フェリーとクルーズ船のポータル・サイト

2016年9月の海外旅客船情報

Irish Ferriesの観光客の予約が、所有者のIrish Continentalによると、6月のBrexit（注、英国のEU離脱）の国民投票による落ち込みの後、回復したという。

このフェリー・グループは、今年の最初の6か月間における収入が5.2％増の1憶5020万ユーロ（1憶2800万ポンド）で、利息・税・減価償却・償却前の売上高は、19.6％増の3050万ユーロ（2600万ポンド）だったと話した。

北アイルランドの実業家で、同社社長のJohn B McGuckianも、Brexit投票にも拘らず、Irish Continental (ICG)は経済の改善に乗ずることができる地位に留まっていると語った。

「あの英国の国民投票の結果は、今までのところロール・オン、ロール・オフ貨物量にほんの僅かの影響しか与えておらず、強固なままです。」

「ポンド安の影響にも拘らず、ICGは、乗用車と貨物量の双方において基本的に成長基調にあるものから恩恵を受ける好位置につけているのです。」

鍵を握る夏季の観光客数は、概して予想と合致していると語った。（Belfast Telegraph: Published 01/09/2016）

BC Ferriesは、同社船隊の船が改修を受け次第、船舶からアーケード（注、ゲームセンター）を撤去していく計画だと話している。そしてこれは、個人の電子機器の急増のためだとしている。

「時代は変わりつつあります。人々は船上で使うために自身の電子機器を持ち込むようになってきており、アーケードからの売り上げは減少しているのです。」と広報担当者（注、女性）のDeborah Marshallは、電子メールで述べた。

「この空間は、座席の増設や土産物店の拡張のためにより良く利用されることになります。」

BC Ferriesは、Queen of Oak Bayが耐用期間の4分の3経過後の改修工事を受けた際に、同船からアーケードが撤去されたことを確認した。同船は、ホースシュー・ベイ（＝湾）からナナイモのデパーチャー・ベイ（＝湾）に航海している。

Marshallは、この空間はスナック・バー（＝軽食堂）区画用座席の増設のために使うと述べた。

他船も、耐用期間の中間あるいは4分の3経過後の改修工事の際に、アーケードを撤去することになる。（CBC.ca: Sep 01, 2016 12:59 PM PT）

新概念の船舶計画が、2020年の実現を目指している。世界で最もグリーンな（注、環境にやさしい）クルーズ船であると描写されるものの建造に向けて計画が進んでおり、この事業の技術者らは、事業に参加するサプライヤー（注、供給者）を求める準備をしている。

Peace Boat Ecoshipとして、華やかで興味深いものとして知られるものは、ガス駆動、風力補助のクルーズ船で、約55,000トン、ソーラー・パネル（注、太陽電池パネル）を有し、廃棄エネルギー回収、廃棄物や水リサイクルを行うものとなる。30人以上の技術者と科学者からなる一団により開発されたもので、2020年に引き渡される予定だ。

Peace Boat Ecoship事業の資金提供者は、機関に風力の補助動力を提供する10枚の格納式の帆を持ち、天然ガス焚きとなると話している。

設計は、日本の非政府機関により進められている。このNGO（＝非政府機関）は、設計、建造、新しいクルーズ船の運航を網羅するSMM（注、ドイツのハンブルクにおいて2016年9月6日から9日まで開催される国際海事見本市）期間中において、船級協会のDNV GLとの間で、Memorandum of Understanding（＝覚書）に署名することになっている。

声明文において、Peace Boat founder and director（＝ピース・ボート設立者で代表者）であるYoshioka Tatsuya（＝吉岡達也）は、次のように述べている。

「世界は新しい時代を迎えており、私たちは低炭素経済を変える必要性があるのです。海事産業はこの推移において、主要な役割を果たさなければならないのです。」

弊社のSMM 2016に関する報道の全てを見るには、こちら（リンク先省略）。（Lloyd's List: Friday 02 September 2016, 16:30）

Strategic Marineは、2隻の長さ70メートルのLNG駆動のアルミニウム製、車両・旅客双胴船の工事は、ベトナムの同グループ造船所で首尾よく進行していると発表した。この船はRederij Doeksen向けに建造中で、2018年初めにオランダに引き渡される予定になっている。引き渡されてから、最終的な試運転と海上試運転を行うことになる。

この環境に優しいRoPaxフェリー（注、RORO式貨客船、カー・フェリー）は、Vripackが設計した概念や内装を使って、BMT Nigel Geeが設計した。乗用車66台と乗客592人を積載することが可能で、主要推進力は、MTUの2基の1元燃料LNG機関によるもので、機械的変速機を通じて、Vethの固定ピッチ・アジマス・スラスタ―を駆動させる。本船の電力は、ハイブリッドLNG/電気装置により供給され、電力は2基の1元燃料LNG発電機により発電する。追加電力は、主要グリッド安定化装置とピーク・シェービング（注、電力消費のピークに備えて電力を備蓄すること）支援に使われる他、電動バウ（＝船首）スラスターと共に使用するために、蓄電池群に蓄えられることとなる。フェリーは、UNESCO World Heritage（＝ユネスコ世界遺産）に登録されたオランダ本土のハーリンゲンとテルスヘリング島とフリーラント島の間にあるワッデ海で運航する。（後略）（LNG Industry: Published on 02/09/2016）

Deltamarin Ltdは、デンマークのMols-Linien A/S向けに建造されることになるro-pax船1隻のための設計サービスを、フィンランドのRauma Marine Constructions Oy造船所に提供することになっている。Deltamarinの業務範囲には、船体艤装、機械、貨物区画の、基本及び詳細設計が含まれている。

新しい長さ158メートルのro-pax船は、デンマークのボルンホルム島とシェラン島の間で旅客と貨物を輸送するために設計され、最適化されたものとなる。貨物積載能力は、レーン長1,500メートルになる。工事は2017年春に始まり、この船は2018年秋に就航する。Deltamarinでは以前、造船所の入札の目的でMols-Linien向けに技術概略資料を作成したことがある。（中略）

Deltamarinの設計作業の合計契約価値は、約300万ユーロ。この作業は、フィンランドとポーランドのDeltamarinの事務所で、推定で12か月間かけて行われる。（Marinelink.com: Monday, September 05, 2016, 7:53 AM）

MSC Cruisesの新しい特大船、MSC Meravigliaが、9月2日にSTX Franceのサン・ナゼールの乾船渠で進水した。

2017年6月に就航予定のMSC Meravigliaは、MSC CruisesのMeraviglia級の1番船であり、この式典には、MSC Cruises、STX Franceの代表者やPays de la Loire Region（＝ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏）のSenator（＝上院議員）であるBruno Retailleau、Loire Atlantique（＝ロアール・アトランティック）のGeneral Council President（＝総議会長）のPhilippe Grosvalet、Saint-Nazaire（＝サン・ナゼール）のMayor（＝市長）であるDavid Samzunが出席した。（中略）

この式典において、MSC Cruisesは、STX France建造のMeraviglia級の2番船の名前がMSC Bellissimaになり、2019年春にお目見えすることも明らかにした。（後略）（Cruise and Ferry: Monday, September 5, 2016）

政府は、インド洋で運航している船舶の修理工場の建設で、Kenya Ferry Services (KFS) に対して、1憶5000万ケニア・シリングを配分した。

Transport Principal Secretary（＝運輸主事）のIrungu Nyakeraは、この現代的な修理工場は、狭い既存のものと交代することになり、地元民に雇用の機会を作り出すことになると述べた。モンバサにあるKFSの本社を訪問中での演説でNyakera氏は、KFS Managing Director（＝代表取締役）のKhamis Gowaが調達手続きが始まっていることを確認したと述べた。

「我々は地元企業をより重視すべきです。というのは、地元民を雇用するからです。我々が地元産業や経済を作り出すことによって、であります。」と語った。

KFS board Chairman（＝取締役会会長）のRamadhan Kajembeは、この動きを歓迎した。Kajembe氏は、ここの経営陣は、辛い仕事をこなすことのできる有能な人的資源を有していると語った。

「弊社は3隻のフェリーを運航しております。しかし数日前に、弊社技術者が修理を終え、4隻目が運航を開始いたしました。」と語った。（Daily Nation: Monday September 5 2016）

Japan Night（注、「日本の夕べ」の意）が2016年9月5日、ドイツのハンブルクでの海事見本市・会議・展示会であるSMM 2016に合わせて開催された。

そこではMaritime Reporter & Engineering Newsのeditor and associate publisher（＝編集者兼共同発行人）であるGregory Trauthwein氏が、Inter City Hotell Hamburg Dammto MesseであったJapan Ship Machinery & Equipment Association（＝日本舶用工業会）(JSMEA)の歓迎会で、酒樽を割る儀式（注、鏡開き）に光栄にも参加した。（Marinelink.com: Tuesday, September 06, 2016, 10:06 AM）

