HOME > 海外旅客船情報 > 2015年11月

2015年11月

2015年11月の海外旅客船情報

今朝、濃霧のため、Mersey Ferriesが運休(英国)

今朝、濃霧のため、Mersey Ferriesが運休している。運航は現在、一時中止しているが、昼過ぎには再開される見込み。

Merseytravelのcustomer operations manager(=顧客管理支配人)のKen Mossは、次のように語った。

「船員らは今朝、通常通り出勤して来たのですが、早い時間から霧の帯が垂れ込めていました。現時点では、全ての船舶の動きは制限されて います。」

Moss氏は、霧が晴れたならば運航はいつでも再開できる「ready to go(=用意ができている)」と話した。更に「昼過ぎの運航開始が、最も初期の選択となるでしょう。」と付け加えた。

また自動車運転者は、霧のため視界が悪いことから、注意して運転するよう警告されている。(Liverpool Echo: 10:35, 1 Nov 2015)

現在のところ、現金が歴史的遠洋定期船が屑鉄の山になるのを避ける助けになっている(米国)

フィラデルフィア発。フィラデルフィアに係留している歴史的な遠洋定期船が、少なくとも現在のところは、屑鉄の山にならないでいる。

SS United States Conservancy(=SS United States管理委員会)は月曜日、世界中の支援者から100,000ドル以上を得たと発表した。同委員会では今週、この船の将来について議論すべく会合を開く。

SS United Statesは、かっては世界最速の遠洋定期船だった。世界最速の船を建造するという極秘のCold War(=冷戦)事業により、1952年に進水した。同管理委員会では、これを博物館と多目的施設として再使用する計画を持っている。

この非営利団体は、先月、費用が維持できないものとなったと言って、支援者らに事実上のSOS(=遭難信号)を送っていた。金属再資源 として本船を売却することを模索して、ブローカー(注、仲介業者)を抱えてさえもいた。この復興事業を浮かべ続けるためには、同委員会は 月に60,000ドル以上が必要。(CBS Local: November 2, 2015 11:36 PM)

メーン州のフェリーNova Star、集客に失敗して連邦政府に差押えられる(カナダ・米国)

2014年に始まった時、メーン州とノバ・スコシア州の間を走るNova Starのフェリー運航に対する期待は高かった。高過ぎた。

先週、ノバ・スコシア州政府が縁を切ったNova Star Cruisesは、州による助成運航で、2014年に100,000回運航する予定だった。しかし数字が芳しくなかったことから、59,000回の運航に縮小され、予定よ りも数週間早く、運休せざるを得なかった。

The Portland Press Herald紙によると、2015年のフェリーの運航はシーズンを短縮して80,000回の運航とし、期待を緩和したものだった。しかし乗船者数は、期待をしり目に落ち込 んで、52,000人となった。この運航での往復切符は、180ドルからだった。

乗客の見込みの不発で、おまけに的外れの財政計画となったのだった。金曜日、ポートランドの会社が約200,000ドルの債権を有して いることを主張したのを受け、連邦判事は執行官に対し、このフェリーを差し押さえるよう命じた。

2014年に運航を開始するに先立ち、ノバ・スコシア州政府は、運航を援助するために別に2100万ドルを用意していた。約1200万 ドルが立ち上げ費用に回されるものと見られていた。残りはその後6年間に亘って使われるものと思われていた、とThe Bangor Daily News紙は報じていた。

ところが2014年7月下旬までに、この時は運航を始めて3か月も経っていなかったが、Daily Newsによると、Nova Star Cruisesは既に最後の2100万ドル全額に手を付けていたという。ノバ・スコシア州は2015年の資金運用を援助すべく、別に1000万ドルを支出した。

同州は、来年、この航路ではNova Star Cruisesを前の運航事業者に代える予定だ。元々は2009年に、その運航事業者とは縁を切っていた。というのは、当時のCanadian Broadcasting Corporation(=カナダ放送協会)の報道によると、そこは州政府が賄える以上の金を要求したからだという。(Boston.com: 11.02.15 11:28 AM)

Crystal Cruises、川船隊拡大(中国)

香港発。豪華クルーズ客船会社のCrystal Cruisesは、2017年までにヨーロッパで5隻からなる川船の船隊を創設し、リバー・クルーズ事業の拡大を継続する計画を発表した。

Crystal Cruisesは、ヨーロッパ最大の川船であるリバー・クルーズ船、Mozartを購入して、来年の7月13日にお目見えすることになっており、またLloyd Werft造船所で、他に4隻の豪華な川船を建造する。リバー・クルーズの旅程の詳細は、後程発表されることになっている。

今年これまでに、Crystal Cruisesは、Star Cruisesの所有者で、Norwegian Cruise Linesの株主であるGenting Hong Kongによって買収されている。(Asia Cruise News: 03/11/15)

Royal Caribbean、Quantum級クルーズ船第5船発注(米国・ドイツ)

Royal Caribbeanは、2020年に就航するQuantum級クルーズ船の第5船を発注したと発表した。

このQuantum級第5船は、姉妹船のQuantum of the Seas、Anthem of the Seas、Ovation of the Seas、そしてQuantum 4(現在、名称未定)に加わり、ドイツのMeyer Weft造船所で建造される。本船は約168,000総トンで、4,000人以上の乗客を輸送することとなる。

Quantum 5の母港と旅程は、将来、発表される。このクルーズ客船会社は、Quantum 4の母港と旅程も未だに発表していないことから、数年後になる。来年、Ovation of the Seasは、中国のQuantum of the Seasに加わることになる。Anthem of the Seasは、明日、初めてニュー・ジャージー州ケープ・リバティの母港に到着する。

Quantum級の船はクルーズ客に大変に人気があり、クルーズ業界に多くの新しい特色を持ち込んでいる。それにはNorth Star(注、クレーン式展望台)、Two70 Lounge、多目的SeaPlex、ロボット・バーテンダー、全ての内側船室の仮想バルコニーが含まれる。(後略)(Cruise Fever: November 3, 2015)

夜間フェリーは月末に終了へ(中国)

当市に唯一残るHuangpu River(=黄浦(ファンプー)江)の夜間フェリーは今月下旬に最後の時を迎える、と運航事業者は昨日話したが、広報担当者は具体的な期日を示すことを避けた。

「午後10時30分から午前4時までの便を利用する多くの人々を調べ、弊社の運航費用を比較し、継続しないことを決定いたしました。」 とJinding Lineを経営するShanghai Ferry Service Coのoperations manager(=運航管理者)のXu Chunjieは話した。

「この夜間フェリーが、当市の公共交通網の一部であることを承知しておりますが、民間事業としては、収益を上げないといけないので す。」と語った。

Pudong New Area(=浦東新区、ホウトウシンク)のJinqiao(=金橋)と、Fuxing Island(=復興島、フーシンダオ)のDinghai Road(=東海路)を結ぶフェリーは、長年にわたって徹夜運航をしており、午後10時30分から午前4時までは1時間ごと、午前4時から午前6時までは30分ごとに船が 出ている。

しかし早朝に運航している船は、「no more than one or two passengers(=僅か1人か2人の乗客)」を乗せている状況がしばらく続いているとXuは話した。

「横断に必要な15人の船員よりも遥かに少ない人数なのです。」と話した。

Xuは、これまでのところ決定した事項は夜間便の運休のみで、会社は現在、時刻表を作り直しているところだと話した。

そのうち、更に詳細が詰められることとなるとShanghai Daily紙に語った。(Shanghai Daily: November 3, 2015, Tuesday)

ベトナムの若者は5か国への航海に出発(ベトナム・日本)

29人の若い学生が、Ship for Southeast Asian and Japanese Youth Program(=東南アジア青年の船)(SSEAYP)の一環としての東南アジアと日本を巡る2か月間の文化的な旅行に乗船した。

この事業は今や42年目であり、日本政府が後援する独特の文化交流事業であり、日本の豪華なクルーズ定期船であるMS Nippon Maru(=にっぽん丸)の上で開催される。

この船はホスト国(注、受入国)に寄港し、そこで代表団は国を主題とする事業でもてなされることになる。これにはホームステイ(家庭滞 在、注、元々は和製英語)、地元の若い指導者との交流、関連機関への訪問、国家指導者への表敬訪問が含まれる。

ベトナム代表団を構成する29人の若者は、親善大使として国家を代表する上で品行方正であることが要求される厳しい選抜手続きを経て選 ばれた。

今年、SSEAYPの航海では、日本、フィリピン、ミャンマー、マレーシア、そしてベトナムの5か国に代表団が向かうことになる。 (VietNamNet Bridge: Last update 09:20 04/11/2015)

クルーズ客船会社のHaimarkが破産申し立て(米国)

