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2014年7月

2014年7月の海外旅客船情報

FassmerのLNGフェリー(ドイツ)

ドイツのFassmer造船所は、Cassen Eilsという海運会社向けの新しい二元燃料LNG Helgolandフェリーを設計・製造する契約を獲得したと伝えられている。

3000万ポンドのフェリーは、LNG(=液化天然ガス)技術を備えたドイツ船籍初の船となる。

この二元燃料システムは、一次燃料としてLNGを使用するものだが、必要ならば、従来のディーゼルに切り替えることが可能だ。

本船は長さ80メートル近くで、巡航速力は20ノットまで出すことができる。旅客の他、貨物用の空間もあり、2015年4月に竣工する こととなっている。(Maritime Journal: 01 Jul 2014)

Fincantieri、STQ向けフェリーを進水(イタリア・カナダ)

Fincantieriは6月28日、ナポリのCastellammare di Stabia造船所で、イタリアで建造された史上初の二元燃料旅客フェリーを進水させた。

1960年から1963年までマタンの町長で、マタン―ゴドブー間のフェリー航路を開設したFelix-Adrien Gauthierを称えて命名されたF-A-Gauthierは、ケベック州政府の企業体であるSociete des traversiers du Quebec (STQ)向けに建造されている。

2014年暮れに引き渡される予定の乗客800人乗りのフェリーは、北米で運航する最初のガス駆動のフェリーとなる。この長さ133 メートルの船には、伝統的な船舶用ディーゼル油またはLNG(=液化天然ガス)燃料で動く4基の二元燃料発電機を備えた統合ディーゼル・ エレクトリック推進システムが装着されている。このシステムを使用することで、STQは二酸化炭素、窒素酸化物の排出をかなり逓減させる ことが可能となり、硫黄酸化物の排出は完全になくすこととなる。これにより、このフェリーはバルト海、北海、カリブ海、北米の排出規制海 域で航海することが可能となる。

加えてF-A-Gauthierは、ice class 1 Aとpropulsion class 1 ASの認定を受けており、セント・ローレンス湾を運航することが可能となっている。このフェリーはまた、Fincantieriが設計し、特許権を有する革新的な船首と船 尾により、海氷を割ることが可能だ。

このフェリーの2基のエレクトリック推進機関は、アジマス・スラスターを機能させ、そのそれぞれには2つのcountrar- rotatingプロペラを装着しており、このフェリーの操船性を向上させる横向きのプロペラと連動している。船首と船尾の双方にランプ (注、傾斜路)と扉の広範なシステムが組み込まれており、船員が素早く本船での荷役作業をすることを可能にしている。

F-A-Gauthierは、巡航速力20ノットで、ケベック州で運航することとなり、マタン―ベー―コモー―ゴドブー航路で複数の運 航を提供する。この航路は205,000人以上の乗客と118,000台以上の車両のために、年間1,600回の航海を行っている。 (Cruise and Ferry: 1 July 2014)

Cape May-Lewes FerryについてのWHYYの記録映画をオンラインで見よ(米国)

WHYYは、新たな記録映画「Billion Mile Journey: The Cape May-Lewes Ferry(=10億マイルの旅:ケープ・メイ―ルイス・フェリー)」をオンラインで上映できて光栄だ(動画省略)。

この1時間番組では、1964年7月1日に運航を開始したフェリーについての最も興味深い話のいくつかを取り上げている。50年に亘 り、このフェリーは、よく知られた観光地であるデラウェア州、ニュー・ジャージー州の何百万人もの訪問者や住民に接し、必要不可欠な輸送 手段となってきた。

この番組は、フェリーの歴史を記録し、1996年の20分間結婚式の私的な話、船の手続きを変更させることとなった犬の救助について物 語る。高画質で撮影・編集されており、閲覧者は、湾の両岸での業務を徹底的に知り、船がどのように進水するのかが判り、フェリーの機関を 修理するのに必要なものを学ぶこととなる。この作品は、デラウエア州におけるWHYYの50年間の報告である。

Cape May-Lewes Ferryは、Delaware River and Bay Authorityにより運航されており、Twin Capes region of Cape May, NJ and Lewes, DE(=ニュー・ジャージー州ケープ・メイ及びデラウェア州ルイスの2つの岬地域)で奉仕している。1964年7月1日、最初のフェリー が8台の車両と15人の乗客を乗せて、午前6時47分にルイス・ターミナルを出発した。長年に亘り、このフェリーは、デラウェア湾を横断 する4300万人以上の人々と1400万台の車両を輸送してきた。50州と多数の外国から来た乗用車が、このフェリーで旅をし、50年間 の往復旅行で10億マイル以上も走ってきた。

50周年記念の一環として、WHYYでは、それぞれのフェリー港で、この記録番組の野外上映会を2回行った。更にこの上映会は、 WHYY-TVで放映された。(Newsworks.org: July 1, 2014)

KKRのトルコのフェリーの競売で複数の入札:Bloomberg(トルコ)

非公開投資会社のKKR & Co LPは、そのトルコのフェリー部門の売却で、デンマークの海運会社のDFDS A/Sと、PE players Esas Holding ASとActera Partners LPの同盟からの入札を得ている、とBloombergは水曜日に消息筋を引用しつつ報じた。

KKRのトルコにおける唯一の投資であるU.N. Ro-Ro Isletmeleri ASも、入札していないものの地元の社会基盤投資家であるGlobal Yatirim Holding ASの興味を惹いている、とこの通信社は、売却を知る人物が語るのを引用した。KKRからは、直ちに論評を得ることはできなかった。

Esas-Acteraの共同入札が「best-placed(=最適)」であると2つの消息筋はBloombergに語り、更に7月 末まで買手を選択できると付け加えた。

この部門は、この海運会社の帳簿に約8億ドルもの借金の山が築かれていることから、2007年にKKRが支払ったものよりは遥かに低価 格のものとなり得る、と3つの消息筋が話している。

KKRは、Henry Kravisとその従兄弟のGeorge Robertsが経営しているが、7年前にこの海運会社を約9億1000万ユーロ(12億4000万ドル)で買収している(1ドル=0.7331ユーロ)。 (Reuters: July 2 Wed Jul 2, 2014 3:55pm EDT)

三者はLNGバンカーリングに注目(フランス・ベルギー・日本・韓国)

フランスのエネルギー会社は、商社のMitsubishi Corp(=三菱商事)と船主のNYK(=日本郵船会社)との間で、包括協定に署名した。

この提携で、NYKは南朝鮮(注、韓国)のHanjin Heavy Industriesに、2016年までに引き渡されることとなるLNG燃料供給船1隻を発注することとなる。

母港はゼーブルージュで、ここではGDF SuezがFluxys LNGターミナルの長期間に亘る権利を既に確保している。

加えてGDF Suezは、近海運航者のUnited European Car Carriers (UECC)とのLNGバンカーリング(=燃料供給)契約を確保している。

この中期契約では、北海とバルト海で運航しているUECCの新しい2隻の二元燃料自動車運搬船を扱うこととなる。

提携者は、北ヨーロッパのEmissions Controlled Area(=排ガス規制海域)(ECA)における最初の事業をこのベルギーの港(注、ゼーブルージュ)から発展させるためのノウハウ(注、秘訣)や経験を提供する。

「GDF SUEZでは、LNGを将来の燃料として考えております。」とGDF SUEZのGlobal Gas & LNG(=全世界のガスと液化天然ガス)事業を担当するexecutive vice-president(=上席部長)、Jean-Marie Daugerは語った。

「この新しい合意で、グループのLNG小売り戦略が強化され、港湾社会基盤や船舶運航の他、世界規模でのLNGバンカーリングの発展を 図るという弊社の公約を行動で示すことになります。」