フィンランド南西部のMeyer Turku造船所は、クルーズ運航事業者のCarnival Corporationから8億ユーロ相当の2隻の新しいクルーズ定期船の注文を受けた。この受注により、2022年まで同造船所は忙しいことになる。

トゥルクのMeyer-Weft造船所は、クルーズ運航事業者のCarnival Corporationから2隻の新造注文を受けた。火曜日、同社は、このアメリカ・英国会社との間で、船の建造のための覚書に署名したと発表した。

この船の総トン数は、約19,000トンと見られている。現在、他に2隻がトゥルク造船所で建造中であり、95,000トンだ。

新たに発注された船は8億ユーロ相当で、Carnival Cruise Lines向けに就航し、2020年と2022年に竣工することとなる。

この同じ覚書で、ドイツのMeyer-Weftの造船所で、Carnival Corporation向けに180,000トンのクルーズ定期船を建造することが判った。3隻の全てはLNGで走り、Carnivalの「green cruise（＝環境に優しいクルーズ）」という船舶設計の取り組みのために開発された新世代の船舶の一部。

この注文で、Costa Cruises向けにトゥルクで既に建造中のもう1隻の船の竣工時が、2020年から2021年に延期になった。（後略）（YLE News: 6.9.2016 14:14）

先週、ビクトリアに向けて航海していたクルーズ船が、急旋回して傾いた。

「救命胴衣をひったくって、また傾いた時に備えて、私たちはベッドのシーツで固く結びました。」とワシントン州ピュアラップから来たRandy Gibbsは話した。

Gibbsと、91歳になる祖母を含む家族20人は、8月29日、12層甲板のCarnival Legendというクルーズ船に乗船している2,000人以上の乗客・船員の中にいた。このクルーズ客船会社は声明文において、同船の4基ある機関の1基において、turning valve（＝旋回弁）が故障し、そのため船は左舷に激しく傾いたと述べた。これにより、同船は30度傾斜した。船は、7日間のアラスカ・クルーズから戻るところで、シアトルに向かう途中だった。

「あと10度も傾けば、船は転覆していました。」とGibbsは話した。「気違い沙汰ですよ。」（中略）

これは、同船が傾斜した最初の出来事ではなかった。2005年、Carnival Legendはニューヨークに向かう途中、突然、右舷に傾いた。船は14度傾斜して、軽傷を負わせ、ガラスが割れた。船員らは乗客に、コンピュータの誤作動によるものだったと話した。

2001年、同じような大きさのクルーズ船、Norwegian Skyが、ファン・デ・フカ海峡で、伝えられるところによると自動操縦にしていた際に、コンピュータの誤作動で傾いた。少なくとも16人が負傷し、1人は足を骨折した。救急医療隊員、消防士、そして沿岸警備隊が、この事故に対処した。（Times Colonist: September 6, 2016 06:00 AM）

AS Tallink Gruppによると、同社は8月に961,851人（2.7％増）の旅客を輸送し、旅客数において7月に破った記録に次ぐ記録に達した。

フィンランド―スウェーデン航路において、旅客数は0.9パーセント増の289,581人に増加し、エストニア―フィンランド航路は4.9パーセント増の521,048人だった。エストニア―スウェーデン航路では、旅客数は僅かに減少して0.7パーセント減の101,081人で、スウェーデン―ラトビア航路では、1パーセント減の50,141人だった。

輸送貨物車両台数は、7.4パーセント増の26,775台で、旅客の車両（＝乗用車）台数は、3.5パーセント増の125,911台だった。

AS Tallink Gruppは、バルト海における指導的な旅客海運会社の1つであり、年間900万人の旅客を輸送し、7000人近くを雇用している。船隊には15隻の船舶があり、同社は6本の異なる航路を運航している。2017年の初めに、同社は環境に優しいLNG（＝液化天然ガス）高速フェリー、Megastarを、タリン―ヘルシンキ航路に就航させる。（PortNews IAA: 2016 September 7 09:37）

当局は、水曜日の夜明け前にクルーズ船から船外に転落した合衆国市民の捜索をバハマで行っている。

US Coast Guard（＝合衆国沿岸警備隊）は、ニューヨーク州インターラーケンのRina Patel（32）が、グランド・バハマ島の近くを通過した際、Carnival Ecstasyの第11甲板にいたと話している。

Carnival Cruise Lineは、この女性は一見したところ、船外に飛び降りたようだと報告した。同社の声明文には、直ちに緊急手順が取られて、船員は女性の捜索を開始したとあった。沿岸警備隊の航空機と2隻の艦船が、グランド・バハマの南西約27マイル（約43キロメートル）の海域を捜索した。

このクルーズ船は、バハマのナッソーを出発して、サウス・カロライナ州のチャールストンに向かう途中だった。（NEWS.com.au: September 8, 20167:38am）

9月8日、パリ発。オランダのグループDamen造船所と、イタリアのグループFincantieriが、四苦八苦している南朝鮮（注、韓国）のグループであるSTX Corpの子会社である造船所、STX Franceの可能性ある買い手2社として浮上した、とフランスの日刊紙、Le Mondeが木曜日に報じた。

「外国の候補者2社であるイタリアのFincantieriとオランダのDamenが、最後のフランスの造船部門の企業を巡って戦っている。」とLe Mondeはいくつかの消息筋を引用しつつ報じた。

水曜日、フランスの財務省筋は、STX Franceの可能性ある買い手2社が浮上していると述べた。

フランス政府は、STX Franceの33パーセントという少数持分を有しており、ここは西海岸のサン・ナゼールにある海軍造船所を経営している。赤字垂れ流しのSTX Corpは、法定管理下にある。（GCaptain: September 8, 2016）

土曜日、Coast Guard（＝沿岸警備隊）の係官は、木曜日に南東アラスカでクルーズ船Norwegian Pearlから船外に転落した25歳の女性の捜索を中止したと述べた。この女性は船員であると、沿岸警備隊は土曜日の声明文の中で報告した。この出来事は、同船がスカグウェーとヘインズからジュノーを結ぶ入り江であるLynn Canal（＝リン入り江）通過中の木曜日の朝に報告された。

沿岸警備隊の広報官であるPetty Officer 1st Class（＝1等下士官）のBill Colcloughは、クルーズ船の職員が当局に、この女性が船外に飛び降りたと報告したと語った。

沿岸警備隊とAlaska State Troopers（＝アラスカ州警察）は、リン入り江の340平方マイルを詳しく調べ、土曜日の午後4時28分に捜索を打ち切ったと当局者は話した。

「我々はアラスカ州警察と共に、航空機を使用して、42時間以上に亘って広範に海上を捜索した。」とジュノーの沿岸警備隊の司令当直下士官であるPetty Officer 1st Class（＝1等下士官）のBlake Flemingは声明において述べた。

このクルーズ船を保有するNorwegian Cruise Lineは、論評の求めには応じなかった。（Alaska Dispatch News: September 10, 2016）

シアトル発。僅か1か月間に、Washington state ferriesから3人が自殺を図っており、2015年の初めからそうした出来事がたったの2件しかなかったことを思えば、急騰している。

7月28日、シルバーデールのBelinda Palmer（52）は、シアトルとブレマートンの間で、Walla Walla Ferryから飛び降りて死亡した。遺体は、後にサウス・キットサプ郡に漂着した。

Q13 News（注、テレビ局の番組）での調査で、Palmerの人生の最後の時間が明らかになった。これには死の直前にWashington State Patrol（＝ワシントン州警ら隊）と接触していたり、船長の命令があったにも関わらず、船の船員がPalmerを見張っていなかったことが含まれている。（Q13 FOX: Posted 10:41 AM, September 10, 2016）

シチリア島メッシナ発。巨大なクルーズ船は危うくマリーナにぶつかるところだったが、後に残した「ミニ津波」のために何百万ドルもの損害を与えた。Break.comが入手したこのFacebookの動画は、このクルーズ客船会社の視点から事故の全体像を捉えている。

警告：この動画の言語は、閲覧者の中には反感を覚える者がいるかもしれない。

イタリアのシチリア島のメッシナで、Carnival Cruise Lineの最大船であるCarnival Vistaが横向きになってMarina del Nettuno港に接近し、木製の桟橋や船にぶつかる前に、最終的には離脱することができた。ところがゆっくりと港を離れるや、海水が同船の後ろで泡を立て始め、岸に向かった大量の波紋が桟橋を洪水にし、最終的にはこれを乗り越えて、接岸していた船舶を沈没させた。

