。「係官が駆けつけ、46歳と25歳の男2人を強姦の容疑で逮捕しました。」と話した。「現在、留置されています。」

P&O Ferriesのspokesman(=広報担当者)であるDan Bridgettは、航海中に申し立てがあり、警察に引き渡したと話した。「弊社の標準手続きにより、係官が関与した人物に面談するために到着した際には、船からの下船は、あいにく45分遅れとなります。」と話した。「他のお客様にはご旅行に影響を及ぼすかもしれないご不便をおかけし、心からお詫び申し上げます。」

この同じ航海であった別の事件で、定期保守作業をしていたところ、下甲板でボヤが発生していた。

「これは全て正しい手順により、2分以内に船員により消火いたしました。」とBridgett氏は付け加えた。「乗客に危険はありませんでした。」(Kent Online: 14 February 2017)

LNG燃料供給船がENGIE、Fluxys、Mitsubishi、NYKに引渡し(ベルギー・日本)

今日、ENGIEは、Fluxys、Mitsubishi Corporation(=三菱商事)(Mitsubishi)、そしてNippon Yusen Kabushiki Kaisha(=日本郵船)(NYK)と並んで、世界初の液化天然ガス(LNG) 専用燃料供給船(LBV)であるENGIE Zeebruggeの引き渡しを受けたことを発表した。

Ship & Bunkerでは以前、この5,100立方メートル(cbm)の容量を有するLNG(=液化天然ガス)船は、ゼーブルージュ港におけるLNGバンカーリング・サービス(=LNG燃料供給)を行う意図のものであると報じていた。

「United European Car Carriersが運航している2隻のLNG焚きのpure car and truck carriers(=乗用車及びトラック専用運搬船)(PCTC)が最初の顧客となります。ENGIE Zeebruggeは、ゼーブルージュのFluxysのLNGターミナルでLNGを積み込むことになります。ゼーブルージュには、2,000立方メートルの容量の小型運搬船が、最近開業した第2埠頭に接岸することが可能です。」とENGIEは説明した。

ENGIE Zeebruggeは、LNGを舶用燃料として発展させることを推進する目的のLNG燃料供給冒険企業に加わっているGas4Sea、ENGIE、Mitsubishi、NYKに供給する。

ENGIEは、この新船は「ヨーロッパのLNG燃料供給チェーンの発展における一里塚をなすものであります。LNG焚きの船舶が、今や固定した燃料供給地、あるいはLNGトレーラーの限られた燃料補給量に大きく依存している一方で、このENGIE Zeebruggeは、初の専用LNG燃料供給船であり、様々なLNG焚きの船舶に供給できるよう設計されたものなのです。」と話している。

Ship & Bunkerが2015年10月に報じたように、ベルギーに本拠を置くFluxysは、本船の25パーセントの持分を買収すべく、ENGIE、Mitsubishi、そしてNYKとの間で契約に署名したと発表していた。(Ship & Bunker: Wednesday February 15, 2017)

クルーズ船船員、首をつっているのが発見(アンティグア・バーブーダ)

Heritage Quay埠頭に停泊していたCosta Magicaという船に乗務する若い船員が、昨日の午後、自室で首をつっているのが発見されたことを警察は確認した。

このインド出身の皿洗いは、Conciecao Silvaであると判明した。27歳だった。信頼できる消息筋によると、別の船員が昨日午後2時前に遺体を発見したという。

地元クルーズ関係者や船員らは、この事件については固く口を閉ざしているが、メディアのOBSERVERは、故人は発見当時、盛装していたという情報を得ている。

消息筋は、Silvaと船室を共用していた船員が、遺体を降ろして蘇生しようとしたものの、無駄だったと話した。乗船していた医師(注、船医)も呼ばれたが、この男性に対しては何もすることができず、現場で死亡を宣言した。

メディアのOBSERVERは、午後5時まで警察の取り調べを受けて、夜通し留置されたのがどの人物なのかを特定することはできなかった。(Antigua Observer: February 16, 2017)

NCL、次世代クルーズ船を発注(米国・イタリア)

Norwegian Cruise Line (NCL)は、Fincantieriに次世代クルーズ船を発注した。発注された4隻の船の引き渡しは、2022年、2023年、2024年、2025年であり、2026年と2027年引き渡しの2隻の追加船の選択権付きとなる。

この4隻の140,000総トンの船は、長さはほぼ300メートル(984フィート)で、それぞれ約3,300人の乗客を収容する。この新等級の船は、この商標の直近のBreakaway-Plus級の船を発展させたものとなる。プロトタイプ(注、原型)の設計における優先事項は、エネルギー効率であり、燃料消費を最適化し、環境に与える影響を逓減させるところに狙いがある。