GDF Suezは、一義的には内部で誓約した義務を果たすこととなる中期・長期の傭船合意の下で、14隻のLNG運搬船からなる大規模な船隊を支配している。

また、FSRUの下流市場と結びつくことにもなる再ガス化(注、液化したガスを再度気化させること)ターミナルにおいて、ここはかなり の存在感を有している。(TradeWinds: 02 July 2014, 02:36 GMT)

Costa Concordiaの残骸は10日間で再浮揚へ(イタリア・米国)

ローマ発。Costa Concordiaというクルーズ定期船の残骸は、10日以内に再浮揚されて、2年半前に座礁して転覆したイタリアの島から曳航されることとなった、と撤去作業を準備して いるグループが木曜日に語った。

290メートルの船の残骸は、昨年9月に、トスカーナ州の行楽の島であるジリオ島沖での複合作業において、直立し、固定された。そして 夏の穏やかな天候の到来により、今やジェノバに曳航されることとなり、そこで解体されて鉄くずとなる。

30基の安定化装置、すなわち「sponsons(=スポンソン、注、浮き)」の最後のものが木曜日、この難破船に取り付けられ、技術 者は最終の再浮揚作業のための全システムの検査を始めることとなった、とConcordia Wreck Removal Project(=コンコルディア残骸撤去事業)は声明文において語った。

「最後のスポンソンの装着に引き続いて、我々はこの残骸の再浮揚と最終的な出発の秒読みを開始することが可能になった。」と、この定期 船の船主であるCarnival Corpの一部門であるCosta Cruisesのchief executive(=最高責任者)のMichael Thammは、声明文において述べた。

管理者によると、114,500トンの船舶を撤去するという、史上最大の海洋サルベージであるこの事業の最終段階は、今後数日内に詳細 が説明されることになるという。

石油供給グループのSaipemや、ジェノバに本拠を置く会社であるMariottiやSan Giorgioを含む共同事業体が、取壊し作業を実行する。

本船の船長であるFrancesco Schettinoは、過失致死罪、難破させて船を遺棄した嫌疑で起訴され、公判中。この大惨事では、32人が死亡している。(Reuters: Thu Jul 3, 2014 9:40pm BST)

シドニーのフェリーは4時間止まる(オーストラリア)

シドニーのフェリーは木曜日、航海士と機関士が職場条件を巡って会合を開くことから、4時間に亘って止まることとなる。

Australian Institute of Marine & Power Engineers (AIMPE)の組合員は、使用者のHarbour City Ferriesとの労使協議を重ねるため、午前10時から午後2時まで労働を中断する。

労働者には、1パーセントの賃上げが提案されている。以前の協議ではゼロだったが、それよりは増えている。

「会社側は、(政府との)契約において毎年インフレ調整を受け入れており、労働者に対するインフレ調整を見送ることはできないので す。」とAIMPEの書記、Joe Falloneが、この会合でAAP(=オーストラリアAP通信)に語った。

「連中は2.9パーセントのインフレ調整を得ているのに、1パーセントを提案しているのです。」

AIMPEが代理している労働者は、フェリーの保守と運航を行っている。

経営陣と職員との間の緊張にも関らず、Fallone氏は、AIMPEとの会合は意図的に混雑する時間を外して行われたと語った。

「通勤者に影響を与えないよう、最善を尽くしております。」とFallone氏は語った。

Maritime Union of Australiaは先週、切符販売拒否を含む一連の争議行為の後で、Harbour City Ferriesとの労使交渉で合意に達している。(Ninemsn: 10:53am July 3, 2014)

BC FerriesはLNG駆動船でポーランドの造船所に1億6500万ドルの契約を裁定(カナダ・ポーランド)

ビクトリア発。BC Ferriesは、液化天然ガス(LNG)で走る能力のある3隻の二元燃料フェリーの件で、ポーランドの造船所に1億6500万ドルの契約を裁定した。

このフェリー運航事業者は、BC Ferriesの船隊において最初のそうした船となるディーゼル燃料かLNGで走ることのできる3隻の中型級フェリーの件で、Remontowa Shipbuilding S.A.と契約することに裁定した、と話した。

「これは、BC Ferriesにとっては胸の躍るような取り組みであり、LNGの安い燃料費のために運賃に対する上向きの圧力を逓減することができ、LNGは現在の燃料に比べて綺麗で環 境に優しい燃料であることから、環境排出物を大幅に逓減させることができるのです。」とBC Ferriesのvice-president of engineering(=工務部長)、Mark Wilsonは、声明文において語った。

最初の2隻の105メートルの船は、ブリティッシュ・コロンビア州に2016年8月と10月にそれぞれ到着する予定で、最終船となる第 3船は、2017年2月に引き渡されることとなっている。

BC Ferriesは、新船のうちの1隻が、船齢49年のQueen of Burnabyと代替することとなると話した。本船は、バンクーバー島のコモックスとバンクーバー北部のパウエル・リバー間を航海している。

新船のうち、もう1隻の船は、本土のTsawwassenとサザン・ガルフ諸島を走り、船齢50年のQueen of Nanaimoと代替する。

第3船は、繁忙期の臨時便と、船隊内での修理時の予備船として使われることとなる。

BC Ferriesによると、3隻全ては、車両145台、乗客600人を積載することが可能だという。(後略)(CanadianManufacturing.com: July 4, 2014)

奴隷船Amistadがボストンにやって来る(米国)

コネティカット州、ニュー・ヘーブン発。複製奴隷船Amistadの運航者は、元の船で有名な反乱が起きてから175周年を記念して、 今年の夏、北東の港湾を巡ることを計画している。

複製のFreedom Schooner Amistadは、7月11日までニュー・ヘーブンにおり、その後、ニュー・ロンドン、ブリッジポート、ボストン、マンハッタンに向う。

本船を運航している団体のAmistad Americaでは、深刻な財政問題を抱えており、最近、連邦課税控除対象資格を喪失した。

Amistad America Executive Director(=事務局長)Hanifa Washingtonは、New Haven register紙に対して、州政府がこの組織の財政監査を終えた後、今年の夏に復活することを希望していると語った。

奴隷制度との戦いの象徴である元のAmistadは、1839年、アフリカの捕らわれ人に乗っ取られた。彼らはコネティカット州での法 廷闘争を経て、最終的には解放された。(Worcester Telegram: Saturday, July 5, 2014)

オマーンのフェリー便は20,786人の乗客を運ぶ(オマーン)

マスカット発。National Ferries Company (NFC)のフェリーによる旅客と車両の輸送は、2014年の最初の6ヶ月間において、2013年の同時期との比較で著しく増加した。

統計によると、2014年上期の乗客数は、2013年度が17,277人であったのに対し、20.3パーセント上昇して、20,786 人だった。

同時期に輸送した車両台数は3,106台に増加し、2013年の同時期との比較で7パーセントの伸びだった。この統計では、マスカット ―Khasab―マスカット航路は、この期間の全乗客の57.6パーセントを占め、Shinas―Khasab―Shinas航路は31 パーセントに上り、Khasab―Lima―Khasab航路は、全乗客数の11パーセントだった。

NFCのフェリーは、2014年上期において861.28トンの貨物を輸送した。(Times of Oman: July 05, 2014, 11:03 pm GST)

Princess Cruises、日本航海計画拡大(米国・日本)

ムンバイ発。成長している日本のクルーズ市場への関与を強調して、Princess Cruisesは今年、日本向けの提供を強化している。ここの関与には、発表されているように、3つの母港からの航海、日本におけるクルーズ市場の著しい拡大計画が含まれ ている。

今年の夏、Princess Cruisesが運航している日本建造のDiamond Princessが、3つの母港からの番組のため、Sun Princessに加わった。この3つの母港は、東京(横浜)、神戸、そして業界初の北海道の札幌に近い小樽だ。2014年4月から10月までの航海で、2隻の Princessの船は、7日間から9日間までの範囲で、9本の旅程で、42回出港する。2隻の船は、日本、南朝鮮(注、韓国)、台湾、 ロシアの20港以上の港湾を訪問することとなる。(中略)