このマリーナにはシーフード・レストラン（注、魚介類専門食堂）があり、鉄筋コンクリートのダムで保護された160隻の船のための空間がある。

同港を出発する際には、このクルーズ船には水先案内人が乗船していた。怪我人の報告はなく、損傷を受けた全ての船は、当時、無人だった。

Carnival Vistaは、長さが1,000フィートを僅かに超え、133,500トンの総重量（注、総トン数（容積）の誤り）がある。本船はイタリアで数か月前に建造されたもので、3,936人の乗客を収容することが可能。（FOX 11 Los Angeles: Sep 10 2016 04:11PM PDT）

ドイツ、フランクフルト発。230人近くを乗せたリバー・クルーズ船が、日曜日、南ドイツで橋に衝突して操舵室が潰れ、船員2人が死亡した、と当局は話した。

Viking Freyaは、ハンガリーの首都ブダペストに向かう途中、エルランゲンの町からまだ暗い時に出航したばかりだった。衝突があった時、Main-Danube Canal（＝マイン―ドナウ運河）を通過中だった。

死亡したのは、船長の代理で同船を導いていた49歳と、33歳の船員。2人ともハンガリー人男性だった。

警察は、航海していた181人の乗客と47人の船員には怪我はなかったと話している。乗客と船員は、救助隊員が同船から下船するための通路を延長して近隣のホテルに連れて行かれるまで、何時間も船に乗ったままだった。

Bavarian Radio（＝バイエルン・ラジオ）のウェブサイト、br.deに掲載された事故の写真では、乗客らは、同船の食堂のテーブルで静かに座って待っているのが写っている。

Viking Cruisesは声明文において、「弊社は心が痛んでおり、会社幹部が事故の詳細を知るべく、地元当局者と緊密に作業するために現場におります。」と述べた。

警察は、事故原因は捜査中だと話した。警察の広報官が、格納式操舵室が当時、下がっていなかったようだと語った、とdpa（＝ドイツ通信社）が報じた。

同社は、乗客らは修正された旅程により、パッサウの町から別の船で続けることもできるし、帰宅することも可能だと話した。この旅行の混乱に対する補償を議論するため、顧客担当者が乗客の帰宅後に連絡を取る、と同社は話した。（Washington Post: September 11 at 11:25 AM）

世界最大のコンテナ海運会社であるMaersk Lineは、 Hanjin Shipping Co.（＝韓進海運）の崩壊後に、freight rates（注、単位貨物量当りの運賃）の短期的な上昇と新規顧客の流入を見ている。

「運賃市場での反発を見ることになるのは、疑いがありません。」とMaersk Lineの東西ネットワークを担当する重役のKlaus Rud Sejlingは、電話インタビューで答えた。「問題となるのは、長期的にこの運賃によって、何が起きるのかということです。短期的には、この影響は肯定的なものですが、中・長期的には、運賃に影響を与える得る多くの要素があるのです。」

南朝鮮（注、韓国）最大のコンテナ会社であるHanjinは97隻を保有しているが、最近、ソウルで破産保護申請を行い、合衆国、アジア、ヨーロッパの港湾で船を追い返されたことから、事実上、何隻かが洋上に置き去りにされている。

ある合衆国裁判所は、同社に対し資産の差押を猶予することを許可し、カリフォルニア州のロングビーチ港での商品の荷下ろしを許可した。Hanjinは土曜日に、その最大の株主であるKorean Air Lines Co.（＝大韓航空）が、コンテナ船から商品を降ろすための支払いに充てる資金として、600億ウォン（5400万ドル）を提供することで合意し、救済金も勝ち取っている。

「弊社のところにやって来た顧客から聞いていることは、安定したパートナーを探しているということです。」とSejlingは語った。「顧客は弊社のところに来るようになりました。というのは、弊社は財政的に強固であるからです。」

Maersk Lineは、コペンハーゲンに本拠を置く複合企業のA.P. Moeller-Maersk A/Sの一部で、ここは港湾、ドリリング・リグ（注、掘削装置）、油田を保有している。

運賃の上昇は、Maersk Lineの2016年純利益を7億6000万ドルにまで急騰させ得る、とSEBの分析者のLars Heindorffは、9月8日のメモの中で述べていた。しかし運賃の上昇は続きそうになく、Maersk Lineの利益は2億ドルに満たないだろう、とこの分析者は話した。

Maersk Lineは9月7日に、Hanjinの顧客を吸い取るため、アジアから合衆国西海岸への新たな運航を開設すると語った。Sejlingは、この新たな収容力は、現在約7.5パーセントである同航路におけるMaersk Lineの市場占有率を、0.6パーセント増加させることとなると話した。

「弊社は、常に弊社ネットワークと弊社の寄港には楽観的ですが、現時点で、更に運航を増やす計画はございません。」とSejlingは語った。（Bloomberg: September 11, 2016 ― 7:00 PM JST）

クィーンズランド州の沿岸沖のクルーズ船で、胃腸炎の勃発の疑いがあり、女性1人が死亡、数人が体調不良になっているものと考えられている。

P&O Pacific Jewelというクルーズ船は、10泊「Barrier Reef Discovery（＝バリア・リーフ発見）」クルーズで、9月6日にシドニーを出発した。

Margaret Carlsonは、娘と10代の孫と共に乗船した。この79歳にとっては、夫が亡くなってからの10年間で7回目のクルーズであり、豪華な船室に改装されていることから、この旅行を心待ちにしていた。

直ぐに胃腸病の症状を見せ始め、医療職員に、船内で恐らくこのばい菌に感染したと言われた、と家族は話している。娘と孫も、乗船後に発病した。P&Oは同船で胃腸病の勃発があったことを否定している。

土曜日の午後、同船がケアンズのヨーキーズ・ノブに接岸した際に、Carlsonさんの家族は、Carlsonさんが自室で死亡しているのを発見した。

警察が現場を実況見分するために呼ばれ、数時間前に自然死したものと断定した。検死解剖がなされることになっている。（後略）（The Sydney Morning Herald: September 12 2016 - 8:41PM）

ノルウェーの沿岸クルーズ会社であるHurtigrutenは、2隻の新しい乗客530人乗りの船を発注して、全電動クルーズ船に向けて最初の第一歩を踏み出した。

この船は、ノルウェーのKleven Yardsで建造されることになっており、ハイブリッド電動・ディーゼル推進器を備える。1番船は2018年には準備されることとなっており、C02（＝二酸化炭素）の排出量を20％にまで逓減する補助電動機関を1基備える。この新しいハイブリッド（注、混成）技術により、一度に15分間から30分間、完全電動で航海することが可能となる。

2番船は、より長時間かつ長距離で船全体を駆動させることのできるハイブリッド機関1基を備えることになり、フィヨルドやその他の脆弱な地域を航海することになる。

Hurtigrutenは、もし技術的に準備できたならば、2番船に、より長距離をより長時間、完全電動で航海することが可能となる大型電池を、2019年に装着すると話した。目標は、同じ技術で船をNo. 1（＝最高）のものに改装することでもある。

「海運の将来は、疑いもなく、騒音や排出のないものにすることです。」とHurtigrutenのCEO（＝最高経営責任者）のDaniel Skjeldaは語った。「弊社では新しい探検船をこの新技術の開拓者として使用し、大型船でハイブリッド推進が可能であることを世界に紹介いたします。」（USA TODAY: 11:31 a.m. EDT September 12, 2016）

火曜日、フランス南部のマルセイユ港に接岸した世界最大のクルーズ定期船から救命艇が外れ、1人死亡し、2人が重傷を負った。

「1人が死亡し、4人が負傷したが、うち2人は危篤だ。」と消防隊の広報官はフランスの通信社のAFPに語った。

Harmony of the Seasという船から、救命艇は5人を乗せて「外れた」と広報官は語った。

事故は、避難訓練の最中に発生した。5人全員が怪我をし、1人は死亡したが、全員は船員で、避難訓練に参加していた。

フロリダ州に本拠を置くRoyal Caribbeanによって運航されている120,000トン（注、この記述は疑問）の定期船は、5月に就航したばかり。66メートルというのは、史上建造されたクルーズ船の中で最も幅があり、長さ362メートルというのは、Eiffel Tower（＝エッフェル塔）の高さよりも50メートル長い。16層の甲板を有し、6,000人以上の乗客と2,400人の船員を輸送することが可能だ。（RFI: Issued on 13-09-2016）

Peace Boat（＝ピースボート）は、Ecoshipの建造のため、造船所と「serious（＝本格的な）」話し合いをしており、その中にはMeyer Werftが競争者の1つとして名前が挙がっており、プロトタイプ（注、原型）の竣工後に姉妹船を建造する計画も既に立てている。