4隻の船の契約価格は、1隻当り約8億ユーロ(8億5400万ドル)。同社は、2025年までに引き渡されるそれぞれの船の契約価格の80パーセントの資金を調達するため、しかるべき条件の下で、有利な条件での輸出信用融資を獲得している。NCLのpresident and chief executive officer(=社長兼最高経営責任者)のFrank Del Rioは、次のように語った。

「この注文は、弊社の統制のとれた新造事業を強調し、将来への弊社の成長の軌跡を拡大し、弊社が既に獲得している収益の輪郭を際立たせ、弊社株主に対し、期待される長期的な利益をもたらし続けるものなのです。」

NCLは昨年、次の新船であるNorwegian Blissと命名したものを、アラスカ・クルーズ向けに特別に建造した最初のクルーズ船とすると発表した。この客船会社のBreakaway-Plus級の第3船であるNorwegian Blissは、約167,800トンで、4,000人の客を収容する。ドイツのパーペンブルクにあるMeyer Werftで建造され、2018年の春に引き渡される予定だ。

また昨年、NCLは2017年3月に開始するものと見られるキューバへのクルーズも発表していた。

Norwegian Cruise Line Holdingsは、世界の上位クルーズ会社の1つ。NCLの他には、Oceania CruisesとRegent Seven Seas Cruisesという商標を経営しており、Fincantieriが2016年に超豪華船のSeven Seas Explorerを引渡しており、現在は、2020年に引き渡すこととなっている姉妹船を建造中だ。(The Maritime Executive: 2017-02-16 16:02:37)

新しいViking Oceanのクルーズ船の起工(イタリア)

新しいViking Ocean Cruisesの船であるViking Spiritの起工式が、水曜日にイタリアのアンコーナのFincantieriの造船所で執り行われ、この船の背骨の最初の1片が設置された。

2018年6月に引き渡すことになっている本船は、このクルーズ客船会社によって計画されている6隻の船の5番船。これらの船のうち3隻、すなわちViking Star、Viking Sea、Viking Skyは既に航海しており、Viking Sunは、今年の10月に就航することになっている。この6番船は現在は名称未定だが、2019年にお目見えする予定。

この姉妹船と同様、乗客946人乗りのViking Spiritは、寄港時間をより長く取って1泊する旅程により、目的地に没頭することに特化するものと見られている。

詳細はまだ発表されていないが、Viking Spiritは間取りや設計において姉妹船と同様のものとなりそうだ。この船で行く航海の予約をした乗客は、夕食付の優待ビールやワインの他、無料Wi-Fiが期待できる。しかしチップは含まれていない。(Cruise Critic: February 16, 2017)

Hanjin Shipping、破産宣告(韓国)

かっては南朝鮮(注、韓国)最大の海運会社で、世界第7位だったHanjin Shipping(=韓進海運)が破産宣告を受けた。

Seoul Central District Court(=ソウル中央地方裁判所)は、2週間の上訴期間が失効したとして、金曜日に破産宣告した。今や同裁判所は、債務を弁済をするための清算手続きを行う破産管財人を任命することになった。債権者は、5月1日までに申し出ることになる。第1回債権者集会と信用調査は、6月1日にSeoul Court Complex(注、「ソウル裁判所複合施設」の意)で開催される。

Hanjin(=韓進)は、債権者が再建計画を拒絶したことから、昨年9月に裁判所の管理下に置かれていた。(KBS WORLD Radio News: 2017-02-17 11:27:30)

新しいフェリー取締役は若く情熱的で、斬新な見解を得ようと厳選(米国)

シアトル発。ワシントン州のフェリーを率いる新世代だ。

40歳のAmy Scartonは、2月1日にdirector(=取締役)となり、暫定社長のElizabeth Kosaを第2位のstaff chief(=職員長)の地位に降格させた。Kosa(38)は気にしていなかった。

「Amyについては、とても期待しています。」とKosaは、67歳で1月末に退職したLynne Griffithのこの後任者について語った。「彼女は、このフェリー網に新たな深みと知見をもたらします。多様で政府(注、州政府)との高い交渉力があるのです。」

GriffithはDepartment of Transportation’s Community and Economic Development Office(=運輸省共同体及び経済開発事務所)でのScartonの仕事ぶりを熟知しており、彼女をこの地位に指名した。この人選は、Transportation Secretary(=州運輸長官)のRoger MillarとGov. Jay Insle(=Jay Insle知事)の支持を得ている。