乗客2,670人乗りのDiamond Princessは、日本の長崎にあるMitsubishi Heavy Industries(=三菱重工業)により建造されたもので、日本で建造された2隻のPrincessの船の1番船。この船は、複数の食堂、娯楽の場、私的なバルコニー のある多くの旅客室、ロータス・スパ、専門店、そしてインターネット・カフェ等の快適設備を呼び物としている。 (TravelBizMonitor: Saturday, July 05, 2014, 20:00 Hrs [IST])

ハイチ人が浸水中の筏から救助、テキサス人がクルーズ船から見る(米国・ハイチ)

多くのテキサス人が、24人以上の人々が救助されたカリブ海クルーズを終えて、多くの語るべき話を持つこととなった。

Carnivalの船Freedomは、ハイチからの難民である約30人を乗せた筏と遭遇した。

この船は、Coast Guard(=沿岸警備隊)が到着するのを待つ間、筏の上にいる人々に食料や水を与えるために停船した。

「必需品、食料、水といったものは、見たところ何も持っていませんでした。便所もなく、日陰もなく、操舵装置もなく、そして浸水してい ました。」とFreedomの乗客の1人、Texas State Rep.(=テキサス州下院議員)Matt Schaefer (R-Tyler(=共和党タイラー選出))は語った。「我々が停船したので、皆さん、感謝していました。誰もが、これらの人々が大切に扱われることを望んでいました。」

Freedomは予定通り、日曜日の朝に、フロリダ州フォート・ローダーデールに到着した。(KVUE: 6:10 p.m. CDT July 6, 2014)

北朝鮮船は日本とのより良い関係への期待を象徴(北朝鮮・日本)

北朝鮮、元山(=ウォンサン)発。バーベキューは桟橋に沿って焼きあがり、浜辺には日光浴客が散らばっている。潜水夫が蛤を探して海に 飛び込んでいる。これは辛いソースにつけて、正にこの場で生で食べられている。北朝鮮の東海岸にある活気のない港町、元山(=ウォンサ ン)は、混雑する夏に向けて準備中だ。もし日本との会談が北朝鮮の希望通りになされたならば、活気のある日々が戻ってくるのかもしれな い。

門戸の開放が、より良い関係に向けて動き出したばかりだ。平壌(=ピョンヤン、注、北朝鮮政府)は、東京(注、日本政府)が1970年 代と80年代に北朝鮮の諜報員により拉致されたものと疑っている12人の日本人の運命を再調査するための委員会を立ち上げた。見返りとし て、Prime Minister Shinzo Abe(=安倍晋三首相)は、先週の木曜日、日本が事実上、両国間の全ての貿易と大半の契約を中断してきた一連の一方的制裁措置を緩和すると述べた。

北の核問題が平壌に対する日本の世論に刺激を与えたこともさることながら、この拉致問題の解決のための日本の要求に北朝鮮がどれほど応 えられるのかは、不透明だ。かっての植民地支配者である日本に対する北朝鮮の一般大衆の感情は、更に否定的なものとなっている。

火曜日に北京で、双方の特命全権公使は、この新しい委員会を論じるために会談した。安倍の決断は、この新委員会が初会合を開いた後、金 曜日に内閣で正式に承認された。日本は、渡航制限を緩和し、人道目的の寄港を許可し、北朝鮮への送金の報告要件を緩和した。

元山では、かっては両国間の重要な連結であった巨大なフェリーが、会談が始まる前に意味ありげに再び姿を現し、この港の風景を威圧して いる。

フットボール場(注、サッカー場)よりも長い、小奇麗な白い船であるMangyongbong-92(=万景峰92)は、長らく、両国 間で一度に大量の貨物、人々、現金を流入させるものの象徴とされていた。その最近の復帰は、平壌ができるだけ早く港湾への寄港を再開し、 日本円を引き出したがっていることを示唆しているものだが、当局の説明はない。ことわざにある、500-pound gorilla in the room(=部屋の中の500ポンドのゴリラ)のように、元山の住民は、それについて言及することすらしたがらない。

Mangyongbong-92が2006年に禁止されるまで、元山は日本資本が流入する賑やかな港湾だった。

このフェリーは、在日朝鮮人にとっては、北を訪問するための重要な手段だった。しばしば親戚や友人に宛てたお土産や必需品、現金が積み 込まれ、この社会主義国において通常は入手できない多種多様な製品がもたらされた。最高だった年には、Mangyongbong-92は 数百万ドル相当の貨物を北に輸送したと考えられている。

東京は、拉致問題について明らかにしたならば、平壌に対して喜んで見返りを与えると話している。これには、北朝鮮の船舶が何がしかの場 合に寄港することを許可することが含まれている。しかしワシントン(注、米国政府)やソウル(注、韓国政府)との同盟を乱すものだと批判 されることを恐れ、当局者は、北朝鮮の長距離ミサイルと核兵器実験に対するU.N.(=国際連合)の支持を得た制裁は遵守することになる と強調している。平壌は、自国の核開発計画を放棄する意思はないと話している。

日本の制裁は、大被害を与えている。日本のForeign Ministry(=外務省)によると、東京と平壌間の二国間貿易は、2003年度に300億ドル以上にも上っていたという。これが2006年に始まった徐々に広がった制 裁により、殆ど完全になくなったのだった。2010年からは、外交関係のない両国間の貿易は、事実上なくなっていた。

この禁止措置以来、Mangyongbong-92は、北朝鮮が中国との国境にある羅先(=ラソン/ナソン)から南部の海岸の景勝地、 金剛(=クンガン)山地区に外国人観光客を運ぶための新たな観光サービスを始めようとした際に、使用されているのが見られるだけだった。

部分的な緩和でさえも、平壌には僅かなものしかもたらさないが、国際観光を推進する近時の努力に見合った大きな急騰の可能性が、恐らく は将来、貿易の増加に繋がり得る。

元山は北朝鮮当局者により、全国的な観光業を推進するための鍵を握る地域として白羽の矢が立てられたものだ。昨年暮れに開業した、指導 者の金正恩(=キム・ジョンウン)の特徴的な建設事業の1つ、北朝鮮の巨大なMasik Passスキー・リゾートは、近くにある。

北朝鮮を訪問する観光客の圧倒的多数が中国人ではあるが、平壌はのどから手が出るほど欲しい外貨獲得に火をつけようとして、あらゆる地 域からの訪問者の気を引こうとしている。

平均的日本人に、元山のようなところに行くツアーを売ることは、容易なことではない。日本当局者は、制裁が緩和されたならば、 Mangyongbong-92がやって来ることを許すかどうかについては、曖昧な信号を発している。

日本には約550,000人の在日朝鮮人がおり、少なくとも彼らの多くが北に対してなにがしかの好意を寄せているものの、朝鮮に向う大 半の日本人行楽客は、南(注、韓国)の快適設備や買物をずっと好んで選択する。

日本にいる親北朝鮮の朝鮮人(注、在日朝鮮人)は、家族が北にいる親戚を訪ね、朝鮮民族学校の学生が修学旅行を行うことができるように するために、このフェリーの運航は再開されるべきだと話している。支援者らも、その他の文化交流をより実現可能なものにすべきだと話して いる。(Japan Today: Jul. 07, 2014 - 06:44AM JST)

Google Street ViewにRoyal Caribbeanのクルーズ船、Allure of the Seasが加わる(米 国)

Google(=グーグル、注、インターネットの検索エンジン)は、世界最大のクルーズ船であるRoyal CaribbeanのAllure of the Seas(=アルーア・オブ・ザ・シーズ、注、「海の魅力」の意)を、ここの人気のStreet View(=ストリート・ビュー)プログラムに付け加えた。