Passenger Ship Technology誌は、6～7社のヨーロッパの候補社があると理解しており、造船所1社は大陸の外側に本拠を置くところだ。

Peace Boat及びEcoshipの創立者兼代表であるYoshioka Tatsuya（＝吉岡達也）は、Passenger Ship Technology誌との独占インタビューにおいて、次のように語った。「我々は5回面談して、ある造船所とは大変に真剣な話し合いをしており、直ぐにも造船所を選択することになります。」

日本のNGO（＝非政府組織）であるPeace BoatのEcoshipは、世界で最も地球に優しいクルーズ船を作る構想だ。Peace Boatでは、Paris Agreement（＝パリ協定）の開始と、東京でのOlympics（＝オリンピック大会）に合わせて、このクルーズ船が2020年に引き渡されることを希望している。

Mr Tatsuya（注、吉岡氏の誤り、以下訂正）は、次のように付け加えた。「これはプロトタイプ（注、原型）となり得るもので、これが成功して国際的な注目を得たならば、確実に2番船、3番船が必要となります。というのは、我々の現在の船は、今、地球一周クルーズで満席に近い予約が入っているからです。」

クルーズ・ブームが中国やアジアに到来していることから、更に姉妹船も必要だと語った。「最初のプロトタイプのEcoshipについての話し合いの後、姉妹船について（その船の建造で選ばれた）同一の造船所と話し合いたいものです。」

更にEcoshipが建造された時でさえ、最新の技術を使って進化させ続ける「future ready（＝将来に向けた態勢）」があると語った。将来、展開させることに興味を有している会社のある技術は、準備はできているが、主燃料であるLNG（＝液化天然ガス）と並行して、fuel cell propulsion/hydrogen infusions（＝推進・水素燃料電池の投入）というものだ。

Ecoshipの現在のクルーズ船は、Ecoshipからも恩恵を受けることとなる。「私の考えというものは、Ecoshipで使われた同じ技術の何がしかを使って、それを改良するというものです。」と吉岡氏は語った。

ハンブルクであったSMMという見本市において、Peace Boatは、Ecoshipクルーズ船の開発のために提携すべく、船級協会のDNV GLとの間で覚書に署名した。このMOU（＝覚書）は、Peace BoatのEcoshipの設計・建造・運航の段階において共同作業を行い、更に気候変動、持続可能な発展目標、そして海運における持続可能性のための旗艦として、Ecoshipを推進するというものだ。

吉岡氏は、次のように論評した。「DNV GLは、革新的な海事技術の推進に強い意欲を有しており、実に感心しております。この種の提携は、飛躍的な分野を作り出す可能性があります。」（Passenger Ship Technology: Tue 13 Sep 2016）

上海から日本や南朝鮮（注、韓国）に向かっていたクルーズ船から飛び降りた海南（＝ハイナン）省の67歳の女性観光客は、行方不明のままだ。船側は、ビデオにこの女性が土曜日の夜に海に飛び込むのが写っていたと話した。

この女性は救命胴衣を着けずに、午後10時28分に「Sapphire Princess」の第15甲板から飛び降りた、と船側は付け加えた。Shanghai Maritime Search and Rescue Center（注、「上海海上捜索・救助センター」の意）では、何が起きたのか解明すべく、船が戻るのを待っているところだ。

この船は、宝山（＝バオシャン）区にあるShanghai International Cruise Terminal（＝上海国際クルーズ・ターミナル）を出発して、事件が起きた時は東海（注、東シナ海）にいた。船員は警戒態勢を取り、捜索したが、救助の試みは失敗し、本船は航海を続けた、とPrincess Cruisesは話した。

この船は長崎と済州（チェジュ）に寄港した後、明日、上海に戻る予定。上海海上センターでは、行方不明の女性の捜索のため、ヘリコプター1機と2隻の艦船を送ったと話した。

先月、ある上海の旅行者が、日本から上海に戻る途中、クルーズ船から行方不明になったと報告されたが、38時間後に漁船によって海から救助された。

この31歳の女性は両親と旅行中で、8月10日の午後9時頃、「Mariner of the Seas」から行方不明になったと報告された。8月12日の正午頃、ある船によって拾い上げられた。この女性は、何とかして目を覚まし続けて、浮かんでいたと話した。（Shanghai Daily: September 13, 2016, Tuesday）

乗客80人が乗船したギリシャのフェリー、Superferry IIは、アンドロス島のガブリオのフェリー・ターミナルで埠頭に衝突し、浸水した。同船は接岸しようとしていたが、速力を出し過ぎて埠頭の石垣に衝突した。同船は、喫水線近くの舵区画に小さな亀裂が入り、浸水した。乗客全員は、怪我をすることなく、ターミナルで下船した。フェリーのSuperferry IIは、衝突による損害のため、修理と沿岸警備隊の検査のためにガブリオに抑留された。本船の全ての航海は中止となった。この運航会社は、この航路での運航のため、別のフェリーを契約した。

地元当局は、事故原因を調べ始めた。油の漏出や水質汚染については、報告されていない。本船は、浸水は制御されており、耐航性は維持している。しかし亀裂を修理して特別検査を受けてから、運航に復帰することとなる。

このフェリー、Superferry II (IMO: 7346221)は、ギリシャのチノスからアンドロス諸島に向かう途中だった。本船の全長は122.00メートル、幅は19.00メートルで、最大深さは5.00メートル。本船の重量は1,029 DWTで、総トン数は4,986 GRT。本船は、1974年にベルギーのホボケンにあるBoelwerf Cockerillにより建造された。本船は、Golden Star Ferriesにより運航されている。（Maritime Herald: September 13, 2016）

Seaspan Corpのchairman and ceo（＝会長兼最高経営責任者）のGerry Wangは、南朝鮮（注、韓国）最大のコンテナ海運会社であるHanjin Shipping Co（＝韓進海運）の破産（注、この記述は不正確、むしろ会社更生法の申請に近い）は、海運業界にとっては、世界金融危機を引き起こしたLehman Brothersの崩壊に相当するものだと表現した、とBloombergは報じた。

「Hanjin Shippingの影響は、Lehman Brothersが金融市場に与えたようなものです。」とWangは語った。「これは、巨大な巨大な核爆弾なのです。グローバリゼーション（注、世界化）の礎石であるサプライ・チェーン（注、供給プロセス）を動揺させています。」

Bloomberg TVのインタビューにおいて、Seaspanの設立者であるWangは、この香港に本拠を置くコンテナ船リース会社は、その行き詰まった海運会社に3隻を傭船しており、海運とサプライ・チェーンに対する影響を核爆弾に関連付けた。

6月、Wangは、Hanjin（＝韓進）の傭船料率の削減の要求を拒絶し、その後、この海運会社は、裁判所による管理を、先月、申請した。

Seaspanは、全ての選択肢を検討しており、Hanjinの破産申請による結果生じる全体的な危険を調べているところだ。

約93隻、うち79隻のコンテナ船が、26か国の51港で立ち往生しているが、Hanjinの立ち往生で、1年で一番忙しい休日の買い物シーズンを控えて合衆国の店舗が仕入れをする「peak season（＝繁忙期）」において、世界のサプライ・チェーンが混乱している。（Marinelink.com: Wednesday, September 14, 2016, 12:29 AM）

MSC Cruisesは、ビミニ島の近くにある私有島Ocean Cay MSC Marine Reserveの開設を、2017年12月から2018年10月に10か月間延期すると述べた。

「この比類のなき目的地の建設計画を終了させることを目指しておりますが、お客様がMSC Cruisesに期待する社会基盤とサービスの双方において、品質水準と細部への注意を確かなものにする必要があることが判りました。より長い時間を割り当てるのが、適切であるのです。」とMSC Cruisesのexecutive chairman（＝会長）であるPierfrancesco Vagoは語った。

来年末に始まる寄港で訪問する予定だったMSCの客は、代わりにナッソーを訪問することとなる、とVagoは語った。

Ocean Cay MSC Marine Reserveの起工式は、2016年10月6日の予定で、バハマのPrime Minister（＝首相）が出席する。（Travel Weekly: September 14, 2016）

閉回路テレビ(CCTV)カメラが備えられた2隻のフェリーが、今後5か月の間に引き渡され、リコニ海峡の横断中の女性客への嫌がらせが監視されることとなる、とKenya Ferry Services (KFS)は話した。

先月、Members of Mombasa County Assembly（＝モンバサ郡議会議員団）が、船内における女性客への嫌がらせに対し、半官半民で対処するよう要請した。

最近、女性の中には、混雑したフェリーにおいて、故意に押して体を触る男性がいると苦情を言う者がいた。

2隻の新しいフェリーが、19億ケニア・シリングの費用でトルコに発注され、2016年12月から2017年2月の間に引き渡されるものと見られている。

それぞれのフェリーは、1,500人の乗客が座ることが可能で、身体障害者、高齢者、妊婦のための指定座席区画が設けられる。現在のところ、病人を含む乗客は、古いMV Nyayo、MV Harambee、MV Kilindiniといったフェリーでは、旅行中、立っていなければならない。