クルーズ業界の新規参入者であるHaimark Lineは、運航を開始して僅か数か月で破産の申し立てを行った。

この小型クルーズ船運航事業者は、U.S. Bankruptcy Code(=合衆国破産法)のChapter 11(=第11章、注、企業再生手続き規定)の下で再生する計画であるとこの客船会社はUSA TODAY紙に宛てた声明文において述べている。現在のところ、将来のクルーズは予定通りのままとなっている。

「運航の如何なる混乱も、この再生手続き中に発生した場合は発表される。」とこの客船会社は声明文において述べている。

当初はアメリカ合衆国東部沿いと五大湖に向かう航海を提供したHaimarkは、今年の夏に問題を抱えて始まった。その唯一の船である 乗客210人乗りのSaint Laurentは、5月30日のデビューのほんの数週間後に、セント・ローレンス海路を航行中に岩礁に衝突した。1か月に亘って運休し、4本のクルーズが中止となった。

声明文においてHaimarkは、保険金問題が未解決のままであることを引き合いに出して、事故が破産申請の理由となったとしている。 この客船会社は、船主のClipper CruisesからSaint Laurentを傭船している。

「Haimark及び本船の船主は、現在、事故から発生した保険金問題を解決するために作業しているところである。」と声明文にはあっ た。

7月にHaimarkは、Saint Laurentがマイアミ発キューバ行きのクルーズを2月から始め、この数十年間でそうしたことを行う最初の船となると発表していた。

この破産申請は、アジアでリバー・クルーズを運航している関係会社のHaimark Ltd.には影響を与えていない。(USA TODAY: 10:07 a.m. EST November 4, 2015)

デンマークの島が世界最大電気フェリーを公開(デンマーク)

将来、カーボン・ニュートラル(注、炭素循環)になるというデンマークの試みは、海事・海運業界を変革することを意味する。フューネン 島の真南にあるアエロ島という小さな島で、物事はよりグリーン(注、環境に優しいもの)になってきている。

この島は、3隻の汚染するディーゼル・フェリーを、環境に優しい電気フェリーに代替すると発表した。この電気フェリーは「Green Ferry Vision(=グリーン・フェリー構想)」の一環として、世界最大のものとなる。

この動きは地元に雇用を作り出すことが期待されており、フェリー製造会社のSoby Vaerftの社長であるRoar Falkenbergは、この造船所ではグリーン・フェリーを2017年に準備するため、約40人の従業員を雇うと話した。

実際、このグリーン・フェリー計画は、デンマークの造船業者にとっての新たな黄金時代への触媒となり得るものだ。

「デンマークの造船業者にとって、新たな仕事のご馳走の始まりとなり得るものです。」と海運生産者協会であるDanish Maritimeの長、Jenny N Braatは話した。

「どの仕事の効果が地元の活躍の舞台に及ぶか、またどの事業がそれから成長することになるのかを見て、1つの造船所の労働者を7人まで 増加させることができます。」

Braatは、アエロ島のグリーン・フェリー計画は、EUが資金提供しているものだが、最終的には200人の雇用を生み出し、より環境 に優しい海事社会基盤を発展させることを他国に促すことになるものと期待している。(The Copenhagen Post: November 5th, 2015 8:46 am)

Scoot Ferries、ワイト島からポーツマスへの新しい徒歩客向け運航開始(英国)

ワイト島とポーツマス間の新しい徒歩客向け運航が始まった。

島に本拠を置く会社、Scoot Ferriesは、島のヤーマスとニュー・フォレストのリミントン間で運航を開始した。今や、カウズのトリニティー・ランディング(注、「三位一体上陸地点」の意)から ポーツマスのミレニアム・ポンツーン(注、「千年王国浮桟橋」の意)に行く2つ目の運航を9月に開始した。

Chief executive(=最高責任者)のZoe Omblerは、この新しい運航は、予定よりも2年早く始まったと語った。カウズとハンブル間の運航も、2016年には始まることになっている。

カウズのタウン・クウェイ(注、「町埠頭」の意)とイースト・カウズ間の折り返し運転もあり、乗客らには1859年以来運航してきた chain ferry(=索道式フェリー)の便を利用する選択肢もある。有料化についての抗議は昨年末にあったが、乗客は7月20日から往復で70ペンスまで支払わなければならなく なる。(BBC News: 5 November 2015)

クルーズ船客が船外に転落するさまが劇的なビデオで明らかに(米国)

夜間、Royal Caribbeanのクルーズ船から、男性が船外に転落するさまが物騒なビデオに捉えられていた。

Coast Guard(=沿岸警備隊)によると、午前1時頃、Royal CaribbeanのOasis of the Seasというクルーズ船から、男性1人が海に転落したとの連絡があったという。この船は、タークス諸島とカイコス諸島の17マイル東にいた。

Royal Caribbeanによると、この男性はブラジルから来た35歳の乗客だという。Royal Caribbeanによると、この乗客は「最初、Oasis of the Seasの船員によって、船の側面から外に乗り越えていくのが発見された」という。このビデオ映像は、男性が側面にぶら下がり、その後、海に転落するさまを捉えている。

沿岸警備隊は、Royal Caribbeanがこの行方不明客を探すために小型船2隻を出し、一方、沿岸警備隊のフロリダ州クリアウォーター基地の捜索・救助隊を航空機とヘリコプターが支援してい ると話した。男性は最後に見かけられた時、ピンク色のシャツと白い短パンを着ていたと沿岸警備隊は話した。

「弊社のCare Team(=介護班)が、このお客様のご家族を支援しており、弊社の思いと祈りは、この困難な時にあるご家族と共にあります。」とRoyal Caribbeanの広報担当者は話した。(ABC News: Nov 6, 2015, 3:08 PM ET)

乱闘後、北アイルランドのStena Lineの乗客は一生禁止に(英国)

ある北アイルランド人が、ダブリンからホリーヘッドに向かう便で乱闘を起こし、Stena Lineのフェリーから乗船を一生禁止された。

この25歳の男性は、10月27日火曜日に、北アイルランドのアングルシー島にフェリーが接岸した後に、器物損壊罪の容疑で逮捕され た。更なる捜査を待つ間、保釈されている。

この乗客間の喧嘩は、午後8時40分にダブリン港を出発したフェリーのバーで発生した。目撃者がDaily Post紙に語ったところによると、酔っぱらった男性がレジスターを壊し、その後、バーの皿やグラスを投げ、他の男性がこの男に歯向かったところ、喧嘩になったという。船 が午前12時10分にホリーヘッドに接岸するや、警察が男性を逮捕した。

Stena Lineは、この禁止は、2人の乗客が関与した出来事の後で発効させたことを確認した。(Irish Post: November 6, 2015)

スペイン沖の唯一生き残ったStena HSSはトルコでのあの世に向かう(英国)

唯一生き残った高速フェリーのHSS 1500は、先週末にウェールズのホリーヘッドを出発し、この元Stena Explorerは、現在スペイン沖にいる。Jehan Ashmoreがお伝えする。

このStena Lineがトルコの所有者に売却し、One World Karadenizに改名した船は、1996年にデビューしたウェールズの元の母港を出発した。18年間、ダン・レアラ港への航路を定期運航し、2014年に撤退した。

その期間中、このアイルランド―英国航路の29,000回近い航海おいて、1500万人以上の乗客、300万台の乗用車、50万個以上 の貨物ユニット(注、コンテナ)を運んだ。

このアングルシーの港(注、ホリーヘッド)から最後の出発をした同じ日の朝、偶然にも私はホリーヘッドに向かっていたが、全ての Stena Lineの塗装は撤去されていた。

ダブリン港に向かう夜間フェリーに乗船する前に、薄明りにも拘わらず、船尾には、このフィンランド建造船の新しい名前が見ることができ た。

日中、HSSはホリーヘッドを往復する別れの挨拶を行い、Stenaの職員と見物人は、この歴史的な場面において感動的な別れを目撃し た。前日の木曜日に出発しなければならなかったが、天候状態のためにそうした計画が変更になったのだった。(中略)

トルコへの航海は、ヤロバ到着まで17日かかるものと見られる。数か所の造船所があるこの港は、イスタンブールの南東にある。

近年の燃料費の高騰に見舞われたHSS船に対して、新しい所有者がどんな将来を思い描いているのかを知ることは興味深い。幅の広い甲板 は、プラットホームとして使うために別の目的のために改造されるのだろうか。しかしこれは単なる推測に過ぎない。(Afloat: 6th November 2015)

クルーズ船コカイン陰謀で男3人逮捕(オーストラリア)

クルーズ船でシドニーに20キログラムのコカインを輸入しようとしたとして、3人の男性が逮捕された。

米国国籍の49歳2人と61歳1人は、船が金曜日にシドニー港に到着した際に逮捕された。3人は、オーストラリア、合衆国、ニュー・ ジーランド警察、税関、国土安全係官らの共同捜査により、営利目的で大量のコカインを輸入したとして起訴され、土曜日に法廷に出廷する見 込み。

「大きさや輸入の手口に関わらず、これは、我々が輸入品と戦わなければならないことの別の例であります。」とAustralian Federal Police(=オーストラリア連邦警察)のOrganised Crime(=組織犯罪)acting national manager(=国家管理官代理)のDavid Stewartは語った。

US Drug Enforcement Agency(=合衆国麻薬取締庁)の広報官は、多国籍による取り組みは、世界中の違法薬物の運搬に対する戦力多重増強だと語った。

一方で34歳のブラジル人女性も、シドニー空港で手荷物の中に6キログラムのコカインを入れて輸入したとして起訴され、シドニーで法廷 に出廷する見込みだ。

Australian Border Force(=オーストラリア国境警備隊)の係官が、この女性を金曜日に香港から到着した際に逮捕した。女性は、営利目的で大量のコカインを輸入したとしても起訴されてい る。(Sydney Morning Herald: November 7, 2015 - 6:31PM)

旅客ホバークラフトに何が起きた?(英国)

英国の発明家、Christopher Cockerellが、猫缶と電気掃除機を使って、ホバークラフトの原理を実証して60年が経過した。素晴らしいものは、この輸送形態だと約束されていたが、実際にはそう はならなかった。何故か?