「彼女は厳選されたのです。」とKosaは話した。「彼女を待っていました。」(中略)

Amyは、夫と4歳と1歳半の娘と共に、シアトルに住んでいる。(The Columbian: February 18, 2017, 8:43 PM)

クルーズ船から転落した女性、救助(オーストラリア)

Sun Princessから転落した女性が、海中で約45分間過ごした後で救助された。

地元ニュー・ジーランドのメディアは、女性はクルーズ船がブリズベンからニュー・カレドニアに航海中の金曜日に船外に転落したと報じた。救命浮輪が投げられ、同船は現場に戻った。救命艇がその後、この女性の捜索に使われ、最終的には無事収容された。

女性がどのようにして船外に転落したのかは、不明。(The Maritime Executive: 2017-02-18 17:26:36)

ジャマイカの観光業実績(ジャマイカ)

Caribbean Tourism Organization(=カリブ海観光業機関)の最新データによると、ジャマイカでは、2016年に到着した観光客が2.8パーセント増加したという。

同国は昨年、合計218万人の観光客を迎え、合衆国からの観光客が4.6パーセント改善した。

しかしジャマイカは、カナダ市場では苦戦しており、4.9パーセント減の372,137人で、一方、ヨーロッパからの観光客は、昨年は5.5パーセント増の294,709人だった。

クルーズでは、同時期においてジャマイカは5.5パーセント増で、ちょうど166万人のクルーズ客が到着した。(Caribbean Journal: 2017/02/19)

オークランド、クルーズ船で最も忙しい日を獲得(ニュー・ジーランド)

2月18日、オークランドにはSeabourn Encore、Norwegian Star、L’Austral、そしてThe Worldが寄港し、最も忙しいクルーズ船の日を記録した。

Auckland Tourism, Events and Economic Development(=オークランド観光・行事・経済開発)のceo(=最高経営責任者)のBrett O’Rileyは、この4隻の船は当市に合計3,550人の乗客をもたらし、クルーズ産業は訪問者の消費において不可欠の役割を演じていると語った。

Cruise New Zealandの最新のEconomic Impact Report(=経済的影響報告書)によると、クルーズ産業は、現在の2016年―17年シーズンに、同国のGDP(=国内総生産)に4億9000万ニュージーランド・ドルを注入することになるという。

2017年―18年には、乗客合計人数が282,538人になり、経済に5億3600万ニュージーランド・ドルが注入されると予測している。(Seatrade Cruise News: Posted 19 February 2017)

フィリピン沿岸警備隊: セブ海域で船舶衝突、4人怪我(フィリピン)

フィリピン、マニラ発。セブ島のマクタン行きのSuperCatのフェリーが、2月18日土曜日の夜にマクタン海峡沖で艀と衝突した、とPhilippine Coast Guard(=フィリピン沿岸警備隊)は話した。

PCG spokesperson(=フィリピン沿岸警備隊広報官)のCommander Armand Balilo(=Armand Balilo中佐)は、1月19日日曜日の午前1時過ぎのdzBBとのインタビューで、少なくとも4人の乗客が、午後10時15分頃に発生したこの小規模な衝突において怪我をしたと話した。Baliloは、フェリーはSan Miguel Barge No 8と衝突した際には機関不調に遭遇しており、曳航されていたと語った。

沿岸警備隊の医療職員が、緊急事態に対処すべくマクタンのPier 4(注、第4号埠頭)に派遣された。フェリーには、90人の乗客が乗船していた。

この船は、レイテ島のオロモク市から来て、セブ島のマクタンに向かっていた。(Rappler.com: Published 1:46 AM, February 19, 2017)

11人のフィジー人の若者が参加(フィジー・日本)

11人のフィジー人の若者がPeace Youth ShipであるMV Nippon Maru(=にっぽん丸)での文化交流事業に参加する機会が与えられた。10か国の代表団が、20日間、にっぽん丸に参加する。

彼らを歓迎して、President, Major General Retired(大統領で元少将)のJioji Konroteは、フィジーがこの構想に参加している諸国から多くのものを学んでいることは確かだと話した。Konroteは、これは、最終的にはこの事業の継続的成功に貢献できることになる機会としての機能を果たすと話している。

「フィジーが、学びと交流の目的地の1つに選ばれたことを喜んでおります。私は、にっぽん丸に乗船した若者の参加者が、日本とニュー・ジーランドでの短期間に、多くのものを学ばれたことを確信しております。」