新しいフェリーには、救助艇と緊急船（注、非常ボート）がある。古いフェリーと違い、この新しい船には、乗客用の手洗い所もある。（中略）（Daily Nation: Wednesday September 14 2016）

先の発表に反し、2008年建造のAIDAbellaは、今やヨーロッパで2017年の夏を過ごすことになり、西地中海を航海して、中国へは行かないことになった。

AIDA Cruisesの9月15日のプレス・リリースでは、AIDAbellaは要望があるとして「Pearls of the Mediterranean（＝地中海の真珠）」番組を航海すると述べた。

以前は、Carnival CorporationとAIDAは2015年、AIDAbellaは、2017年から上海通年航海のために転配となり、中国市場で「Made in Germany（＝ドイツ製）」製品を提供すると発表していた。8月9日、AIDAは、AIDAbellaは2017年4月16日に上海から処女クルーズを行うと発表した。上海であった主要業界行事に引き続いて出された声明では、本船は春の乾船渠への入渠後、アジアで運航するために備えるとしていた。

AIDAbellaが2017年にヨーロッパに戻るという配船の知らせにより、AIDAは中国市場への参入を遅らせるものと推測することが可能となった。

Carnival Cruise Lineは、2月に同様の動きを見せており、中国への参入を2017年から2018年に延期している。（Cruise Industry News: September 15, 2016）

インドネシア、バリ島であった35人の外国人乗客と4人の船員を乗せていた高速船の爆発で、2人が死亡し他に18人（注、13人の誤り）の観光客が負傷した。

地元警察によると、この船はバリ島かたロンボク島に向かう観光客を乗せていて、その途中で爆発したもので、2人が死亡し、他に13人が負傷したという。

AFP（＝ブランス通信社）によると、オーストラリア人女性1人が、もう1人の外国人女性と共に死亡したというが、国籍は調査中。2人のドイツ人は負傷し、他に英国、フランス、イタリア、ポルトガル、アイルランド、スペインから来た乗客もいた。

燃料タンクで爆発があったことによる事故のように思われている。インドネシアは貧弱な海上安全記録を有するところで、定期的に死亡船舶事故に見舞われている。

当初、爆発物処理班が、過去に血に飢えたイスラム過激派の攻撃に見舞われた島（注、バリ島）の現場に派遣されたが、当局は直ちに攻撃であることを除外した。

「機関室の燃料タンクであった爆発は、爆弾によるものではありませんでした。」と警察の捜査官であるKarang Asemは話した。

インドネシアは貧弱な海上安全記録を有するところで、過去にも同種の事故はあったが、犯罪行為は見つからなかった。（MarineLink: September 16, 2016）

ニューヨーク発。Northwest Passage（＝北西航路）を航海した史上最大のクルーズ船が、金曜日、マンハッタンの西岸に接岸した。

CBS News紙のDon Championが報告したように、この巨大なクルーズ定期船、Crystal Serenityは、金曜日の朝にニューヨーク港に入港し、歴史書の中に名を遺した。当てにならない北西航路を航海した最初の実物大の船となったのだ。

「これは素晴らしい航海でした。」とCapt. Birger Voraland（＝Birger Voraland船長）は語った。

北極海は、北部大西洋と太平洋を北西航路で結んでいる。氷河と厚い海氷が、通常はこの航路を通り抜けられないものにしている。しかし気温の温暖化で、氷が薄くなり、道が開けたのだ。

この船には、アイス・レーダー（＝氷探知機）等、余分に安全装置を備えた。この船の5星食堂用の新鮮な生もののを集めるために、北部の共同体には貨物チャーター専用機まで運用した。

「更に、氷についての知識のある2人の大変に経験豊かなカナダ人アイス・パイロット（注、水先案内人）も乗船させました。」とVoralandは話した。

本船はフットボール（注、サッカー）場3面分に近い長さがあり、高さは13階ある。8月16日にアラスカ州スワードを約900人のお客と600人の船員を乗せて出発し、北極海を800マイル進み、ニューヨークを目指した。

このクルーズには準備に3年かけ、全てがこの旅行のための特殊なものだった、とこれを企画したCrystal vice president（＝部長）のJohn Stollは話した。

Barbara PetersとRobert Rosenwaldは、これは偉大なる冒険だったと呼んだ。

「この旅行は、本当に興奮させられるものでした。」とPetersは話した。「この着想というのは、野生のものや氷を見学するというもので、私たちはそれをしたのです！」

乗客らは、この経験のために1日当り1,000ドルから4,000ドル支払ったのだった。

Petersは、地球の温暖化によってこの旅行が可能になったという皮肉が、自分には通じないものではなかったと話した。

「北極は、地球温暖化の爆心地なのです。地球温暖化を考える者が、北極に行く必要があることにはなりません。」と話した。

Crystal Serenityは、来年8月に、この旅行を繰り返すことになっている。（CBS Local: September 16, 2016 7:33 PM）

タイで150人のタイ人イスラム教徒を乗せた船が、アユタヤという古都で転覆し、少なくとも12人が死亡し、多数が行方不明になっている、と日曜日、当局者は話した。

事故は、タイの首都バンコクから北に80キロメートル（43マイル）余のところに位置するUNESCO World Heritage（＝ユネスコ世界遺産）のアユタヤのチャオ・プラヤ川で発生した。少なくとも37人が負傷して、多数が行方不明となっており、救助隊員が夜になっても生存者の捜索を続けている。

死者には7人の女性、4人の男性、少年1人が含まれている、とアユタヤ県のdeputy governor（＝副知事）であるRewat Prasongは、Reuters（＝ロイター通信）に語った。

この乗客らは、ある宗教活動からの帰りで、2階建ての船が川の砂洲に衝突して沈没した、とdistrict chief（＝区長）のSuchon Phaitiratは、ロイター通信に語った。

日曜日の事故は、今年、タイが記録的な3300万人の観光客を迎えることを期待している中で発生した。観光客が巻き込まれる交通事故や船舶事故は、タイではよくあることであり、安全水準は国際水準を下回っていることが多い。しかしそうした事故がタイの観光業を衰退させることは殆どなく、景気低迷、あるいはタイ南部での一連の爆弾爆発の影響の中で、明るい話題が殆どないことの1つになっているに過ぎない。

8月11日と12日の攻撃では、タイ人4人が死亡し、外国人を含む多数が負傷した。警察は、爆発はタイの遥か南で活動しているマレーのイスラム教徒によるものであるとしている。（Reuters: Sun Sep 18, 2016? 9:09am EDT）

係留博物館船であるHikawa Maru（＝氷川丸）は、国のMinister of Education, Culture, Sports, Science and Technology（＝文部科学省）により、Important Cultural Property（＝重要文化財）として正式に指定された。

氷川丸は、Yokohama Dock Company（＝横浜船渠）がNippon Yusen Kabushiki Kaisha（＝日本郵船株式会社）(NYK)向けに建造した日本の遠洋定期船。1929年9月30日に進水し、1930年5月13日に神戸からシアトルに処女航海した。

この指定を記念し、「Marugoto Hikawa Maru（＝まるごと氷川丸展） (The Entire Hikawa Maru) 」と題する展覧会が、横浜のNYK Maritime Museum（＝日本郵船歴史博物館）で12月25日まで開催される。

展示物には、同船に携わった人々の日記、船室のカラー・スキーム（＝客室デザイン画）、案内書、写真、そして同船の86年間の歴史を示す経路が含まれる。

加えてHikawa Maru Academy（＝氷川丸アカデミー）で、この行事を記念して、一連の講義（日本語）が行われる。詳しい情報は、日本郵船歴史博物館のウェブサイトで、日本語で見つけることが可能だ。

NYK（＝日本郵船）は、海事産業に対する関心を呼び起こすべく、この重要文化財を保存する努力を継続して行く。（MarineLink: September 21, 2016）

過剰なクルーズ船収容力が中国市場に移動していることから、正しい地政学的位置にある南朝鮮（注、韓国）の港湾は、今週ある、毎年恒例のChina Cruise Shipping（注、「中国クルーズ海運」の意）という会議・見本市に、大挙して押しかける。

南朝鮮（注、韓国）の大規模な代表団がこの行事に参加し、9月24日には、クルーズ観光と観光業を宣伝するため、所謂、destination promotion（＝目的地としての広報宣伝）を主催する。9つの南朝鮮（注、韓国）の政府機関が、代表を務めることとなる。

同国は、仁川（＝インチョン）、釜山（＝プサン）、江原道（＝カンウォンド）、そして麗水（＝ヨス）といった港湾において、クルーズ運航を推進すべく、新たなクルーズ目的地発展計画を開始した。仁川は、2017年2月に2隻のメガ・シップ（＝特大船）用バース（＝停泊地）のある新しいターミナルを開所する。