ホバークラフトはコンクリート製のランプ(注、傾斜路)を滑り降りて、ソレントに進んだ。機関、プロペラ、そしてファンは、うなり音を 立ててハンプシャ州のサウスシーから、ワイト島のライドに横断し、4.4海里を10分以内で結んだ。

この運航は、ポーツマスからライドに向かう双胴船よりは2倍以上も速く、ポーツマスからフィッシュボーンに行くフェリーよりも4倍以上 速かった。

ホバークラフトは砂州を横断して、ワイト島最大の町であるライドの中心に近いコンクリート製の上陸地点に到着した。迅速に上陸できるこ の輸送の野心的形態は、埠頭や港湾を建設する必要がなく、かっては未来のものとされていた。しかしソレントは今や、完全旅客運航をしてい る西ヨーロッパで唯一の場所と考えられるようになってしまった。

ドーバーからカレーに海峡を横断する運航は、2000年に終了した。Princess AnneとPrincess Margaretの2隻の船は、たったの52台の乗用車しか積載できなかった。Channel Tunnel(=英仏海峡トンネル)と並んで、より大型のフェリーや、より出力の小さな双胴船が、遥かに競争力があることが証明された。日本とシエラレオネの航路も、閉鎖 されたのだった。

「拡大を妨げた問題というのは、1年365日、1日中ホバークラフトの音を聞かなければならない住民に、いつも騒音を発していたことで した。」とハンプシャー州ゴスポートでHovercraft Museum(=ホバークラフト博物館)を運営しているWarwick Jacobsは語る。

「その音は風速にもよりますが、大変なものです。例えばテムズ川で運航するホバークラフトがありましたが、うるさ過ぎました。」

最新型は、効率の良い機関を使っていることから、以前のものよりは静かで、電動ホバークラフトを建造する計画もあり、更にデシベル・カ ウント(注、音量)を逓減させるものとなる、とJacobsは話す。

サウスシーとライド間のHovertravelの運航は、ソレントの横断のような短距離航路に最適なので生き残っている、とOn a Cushion of Air, a history of hovercraft(注、「エアーのクッションについて、ホバークラフトの歴史」の意)の共著者であるRobin Paineは言う。

「必要性もあるのです。というのは、ライドでは半マイルも潮が引き、そのため在来型のフェリーをRyde Pier(=ライド埠頭)で使わなければならないことになるのに対し、ホバークラフトは、人々を直接、ライドに送り届けることができるからです。」

発明家のChristopher Cockerellが、風変わりな英国流のやり方で、18世紀以来抽象的に議論してきたホバークラフトの原理を実証して、60年経過した。彼は電気掃除機の管と、空の猫缶 とコーヒー缶を使って実験して、大きな缶の中に小さな缶を入れ、小さな缶から空気を吹き出すと、大きな缶の底部の上に浮かび上がることを 発見したのだった。実用できる試作機は1955年までに準備でき、Cockerellはそれを「hovercraft(=ホバークラフ ト、注、「浮遊船」の意)」と呼んで、1956年に特許権を取得した。

Sir Christopher Cockerell
1910年に博物館館長の息子として生まれ、Cambridge(=ケンブリッジ大学)で工学を学んだ。World War Two(=第二次世界大戦)中、英国爆撃機によって使用された最初のradio direction finder(=無線方位測定器)の制作を支援した。Cockerellはまた、レーダーを開発したMarconiのチームと共に働いた。1969年にナイト爵に叙せら れ、1999年に死亡した。

空気のクッション(=座布団)は、底部の大型ファンによって作られる。船を下り囲む大きな「skirt(=スカート)」が、多過ぎる空 気が逃げるのを防ぐことになる。この船は、水よりはむしろ、空気の中を移動するので、同様の出力の在来型の船よりは高速で走ることが可能 となっている。陸上も海上も、移動可能だ。

当初、政府はホバークラフトを海を行く船というよりはむしろ「airborne(=空中を浮遊する)」船として分類した。これは運航時 間について「strict requirements(=厳格な必要条件)」があることを意味した、と海事コンサルタント会社、FMSのdirector(=取締役)であるBill Mosesは話す。彼は、これが英国におけるホバークラフトの利用の成長を制限したのだと論じている。

しかし1962年6月、造船業者のVickersは、River Dee(=ジー川)の河口を横断する英国最初の商用ホバークラフト運航を始めた。1965年、別の短命航路がクライドで始まり、グラスゴーとラーグスやロスセーを結んだ。 同年、ワイト島の運航が始まった。

大型船が、1966年からイギリス海峡を横断する運航を始めた。これがSRN-4で、徒歩客の他、乗用車を積載できる能力を有し、 1968年に始まった。

しかし副作用があった。1972年、ライドからサウスシーに向かっていたSRN-6が、強風の中、転覆して5人が死亡したのだった。

1974年、Liberal Party(=自由党)党首のJeremy Thorpeが、ホバークラフトに乗船して沿岸の町を選挙遊説したのだった。これがデボン州のシドマスを出発した際に大波に襲われ、回復困難な損害の原因となった。「南部 海岸に向かう遊説のために月曜日に別のホバークラフトに乗船します。」とThorpe氏は語った。「これは偉大なる英国の機械でありま す。もし英国のホバークラフトにいくらか未来があるのならば、私たちはそれを使用し続けなければなりません。」

ホバークラフトは、James Bond映画の中で、初期の魅力溢れる特徴の何がしかが維持されていた。1979年のMoonraker(=007ムーンレイカ―)では、ベニスのゴンドラからエア・クッ ションが出現し、007が階段を上って追手から逃れて、St Mark's Square(=サン・マルコ広場)を高速走行した。2002年のDie Another Day(=007ダイ・アナザー・デイ)では、2隻のホバークラフトの追跡場面があった。

これは発明品ではあったが、British Royal Marines(=英国海兵隊)、スウェーデンの沿岸警備隊、リトアニアの国境警察のような機関は、人員の輸送や荒れた浜辺や沼地のような接近困難な場所への物資供給時 に、この船を利用した。

合衆国のゴルファー、Bubba Watsonは、バギーと違ってこちらが良いと言って、コースを回る際にはホバークラフトを利用している。このことは、水のような障害物を通過する際に、巧みにこれをかわ す必要がないことを意味する。

また旅客運航の開始に関心が持たれている。2010年、中ロ国境に沿って流れるHeilongjiang River(=ヘイロンチャン、黒竜江)で始めたものがある。

北ウェールズのRhylとLlandudnoから、Firth of Forth(=フォース湾)を横断してマージーサイドを結ぶ計画も議論されている。

「旅客ホバークラフトの復活は、容易に可能です」とJacobsは語る。「運航経費は下落しているのです。」

しかし現在のところ、今年50周年を祝ったサウスシーとライド間の旅客運航が、唯一、Cockerellに対し敬意を払うものとなって いるだけだ。Hovertravelは、2隻の新しいホバークラフトに1000万ポンドの投資をしている。英国で建造され、10年間に 亘って使用されることになる最初の旅客モデルだ。

「弊社は、弊社のように高速で頻繁に運航したい、既存、あるいは可能性あるフェリー運航事業者に対するショップ・ウインドウ(=店の 窓、ショー・ウインドウ)となります。」とHovertravelのcommercial manager(=商業支配人)のLoretta Laleは話す。「弊社の運航は常に世界的な関心を惹きつけ、世界が21世紀のホバークラフトができることは何かを見るときには、弊社は相当な興味を予期することになるの です。」(BBC News: November 8, 2015)

沿岸警備隊、84歳のクルーズ船客を救急ヘリ輸送(米国)