Street Viewsの商業的側面であるGoogle Maps Business Viewは、Royal Caribbeanのフラグシップを加えたことから、訪問者は本船の仮想的な周遊を行うことができる。

この新しい周遊では、本船の僅かな場所を、サイト訪問者がウェブ・ブラウザーを使って垣間見て歩くことを提供している。船全体を網羅す るものではなく、利用者は僅かな区画に限定され、むしろ途切れることのない直行周遊となる。

ストリート・ビューを使うと、本船の「unique activities(=比類なき活動)」であるFlowRider(=フロー・ライダー、注、波乗り)やロック・クライミング・ウォール(=岩登りの壁)、ジップ・ライ ン(注、ワイヤーロープの貨車にぶら下がって移動できるようにした乗り物)の他、食堂、船室、プールを「tour(=周遊)」することが 可能となる。

Googleは、魚眼レンズを装着したDSLR(=デジタル一眼レフ)カメラと、三脚の上に取り付けたパノラマ式ヘッド・レストを使用 して、このStreet View体験を作り上げた。

Allure of the SeasのGoogle Street viewは、ここで閲覧可能だ(リンク先省略)。(Royal Caribbean Blog: 07 Jul 2014)

ドイツの旅客クルーズ船、イスラエルでロケット攻撃を受ける(イスラエル・ドイツ)

ドイツ人乗客を乗せていたクルーズ船、AIDAdivaが、イスラエルのアシドット港出港時にロケット攻撃を受けた。

アシドットはイスラエル第5の都市で、地中海沿岸の同国のSouthern District(=南部地区)にある。テルアビブの南32キロメートル、アシェケロンの北20キロメートル、エルサレムの西53キロメートルに位置する。アシドット港 は、イスラエル最大の港。

このロケットが、Israel Defense Force(=イスラエル国防軍)のものか、現在、イスラエルの諸都市で多くのロケットを発射しているパレスチナ過激派組織のHamas(=ハマス)のものかは、不明。

このクルーズ船がアシドットを出港した際に、サイレンがアシドットで鳴り、他のイスラエルの諸都市では、パレスチナ過激派組織 Hamasによる攻撃が警告されていた。

AIDAdivaでクルーズをしていたドイツ人観光客は、ドイツのニュース局Tagesthemenに語った時は、狂乱状態になってい た。

ロケットの部品が、このクルーズ船に落ちた。船の甲板に当たる前に、幸運にもロケットは爆発した。怪我人やクルーズ船に対する著しい損 傷は、報告されていない。

本船は現在、次港であるギリシャのクレタ港に向っている。水曜日の朝にクレタ島に達することとなっている。

AIDAdivaから出された声明文には、遺憾の意が表明された。このクルーズ定期船は、イスラエルへの航海に先立って、ドイツ当局者 から渡航勧告は出ていなかったと語った。この事件を受け、ドイツ当局は警報を発した。(eTurboNews: Jul 07, 2014)

バヌアツ付近でクルーズ定期船Carnival Spiritから男性が「船外転落」(オーストラリア・バヌアツ)

クルーズ船から男性が行方不明となり、船外に転落したものと見られることから、捜索・救助活動が行われている。

この男性は厨房乗組員の1人と考えられているが、バヌアツとフィジー間を航海中のクルーズ定期船Carnival Spiritに乗務していた。

Fairfax Mediaは、他のメディアの報道とは異なって、男性はオーストラリア国籍ではないと確認している。

Australian Maritime Safety Authority(=オーストラリア海上安全局)の広報官は、AMSA(=オーストラリア海上安全局)ではこの事故に助言はしているが、場所がオーストラリアの捜索・救 助海域の外側だと語った。

身元を明らかにすることを希望しない本船の乗客の1人は、Fairfax Mediaに対して、シドニー時間の午前8時頃、船員1人が行方不明になっているとの発表があったと話した。

この地点まで、20時間も行方不明になっていた可能性がある、とこの乗客は話した。

「数回の連絡があった後で、船長は男性を捜索するために船を引き返すと発表しました。」と乗客(注、女性)は話した。

Carnival Cruise Linesでは、本船がバヌアツに引き返したことを確認した。(後略)(Sydney Morning Herald: Date July 8, 2014 - 5:54PM)

フランス政府は「数時間内に」コルシカのフェリーの封鎖を撤去:首相(フランス)

フランス、マルセイユ発。水曜日、フランス首相のManuel Vallsは、フェリー運航事業者のSNCMの労働者によるマルセイユ港とコルシカ港のバリケードを「within hours(=数時間内に)」撤去する対策を講じると述べた。労働者らは会社の再建計画を巡ってストライキ(注、同盟罷業)を行っている。

Veoliaが一部所有するこの赤字垂れ流しの会社の労働者らは、6月24日以来、失業や職場特権を失うことを恐れてストライキを決行 中で、フェリーを占拠し、16日間に亘ってマルセイユ港の一部を封鎖している。

このストライキにより、コルシカ経済に不可欠な観光シーズンの繁忙期において、島と本土間が一部断絶している。一方で、商品の流通は持 ちこたえている。

ストライキはSNCMに「to death(=死を)」もたらし得ると繰り返し警告してきたVallsは、マルセイユ港近くでの警察とストライキ参加者との間の暴力的な衝突を非難し、政府は迅速にバリ ケードを撤去する行動を取ると語った。

「船舶の封鎖と港湾での暴力は、受け容れ難いものです。」と議会での質疑応答時間に語った。「政府はこうしたバリケードを撤去すべく、 数時間内に必要な如何なる対策をも取ることになります。」

警察では、ストライキ参加者らは、SNCMによって運航されていないKallisteというフェリーに接近させないよう、トラックを 使って、1週間以上もマルセイユ港で封鎖しており、これにより商業貨物は荷役ができなくなっていると話している。

ストライキ参加者らは、主として本土からコルシカ島に観光客をもたらす数隻のフェリーも占拠しており、230,000人余の観光客が島 に渡ることができず、1日当たりの喪失収入における経費が100万ユーロ(136万ドル)に上っている、とコルシカの観光業当局者は話し た。

Vallsと運輸大臣は今週、フランス政府が25パーセントを保有するSNCMは「sinking(=沈没中)」であり、国庫補助の4 億4000万ユーロを返金するよう求めるEuropean Commission(=ヨーロッパ委員会)の命令から会社を守るために、裁判所の保護を受ける必要があると語った。

政府は既に、斡旋者に労働組合と経営陣との間の交渉を手助けするよう指示している。しかし話し合いは過去3週間継続しており、 Vallsはこれ以上、議論をする時間はないと語った。

水と廃棄物のグループのVeolia Environnementと、国営銀行のCDCによる公共輸送共同事業体のTransdevが66パーセント保有するこのフェリー運航事業者は、フランス当局から助成金 を受け取っていたにも拘わらず、過去10年間の累積赤字が2億5000万ユーロにまで膨れ上がっている。

Transdevと政府は、新しい所有者がSNCMの船舶を購入して運航することが可能となる連邦破産法第11章(注、米国の民事再生 法に当たるもの)流の再編を好んでいる。ストライキ参加者は、過去の計画の下での雇用削減の制限が尊重され、投資がなされることを約束す るよう求めている。

この行き詰まりにより、20ヵ国以上で70億ユーロの粗利益を上げ、90,000人の職員を雇用する路面電車・列車・バスの運行事業者 であるTransdevの持分の大半をCDCに売却するというVeoliaの計画は、停滞している。(1ドル=0.7331ユーロ) (Reuters: July 9 Wed Jul 9, 2014 1:07pm EDT)

Concordiaは7月14日に再浮揚(イタリア)