江原道には、2つのクルーズ港がある。束草（＝ソクチョ）と東海（＝トンヘ）だ。この地方では、2018 winter Olympics（＝2018年冬季オリンピック大会）を開催することになっている。（Cruise Industry News: September 21, 2016）

Costa Asiaのvice president commercial（＝商業部長）Kelvin Wongによると、Costa neoRomanticaが来年アジアに向かうと、それは中国人客を調達するために通年を過ごす意図ではなく、この船は、このイタリア商標のために日本市場を積み上げることに専念することになるという。

1993年建造のneoRomanticaは、アジアにおける5隻目のCostaの船であり、日本への転配は、中国における収容力の成長と相殺する（注、弱める）ことに役立つこととなる。

本船は乗船港として、日本の福岡、舞鶴、金沢と、南朝鮮（注、韓国）の釜山を利用する。航海では、日本、南朝鮮（注、韓国）、ロシアに寄港することとなる。

「弊社では、日本を偉大な可能性を持つ市場として見ております。」とWongは話した。「だから今年の初めに、東京に事務所を開設したのです。高級なneoRomanticaの配船は、アジアにおける弊社の指導的地位を強化し、日本のクルーズ市場において、弊社が著しい成長を継続することを可能にするものです。Costa neoRomanticaは、日本人乗客を対象にしたものですが、南朝鮮（注、韓国）の乗客にも対応致します。」

この配船の動きは、他のアジア市場でCostaが拡大することを明らかにするものであり、中国における収容力の成長と相殺する（注、弱める）ものである。また、日本市場にかなりの収容力を提供することにもなる。ここでneoRomanticaは、季節運航しているPrincess Cruisesと、日本の地元の運航事業者3社に加わることとなる。（Cruise Industry News: September 21, 2016）

「船というのは、私がこれまで関わったものの中で、最も近親相姦的な職場だね。」

「Blake」としてのみ知られる男性は、Thrillistとの禁じ手無しの（注、自由な）インタビューにおいて、外洋での生活についての真実を明らかにした。お客の体験が甲板の上で強い日差しを浴びた上流の生活である一方、Blakeは、海水面下での、低賃金、窮屈な部屋、そして蔓延しているセックスという暗黒の世界を語った。

「男と女の比率は、9体1みたいなものだったと思うんだ。だから新人の女の子が船の上で働き始めた時は、いつも船員用酒場での最初の夜は、収拾がつかない混乱状態になるんだ。それに大抵は、誰もが誰かに対して貞操義務を負っているわけではないし。」と男性はMatt Meltzerに語った。こうした主張は、過去において他のクルーズ船労働者の賛同を得て来た。

クィーンズランド州のCathryn Chapmanは、20代、30代の時、カリブ海やバハマ中で働いていたが、自身の体験を基に、「Sex, Lies and Cruising（＝セックス、嘘、そしてクルーズ）」という小説を書いた。

「私が好きではなかったことの最大のものが、インチキ行為でした。」と昨年6月にnews.com.auに語っていた。

「家に妻や子供がいる男性と、そして船の上での彼女です。男性の妻が休暇で乗船して来る時は、彼女の方はその週は部屋から追い出されて、基本的にその女性は男性のことを知らないふりをするのです。」

「誰も、何も言いません。その妻が家に帰った夜、何事もなかったかのように、女の方は戻って来るのです。男達は、しばしば妻がいないふりをしていました。多分、奥さんが船に到着する日まででしょうけれど。」

甲板の下での生活が、大変に興味をそそるものにしているのは、セックスばかりではない。Blakeは、基本的に「自家用のヨットを所有していない世界で最も金持ちの人々」向けの小規模な豪華クルーズ客船会社で働いていたと話している。

「安売りの船では、クルーズに出かけるために節約生活をしてきた人達しかいなくて、時間通りに飯にありつける限り、船の上にいることに、ただただ感謝しているんだ。」と語った。「ところが大金持ちは、紛れもなく最悪な連中だよ。」

彼は、ある女性が海産物の大立者のサイコロにうっかり突き当たってしまって、数百ドルの損害をその男性に与えた出来事を話した。この男性は、Blakeを肘で軽く突いて、こう言ったのだ。

「見てろよ。俺はこのあばずれを泣かせてやるぞ。」そして罵り言葉テンコ盛りの長広舌で、この女性を攻撃したのだった。お客らはこの光景を楽しんでいる一方、甲板の下は怪しげな下層社会だった。

お客らが豪華なものを享受している一方で、職員用宿所は恐らく信じることができるものよりは狭いもので、標準的な客室の約半分で、そこを2人で使っていた。彼はThrillistに対して、この窮屈な空間に対処する唯一の方法は、自分のロッカーに自分の衣服を、積み重ねて、丸めて、押し込めることであり、身軽になることだと語った。

それから賃金に関しては、本当に、全く衝撃的なものだ。ディーラーとして働いていたBlakeは、1か月に950米ドル（1256豪ドル）を稼いでいたが、スチュワード（注、給仕）は200ドル（264豪ドル）しか稼げず、全員、チップに頼った生活をしていた。チップは月給から差し引かれており、これは仮にチップで950米ドルを稼いだならば、クルーズ客船会社は効率的にタダで引き留めておくことになることを意味すると彼は主張した。彼は、七つの海での生活に疑問を投げかけた最初の不満を持った船員ではない。

MailOnline（注、英国のタブロイド紙のオンライン版）は、自身の体験を本にしたBrian David Brunsに話を聞いている。

彼はCarnivalで働いていたことがあり、ジャーナリストのSadie Whitelocksに、高水準の顧客サービスを維持することは、しばしば大変に困難だったと話しており、とりわけそれは「raucous drunks（＝騒々しい酔っ払い）」になった時であり、船員はしばしば余分な蒸気を解放させるために（注、憂さを晴らすために）閉ざされた扉の向こう側で密会を開いているというのだ。

「食堂では、我々はお客のことを通常「cow animals（＝雌牛のような動物）」と言っていました。というのは、彼らはとても大きくて、とても大人しくて、しかも一日中、食べながら突っ立っているからです。」と語った。

彼は一度に15週間、週100時間も働いたと言い、その賃金は、労働時間に見合ったものではないと主張した。

「公海上を航海し、便宜置籍船であることから、クルーズ船は第一世界（注、欧米先進国）で確立された労働法を破ることができるのです。」と話した。「それで、クルーズ船の従業員は、芸能人や少数の販売員でなければ、殆ど何の異論もなく、第三世界か第二世界（注、アジア、アフリカ、南米等の開発途上国、旧共産圏）から来た者になっているのです。」

Carnivalは、次のように話して、MailOnlineに応答している。

「クルーズ業界は、従業員が快適な生活を送ることを優先事項にしており」そして「会社は厳格な規制の中で仕事をしており、しばしば地球規模産業は検査されており、ヨーロッパと国際規則の双方に従っております。」

このフロリダ州の本拠を置く会社は、給与についても言及していた。

「船員には、部屋や船上のクルーズ客船会社が資金を出している医療を含む多くの無料の利益が提供されているのです。」（NEWS.com.au: September 21, 20163:55pm）

水曜日、河川堤防の崩壊の重みで過積載のフェリーが転覆し、バングラデシュの救助隊員が遺体18体を収容した、と警察は木曜日に話した。

広範な内陸水路を有し、安全基準が緩い低地のバングラデシュでは、驚くばかりのフェリー事故の記録があり、犠牲者は時に数百人の及ぶことがある。

過積載はよくある要因だが、政府が絶えず規制強化を誓っているものの、安全性が改善されたためしは殆どない。

この事故は、バリサールの南部地区で発生した。（Reuters: Thu Sep 22, 2016 6:19am EDT）

ギリシャ、アテネ発。ギリシャ諸島と本土間のフェリーは、政府の経済改革と国際的な財政援助条件に適合させるための取り組みの一環としての年金削減に抗議する2日間ストライキのため、海員らが仕事を放棄することから、港で動けないことになる。

フェリーは、木曜日の朝から土曜日の朝まで、運航を停止していた。

ギリシャは、International Monetary Fund（＝国際通貨基金）とユーロを使用しているその他のヨーロッパ諸国からの、数十億ユーロの3回連続の財政援助による救済融資に頼っている。その代り、債権者は一連の改革を要求しており、同国の財政処理は、国際的な債務監視員によって厳しく監視されている。（U.S. News & World Report: Sept. 22, 2016, at 4:39 a.m.）

COSCO Shippingは、2018年までにギリシャ最大のピレウス港のコンテナ量を35パーセント成長させる計画だ、と同港の新しいmanaging director（＝代表取締役）であるFu Cheng Qiuは、Reuters（＝ロイター通信）に語った。