合計240人の若者が、この事業に参加した。(Fiji Broadcasting Corporation: 13:47 Sun Feb 19, 2017)

Saga Cruises、新造クルーズ船の画像と詳細を発表(英国・ドイツ)

Saga Cruisesは、2019年夏にお目見えすることになる初の新造クルーズ船の画像と詳細を発表した。

この乗客999人乗りの船は、540室の全てにバルコニーのついた船室とスィートを擁し、うち81室は、単身乗客向けに設計されることになる。このまだ名称未定の船は、Sagaが内部で「Project Olympic」と呼んでいるもので、専門食堂2つ、主食堂1つ、そしてBritannia Lounge(=ブリタニア休憩室)1つを擁するものとなる。この55,900トンの船には、屋内と屋外にプール、図書室、スパ、そして美容室も備えることになる。

本船の作業は、間もなくドイツのパーペンブルクにあるMeyer-Werftの造船所で始まる。Meyer-Werftは、Celebrity CruisesのSolstice級の船舶が建造された造船所で、この船は最先端を行く設計で知られている。

新船の詳細は、ロンドンであった先週のWave Awardsで、Saga CEO(=最高経営責任者)のRobin Shawによって発表された。この事業は、Carnival UKからSagaに加わったDavid Pickettによって進めれれており、Carnival UKではP&O Cruisesの船であるBritannia、Azura、そしてVenturaで作業していた。(中略)

現在、Saga Cruisesは2隻の船からなる船隊を運航している。Saga SapphireとSaga Pearl IIであり、両船とも大変に古く、それぞれ船齢は28年と36年になる。この新造船は、2隻のうちの1隻と代替するものと考えられている。本船による旅行は、2017年9月に発売になる。(Cruise Critic: February 20, 2017)

リオに到着するクルーズ船、2017年カーニバルで1800万米ドルをもたらす(ブラジル)

ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ発。リオ・デ・ジャネイロの当局者は、2017年のカーニバル・シーズン期間中に14隻の遠洋定期クルーズ船を受け入れるものと見ており、Port Authorities(=港湾当局者)によると、約50,000人がリオのPier Maua(=マウア埠頭)に下船することになるという。

この埠頭の当局者は、こうした海路による観光客だけで、当市経済に約1800万米ドルが注入されることになるものと見ている。

大半の船は、来週の日曜日の2月26日に到着するものと見られており、この日、リオではサンバ流派行列の初日を迎える。その日1日だけで、市当局者は乗客と船員からなる35,000人以上の観光客が、当市の港に下船するものと見ている。(中略)

Brazilian Association of Operators of International Tourism(=ブラジル国際観光業者協会)(BITO)の資料によると、2017年1月から4月に、93隻の船が約350,000人を乗せてマウア埠頭に接岸する予定だという。

これらの観光客は、当市の経済に1憶500万米ドルを注入するものと見られる。この計算は、Brazilian Association of Operators of International Incoming Tourism(=ブラジル国際観光収入経営者協会)の資料による、観光客1人当たり1日平均300米ドル消費するということに基づいたもの。(The Rio Times: February 20, 2017)

Star、上海事業を拡大(中国・日本)

需要があるとして、Star Cruisesは上海発の2017年の配船を変更し、同社の発表によると、8泊クルーズ展開にするという。

アジア最速の船と言われるSuperStar Virgoでのシーズンは、7月6日に始まり、今や11月末まで拡張されている。Gentingが所有するこのクルーズ客船会社によると、この旅程には大阪と鹿児島への寄港が含まれており、東京や富士山への立ち寄りも追加されているという。

更にStarは、東京でインターポート(注、港湾間の運航)を提供するばかりではなく、上海と東京間でオープン・ジョー(注、出発地と到着地が異なる)の3泊4日クルーズのエアー・シー・ランド(=陸海空)パッケージも提供すると話した。

「中国からの平均クルーズ期間は短期の傾向があり、4泊から5泊で2流の港町に寄港するものです。クルーズ船それ自体が、主要な呼び物となっているのです。」とStar CruisesのPresident(=社長)であるAng Moo Limは語った。

「Star Cruisesの新しい7泊8日のクルーズは、4つの有名な港湾に寄港することにより中国人のクルーズ体験を一歩前進させるもので、クルーズ期間を50%以上のクルーズが7日から8日続くという国際的な水準にするものなのです。旅程の拡張は、海外市場への訴求を推進するものであり、弊社では、より多くの国際的なクルーズ旅行者を上海に惹きつけるものと信じております。」(Cruise Industry News: February 21, 2017)