Costa CruisesのCosta Concordiaは、7月14日月曜日に再浮揚することとなっており、イタリア当局の最終確認を待っているところだ。

ここ数日来、Titan-Micoperiのサルベージ・チームは、再浮揚システムを検査してきた。最後のスポンソン(注、浮き)が Concordiaの左舷に装着され、先週、完成していた。

Italian Monitoring Observatoryの承認と、7月13日の天候状態が適切であることが確認されたならば、技術者らは空気圧系統を使用して、30基全てのスポンソンのバラスト水を徐々 に空にし、この難破船を再浮揚させることとなる。作業の終わりには、船の喫水は約18.5メートルになる。

先週、Costaは、Titan-MicoperiがConcordiaをジリオ島からジェノバのSan Giorgio del Porto造船所にまで曳航することを明らかにした。本船はその後、22ヶ月間に及ぶ事業の第4局面において、解体され、再利用されることとなる。(Cruise and Ferry: 10 July 2014)

マラウイの旅客船体験断絶(マラウイ)

マラウイ湖の唯一の旅客船、 MV Ilalaは、この老朽船の修理のための予備部品が不足しているために大幅に運休することとなると言われている。

本船は、多くの乗客が助けを求めて地区長官事務所に怒鳴り込むこととなった大欠陥が拡大して、Nkhata湾の湖畔地区から Likoma島に出発することができなかった。

木曜日、本船のAssistant Surveyor(=検査助手)のChikumbutso Ziyayaは、故障がより深刻になっているので、船は出発できないと話した。

「英国から予備部品が到着するのを待っているところです。それには時間がかかるのですが、短期的には即席に作ったもので修理するので、 できる限り早く運航できるようになります。」と語った。現在のところは、人々に島へは船を使って渡るように忠告している。

MV Ilalaは、スコットランドのYarrow Ship Builders Limitedにより建造されたもので、1951年以来、マラウイ湖を定期運航してきた。(StarAfrica.com: July 10, 2014 at 1:55 pm UTC)

サムス島のフェリーはLNG焚きへ(デンマーク)

Samso Municipality(=サムス島自治体)は、新しいSamsoというフェリーにLNG(=液化天然ガス)を供給するQ8 Denmark A/Sとの合意文書に署名した。この島嶼フェリーは、LNGで運航するデンマーク最初の内航フェリーだ。粒状物質の排出がゼロで、二酸化炭素の排出量が20%にまで逓減さ れるので、LNGは、利用できる最も環境に優しい化石燃料ということになる。

Q8のLNG供給者という新しい立場は、ここの事業発展戦略と合致するもので、それは機動性と二酸化炭素排出量逓減という市場の要求に 適合した製品を開発し、販売することを狙いとしている。(中略)

今日、ヨーロッパの約50隻の船が、LNGで運航している。この数字は、5年から6年で、20倍になるものと予測されている。

「Q8は、この分野の輸送の要求に適合し、二酸化炭素の排出量が減ることになる燃料を供給し続けたいものです。代替燃料であるLNG は、恐らくは、それに対する答えなのです。」とQ8のAnders Hojerは続けた。「デンマークのLNG市場は建設中ですが、他のスカンジナビア諸国は、他のタイプの代替燃料として、大規模にLNGを採用しています。」

このSamsoというフェリーは、乗用車160台、乗客600人乗り。二元燃料機関を搭載し、従来のディーゼルとLNGの双方を使用す る。(LNG Industry: Published on 10/07/2014)

Silversea Cruisesでファッション・デザイナーによる制服がお目見え(イタリア)

Silversea Cruisesの新しい制服は、ベニスのSilver Windで開催されたファッション・ショーで内覧に供された。これは、ミラノにあるイタリアのIstituto Europeo di Design (IED)というデザイナーのためのファッション専門学校により創作された。

この事業は、IEDのチームがSilver Spiritで数日過ごした2012年9月に始まった。この船のアール・デコ(注、直線を基調とした様式、1925年様式とも)の内装から刺激を受けて創造し、受付、食 堂、休憩室、客室清掃といった異なる環境において働く船の上級仕官や職員の機能と必要性を取り込んだ。このコレクションは、黒、白、青、 灰色を用い、綿花、羊毛といった天然繊維を使用している。

「IEDの新進気鋭のファッション・デザイナーの才能の展示の場を提供することとなり、弊社では喜んでおります。」と Silverseaの事業開発部長、Cristina Levisは話した。「洗練された快適な制服を作られましたが、これはイタリアで作られ、弊社商標を代表する紳士・淑女(注、乗組員の意)の洗練さ、プロ気質、上品さを効 果的に投影するものとなります。」

コレクションは、Antonio Pala、Alla Polozenko、Laura Liistro、、そしてMagdelena Kilkovichによりデザインされた。この事業は、IED Modaの特別事業支配人のFrancesca Tottoliと、教授のValentina ConzoとAlfonso Granieriが調整した。(Travel Agent: July 7, 2014)

フェリーが沈没して2人死亡(バヌアツ)

金曜日、バヌアツ沖でフェリーが沈没し、2人が死亡し、他に2人が行方不明になっている。

島嶼間船のMCYは1分以内に沈没した、と警察は話した。この船は過積載だったので、起訴される見通しだと警察は付け加えた、と Radio Australiaは報じた。

救助隊は37人を海から引揚げたが、10ヶ月の赤ん坊と船員1人が行方不明になっている。このフェリーは、転覆時、Malekulaか ら首都のポート・ビラに向っていた。

数時間前に、数キロメートル沖の海上で、機関不調となっていたと伝えられている。(TradeWinds: 11 July 2014, 06:51 GMT)

RORO輸送が「人口増による需要を示す」(アラブ首長国連邦)

アブ・ダビ発。アブダビ中の港湾のRORO(ロール・オン、ロール・オフ)船の輸送増は、この地域の人口増と消費需要を反映したもの だ、と幹部がGulf News紙に語った。

RORO船は自動車、トラック、セミ・トレーラ・トラック、トレーラー、鉄道車両のような車輪のついた貨物を運ぶために設計された船 で、クレーンの助けなしに自前の車輪を使って船を乗り降りできるものだ。

税金やその他の歳入と結びついて、ROROは地元経済に多大なる貢献をする、とAbu Dhabi Ports Company (ADPC)のCEO(=最高経営責任者)のCaptain Mohammad Juma Al Shamsiは話した。アブ・ダビ市近郊のZayed PortのRORO輸送は、かなり増加している、と語った。

2014年の第1四半期にアブ・ダビに流入した車両台数は、2013年の23,000台から6パーセント増えて、2014年は 24,400台になっている。2014年4月には、車両台数は10,000台を超え、この港の最高記録となっている、と話した。

「Zayed Portで扱った車両台数の合計は10,515台で、今年4月は記録的に最も忙しい月となり、2013年の同時期と比べ、35パーセントの増加となりました。」

Zayed PortのRORO輸送は、前年との比較で、2013年には11.7パーセントの成長だった、と話した。2012年の約79,906台の車両が、2013年には 89,280台に増加した。

最近、200,000台の車両が収容でき、RORO船も扱う最新鋭のKhalifa Portが開所した。(Gulf News: 16:30 July 11, 2014)

初の英国LNGバンカーリング施設が計画(英国)

Portsmouth International Port(=ポーツマス国際港)は、英国最初の液化天然ガス(LNG)施設と拠点を、Lloyd's Registerの技術支援を得て準備中だ、とLNG Industryという新サイトが報じた。

2016年引き渡し予定のLNG駆動のBrittany Ferriesの船が、同港で燃料の供給を受けることとなっている。

「明らかにLNGの需要は伸びており、港湾ではどうやって安全にLNGバンカーリング(=燃料供給)サービスを提供する能力を発展させ ることができるか調査中です。」とLloyd's RegisterのGlobal Gas Technology Manager(=世界ガス技術部長)のLeonidas Karistiosは話した。