世界で第4位のコンテナ海運船隊を保有するこの中国最大の海運会社は、2009年に始まった債務危機以来、ギリシャ最大かつ最も戦略的な民営化がなされてきたものの1つであるこの港湾運営会社の51パーセントを、先月、2億8050万ユーロ（3億1550万ドル）で買収した。

COSCOは、アジアと東欧間で急速に成長している貿易の積み替えの中心地にギリシャを変える計画の下、2018年までに、同港のコンテナ取扱量を500万TEUs（20フィート・コンテナ換算）に急騰させること希望している、とFuは、COSCOが同港の支配権を獲得して以来初めてのインタビューの中で答えた。

「もしその水準に達したならば、ピレウス港は世界第30位のコンテナ港になることになります。」とヨーロッパ連合、中国とギリシャの国旗で飾られた事務所から答えた。

この計画された拡大で、PortEconomicsというウェブサイトの資料によると、ピレウスは、ヨーロッパで第8位から第4位のコンテナ港になり、スペインのアルヘシラスやバルセロナを抜くことになるという。（MarineLink: September 23, 2016）

天津（＝ティエンチン）で今日始まった、第11回年次「China Cruise Shipping and International Cruise Expo（注、「中国クルーズ海運及び国際クルーズ博覧会」の意）」の期間中、FincantieriとChina State Shipbuilding Corporation (CSSC)は、中国市場向けに中国で建造する新しいクルーズ船の1番船の工事について、Carnival Corporation (CCL)とCIC Capital Corporation (CIC Capital)との間で法的拘束力のない協定に署名した。この合意は、合弁企業の決算と融資が含まれる数個の条件に従う。

この合意により想定されるように、FincantieriとCSSCとの間で立ち上げられる合弁企業は、CSSC Groupの造船所であるShanghai Waigaoqiao Shipbuilding (SWS)で建造されることになる2隻の新しいクルーズ船の工事の主契約者として行動することになる。Carnival Corporation、CSSC、CIC Capitalが加わることになるこの合弁企業によって発注され、更に2隻の船の選択権が付く。

新船は、FincantieriがCarnival Group向けに建造したVista級の基本骨格を基にするもので、設計は中国人旅行者向けに特別にあつらえられるものとなり、Carnival、CSSC、そしてCIC Capitalの間で設立し経営もすることとなる合弁企業の新しい中国商標向けのものとなる。1番船の引き渡しは、2022年と見られる。

今日署名された合意は、この前の7月にFincantieriとCSSCの間で、中国クルーズ産業の成長を発展させ、支援することを目的とする合弁企業の形成に向けた合意に引き続くもの。（MarineLink: September 23, 2016）

Carnival Cruise Linesは、Irie Nammaによって全てが動画で撮影されていた数人の乗客が関与した食堂で起こった激しい口論を調べている。

この口論は、立食カウンター近くで口論となった男性と女性の集団の間で始まった。数秒内に格闘が始まり、椅子が部屋の中を飛び交った。Carnivalのクルーズ船警備員が直ちに対処し、数秒以内に、この喧嘩を何とかして終わらせた。

不幸なことに、この出来事は、このクルーズ船での16日間で3回目の喧嘩となった。先週、Carnival Gloryで喧嘩があった。乗客は、ある人物が他の者に対して「out of line（＝言い過ぎた）」ことを言ったと主張している。

その後、この同じ船で、2人の女性の間で「catfight（＝猫の喧嘩、注、女同士の騒々しい喧嘩）」と言われる別の乱闘があった。目撃者は、このクルーズ船のカジノで、女性客がもう一方の女性の髪の毛を引っ張り、引っかいたと話している。

数年前、Carnival Chairman（＝会長）のMicky Arisonは、クルーズ船は都市やその他の場所と違いはないことを認めたことがあった。Arisonは、船の上では「stuff happens（＝詰まらないことが起こる）」と語った。

喧嘩が勃発するや、同船の船長は行動に責任があるとしてこの乗客を拘束した。時々、喧嘩の深刻さにより、次の港で下船させて自力で帰国させることがある。

他の場合には、クルーズ客船会社は、自社船でのこうした乗客の航海を禁止している。喧嘩は、洋上では深刻な結果を招く。船長とクルーズ客船会社は、乗客全員の安全に対して責任を持っている。（Cruisers Choice: September 24, 2016 5:23 pm）

日曜日、小型船の大船団が、このイタリアの都市の運河を通過することを許された大型クルーズ船の注意を惹き、ベニスは色とりどりの騒がしい抗議現場となった。

Thompson Celebrationというクルーズ船が、デモ参加者の抗議の対象となった。33,000トンしかなく、実際のところは、毎日、ジュデッカ運河を通過しているものよりは小型の定期船の1隻だった。

抗議者は住民と環境保護主義者だが、クルーズ船の交通増加が、世界で最も人気のある観光地の1つになっているこの脆弱な都市を損傷していると主張している。

2013年、96,000トンを超える最大船がこの運河を通過することを禁止し、多くの小型船は1日5隻までに制限する法律が制定された。

ところがこの法律は、昨年末にひっくり返り、それ以来、抗議が高まっていた。（Euronews: 26/09/2016）

観光客と地元の関係が新たな最悪の関係になったことから、何百人ものデモ参加者が、クルーズ船の寄港に反対してベニスの海に乗り出した。

日曜日、発煙筒を手に持った抗議者らは、Thomsonの所属船を含むクルーズ船が、ラグーン（注、潟）を通過するのを阻止すべく、ゴンドラや小型船を使用した。

繁忙期には、30,000人余のクルーズ船客が毎日ベニスで下船しており、地元民は、環境的にも文化的にも、街を台無しにしていると主張している。

ベニスの市民がクルーズ船の入港を阻止しようとしたのは、初めてのことではない。2013年、何百人もの地元民が、ウェットスーツを着用して、船舶が通過するのを中断させるべく、世界的に有名なジュデッカ運河に泳ぎに行った。

クルーズ船運航事業者は、ベニスの脆弱な宮殿には殆ど損傷を与えておらず、ベニスの5,000余世帯が、クルーズ船がもたらす観光業によって支えられていると主張している。

ところが地元民は、訪問者の流入は、地元の環境に損害を与え、ベニスの特徴を台無し、この都市の郊外の土地の価格を高騰させることを懸念している。

彼らの主張を裏付ける数字は、次のようなものだ。ベニスの人口は、1931年の164,000人から減少して、今年、55,000人という新たな低人口に落ち込んでおり、地元民は高額の家賃から逃れるか、あるいは観光客用の宿泊施設かAirbnb flats（注、米国企業のエアビーアンドビーのアパート）のために立ち退かされているのだ。

ベニス市民は、2016年に観光客のために汚されたことについて、とりわけ文句を言っている。今月初めには、この都市における団体観光旅行の悪影響を強調することを狙った抗議活動で、500人以上の地元民がショッピング・トローリー（＝買い物用手押し車）や乳母車を持って街に繰り出した。

更に8月には、匿名の抗議団体が、このUnesco（＝国連教育科学文化機関）に登録された都市において、壁に張り紙を貼った。それにはこうあった。「Tourists Go Away!!! You Are Destroying This Area.（＝観光客は出て行け！！！お前らはこの地域を破壊しているんだ。）」

毎年、およそ2200万人の観光客がベニスを訪れており、狭い路地は混雑し、バックパック（注、リュックサック）を担いて水上バスで走り回り、夏にはビキニと短パン姿で我が物顔で歩き回り、減少し続ける地元民に迷惑を掛けている。

1日の訪問者数は60,000人であり、今やベニス市民の人口を超えている。

2015年のUnescoによるベニスの実情調査では、「この都市の収容力、住民の人口、観光客の人数は不均衡であり、（この都市に）著しい損害を与えている」ことが判明した。（Telegraph.co.uk: 26 September 2016 10:38am）

Scandlinesは、2016年の非常に好調な繁忙期を振り返ることが可能だ。とりわけこの海運会社の新しいハイブリッド・フェリー、M/V Berlinは、ロストク―ゲザー航路に5月に就航したものだが、輸送車両台数の成長に貢献した。

7月と8月に、Scandlinesの新しいハイブリッド・フェリーは、何度もそれ自体の記録を塗り替えることに成功した。それ故、M/V Berlinは、6月に39,451台もの乗用車を輸送した。1回の横断での乗用車の最高台数は、2016年8月27日土曜日午後1時のゲザー発の便で、351台の乗用車が新しいハイブリッド・フェリーに転がり込んだ。