ボルチモア発。Coast Guard(=沿岸警備隊)は月曜日、Patuxent River Naval Air Station(=パタクセント川海軍飛行場)近くを航行中のクルーズ船、Carnival Prideで胸の痛みを訴えた84歳の女性を救急ヘリ輸送した。

Coast Guard Sector Baltimore(=ボルチモア管区沿岸警備隊)の監視員は、日曜日の午後9時30分頃、乗客が胸の痛みを訴えているというCarnival Prideというクルーズ船の船員からの通報を受信した。

長さ45フィートのResponse Boat Mediumに乗船した沿岸警備隊の隊員が、午後11時にStation St. Inigoes(=セント・イニーゴス基地)から出発した。この隊員は午後11時45分頃、Point Lookout State Park(=ルックアウト岬州立公園)近くのポトマック川河口で、同船と遭遇した。そしてこの女性とその姉妹をPoint Lookout Marinaに運んだ。

午前12時30分頃到着し、そこでEMS(=緊急医療班)の職員が、MedStar Southern Maryland Hospital Center(注、病院)にMaryland State Police(=メリーランド州警察)のヘリコプターで空輸する必要があると判断した。(WBAL Baltimore: Published 12:31 PM EST Nov 09, 2015)

RO-RO式艀が20万ルピーのトラックの動きを満たす(インド)

コンテナ・ターミナルに向かうErnakulam市の道路を通過する大型トラックの動きを避けるため、2011年2月に導入されたロー ル・オン、ロール・オフ方式の艀の運航は、合計20万ルピーのコンテナ・トラックの動きを満たした、と当地であった新聞発表で述べられて いた。

「Sakra Transporters」と命名された艀は、WillingdonとBolgatty諸島の間を結んでいる。この艀は、20台のコンテナ・トラックを積載できるが、南ケ ララからのコンテナ・トラックの日中の動きを避ける上での立役者となっている。

Vyttila、Palarivattom、そしてEdappallyに伸びる混雑する都市道路を利用するKundannoorジャン クション(注、道路の分岐点)を通過してVallarpadamに向かうコンテナ・トラックの動きは、このRo-Ro運航の利用によって 回避されている。(The Hindu: November 9, 2015 05:37 IST)

Genting Hong Kongは新しいクルーズ商標を開始(中国)

香港発。急速に成長する娯楽サービス会社のGenting Hong Kongは、アジア市場に重点的に取り組むため、Dream Cruisesという新しいクルーズ商標を始めた。

「Dream Cruisesは、アジアの高級クルーズ商標となります。船はSuperStar Virgoよりも大型のものとなり、価格帯も同様に高いものとなります。来年1月に、価格帯を決定いたします。」とGenting Hong Kongのchairman and CEO(=会長兼最高経営責任者)のTan Sri Lim Kok Thayは語った。

Dream CruisesはPearl River Delta(=珠江三角洲)での2泊のクルーズ、ベトナムと三亜(サンヤー)での5泊クルーズ、広州(コワンチョウ)を本拠とする7泊クルーズを含むクルーズ体験を提供 する。

現在、同社は2つのクルーズ商標、すなわちStar CruisesとCrystal Cruisesを保有している。(Asia Cruise News: 10/11/15)

ロシアの帆船Kruzenshternは、カリーニングラードで2015年の航海を終える(ロシア)

11月10日、カリーニングラード発。ロシアの伝説的な4本マストのバーク(注、小型帆船)であるKruzenshternが、ロシア 西端のカリーニングラード港に到着して2015年の航海を終えた、と同船の船主の広報担当者(注、女性)が火曜日に話した。このバークの 母港到着は、激しい嵐のために7時間遅れた、と広報担当者は付け加えた。

2015年、Kruzenshernは、30,000海里以上を走り、11か国とロシアの7港を訪問して、国際的なセーリングのお祭り に参加した。

Kruzenshternは、1926年にドイツで建造された。World War II(=第二次世界大戦)後、このバークは戦時賠償金としてソ連邦に移籍し、伝説的なロシアの海洋探検家で、ロシアで初めて世界一周航海を率いたJohann Krusenstern(1770-1846)に因んで改名された。

1970年代に現代化が図られて以来、海軍士官訓練生の練習船として使われてきた。(TASS: November 10, 17:46 UTC+3)

Tallink、LNGフェリーに道を譲るべく船舶売却(エストニア)

AS Tallink Gruppの子会社であるTallink Superfast Ltdは、高速フェリーMS SuperstarをMedinvest SpA (Corsica Ferries Group)に対し、裸傭船契約の下で、9150万ユーロで売却することで合意したと発表した。2017年が始まるまで、Tallinkは、タリン―ヘルシンキ航路で Superstarを混合運航する。それ以降は、Tallinkは同じ航路でLNG(=液化天然ガス)焚きの新しい高速フェリーを使用す ることになる。

この売却で、2015年度営業年度第4四半期において、760万ユーロの臨時帳簿損失が生じることとなる。Tallinkは、本件売却 から得た売却代金を融資の返済に充て、借金投機停止戦略を継続し、現在工事中の新しいLNG高速フェリーの頭金の支払いに充てることにな る。とは言え、Tallinkは、本件売却に関連して融資契約の期限前契約解除により、臨時金の支払いをしなければならなくなる見込みで ある、と主張している。声明において、Tallinkは次のように主張している。

「高速フェリーのSuperstarの売却は、2017年初めのタリン―ヘルシンキ航路向けの新世代LNG高速フェリーの引き渡しに向 けての当グループの準備であります。そして最大数の乗客を有する航路における地位を確保・強化するTallinkの戦略を支えるものであ ります。」(LNG Industry: Published on 10/11/2015)

台湾はクルーズ施設の改善を誓う(台湾)

台北(タイペイ)発。台湾の島では、成長しつつある市場の要求に合わせるべく、総合的なクルーズ・サービスの改善を計画している。

台湾のTourism Bureau(=観光局)の長であるDavid Hsiehによると、この国は旅行をもっと便利にするために港湾施設と陸上交通サービスを改善し、ニッチなもの(注、隙間市場)を作り出すために特別あつらえの旅程を提供 し、クルーズ観光市場を共同調査するためにアジアの主要港と提携するための作業をすべきだという。

島(注、台湾)では、査証手続きの簡素化の導入も検討している。

台湾は今年、780,000人のクルーズ観光客を迎え、クルーズ事業は8%成長するものと期待されている。(Asia Cruise News: 11/11/15)

遠洋定期船QE2の「新しい」開発計画が議論される(アラブ首長国連邦・英国)

遠洋定期船QE2の新計画が進展し、この船は解体されることはない、と船主らは話している。

この元Cunardの船は、2008年以来ドバイに移動となり、極東でホテルになる提案は実現していない。本船を保有するDP Worldは、Cruise Arabia and Africaに対し、新しい計画が進展していると語った。

この定期船は1967年にクライド川から進水し、母港は40年間に亘ってサウサンプトンであった。

本船をドバイから中国に航海する計画が提案されており、2013年に400室あるホテルに改造されるというものだったが、船はドバイに 留まっている。

293.5メートル(963フィート)の元クルーズ客船会社の旗艦は、1967年にクライドバンクのJohn Brown Shipyardから進水して、250万人近い乗客を運び、700回以上も大西洋を横断した。

2008年11月に、サウサンプトンから最後の航海を行った。(BBC News: 11 November 2015)

大法院は殺人罪でSewolの船長の終身刑を支持(韓国)

11月12日、ソウル発。この国の最高裁判所は木曜日、沈没したフェリーSewolの船長の、乗船していた304人の乗客を殺害した行 為に対する終身刑を支持した。

下級審裁判所の判決を支持して、Supreme Court(=大法院)は、Lee Jun-seok(70)は、2014年4月16日に南西海岸沖でフェリーが沈没した際に、乗客を避難させる船長としての義務を故意に怠ったと述べた。

「この緊急事態を、乗客らに容易に知らせて犠牲者の数を減らすことが可能であったが、Leeはそうしたことをせずにフェリーから逃走し た。」とChief Justice(=裁判長)のYang Seung-taeは述べた。「Leeは逃走した後でさえも、Coast Guard(=海洋警察)に対して船内の状況に関する情報を提供せず、乗客の安全に全く無関心であった。」

Leeは、乗客らに、現在いる場所に留まるように命じて避難させることを怠り、一方、自身は最初に救助された者の中にいた、と大法院は 述べた。

判事が判決を朗読した際、船長の行為は乗客を溺死させたに等しいと述べると、傍聴人の中の遺族の中には涙を流す者もいた。

このフェリーは、ソウルの西にある仁川(インチョン)から、済州(チェジュ)島という南部の行楽地に向かう途中だった。304人の犠牲 者の大半は、修学旅行中の高校生だった。

4月、上訴裁判所(注、控訴審)は、Leeの殺人行為に対して有罪判決を出し、重過失と任務懈怠を認定して36年の刑期を言い渡した下 級審裁判所の判決を破棄した。(Yonhap: 2015/11/12 16:08)