「安全第一であり、ポーツマスでは、これが正しく、安全であることを確実にし、経営上・商業上の野心の支援に取り組むことに目を向けて いるところです。」(中略)

LNGの輸送・安全面は、DNV GLやSociety for Gas as a Marine Fuel (SGMF)等の組織によってなされている進行中の研究課題となっている。(Ship & Bunker: Friday July 11, 2014)

The Cruise Ship、7月11日金曜日ITV1放映:テレビ・レビュー(英国)

新しいITVのreality show(=現実直視番組)The Cruise Ship(=クルーズ船)は、より多くの人々をクルーズに出掛けることを促すことになるのかもしれないが、第1回目のエピソードを見ると、内心、かなり多くの人々がこの種 の休暇を避けることになるような気がしたものだ。

この新シリーズは、初シーズンの巨大船、Royal Princessを追いかけており、この船は1,000人が3年間かけて建造したもので、カリブ海に向けて出帆するに先立ち、3,000人の乗船客を歓迎する。

「hotel general manager(=ホテル総支配人)」のDirkと溢れるような洗濯物を抱える問題、Exec chef(=調理長)のBrentと14,000食のカナッペを給仕する努力、ホームシックになっているhairdresser(=美容師)のKellyと本国から離れる 初めての旅、「moaning Mandy(=不平ばかり言うMandy)」という乗客と、「gorgeous George(=煌びやかなGeorge)」という囁くように謳うentertainments director(=娯楽監督)、嘲るようなナレーターの声と意地悪く笑いものにする感覚を決して打ち消すものではないことを単に強調するだけの「plink plonk(=軽く安っぽく響く)」サウンドトラック(注、音声)に焦点が合わされている。

乗客が、白服の船長や船員らと交際する「formal(=堅苦しい)」夜は、公海上のより慇懃な日々を思い起こさせることとなる。

本当に嫌味なMandyは、常連のクルーズ客で、一見したところ60歳だが、彼女と夫のGordonは、ディスコでは最年少で、前のク ルーズでは「three people in a fortnight died on our floor(=私たちの階では2週間に3人死んだ)」というのが判るのは、本当に興ざめさせられるもので、しかし反面、全ての現実直視番組は、悪口を言いたくなる登場人物 を必要とするものでもある。

この番組は、これまでのところ、あらゆるクルーズのクリシェ(注、フランス語で「陳腐な表現」の意)に沿ったものだ。このシリーズが続 くことから、期待可能性がないことを、少しばかり期待しよう。(Blackmore Vale: July 12, 2014)

日本から実況:洋上で最も粋な便所(日本・米国)

DIAMOND PRINCESS発。船室に枕のメニューが提供されるクルーズ船の話は、聞いたことがある。デザイナーによる石鹸のメニューでさえ、余りないが聞いたことはある。しかし便 所のメニューは、聞いたことがあるかい?

Princess Cruisesが最近改装したDiamond Princessの船上において気が付くこととなる最初のものの1つは、公共区画における浴室であり、更に船室が暖房便座や、水流発射や拍動、更には蓋の下にある空気乾燥 機といった選択メニューを備えた新しい高度技術を使った便所を呼び物としていることだ。

今年の一部期間中、本船の新たな母港となった、技術で頭が一杯の日本からやってきたクルーズ客の期待にうなずくものの1つが、比較的一 目瞭然といえる「wash(=おしり、注、実際の日本語表記、以下同様))」「dry(=乾燥)」から、僅かに憂慮することになる 「enema wash(=パワー、直訳は「浣腸洗い」)」、更には「massage(=ムーブ、直訳は「もむ」)」というものまでの、あらゆる物を提供するボタンが16個あるコント ローラー付きの便所だ。水温と便座の温度は、上げたり下げたりすることが可能で、乗客は設定を保存することも可能だ。

このトイレは、Princessが3月に3000万ドルかけた大改装で付け加えた、日本人クルーズ客の目を惹くために設計された多くの 新しい目玉の一つに過ぎない。同様の新しいものには、広大な日本式浴場区画、すし屋、新しい豪華買物区画がある。本船の主食堂と Horizon Courtという軽食堂のメニューも、より日本人に特化したものに作り直されている。

この変更は、カリフォルニア州に本拠を置くPrincessが、この客船会社の伝統的な、英語を話す顧客と同様に、日本人行楽客の目を 惹くように用意した日本周遊クルーズを増加させたことからなされたものだ。Diamond Princessは、横浜(東京近郊)から出発する日本周遊航海の最初の延長シーズンの真っ只中にある。(USA TODAY: 6:58 p.m. EDT July 12, 2014)

Costa Concordiaの残骸再浮揚作業始まる(イタリア)

グロッセート発。2012年1月にトスカーナのジリオ島沖の岩礁に突っ込んで、32人が死亡したCosta Concordiaというクルーズ定期船の残骸の再浮揚作業が、月曜日の朝から始まった。

6時間から8時間続く第1局面においては、この残骸を2メートル吊り上げ、30メートル東に移動させることになる、と消息筋は話した。 ジリオ島と本土間の連絡は、Nick Sloaneが監督する作業のこの部分の時間は遮断されることとなる。彼は、昨秋、この部分的に沈没した船を直立させることに成功した吊り上げ作業を監督したsenior salvage master(=上級サルベージ監督)だ。

このCostaの残骸は、天候と作業の進捗状況により、7月19日土曜日か、次の月曜日にジェノバ港に曳航される見込み。

この残骸が曳航されると、優先事項は、過去2年半に亘り残骸が横たわっていた現場を清掃することにある、と環境当局者は語った。 (ANSAmed: 14 July, 13:00)

STX造船所、クルーズ定期船建造契約獲得を希望(フィンランド)

ドイツの造船所、Meyer Werftは水曜日、Norwegian Cruise Line向けの2隻の大型船の建造を成功裏に落札したことを確認した。しかしこの船が、フィンランドかドイツのいずれかで建造されるのかは、未だにハッキリしていない。今 月初めMeyer Werftは、窮地に立たされたトゥルクのSTX造船所を買収する計画を発表している。これにより、フィンランドの雇用削減が回避されることになるのではないかという期待 が出てきている。

この海運会社は、乗客4,200人乗りに設計された2隻の巨大クルーズ船が、2018年中期と2019年下半期に竣工する予定だと発表 した。この注文の経済効果は、注目すべき約16億ユーロ相当と見られている。(後略)(YLE News: 15.7.2014 11:07)

新しいRegent Seven Seas Cruisesの船が起工(イタリア)

Regent Seven Seas Cruisesの新船、Seven Seas Explorerの工事が始まった。

2016年夏に就航することになる新船の最初の鋼の塊が、イタリアのジェノバのFincantieriで、今日、切り出された。この最 初の鋼の塊は、船主のスィートの基礎に使われることとなる。(中略)

この乗客750人乗りの船の処女航海と就航シーズンは、来年早々に売り出される。(Travel Weekly UK: 15 July 2014 at 16.18 GMT)

Pasig Riverのフェリー、木曜日に運航再開(フィリピン)

3日間の運休を経て、Metropolitan Manila Development Authority(=マニラ首都圏開発局)は、Pasig River Ferryの運航を木曜日に再開することにした。

MMDAは、Twitter(=ツイッター、注、ミニ・ブログ・サービスの一種、「さえずり」の意)のアカウント上で、Typhoon Glenda (Rammusan)(=台風グレンダ)による悪天候により2日間運航を中断した後で発表した。