この好ましい傾向は、夏の残りでも継続した。2016年9月14日水曜日は、M/V Berlinに550台のローリー（注、貨物自動車）が乗り入れ、それ故、2016年6月1日の427台のローリーという以前の記録を破った。今や繁忙期は終わりになるが、Scandlinesは全ての地域で良好な売り上げで、偉大なるシーズンを振り返ることが可能となっている。貨物の他、乗用車も、ロストク―ゲザー間では、堅実な成長を見せている。ケータリング（注、配膳業）とリテール（注、小売業）の双方にとっても、夏の数字は良好だ。例えば7月15日から17日までの週末に、コーヒーが4,361杯、フレンチ・フライ（注、揚げ芋）が1.4トン売れ、粗利益は最高だった。（MarineLink: September 26, 2016）

Carnival Corporation & plcは、2016年第3四半期のU.S. GAAP（＝合衆国一般会計原則）上の純利益は14億ドル、EPS（＝一株当たり利益）換算で1.93ドルであり、2015年第3四半期の合衆国一般会計原則上の純利益は12億ドル、一株当たり利益が1.56ドルだったと発表した。2016年第3四半期の調整済純利益は14億ドル、一株当たり利益が1.92ドルで、2015年第3四半期の調整済純利益14億ドル、一株当たり利益の1.75ドルを上回った。

調整済純利益には、燃料その他の手数料から派生する未実現利得（注、含み益）や損失が含まれており、2016年第3四半期の利得は合計700万ドル、2015年第3四半期の損失が1憶4900万ドルだった。2016年第3四半期の収入が51億ドルで、前年の49億ドルよりも2億ドル上回った。

Carnival Corporation & plc President and Chief Executive Officer（＝社長兼最高経営責任者）のArnold Donaldは、次のように述べた。

「実測された収容力増加を上回る顧客需要を拡大させる弊社の継続的な努力を行い、業界を指導的規模でテコ入れしてきた弊社の歴史において、最強の四半期収益を上げることができました。繁忙期の夏季の収益は、北米とヨーロッパの商標の双方と、カリブ海、アラスカ、ヨーロッパを含む全ての主要な展開を通じた好成績に支えられたものです。」とDonaldは述べた。（中略）

第3四半期の呼び物は、オランダのアルメレのArison Maritime Centerの開所であり、Carnival Corporation & plc Chairman（＝会長）のMicky Arisonと、同社創業者の彼の父親、故Ted Arisonに因んで名付けられた。この110,000平方フィートの専用施設は、2009年に開所した既存の訓練センターを大拡張したものだ。このセンターでは、船橋と工学関係の士官（注、航海士と機関士）向けの総合安全・技術訓練を行う。この施設には、4基の船橋・機関室の模擬訓練装置があり、同社の10商標の6,500人以上の士官を、毎年訓練するものと見られる。（MarineLink: September 27, 2016）

家族経営で、ブレーメンに本拠を置く造船所、Luerssenは、ハンブルクにある物語で名高い造船所、Blohm+Vossを買収した、と同社は2016年9月28日水曜日に発表した。

Blohm+Vossの買収により、Luerssenは、ヨット、海軍艦船の新造促進の他、海軍艦船、商船の修理・改造における製品ラインを強化するための長期提携を企業内で結ぶと話した。Luerssenと英国の未公開株式投資信託会社のStar Capital Partnersとの間での契約が署名され、この合意は現在、German Fair Trade Commission（＝ドイツ公正取引委員会）(Bundeskartellamt)の承認を待っている。（中略）

家族経営のLuerssen Groupは1875年設立で、海軍艦船や沿岸警備隊の艦船の他、60メートルを超えるヨットの設計と製造に特化している。商船と海運艦船の新造事業は、修理、改造、保守、世界規模での物流サービスを含む完全アフター・セールス・サポート（＝販売後支援）で称賛されている。（MarineLink: September 28, 2016）

中国のCOSCO Shipping Co Ltdは、問題を抱えた南朝鮮（注、韓国）の会社、Hanjin Shipping Co Ltd（＝韓進海運）の港湾資産買収を検討するかもしれない、と中国のオンライン経済雑誌のCaixinが、水曜日に報じた。

しかしCOSCO Shippingは、この世界第7位のコンテナ船会社の船舶を買収する計画はない、とこの中国の会社のChairman（＝会長）Xu Lirongが話しているのを、Caixinは引用していた。

Hanjin Shippingは先月、倒産した。水曜日の朝、南朝鮮（注、韓国）の裁判所は、同社を売却するのが必要か否か、まだ判断していないと話した。（Reuters: Wed Sep 28, 2016 8:00am EDT）

Arctech Helsinki Shipyardは、フィンランドの砕氷船隊最強の新入り、砕氷船Polarisを、Finnish Transport Agency（＝フィンランド運輸庁）に、2016年9月28日に引き渡した。Finnish Transport Agencyは、同船をArctia Icebreaking Oyに引渡した。

このヘルシンキ造船所で建造されたプロトタイプ（注、原型）船は、少なくとも50年間、砕氷、石油回収、海難救助作戦に従事するよう設計されている。前回、同様の大きさのフィンランドの砕氷船が配備された時は、1994年に配備が完了した。（後略）（MarineLink: September 28, 2016）

Siemensは、Fjord1の2隻の新しいpure electric ferries（＝純電動フェリー）向けの推進システムを供給する契約を手に入れた。

Fjord1によって運航される完全電動フェリーは、ノルウェー西岸のE39のアンダ―ロテ航路を定期運航する。2隻とも、乗用車120台、トレーラー12台、旅客349人の積載能力がある。この2.4キロメートルの航路の運航は、2018年1月に始まる。

2隻のフェリーのそれぞれには、Siemensが完全統合電力と自動化による解決策を導入する。電力推進解決策であるBlueDrive PlusCには、エネルギー貯蔵としてのリチウム・イオン電池、スラスター、プロペラの遠隔操作、エネルギー管理システム、統合警報・監視システムが含まれる。船のエネルギー貯蔵システムは、地元の送電線に陸上連結して、横断の両端で充電し、WiFi通信に依拠してフェリーから監視する。

Fjord1の新しいフェリーが定期運航する航路は、同国の道路管理機関が、ゼロ・エミッション（＝排気ゼロ）技術の利用を要求しているところでの最初のフェリー連結となる。このフェリーの1隻に指定する申し出は、排気ゼロに基づかなければならないものとされ、第2船はlow-emissions ferry（＝低排気（公害）フェリー）とされている。Fjord1は、最終的には2隻の電動電池駆動フェリーを選択し、財政的にも環境にも、より良い全般的な利益が得られることとなった。

「社会基盤が陸上に整備されるや、投資の大半は、2隻のフェリーということになります。それ故に弊社は、最も環境に優しい選択肢を選択したのです。」とFjord1のmaritime technical director（＝海事技術取締役）のArild Austrheimは話した。

「この契約で、弊社は環境に優しい推進解決策における、弊社の指導的地位を証明いたしました。」とSiemensのProcess Industries and Drives division（＝プロセス産業及び駆動部門）のchief executive（＝最高責任者）であるJuergen Brandesは話す。「弊社は、この技術は頑丈で、信頼できるもので、しかも費用を逓減させるものであることを示してきました。」（Marine Propulsion magazine: Fri 30 Sep 2016）

FRS Caribbeanは、マイアミからバハマのカリブ海の目的地、ビミニ島に行く新たな旅客船の運航を開始した。

この新たな運航は、2016年9月23日に始まったもので、高速双胴船(HSC) San Gwannでの2時間横断で旅客を輸送し、日中便の運賃は約70ドルから。

San GwannはFRS Caribbeanの船隊に所属し、快適な座席で427人までの乗客を収容できる。2層の旅客甲板の双方にバー・カウンターが備えられており、乗客は航海中に軽い飲食物やお菓子を楽しむことができ、お土産や贈り物を持って短期休暇を終わらせることとなる免税店がある。

お客は団体旅行でビミニ島を探検や冒険したり、カヤック、パドル・ボーディング（注、カヌー）、ジェット・スキー、シュノーケル等のような水遊びで観光することも可能。

FRS Caribbeanは、Port Miami（＝マイアミ港）のTerminal Hに本拠を置いており、ここでは乗客が近くに1日あるいは1昼夜、駐車することができる。

FRSによると、この新しい客船会社は、北米市場内で拡大することに傾注し続けているという。2016年1月、FRSはシアトルに本拠を置くClipper Navigation, Inc.の過半数持ち分を買収した。

「FRSにとっては胸を躍らせる時を迎えており、弊社は北米運航を拡張し、将来の成長計画を継続するスリルを味わっております。」FRSのCEO（＝最高経営責任者）のGotz Beckerは語った。

「この船によりそれを確かなものとし、顧客に運航と安全性において最高の水準と、旅行中の寛ぎと利便性を提供致します。」（MarineLink: September 30, 2016）