Dream Cruisesは2隻の新船建造へ(中国)

香港発。新設のクルーズ商標、Dream Cruisesは、アジア市場に焦点を合わせた2隻の新船を建造する。第1船のGenting Dreamは2016年11月にお目見えし、その姉妹船のWorld Dreamは2017年11月に進水する。Genting Dreamは、広州(クワンチョウ)、香港、三亜(サンヤー)の3つの母港を持つことになる。

「Dream Cruisesの船は、アジア太平洋で最も広々とした船となります。Dream Cruisesの開始で、3つの主要クルーズ市場区分のそれぞれに向けた商標を持つという会社の任務が完了致します。すなわち、luxury segment(=豪華区分)向けのCrystal Cruises、premium segment(=高級区分)向けのDream Cruises、そしてcontemporary segment(=現代区分)向けのStar Cruisesということになります。」とGenting Hong Kongのchairman and ceo(=会長兼最高経営責任者)のTan Sri Lim Kok Thayは語った。

Dream Cruisesは、今月これまでにGenting Hong Kongによって立ち上げられたもので、急速に成長しているアジア市場にサービスを提供する。(Asia Cruise News: 12/11/15)

合衆国の女性がファルマスでクルーズ船から離れた後で行方不明(ジャマイカ)

ジャマイカ、トレローニー発。警察ではトレローニーでクルーズ船から下船した後、水曜日に行方不明となったアメリカ人女性を見つけよう としている。

この女性は、 United States of America(=アメリカ合衆国)(USA)のフロリダ州ローダー・ヒルの38歳のLatrice Graham。

Falmouth Police(=ファルマス警察)からの連絡では、Grahamは、Falmouth Terminal(=ファルマス・ターミナル)に接岸したクルーズ船の乗客だったという。

午前10時10分頃、Grahamは、白い袖なしブラウスと黒いズボンを履いて非公表のある場所に向かうために船から降りた。それ以 来、連絡がない。

Latrice Grahamの行方について知る者は、Falmouth Police、電話954-3271番、警察の119番の緊急電話番号、あるいは最寄りの警察署に連絡を取るよう要請されている。(Jamaica Observer: Thursday, November 12, 2015 8:52 AM)

キューバ近くの宴会クルーズ船から転落した女性の捜索は続行(米国)

木曜日の晩、キューバ沖22マイルを航行してエレクトリック・ダンス・ミュージック・フェスティバル(注、「電子舞踏音楽祭」の意)を 催していたクルーズ船から転落した女性の捜索は、金曜日も続いた。

この女性は、United States Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)広報官Stephen Lehmannによると、サウス・カロライナ州チャールストンのKaylyn Rose Sommer(24)であると判明したという。沿岸警備隊のカッター(注、小型船)のAlligatorと航空機のC-130が、400平方マイルの海を捜索している、と Lehmannは話した。

電子メールによる声明文で、Norwegian Cruise Linesは、Sommerは自社船のNorwegian Pearlから飛び降りたと話した。木曜日午後7時頃、「[Sommer] は客室のバルコニーから故意に船外に飛び降りるのが観察された」と声明文にはあった。船員がこの女性を救助しようとして船を出したが、失敗した。

Miami Herald紙のニュース提携者、CBS4によると、Sommerには6歳の娘がいるという。この女性の父親のMichael Sommerは、この幼い女の子に、母親が死んだことを告げたとCBS4は報じている。

クルーズ船は、DJ(=ディスク・ジョッキー)で制作者であるDiploと共同主催した「Mad Decent Boat Party(注、「無茶苦茶に優れた船上宴会」の意)」というエレクトリック・ダンス・ミュージック・フェスティバルによってポートマイアミ(=マイアミ港)からメキシコ の コスメルに航海するため傭船されていた。船は事件後、マイアミに向けて転進した。

Sixthmanというアトランタに本拠を置く会社が、傭船クルーズでの音楽祭を共同企画し、この宴会を開催した。Sixthman は、金曜日の夕方の時点では、論評の要請に返答しなかった。

Sommerは、先週クルーズ船から船外に転落した2人目。Bernardo Elbaz(35)は、先週の金曜日にRoyal Caribbeanの船の甲板から転落している。ビデオでは、Elbazが同船の側面の外側にある救命筏にしがみ付いているのが見ることができる。乗客らは、Elbazが 下の海に転落する前に助けようとしていた。沿岸警備隊は翌日、捜索を打ち切っている。(Miami Herald: November 13, 2015)

3隻目の中国のフェリーがリオで運航へ(ブラジル・中国)

11月13日、リオ・デ・ジャネイロ発。リオとニテロイ間で、グアナバラ湾の一方の岸から他方の岸に旅客を輸送しているフェリー航路を 運航する3隻目の中国のフェリーが、木曜日、リオの港に接岸した。

この所謂Itacoatiara(=イタコアチアラ)というフェリーは、CSICとChina Shipping Groupsによって保有されている会社であるAFAI Southern Shipyard (Guangzhou Panyu)により建造された9隻のフェリーの3番船で、Rio de janeiro state Transport Secretariat(=リオ・デ・ジャネイロ州運輸局)が購入した。

このフェリーは、有名なニテロイ浜辺に因んで命名され、この航路を運航している他の2隻の中国のフェリーでリオの有名な観光地に因んで 命名されたSugar LoafとCorcovadoと同型のもの。

Itacoatiaraというフェリーは、1回の運航について2,000人までの乗客を乗せることが可能で、リオのフェリー航路で運航 されてきた古い船に比べ、より静粛で、より快適で、より利用しやすいものとなっている。

追加の船がやって来たことから、リオ―ニテロイ間のフェリー航路の交通は、ラッシュ・アワー(注、混雑時間)において改善されるものと 期待されている。

中国の乗り物は、リオにおいては当たり前のものとなってきている。フェリーに加え、同市を循環する中国の都市列車、地下鉄があり、公共 交通機関の生産における中国のノウハウが認識されるようになってきている。(GlobalPost: Nov 13, 2015 @ 11:00 PM)

パリ襲撃後、フランスでクルーズ客船会社は厳戒態勢(フランス)

フランス、マルセイユ発。Costa CruisesとMSC Cruisesは、いずれも今年これまでにチュニジアのチュニスでテロ攻撃の標的になったが、11月14日(注、正確には11月13日から14日にかけて)のパリでのフラ ンス・テロ攻撃に引き続いて警戒態勢に入っており、マルセイユへの寄港を切り上げるかもしれない。

Costa FavolosaとMSC Fantasiaは、いずれも土曜日にはこのフランス南部の港におり、このマルセイユ市から、地中海クルーズの日程を開始している。

金曜日の夜間から土曜日の早朝にかけて、パリでは120人以上が殺害され、テロリストはドイツとの国際フットボール(注、サッカー)試 合が開かれていたStad de Franceの外側で爆弾を爆発させ、また3人の男は、ロック・コンサートが開催されていた同市内のBataclan theatre(注、劇場)を襲撃し、群衆に向かって発砲した。

夕食時に食堂のガラス窓越しに武装集団が発砲し、パリ中心部では、更に数人が殺害された。人々は、パリの他5カ所の食堂、酒場で射殺さ れた。8人の攻撃者は殺害されたと報じられている。

Hollandeは国営テレビ局に向かい、2005年以来初めてフランスで、state of emergency(=緊急事態)を発表した。当局はこの宣言により公共の場を閉鎖し、外出禁止令を課し、交通や人々の移動に制限を課すことが可能となった。

マルセイユは、パリから数百キロメートルばかり離れており、この都市が恐怖にさらされているといったフランス当局者からの指示はない。

パリは厳戒態勢に置かれており、国境検問所が設置されているが、MSCとCostaは、クルーズ日程は予定通り続けると示唆している。 しかし現場の状況を注意深く監視している。

他のクルーズ客船会社は、ソーシャル・メディア上でパリ襲撃に反応しており、Royal Caribbeanは配慮して48時間販売を中断していると発表、一方SilverseaはそのTwitter(=ツィッター)のプロファイル・ピクチャー(=紹介写真) を、Eiffel tower(=エッフェル塔)に更新していた。(Big News Network.com: Saturday 14th November, 2015)

クダトのRORO用ランプは来年準備完了(マレーシア)

クダト発。クダトとフィリピンのカラワン州ブルックス・ポイントを結ぶロール・オン、ロール・オフ(RORO)運航向けのランプ(注、 傾斜路)の建設は、2016年半ばに竣工する模様だ。

Minister of Special Tasks(=特務大臣)のDatuk Teo Chee Kangは、最近、クダト港近くの現場で視察した際に、契約者から進捗状況の説明を受けた。

RORO向けのランプは、884万マレーシア・リンギットの費用で、KK Success Vision Sdn Bhdが建造している。ランプの工事は佳境に入っており、供用は2016年半ばに始まるものと見られている。