74人の移民の遺体が西リビアのアル・ザウィヤの岸に打ち上げられる(リビア)

74人の移民の遺体が、地中海で乗って来た船が転覆してリビア沿岸の岸に打ち上げられた、と援助活動家が火曜日に話した。Libyan Red Crescent(=リビア赤新月社)は、この遺体はザウィヤ市の北西で収容されたと話した。

U.N. Migration Agency(=国連移民機関)である International Organization for Migration(=国際移住機関)(IOM)のspokesman(=広報官)であるFlavio Di Giacomoは、船は110人を乗せて土曜日に西部のサブラタ市から出発したものだと語った。サブラタは、重要な考古学的な遺跡があるところで、ヨーロッパに向かおうとする移民にとっては出発地だが、メディアの報道によると、2016年にIslamic State(=イスラム国)によって短期間占拠されたという。

Red Crescent(=赤新月社)spokesman(=広報官)のMohammed al-Misratiは、Associated Press(=AP通信)に対し、遺体は月曜日の朝に発見されたもので、もっと見つかると思うと語った。破けたゴム製の船が、近くで見つかったと話した。

火曜日、IOM(=国際移住機関)は、今年これまでに、海路で13,170人の移民がヨーロッパに到着し、272人が、死ぬか行方不明になっていると話した。(Libyan Express: Tuesday 21 February 2017)

Wightlinkのフェリーは運航再開(英国)

ポーツマスからのWightlinkのフェリーは、港内に不発弾(注、第二次世界大戦中のドイツの不発弾)が発見されたことから運航を取り止めていたが、再開した。立入禁止区域は解除されたが、運航が平常通りに復帰するには数時間かかることになる。

St Clareというカー・フェリーはフィッシュボーンからポーツマスに向かう途上にあり、St Faithはポーツマスで車両と乗客を乗せる準備をしているところだ。ライド埠頭への双胴船の運航は、間もなく再開される。(ITV News: 22 February 2017 at 8:07am)

Fincantieri、Carnivalとの間で15億ドル中国クルーズ船契約に契約(中国・イタリア・米国)

イタリアの造船業者Fincantieriと、China State Shipbuilding Corp(=中国船舶工業集団公司)は、急成長の中国クルーズ市場向けに2隻のクルーズ船を建造すべく、Carnival Corpとの間で15億ドル契約に合意した。Fincantieri株は4パーセント急騰し、16か月で最高値となった。

このクルーズ船建造合意は、国内市場向けに中国で建造することになるそうした船舶の最初のもので、金融詳細非開示での法的拘束力のない契約に各社が署名してから5か月後に実現したものだ。

Chinese Ministry of Transport(=中国交通運輸部)によると、中国は2030年までに、合衆国に次ぐ世界第2位のクルーズ市場になることになっているという。この市場は、2015年の乗客100万人から、2020年までに450万人に拡大するものと見られている。

「(中国は)この先長く、アジアでのクルーズの成長のキー・ドライバー(=鍵を握ること)になります。」とCarnival Asia Chief Executive(=最高責任者)のMichael Thammは語った。

Carnivalの中国合弁企業が船を運航し、この契約には更に4隻建造できる選択権が含まれており、9月に合意したものよりも2隻増えている。2023年から引き渡されることになる船の設計は、「specific tastes of the Chinese travelers(=中国人旅行者の好みに特化する)」と各社は水曜日に語った。

各社はChinese President(=中国国家主席)のXi Jinping(=習近平)とItalian President(=イタリア大統領)Sergio Mattarellaが出席した北京での式典で、この契約に署名していた。(Reuters: Wed Feb 22, 2017 | 8:52am EST)

イタリアのフェリーで移民が暴動(イタリア)

60人の移民が、火曜日の夜、カリアリからナポリに航行中のイタリアのフェリーJanasで暴動を起こした。この非市民の半数はアルジェリア国籍で、EUへの入国を拒否されていた。このグループの追放と拿捕命令が出ていたにも拘わらず、警察は同行していなかった。

フェリーの運航事業者であるTirreniaは、声明文において、横断中に「tensions within the group(=グループ内で葛藤が生じて)」乗船していた他の人々に不安が生じたと述べた。船長は「necessary checks(=必要な検査)」を行うようフェリーがナポリに到着する際に出迎えて欲しいと警察に要請した。