「Pasig River Ferry Systemは、明日7月17日に運航を再開する。」と述べた。

月曜日にMMDAは、Storm Signal No. 1(=暴風雨標識第1号)がMetro Manila(=マニラ首都圏)に宣言され、このフェリー網を運休した。

水曜日、National Capital Region(=首都圏)は、Glendaがルソン島南部を直撃したことから、Storm Signal No. 3(=暴風雨標識第3号)が発令された。Glendaは、西フィリピン海に向けて移動した。

このパシグ・フェリー網には、マカティ市のグアダルペ、、パシグ市のPinagbuhatan、マニラのEscolta、PUP Sta. Mesa、プラザ・メキシコ、Sta. Anaの6つのターミナルがある。午前6時から午後6時まで毎日運航し、運賃は30ペソから50ペソ。(GMA News: July 16, 2014 3:56pm)

ハワイへのクルーズ客減少(米国)

Hawaii Tourism Authority(=ハワイ州旅行局)の6月の統計によると、ハワイへのクルーズ客が今年、26%減少し、5月にビッグ・アイランド(注、ハワイ島)を訪れた観光客は、 総じて減少したという。

しかしビッグ・アイランドにやって来た観光客は、より長く滞在し、その結果、5月のビッグ・アイランドの観光客の消費額は、全体で 1.3%上昇したという。

クルーズ船では、州全体で74,291人の観光客が今年の最初の5ヶ月間に到着し、2013年度の最初の5ヶ月間に99,843人の観 光客があったのと比較すると、5月の当州へのクルーズ船客は、25.6%の減少となっている。2014年の最初の5ヶ月間にハワイを訪問 したクルーズ船は、9隻少なくなっている、とHTA(=ハワイ州旅行局)は報告している。

しかし5月だけに限ると、2013年の5月と比較して、クルーズ船隻数は2隻から4隻に増えており、今年の乗客は5.2%増加してい る、とHTAは話した。(Big Island Now: Posted on July 17, 2014)

USS Blue Ridge、相互関係の持続性強化のため小樽を訪問(日本・米国)

日本、小樽発。U.S. 7th Fleet(=合衆国第7艦隊)の旗艦USS Blue Ridge (LCC 19)が、太平洋地域に対する安全保障、安定性、平和、繁栄を継続的に生み出している強固な相互関係を確立すべく、7月18日に小樽に到着した。

Blue Ridgeの乗組員は、乗り組んだ7th Fleet staff(=第7艦隊職員)、Helicopter Sea Combat Squadron (HSC) 12(=ヘリコプター海上戦闘戦隊 12)、Fleet Antiterrorism Security Team PacificのMarines(=海兵隊員)らと共に、貴賓を艦内案内でもてなし、Otaru Aquarium(=おたる水族館)、Museum of Venetian Art(=ヴェネチア美術館)、そして隣町の札幌での航空ショーを含む小樽周辺を見物することになる。

「これは我々Sailors(=海軍軍人)にとり、前方へ配備されている国の異なる地域に出向いて見ることのできる最高の機会です。」 とBlue Ridge chaplain(=従軍牧師)のLt. Anthony Stallings大尉は語った。「多くの人が全ての場所に出向くだけではなく、こうした機会は船員にとっては本当に最高のものです。私はいつも、新しい港に入る時はいつ でも、彼らがどれだけワクワクしているかという話をしているのを聞いています。」

多くの海軍軍人にとって、今回の訪問のハイライトは、札幌での航空ショー(注、航空ページェント)だ。これはHSC 12のMH-60S “Seahawk”というヘリコプターの展示の他、日本と合衆国両軍の航空機を展示するものとなる。

「航空ショーに行ってから、かなりの年月が経っています。」とInformation Systems Technician 2nd Class(=2等情報システム技官)のKrishana Mathisは話した。「私は空の上で複雑な編隊飛行や技を行う色々なタイプのジェット機やヘリコプターを見るのが好きなんですよ。」

Blue Ridgeは以前、2008年2月に小樽を訪問している。Blue Ridgeは34年間、日本の横須賀に配備されていた。Commander, U.S. 7th Fleet, Vice Adm.(=第7艦隊司令官、副長官)のRobert L. Thomasの旗艦として、Blue Ridgeは7th Fleet(=第7艦隊)の作戦地域において、相互関係を維持するために不可欠なものとなっている。(DVIDS: 07.18.2014 00:35)

ワイト島のフェリーの甲板が崩壊し、4人入院(英国)

カー・フェリーの上甲板が崩壊し、4人が入院した。

Wightlink FerriesのSt Helenというカー・フェリーが、ポーツマスからワイト島に到着後、機能不全となった。

乗客3人と船員1人の4人が影響を受け、ニューポートのSt Mary’s Hospital(注、病院)で治療を受けたが、命には別状のない怪我だった。

事故は、Fishbourne Terminal(=フィッシュボーン・ターミナル)のフェリーで午後9時30分に発生した。乗客181人と船員11人を乗せていた。

Wightlink Ferriesの広報担当者であるKaren Woodsは、この中二階の甲板は「1フィートばかり下に落ちて、下の甲板と繋がった」と話した。

Wightlink Ferriesでは、徹底した調査を実施中であると述べている。一方、このフェリー自体は定期検査を受けており、つい5月に工学的検査を行ったばかりだという。

事故は、Marine Accident Investigation Branch(=海難事故調査部門)に報告された。(Metro: Saturday 19 Jul 2014 7:04 pm)

台湾人がクルーズ船から姿を消す:沿岸警備隊(台湾)

台湾、台北発。木曜日に台湾に戻ってきたクルーズ船での日本への旅行中に、女性客1人が行方不明になった、とCoast Guard(=沿岸警備隊)が昨日、語った。

名字がHsiehというこの女性(53)は、基隆(=キールン)港でCosta Victoriaから下船するものと思われていたが、下船しなかった、と沿岸警備隊は話し、更に船室に所持品が残されていたと付け加えた。

沿岸警備隊は、自殺か事故の場合があり得るが、女性が失踪した可能性も排除できないと述べた。

女性は、7月12日に日本に向けて基隆を出発した団体旅行客と一緒だった。沿岸警備隊によると、船は木曜日の晩に戻って来たという。

電子キーの記録では、水曜日の晩に船室に最後に入ったことになっている。船員がなぜ女性が下船しなかったのか調べに行くと、船室の扉は 施錠されていた。

Hsiehは台湾系アメリカ人で、最後は台北(=タイペイ)の賃貸アパートに住んでいたことが判っている。この旅行の前日に、アパート の賃貸借を終了していた。(China Post: July 19, 2014, 12:03 am TWN)

大手クルーズ客船会社はフィリピンを注視(フィリピン・米国)

フィリピン、マニラ発。世界の指導的なクルーズ会社の3社であるCarnival Corp、Royal Caribbean International、そしてNorwegian Cruise Linesは、クルーズ船の目的地としてフィリピンを開発することを手助けすることに興味があると表明した、とコロンビア特別区ワシントンにあるPhilippine Embassy(=フィリピン大使館)は最近、語った。

声明において、Philippine Ambassador to the United States(=駐米フィリピン大使)のJose L. Cuisia Jr.は、この3社の幹部が、どうやったらフィリピンが顧客に独特の心に残る体験を提供できるクルーズの旅行先になることができるかに関し、意見を提供してくれたと述べ た。

「このクルーズ巨大企業は、社会基盤が必要だと論じる一方で、旅行先として開発するためにフィリピンと協働することに前向きだった。」 と近時、経済外交派遣団が合衆国のフロリダ州に行き、そこでクルーズ幹部らと面談した後、Cuisiaは語った。

この会合において、Cuisiaはクルーズ客船会社幹部に対し、フィリピンの注目すべき旅行先としての可能性を力説する機会を得た。と りわけイロコススル州のビガン市であり、ここは現在、Seven New Wonders of the World(=新世界の七不思議)の1つになろうと争っているところだ。