Teoは、何年も前にパラワン州を訪問して以来、RORO用のランプを建設するよう連邦政府に求めて来た。この供与により、クダトの観 光業と事業活動は急騰し、それが地元経済発展の起爆剤となる。

同省政治書記のPeter Chongも出席していた。(The Borneo Post: November 15, 2015, Sunday)

フェリー会社はデンマーク―ドイツ間トンネルの保証に挑戦へ(デンマーク)

有名なスカンジナビアのフェリー会社2社は、EU(=ヨーロッパ連合)が支援する計画中のデンマークとドイツ間の海底トンネルとの不公 正な競争に直面していると論じ、ブリュッセル(注、EU本部)との間で法廷闘争をすることとなった。

この紛争は、経済復興に向けたEUの計画の中心において、巨大社会資本事業に対し、国家がどのくらい助成あるいは費用負担することがで きるかという範囲を確定する重要なテスト・ケース(=試訴)となる。

Stena LineとScandlinesは、先週、EUのGeneral Court(注、「総合裁判所」の意)に対して、上訴したと話した。55年間の政府保証付き19キロメートルのFehmarn Belt(=フェーマルン海峡)トンネルの工事の費用を負担とするというデンマークの計画を承認した7月のEuropean Commission(=欧州委員会)の決定に異議を唱えている。

ブリュッセル(注、EU本部)は、この55億ユーロのトンネルは、北ヨーロッパの経済を急騰させ、フェリーに対する悪影響よりも価値が 勝ると論じ、この決定を正当化している。トンネル支持派は、デンマークのロドビーとドイツのプットガルデンを結ぶ、速くてより柔軟な鉄道 と道路が提供されることになると話している。

フェリー会社側は、トンネルとの競争には反対しないと応じたが、EUが異常に長期の政府保証期間を容認したことに不満を申し立ててい る。

フェリー会社側は、この保証により、デンマークのFemern A/Sというトンネル経営会社が、競合するフェリー航路を全滅させるまで人為的に安い料金を設定することが可能となり得ることを懸念している。

フェリー会社側は、Femernがデンマーク経由でスウェーデンとドイツ間を運航する輸送を巡って支配的な地位を享受する一方で、後に 価格を再び上げることができることになることを論じている。Femernは、国有企業の子会社。Scandlinesの chairman(=会長)、Soren Poulsgaard Jensenは、次のように語った。

「我々は、政府が「we want a certain piece of infrastructure(=何がしかの社会資本が欲しい)」と言う権利を理解してはいますが、現在は、彼らは事業を営んでいるのであり、我々も競合他社として、国家 援助の濫用は許されないという予防手段があるに違いないと言う法的地位を有していると信じているのです。」

デンマークにとっては、このフェーマルン海峡は、今後8年かそこらで竣工することになっている重大な戦略的投資だ。海底に作られる世界 最長のトンネルが含まれることとなる。一部EUの資金を財源として、デンマークは何万人もの雇用を作り出すことを期待している。

トンネルはデンマークとスウェーデン間のエーレスン橋と並行しており、かなりの公的融資を受け取っている。

本件は、通行料金をどのように設定すべきかという点に焦点が集まりそうだ。Poulsgaard Jensen氏は、エーレスン橋という前例に悩まされたと語った。ここは、価格を引き下げてフェリーに損害を与えたと論じている。トンネル経営会社が同じようなことをす る可能性があると同氏は心配している。「連中は料金価格を引き下げて、その後、我々が死に絶えた後で引き上げることができるのです」と 語った。

デンマークのtransport ministry(=運輸省)は、Femernが料金を設定する可能性はなく、政治的に監視されることになると述べた。

「フェーマルン海峡を横断する幹線の通行料金と鉄道料金は、デンマークの運輸省によって設定されます。」と述べた。

European Commission(=欧州委員会)は、本件上訴の正式な通知は受け取っていないが、法廷で同決定を抗弁する準備はできていると話した。(Financial Times: November 15, 2015 1:21 pm)

インドネシアでフェリー沈没(インドネシア)

11月16日の朝、インドネシアのro/paxフェリー(注、RORO式貨客船)Wihan Sejahteraが傾いて転覆し、インドネシアのスラバヤ港の沖、僅か4分の1マイルで沈没した。

地元メディアによると、同船はバースを離れてすぐに浸水し始め、船員が直ちに埠頭に戻るべく回頭させたという。戻る途中、直ぐに右舷側 に傾いた。生存者の中には、船が傾く前に激しい動揺を感じたと報告する者もいた。船舶衝突の可能性がある。

陸地にかなり近いところで異常に遭遇してから、船は徐々に沈み始め、近くの非常に多くの船が救助してくれたことから、犠牲者は最小限に なったものと思われる。沈没の映像では、少なくとも14隻のタグ(注、曳船)とランチ(注、大型ボート)が、転覆するまでに救助に駆け付 けた様子が判る。このフェリーからは、約175人が救助され、25人が病院に搬送された。このro/paxフェリーは、40台を超える大 型トラックと、様々な小型車両も積載していた。

救助された人の数は、乗船していた乗客と船員の153人という同船の公式人数を超えている。そのため、潜水夫による捜索後に信頼のおけ る死亡者数は出てこないであろう。月曜日現在、行方不明者の報告はなく、地元警察官はメディアに対し、行方不明者がいないことを確信して いると語った。

この4,000総トンのWihand Sejahtera(元Cozy Island)は、1985年に建造された。100台以上の乗用車と700人の乗客を積載できるものとされていた。(The Maritime Executive: 2015-11-16 10:39:01)

ケニア、モンバサにクルーズ・ターミナルを建設(ケニア)

東アフリカ最大の港湾、モンバサは、観光業の急騰を狙って新しいクルーズ船ターミナルを建設するために1億シリング (980,392.16ドル)を費やすことになった、と港湾経営陣は水曜日に語った。

アデン湾とインド洋の海賊が、この地域のクルーズ観光に大打撃を与えたが、同業界は2011年以来、海軍の哨戒を強化し、船舶に武装衛 兵を派遣することにより立ち直った。

「以前は40,000人の観光客を乗せた年間40隻のクルーズ船を受け入れていたものでした。」と港湾広報担当者のHajj Masemoは、Reuters(=ロイター通信)に語り、海賊のため、数字はゼロ近くにまで落ち込んでいたと付け加えた。

「しかし今や、船が戻って来ており、我が国の観光業を急騰させるため、これを振興する必要があるのです。」

同港は今年、クルーズ船に乗った2,000人の観光客を受け入れており、この人数は、今年の暮れまでには5,000人に達するものと見 られていると語った。

新しい施設(注、クルーズ・ターミナル)に対する作業は来年始まり、竣工には約1年かかると語った。

Kenya Association of Hotel Keepers and Caterers(=ケニア・ホテル支配人及び仕出し屋協会)はこの事業を歓迎しているが、より訪問者を惹きつけるためには、道路、フェリー、そして 「cleanliness of the city(=この都市の清潔感)」を改善させることも政府はしなければならないと話した。

観光業はケニアにとっては莫大な収入源だが、近年は近隣のソマリアから来たイスラム過激派による一連の攻撃により大打撃を受けている。 (MarineLink.com: Wednesday, November 18, 2015, 8:16 AM)

フランスのクルーズ船で船火事のため避難(フォークランド諸島・フランス)

Le Borealという小型クルーズ船で機関室火災があり、その結果、乗客と船員は避難した。

早朝、この船の機関室から出火した。この小型船は、フランスのCompagnie du Ponantにより運航されており、警報が発せられた時、フォークランド諸島の真北にあるCape Dolphin(=ドルフィン岬、注、「イルカ岬」の意)近くを航行中だった。同船の乗客と船員は救命筏で避難し、90人が安全なところに空輸され、347人が別の船に移 送された。けが人はいなかった。

このフランスのクルーズ客船会社の広報担当者は、ITV(注、英国のテレビ局)に対して、次のように話している。

「念のため、乗客全員を本船から避難させました。近くにいたPonant船隊に所属するL’Australに再乗船することになってお り、直ちに本国に帰国させます。」

調査が開始されており、現在の航海は中止となった。このフランスのクルーズ船は、当時、フォークランド諸島のGrave Cove(=グラーベ入り江)からSouth Georgia(=サウス・ジョージア島)に向けて航行中だった。Le Borealという船は2010年建造で、10,945総トン。本船は現代的で、プール、ダイニング・レストラン、スパ、更にはカジノさえも呼び物としている。 (Cruise Hive: Nov 18, 2015)

ギリシャはピレウス港の売却を延期(ギリシャ)

ギリシャは、投資家に要求していた最大のピレウス港(OLP)の売却に向けた入札手続き出願期限を12月15日に延期した、とギリシャ の民営化機関の長は木曜日に語った。