乗客らはイタリアのメディアに、この騒動はフェリーの酒場が閉まり、移民らが酒を飲み続けたがっていた時に始まったと話した。説明は様々だが、乗客の中には、嫌がらせを受けたり、盗みの標的にされたりしたと主張する者もいた。この混乱状況は数時間続き、La Stampa紙によると、フェリーがナポリのバースに接岸する際に、漸く静まったという。

TirreniaのCEO(=最高経営責任者)であるMassimo Muraは、「乗客全員の安全を確保するために難しい状況」を管理したJanasの船員に感謝した。また同船には損害はなく、乗客や船員に怪我人もいなかったと付け加えた。

当局は身元調査を免れようとしている移民がいないことを確実にすべく、船内を捜索した。イタリア警察は、容疑者に薬物とアルコール検査を行い、直ぐに正式起訴に持ち込む予定だ。

カリアリの警察労働組合の書記長であるLuca Agatiは、この騒動は、最近国外退去書類を受け取った若い移民によって引き起こされている一連の騒動の1つであることを示唆した。Luca Agatiは、一度正式にEUに居住することを拒絶されたならば、移民の中には、国外に追放される前に犯罪を犯す自由があるような気分になる者がいると主張した。(The Maritime Executive: 2017-02-22 16:49:33)

Meyer Werft、最初のLNG焚きクルーズ船向け鋼板を切断(ドイツ・米国)

2017年2月23日。ドイツの造船業者Meyer Werftは月曜日、世界最初のLNG焚きクルーズ船となるものに向けた最初の鋼板を切断した(注、起工した)。

この船は造船所番号S.696番であるが、2015年にCarnival CorporationのAIDA Cruisesによって発注された2隻のHelios級の船の1番船。この180,000総トンの船は、それぞれ約2,500室の船室があり、2018年秋と2021年春にAIDAの船隊に加わることになる。Caterpillar MaKという二元燃料機関により駆動する。

「AIDAは、この新しいHelios級により、ドイツ休暇市場に全く新しい弾みを与えることになります。」と1番船向けの最初の鋼板の加工を開始すべく、コンピュータ制御の裁断機の開始ボタンを押したAIDA President(=社長)のFelixは述べた。

LNG(=液化天然ガス)燃焼のCaterpillar MaK機関に加え、この船の他のエネルギー効率の特徴には、熱回収、革新的な電動機、LED(=発光ダイオード)照明、船舶自動化エネルギー効率、抵抗を逓減するために最適化された水中塗装、そして重量を最適化した資材選択が含まれる。

「こうして、AIDAと共に全く新しい技術的地盤を切り開くことができることを大変にうれしく思います。今や、AIDAとCarnivalは、将来の燃料としてLNGを確立する新たな道を切り開いて行きます。」とMeyer Werft CEO(=最高経営責任者)のTim Meyerは話した。(Marine Log: FEBRUARY 23, 2017)

オランダの堕胎船がグアテマラ海軍に拿捕(グアテマラ・オランダ)

オランダの機関、Women on Wavesの堕胎船が、木曜日にグアテマラ海軍によって拿捕された。この非営利団体の女性たちは、グアテマラの領海のすぐ外で、妊娠10週間以下の女性に対し堕胎していた。同国は生命に危険のある女性に対する堕胎を許容している唯一の国であるとVolkskrantは報じている。

同紙によると、海軍はサン・ノゼ港であったWomen on Wavesの記者会見に先立って、同船が接近することを妨害した。海軍の声明文によると、Women on Wavesは「right to live(=生存権)」に関する同国法令に違反する活動をしているという。

Women on Wavesの設立者であるRebecca Gompertsは、Twitter(=ツィッター、注、ミニブログの一種)に、海軍の行動は法律に違反している。というのは、この機関の同国入国の為の書類は全て整っているからだと書いている。

この船は現在、軍の管理下にある。この機関のために働いている6人の女性が乗船しており、オランダ人1人が含まれる、とWomen on Wavesはそのウェブサイト上で述べている。

2012年にサミールという北部モロッコの観光の町のマリーナで係留した後で、グアテマラがこの堕胎船の最初の目的地となっていた。同船のグアテマラ到着は、抗議活動に見舞われた。Rueters(=ロイター通信)によると、「子供を殺しにオランダに行ったらどうなんだ」とある人は叫んだという。

Women on Wavesは、目的地としてグアテマラを選択した。というのは、彼らによると、毎年同国では6500件の違法な堕胎が行われているからだという。同船では、妊娠10週間以下の女性には、堕胎薬が与えられている。その後、医師の管理の下、数時間、この船で過ごすことになる。

2015年、Women on Wavesは、ドローン(注、無人飛行機)を使ってポーランドに堕胎薬を届けたこともあった。(NL Times: February 24, 2017 - 12:05)