中国のCosco Group、デンマークのコンテナ・ターミナル経営者のAPM Terminals、そしてフィリピンに本拠を置くInternational Container Terminal Servicesは、OLP(=ピレウス港)の持分の51パーセントについて、12月3日に入札することになっていた。

「投資家らには2週間の延期が要請された……これは(会社の)財務資料を点検するのに十分な時間だ。」と民営化機関の長、 Stergios PitsiorlasはReuters(=ロイター通信)に語った。(MarineLink.com: Thursday, November 19, 2015, 9:23 AM)

政府はSewolの運航事業者に求償を請求して訴える(韓国)

11月19日、ソウル発。木曜日、政府は犠牲者に支払った補償金の求償を求めて、沈没したフェリーSewolの運航事業者に対して訴訟 を提起した。

Ministry of Justice(=法務部)は、2014年4月16日に南西海岸沖で沈没したフェリーによって生じた損害の補償として政府が支払った1878億ウォン(1億6100米ド ル)を、Cheonghaejin Marine Co.(=清海鎮海運)とその22人の従業員に支払うよう求め、Seoul Central District Court(注、「ソウル中央地区裁判所」の意)に訴訟を提起した。

政府の事件に対する負担が増加すれば、請求額は増額されることになる、と同部は語った。

この損害賠償請求は、同国の最高裁判所が、大半が修学旅行中の高校生であった304人の乗客を殺害したとして、この沈没フェリーの船長 に対し終身刑を言い渡したことに引き続くもの。

訴訟を提起するに先立ち、同部では、資金を流用することができないようにするために、同社財産の保全措置を講じていた。これまでに、同 社の資産のうち1600万ウォン余りが仮差押えした、と同部は語った。

同部では、事故に責任を持つ他の提携会社の他、Semo Groupの元chairman(=会長)のYoo Byung-eunの相続人に対しても、別訴を提起する計画だ。Semoは、今や廃業したフェリー運航事業者の清海鎮海運の前身。(Yonhap: 2015/11/19 15:31)

ビクトリア州の埠頭、クルーズ船に対する爆破予告の疑い晴れる(オーストラリア)

メルボルンのStation Pier(注、埠頭)は、警察が爆破予告を捜査するため、数百人がこの地域を離れるよう申し渡され、避難となった。

警察は怪しいものは見つからなかったが、捜索犬がこのメルボルンの主要旅客船ターミナルである埠頭の巡回中に、ある匂いに反応したと話 している。

「我々は安全点検を実施する際に2隻のクルーズ船を退避させ、爆発物処理班が間もなく到着します」とVictoria Police(=ビクトリア州警察)の広報官(注、女性)は、金曜日に語った。

Spirit of TasmaniaとHolland America Lineのオランダ船籍のクルーズ船、MS Noordamがこの埠頭に停泊しているが、乗客と船員の全員が、職員と共に埠頭に移動している。(後略)(The Australian: November 20, 2015 3:13PM)

フェリーさんふらわあ、2隻のropaxesを発注(日本)

Mitsui OSK Lines(=商船三井)(MOL)の子会社であるFerry Sunflower(=フェリーさんふらわあ)は、日本のMarine United Corp Shipyard(注、正確には「ジャパン・マリン・ユナイテッド」)で建造する2隻の大型ropaxフェリー(注、RORO方式の旅客船、カー・フェリー)を発注した。 この新造フェリーは、大阪と志布志という日本の港を結ぶ航路に就航しているSunflower Satsuma(=さんふらわあ さつま)とSunflower Kirishima(=さんふらわあ きりしま)の代替として、2018年3月と6月に引き渡されることとなる。

船は長さ192メートル、幅27メートルで、13,500総トン。従来型のディーゼル推進システムで駆動し、それぞれ乗客709人と 121台のトラックを積載できる能力がある。

この新しいフェリーは、便所、シャワー、洗面所、そして冷蔵庫のある個人用旅客室により改善された旅客の快適さを特徴とすることにな る。公共空間は、現在のフェリーの約2.5倍となる。MOL(=商船三井)は、次のように話した。

「この新しいフェリーは、トラックを16パーセント以上積載できる空間があることから、日本の国内輸送の効率性と地球に対する優しさを 向上させることを狙うモーダル・シフト(注、貨物輸送を自動車から鉄道や船舶に転換する政策)において、より大きな役割も果たすことにな ります。」

MOL(=商船三井)の他のフェリーの子会社であるMOL Ferry Co(=商船三井フェリー)は、2014年に同じ造船所に2隻のropaxesを発注しており、大洗と苫小牧間の航路向けに2017年に引き渡されることとなっている。 (Passenger Ship Technology: Fri 20 Nov 2015)

英国―フランス間のフェリー、国会議事堂がテロリスト攻撃の危険に(英国)

モスクワ発。英国当局は、過激派がフェリーをハイジャックして大量虐殺を働く懸念を引用し、旅客フェリーのテロリストに対する防御の脆 弱性を強調したと報じられている。

「空港の警備は、近年、強化されており、転移効果が生じている。ある攻撃場所を魅力のないものとすれば、必然的に別の場所をより魅力の あるところとしてしまう。」とTelegraph紙は、政府高官筋の発言を引用していた。

このメディアによると、Westminster Palace(=国会議事堂)の使用人の他、国会議員に対し、この場所でテロリスト攻撃があった場合に何をすべきかについての新しい案内が発せられたという。

11月19日、ISIL(=イスラム国)のイスラム教徒がパリで130人を殺害した攻撃から数日後、英国政府は、同様のテロリスト攻撃 においてどのようにふるまうべきかについての手引きを大衆に公表した。(Sputnik International: 06:02 22.11.2015(updated 06:20 22.11.2015))

クルーズ船Ocean Princess、サラーラ寄港(オマーン)

マスカット発。クルーズ船Ocean Princessが日曜日に、世界一周で数都市を巡る旅行の一環として、613人の乗客を乗せてサラーラ港を訪れた。

ドバイ行きの船の乗客は、governorate of Dhofar(=ドファール特別行政区)にある主要な考古学的・歴史的名所旧跡を周遊し、更に浜辺やサラーラ・ウィラーヤト(=州)にある伝統的な市場を訪問した。

同港は、1,561人が乗船したイタリアのクルーズ船、AIDAauraを木曜日に受け入れることになる。

2015年の年明け以来、サラーラ港は28隻のクルーズ船と22,887人の観光客を受け入れている。(Muscat Daily: November 23, 2015)

Buena Vista Ferry、丸太の除去で運休(米国)

Buena Vista Ferryは、大きな丸太がフェリーの針路を塞いでいるため、今朝は運休のままだった。

このフェリーは、土曜日の朝に初めて運休していた。マリオン郡では、そのウェブサイト上でこのフェリーの状況を定期的に投稿している。

より詳しい情報は、入手次第、追加される。(Statesman Journal: 5:43 a.m. PST November 23, 2015)

元CalmacのフェリーMV Suilvenがフィジーで転覆(フィジー・英国)

元Caledonian MacBrayneのフェリーが、フィジーで転覆した。

MV Suilvenは、1990年代にMV Isle of Lewisによって代替されるまで、Calmacのストーノウェイからウラプールに向かう航路で使用されていた。

火曜日のスーバ港での事故の後、同船の船員は全員、救助されたものと考えられている。このフェリーは、貨物を輸送していたものと思われ る。

数年前のニュー・ジーランド沖の時化の海でのSuilvenの動画は、YouTubeで人気がある。この動画は、78,000回以上も 再生されている。(BBC News: 24 November 2015)

Queen Mary 2は世界一周クルーズへ

釜山発。Cunardは、2017年の新しい世界一周クルーズに、旗艦のQueen Mary 2を差し向けると発表した。

2017年1月、ニューヨークをEast-West(=東西)航海に出発し、Queen Mary 2は、中東とヨーロッパに出発する前に香港と上海間での往復旅行を行う。ケープタウン、シンガポール、ドバイ等で1泊滞在する。

Queen Mary 2は、主要なアジアの港湾に初めて寄港する計画だ。これにはブルネイのバンダール・スリ・ブガワン、台湾の基隆(=キールン)、南朝鮮(注、韓国)の済州(=チェジュ) 島、南朝鮮(注、韓国)の釜山(=プサン)が含まれる。(Asia Cruise News: 24/11/15)

シドニーでクルーズ船の豪華ショー(オーストラリア)

シドニーは、この港湾都市でこれまでに見られたクルーズ船隊最大の集会の舞台となった。

5隻のPOクルーズ船が1列に並んでシドニーに向かって航海し、洋上でV字型を作って、この船隊の最新の追加船であるPacific ARIAとPacific EDENを称賛した。歌手のJessica Mauboyと女優のKate Ritchieが、この都市にやって来た船隊を歓迎した。

また今朝は、船隊の入港時に多くのイルカも特別にやって来た。(Sky News Australia: Updated: 8:35 am, Wednesday, 25 November 2015)

HNA、中国でのクルーズ運航を停止(中国)

HNAは、中国でのHennaを使った1隻でのクルーズ船運航を停止する。P&O Australiaから購入した1986年建造のHennaを使って開業してちょうど3年後に、HNAはクルーズの運航を止めることになる。

同社は、「business change(=事業変更)」のために株主によってなされた決定であると述べているが、別の筋は、市場に更に(そしてより新しい)船が到来して2015年に厳しい価格競争 に直面し、採算の取れない経営になっていたことを示唆している。

今年これまでに、同社は、ハードウェアにおける意味深い投資の信号を発することになる大予算をかけた長い乾船渠を上海で竣工している。

以前のCruise Industry Newsとのインタビューで、HNAの幹部は、観光事業におけるクルーズの側面を成長させる計画を立てており、更に船を買う計画があることを明らかにしていた。

加えてHNAは、販売・代理店の役割をより有することになるクルーズに、将来も関わると述べていた。(Cruise Industry News: 25 November 2015)

ISISから世界へ:かかってこい;メキシコ、スペイン、合衆国、中国、日本、ロシア、イランを新動画で脅迫

ISIS(=イスラム国)は、合衆国を脅迫する新たな動画を公表し、このテロリスト団体(注、イスラム国)に反対する世界的連帯の一部 であるとこのテロリストが言っている60か国の国旗を見せている。

「これは我々の繁栄の源であり、我々の神に対する服従である。Tawhid(イスラム一神論)に対する呼び掛けには、妥協はない。我々 は、Allah(=アッラー)にのみ呼びかける。偽りの旗を掲げる無数の逸脱党派とは違うのだ。」とこの動画の声は語った。

動画ではアメリカに対して、この国は偽りの政治家で溢れており、アフガニスタンやイラクの軍事作戦では、陸軍の 「demoralized(=士気が喪失している)」と主張し、「bring it on(=かかってこい)」と愚弄してもいる。声は、流暢な英語で次のように続けている。

「アメリカ、お前らは大軍の歴史が知られていると主張している。お前らは数(注、大軍)や武器を持っているのかもしれないが、お前らの 兵士は意思や決意を欠いている。未だにアフガニスタンやイラクでの敗北で傷ついたままなのだ。死体となって帰還するか、毎年6,500人 以上が自殺するかだ。」

Islamic State of Iraq and the Levant(=イラク・レバント・イスラム国)は世界中のどの国にも支援者がいると主張し、そのグループが、異なる国や民族から人々を取り込んでいると主張している。こ のプロパガンダ(注、宣伝)では、彼らが敵対するメキシコ、スペイン、中国、日本、ロシア、イラン、その他を含む国々の鮮明な映像を映し 出していた。(Latin Times: Nov 25 2015, 04:46PM EST)

Charlie Elphicke国会議員、海峡横断フェリーがテロリストの標的になり得る懸念を退ける(英国)

海峡横断フェリー(注、ドーバー海峡のフェリー)が次のテロリストの標的になり得るという懸念は、MP(=国会議員)のCharlie Elphickeによって退けられている。

ある国内の新聞(注、The Telegraph紙)が、大臣らが英国のテロリストに対する防衛全般において、フェリーが「weak link(=弱い連結路)」だと呼んでいると主張して、国内空港の警備を強化することが日和見主義者達が海上での攻撃の計画を立てること になり得ると報じている。

しかしドーバー及びディール選出国会議員Charlie Elphickeは、船舶における攻撃は「highly unlikely(=全くありそうにない)」と話した。次のように語った。

「これらの攻撃の狙いは、多くの大衆の目に触れる象徴的な場所でなされることにあり、そのため私は、フェリーでは起こるとは思わないの です。」

「我が国の国家安全保障は心配の種ではありますが、政府がドーバー港における警備を強化したという事実は歓迎致します。そして国内の道 路がより遅延し、渋滞の車列が増えたことから、皆さんはその成り行きを知ることができるようになったのです。」

「私達はテロリズムに対する戦いのあらゆる場面において、油断しないようにする必要があります。」

P&O FerriesとDFDS Seawaysは、次のような共同声明を発表した。

「Port of Dover(=ドーバー港)は、提携するフェリー運航事業者と共に、パリにおける攻撃後、手荷物検査を強化するために英国とフランスの国境当局と既に緊密に作業をしており ます。」「政府とその機関の勧告に従い続けます。」

ドーバー港は、追加検査を行うので、時間に余裕を持たせるよう、乗客に対し勧告している。(Kent Online: 26 November 2015)

更新、ゴツォのフェリー運航中止(マルタ)

金曜日午前8時更新。ゴツォ海峡のフェリーの運航は荒天のため、昨夜遅くに運航中止になっていたが再開された、とGozo Channelは述べた。(Times of Malta: Thursday, November 26, 2015, 21:58)

インドネシアのフェリーがシンガポールに行く途中で事故、97人救助(インドネシア・シンガポール)

シンガポール発。インドネシアのバタム島からシンガポールに向かって航行中のフェリーが、浮遊物体に衝突し沈没し始めたと伝えられてい るが、100人近い人々は救助された、とこの都市国家(注、シンガポール)の当局は話した。

フェリー運航事業者のBatamfastは、他に2隻のフェリーを動員して90人の乗客と7人の船員の全員を救助し、バタム島の Nongsapuraフェリー・ターミナルに連れ戻した、とシンガポールのMaritime and Port Authority(=管海港湾局)は、電子メールでの声明で述べた。

月曜日の朝、同局は、日曜日の午後9時45分(グリニッジ標準時間の13時45分)に「Sea Prince」で事故があったとの通報を受けたと述べた。

乗客の1人であるChella Hoは、フェリーは遠海においてゆっくりと沈み始め、乗客らは2隻の膨張式ボートに載せられたが、このボートも過積載のために沈没したと話した、とテレビ・ニュース・ネッ トワークのChannel News Asiaは報じた。(Reuters: Sun Nov 29, 2015 7:01pm EST)

ミシガン湖のフェリーSS Badgerは、船体・プロペラの検査のためにウィスコンシン州に行く(米国)

ミシガン州ラジントン発。青天の下、この船齢62年のミシガン湖のフェリーは、対岸のウィスコンシン州での検査のため、ミシガン州の港 を出発した。

Ludington Daily News紙は、SS Badgerが日曜日、船体が検査されることとなるウィスコンシン州のスタージョン・ベイに向けて、ラジントンを出発したと報じている。本船の2基のプロペラ(注、暗車) はそれぞれ約14,000ポンドの重さがあるが、外されて洗浄される。

Badgerは、ラジントンとウィスコンシン州マニトウォクの間で、ミシガン湖を年間ざっと450回横断している。600人の乗客と 180台の自動車、その他の車両を積載することができる。

Badgerを運航している会社であるLake Michigan CarferryのChuck Leonardは、船体が検査官から良い評価を受けるものと考えている。(Minneapolis Star Tribune: November 29, 2015 ― 1:55pm)

火災で一時的にサン・フランシスコからハワイに向かうクルーズ船が機能停止(米国)

ホノルル発。当局によると、サン・フランシスコ発のクルーズ船で火災があり、ハワイに接近中だったこの船は、月曜日の朝、しばらく機能 が停止したという。

Coast Guard(=沿岸警備隊)は、約2,600人の乗客と1,000人の船員が乗船しているクルーズ船、Grand Princessが、現地時間の午前8時前頃、機関室から出火した際、ヒロの北東約100マイルのところにいたと話した。この火災により、同船はしばらく動力を喪失し、停 電した。

沿岸警備隊によると、1時間以内にGrand Princessの船員は、直ちに消火して、機関を再起動し、航海を再開したという。Grand Princessは入港に際して追加支援の必要はなかった、と沿岸警備隊は話した。けが人や火災原因についての発言は、直ちには得られなかった。

2014年、Grand Princessの船員1人が、一見したところ、サン・フランシスコからハワイに向かうクルーズ中に船外に飛び降り、海上で行方不明になっていた。

2013年には、Grand Princessに乗船していた腎不全の高齢客が、沿岸警備隊のヘリコプターによって、海上で救助されたことがあった。(CBS Local: November 30, 2015 1:54 PM)

Red Funnelのワイト島へのRed Jet旅客便は悪天候のため一時運休(英国)

サウサンプトンとワイト島の間のフェリー運航は、Storm Clodagh(注、嵐)が英国を襲ったことから、今晩は運休となっている。

ハンプシャ―州は、この嵐の最悪のものからは免れるものと思われているが、海上では未だに危険な状況にある。そのため、Red Funnelは今晩のRed Jet便の運航を中止する決定を行った。

現在のところ、運航再開の見込み時刻は(注、決定されてい)ない。しかしRed Funnelの車両フェリー(注、カー・フェリー)の便は、まだ運航している。(Daily Echo: 02:40 Monday 30 November 2015)