ダブリン市民がクルーズ船から行方不明になった妻殺害容疑で起訴へ(イタリア・アイルランド・ドイツ)

ダブリンに本拠を置く男が、今月初めに地中海のクルーズで行方不明になった妻殺しの容疑で起訴されることになった。

ドイツ人でIT(=情報技術)の専門家であるDaniel Bellingは、今週、ローマからダブリンに向かう飛行機に搭乗する前に身柄を拘束された、とThe Irish Times紙が報じている。

クルーズ定期船MSC Magnificaの船員が、Bellingの妻のLi Yingleiが、10日間クルーズを終えてチビタベッキアで彼と2人の子供と共に下船しなかったことを発見したことから、逮捕された。

Bellingは、今日(2月24日金曜日)、正式起訴されるに先立って、ローマのRegina Coeli監獄で拘束されていると報じられていた。(Afloat: 24th February 2017)

中国は3隻目の航空母艦建造中と報道(中国)

People's Liberation Army Navy(=人民解放軍、中国海軍)(PLAN) の2隻目の航空母艦は一般にType 001Aと呼ばれているが、竣工間近であり、中国国有メディアは、同国3隻目の航空母艦も工事中であると報道した。

海軍専門家のLi Jieは、2月21日に同空母は一般にType 002として知られているが、中国の以前の空母とは「entirely different(=全く異なる)」ものとなり、「US aircraft carrier rather than a Russian one(=ロシアの航空母艦よりは、むしろ合衆国のもの)」のように見えると話すのをGlobal Timesという新聞に引用された。

中国初の空母であるLiaoning(=遼寧)は、ソビエト時代のAdmiral Kuznetsov級の空母で、ウクライナから購入したものであり、2012年に就航した。一方Type 001Aは、中国初の生粋建造の空母であり、Liaoningの設計を踏襲している。(IHS Jane's 360: 24 February 2017)

沈没したソビエトのクルーズ定期船、11月の地震の犠牲になる(ニュージーランド・ロシア)

マールバラ・サウンズ(注、海峡)の海底に横たわるソビエトのクルーズ定期船、Mikhail Lermontovの残骸が、11月のカイコウラ地震でバラバラになっている。

372人の乗客全員と、1人を除く348人の船員は、1986年に海底に消える前に、この豪華なクルーズ船から救助された。本船はPort Gore(=ゴア港)に沈没し、以来、ダイビング・サイト(注、潜水スポット)になっていた。

Go Dive Marlboroughの所有者であるBrent McFaddenは、この地震の結果、合金製の最上の3層の甲板がそぎ取られ、約3メートル下の海底に崩れ落ちたと語った。McFadden氏は、あの地震の2日後に潜水した時に、この損傷に気が付いたと話した。今や、この難破船の損傷部分の内部に潜水することは危険になっている。

「かなりの損傷があります。中で人々が混乱し得るようなギザギザの金属やケーブルがあります。」

しかしダイバー(=潜水者)にとっては、同船の外側を眺めるという体験を促進させられることとなり、この環境の変化は、この地域の魚の生活が豊かになることを意味すると語った。

「タラキヒ(注、魚)がこの種の環境を楽しむこととなり、この魚は同船の一部で群生しています。こうした点で、実に体験が向上することとなっています。」

潜水者がこの変化を詳しく調べるために戻って来ると語った。(Radio New Zealand: 8:50 am on 24 February 2017)

観光業は最高潮、しかしバス海峡フェリーは代替の必要(オーストラリア)

記録的な人数がSpirit of Tasmaniaというフェリー(注、2隻のフェリー)を利用し続けているが、この船齢18年の船の10億ドルの代替費用の財源を巡っては、疑問が残っている。この(注、2隻の)船は先月、79,920人の乗客を運んだが、1月の数字は史上最高で、昨年の同時期よりも5パーセントの増加だった。

Infrastructure Minister(=社会基盤大臣)のRene Hiddingは、TT-Lineからの8000万ドルの特別配当金を、どこから同船の代替に充てるのか、言おうとはしなかった。12月のGovernment Business Enterprise(=公企業)公聴会において、Hidding氏は10億ドルと見積もられる同船を代替するための政府の計画に関する質問に答えることを拒否した。

Hidding氏とTreasurer(=財務大臣)のPeter Gutweinは、昨年5月に4000万ドルの特別配当金がTT-Lineによって支払われ、2016年から17年度に「vessels replacement fund(=船舶代替資金)」に投入され、2017年から18年度は4000万ドルの配当が見込まれると発表していた。

「政府は、2020年代の初めから中頃に同船の代替を行う準備をしているところです。」と昨日、Hidding氏は語った。「我々は昨年の予算において、船舶代替資金を立ち上げ、代替船の支払いのための現金を確保しました。」

大型のロール・オン、ロール・オフ船は、約4億2000万ドルする。立法行為を行うには、昨年暮れにこの資金がUpper House(=上院)を通過することを確保する必要があった。財務省広報官は、Mercury紙に対し、この資金はTasCorpによって管理されている信託資金において確保されることになると語った。

Hidding氏は、この船は2022年から23年に代替される必要があると語った。Hidding氏は、資金は、借入や株主による注入、現在合計で1憶4000万ドル相当の2隻の船を売却することによって得られるものだと語った。

1月には、合計で32回の日中航海、それぞれの目的地には16回航海を行った。TT-Lineは、デボンポート―メルボルン航路で、4月30日日曜日と5月20日日曜日に、更に2回、日中航海を追加する。(Mercury: February 26, 2017 10:00pm)

Royal Caribbean、全てのクルーズ船に救助員を追加(米国)

Royal Caribbeanは、今後4か月間に船隊の全ての船に免許を有するライフガード(=救助員)を追加し、Oasis of the Seasから始めると発表した。

The Express紙によると、このクルーズ客船会社の船舶の全てに訓練を受けた救助員を追加することは、Royal Caribbeanの新しいウォーター・セイフティ・プログラム(=水遊び安全計画)の一環であり、同社船隊の全ての船舶にウォーター・セイフティ・インストラクション・サイン(=水遊び安全指示標識)を導入することも含まれる。

Royal Caribbean corporate communications manager(=企業広報支配人)のLyan Sierra-Caroは、プールでの活動は「important aspect of the cruise vacation(=クルーズ休暇の重要な側面)」であり、このクルーズ客船会社は、可能な限り安全な体験を作り上げるよう最大限のことを行っていると語った。

この救助員には、明るい赤と白で飾られた制服が支給され、Solarium(=日光浴室)を含むあらゆるプールに営業時間中、駐留することになる。この救助員の全員は、フロリダのStarGuard Eliteで訓練を受けることになる。

Royal Caribbeanの新しい水遊び安全計画の一環として、子供と親は乗船日に15分間のプレゼンテーション(=説明会)を受けることになり、子供が入手可能な水着を使用することの重要性を強調する追加標識も導入する。

Royal Caribbeanの幹部は、免許を受けた救助員がクルーズ船での遊泳体験をより安全なものにする一方で、なおも親や後見人が自分の子供を監督し、気を配ることが期待されていると話している。(TravelPulse: February 27, 2017)

スペインの男「Brittany Ferriesの船で10万ポンドの大麻を密輸した」と法廷で供述(英国・スペイン・フランス)

スペインの男が、10万ポンド以上相当の大麻を、自分の乗用車の車体と予備タイヤの中に入れて、プリマスに密輸した、と法廷は聴取した。

Carlos Maldonado-Lopez、36歳は、 Britanny Ferriesの旗艦で、サンタンデルから10キロ以上の薬物を持ち込んだ、と陪審員団に話した。

Border Force officers(=国境警備員)が、Nissan(=日産車)の中の5カ所に隠した70以上の小包みの中から大麻を発見した、とPlymouth Crown Court(=プリマス刑事裁判所)は聴取した。

しかしMaldonado-Lopezは、自分は単に食堂での仕事を探していただけだと言って、この薬物については何も知らないと主張した。(Plymouth Herald: February 27, 2017)

Carnival、今や60隻のクルーズ船にスクラバーを導入(米国)

2017年2月27日。Carnival Corporation & plcは、業界を率いている商標を横断する60隻の船への、Exhaust Gas Cleaning Systems(=排気ガス清浄化システム)(EGCS)の導入と認証を完了したと報告した。

これまでに4億ドルの投資を行ってきており、同社は2020年までに、その世界船隊中の85隻以上の船に、このシステムを発展させ展開させることになる。

実績ある陸上の排ガス清浄化技術を海事システムに適合させており、洋上、操船中、そして港湾内で船舶運航中に船の機関から排出される硫黄化合物と粒状物質に対する専有技術をCarnival Corporationは有している。このシステムは、Carnival Corporationが燃料の硫黄分を0.1パーセントに抑えている国際規制を遵守することを可能にしている。(後略)(Marine Log: FEBRUARY 27, 2017)