フィリピン北部にある格好の観光目的地であるビガンは、「the best-preserved example of a planned Spanish colonial town in Asia(=アジアで計画されたスペイン植民地町の最も保存状態の良い例)」であると描写されてきた。そしてUnited Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(=国際連合教育・科学・文化機関)により宣言された遺産リストにあるフィリピン唯一の都市だ。

同時に、このクルーズ業界の指導者である3社は、既に合計61,700人のフィリピン人船員を雇用しており、拡大計画を支えるために、 更にクルーズ船を獲得することから、フィリピンから更に海員を雇用する計画を公表している。

「フィリピン人船員を激賞しています。サービスはフィリピン人の遺伝子の中にあると我々に話しました。」とCuisiaは語った。 「Carnivalの幹部でさえ、もし素晴らしいフィリピン人船員がいなかったら、会社はこうはならないだろうと論評したのです。」

Carnival Corp.は、フィリピン人を最も雇用しており、37,700人の船員を雇っている。これに16,000人の Royal Caribbean、8,000人のNorwegian Cruise Linesが続いている。(eTurboNews: Jul 21, 2014)

Tallinkはクルーズ・フェリーをオーストラリアに傭船、職員の解雇があるかも(エストニア)

エストニアに上場されているフェリー・グループのTallinkとBridgemans Services Ltd.は、Tallinkのクルーズ・フェリーのSilja Europaをオーストラリアに宿泊船として2014年8月から傭船する傭船契約に合意した。

傭船期間は少なくとも14ヶ月で、48ヶ月まで延長する選択権がついている。

Tallinkにとっては、この契約により、タリン―ストックホルム航路で運航しているM/S Baltic Queenが、2014年8月7日にタリン―ヘルシンキ航路に変更になり、リガ―ストックホルム航路で運航しているM/S Romantikaが、タリン―ヘルシンキ航路に変更になることになる。M/S Isabelleは、リガ―ストックホルム航路での運航を継続する。

Tallinkでは、Silja Europaの傭船と航路の変更により、従業員数を減らす必要性が出てくると話している。従業員組合(注、複数)との個別交渉が始まっている。

上記取引は、同グループの経営効率と収益性を改善させることとなる。2009年建造のBaltic Queenと比較すると、特に2015年の新たな硫黄規制と関連させて考えると、それよりも古いSilja Europaは、運航費用がかかる船だ。(Baltic Business News: 21.07.2014, 12:38)

フェリーSewolの船主、Yoo Byung-eunが死亡しているのが発見(韓国)

4月に沈没して300人以上が死亡したフェリーSewolを所有していた不可解な億万長者、Yoo Byung-eun(72)が死んだ。

清海鎮(=チョンヘジン)海運の背後にいる一族の家長で、Evangelical Baptist Church of Korea(=韓国基督教福音浸礼会)の指導的構成員であるYooは、珍島(=ジンド)付近で船が沈没して間もなくして行方をくらましていた。大規模な追跡で見つけ出すこ とはできなかった。

警察は火曜日の記者会見で、先月、全羅南道(=チョルラナムド)の順天(=スンチョン)の畑で見つかった遺体の遺伝物質はYooの DNA(=デオキシリボ核酸)分析結果と「precisely matched(=正確に一致し)」、逮捕された兄のYoo Byeong-il(75)のDNAと同類であると述べた。

指紋がこの逃亡中の実業家のそれであることから、遺体を更に裏付けることとなった。

遺体は6月12日に発見されたとき、既に腐敗が進んでおり、頭蓋骨が現れ始めていたと警察は話した。遺体の発見場所は、Yooの別荘か ら歩いて約10分のところだった。

「遺体はParkという男性が所有する、順天市(=スンチョンシ)西面(=ソミョン)、鶴口里(=ハククリ)のプラム果樹園(注、梅 畑)内で発見され、Parkが警察に通報した。」と順天警察署署長Wu Hyun-hoは話した。

「遺体はかなり腐敗しており、この人物の身元を明らかにすることは不可能だった。そのためGwangju Forensic ServiceにDNA分析を依頼した。」

「月曜日の晩に、遺体のDNA分析結果が、警察と検察による捜査で得られた遺伝物質により判明したYooのDNA分析結果と一致すると いう口頭による確認を受けた。」

Yooがどのようにして死亡したのかは判っていない、とWuは話した。

Yooの会社の1社が販売したスクアレン1瓶、ソージュ(蒸留酒)2瓶、マッコリ(農民の葡萄酒)1瓶、バッグ1つ、拡大鏡1つ、着替 えのシャツが、Yooの遺体の近くで見つかった、と警察は話した。

Yooは、イタリア製の高級外套と靴を身に着けていた。(The Korea Times: 2014-07-22 01:17)

アメリカ人は近頃、Carnival Cruise Linesをそれほど嫌わず(米国)

悪名高き「Poop Cruise(=ヘロヘロ・クルーズ)」から17ヶ月経って、アメリカ人は再びCarnivalに戻り始めている。

YouGovのBrandIndexの格付けによると、昨年の数多くの災難を経て、この巨大クルーズ客船会社のブランドは回復しつつあ る。Carnivalのブランドに対する感じ方(注、ブランド・イメージ)は、2014年上期において、Bank of Americaよりも2倍以上も改善した。Bank of Americaは、2番目に最高に改善したブランドだった。

このYouGovの調査では、大人に「もし過去2週間において、このブランド(注、商標)のことについて広告、ニュース、口コミで何か 聞いたことがあるのならば、それは肯定的だったか否定的だったか。」と質問した。その回答を、消費者知覚全体を測定する「Buzz Score(注、「ブザー点数」の意)」で計算した。改善されはしたものの、CarnivalとBank of Americaの双方のブランドは、全体的には否定的な格付けだった。

Carnivalは、多数の深刻な出来事から立ち直らなければならなかった。便所が使えなくなって船が5日間に亘って漂うという悪名高 き2013年2月のクルーズからちょうど数週間で、他の2隻のCarnivalの船で、連日、非常用発電機が故障し、推進力に問題を抱え たのだった。Carnival Corporationは、Carnival Cruise Linesを保有し、Costa Cruisesも保有しているが、このイタリアのクルーズ客船会社のConcordiaというクルーズ船は、2012年に転覆して32人が死亡した(正に今日、その沈没し た岩礁から引揚げられたところだ。)。Carnivalの受け止められ方(注、イメージ)は、ここの職員の賃金と退職手当を巡る論争でも 打撃を受けていた。しかし災難のないそこそこの時期が続いて、そのブランドは回復してきた。

またCarnivalが最も改善したリストの1位を占める一方で、Amazon(注、ネット通販大手)は僅かにSubway(注、サン ドイッチ店)やYouTube(注、ネット上で動画を配信しているサイト)を打ち破り、YouGovの調査で最高の総合「buzz score」を獲得した。

新たなトップ10は、Netflix(注、オンライン動画配信サイト)。ここは昨日、四半期収支報告書において、ストリーミング(注、 音声や画像をリアルタイムで再生できる機能)購読者が5000万人を超えたと発表した。(Quartz: July 22, 2014)

上院委員会、クルーズ船客の安全性に関する証言を聴聞(米国)

ワシントンDC発。クルーズ船の乗客の安全性に関する懸念は、Capitol Hill(=連邦議会)で行われた公聴会での中心的な話題となった。

Senate Committee on Commerce, Science and Transportation(=上院商務・科学・運輸委員会)は、数人のクルーズ船客を証言させるために召喚した。この中には、昨年、Carnival Triumphであった火災の後、何日間も立ち往生した乗客の1人が含まれていた。

Committee chairman(=委員長)のJay Rockefellerは、昨年導入されたCruise Passenger Protection Act(=クルーズ乗客保護法)を推進してきている。

この立法目的は、情報を公に入手し易くすることや、消費者苦情のホットライン(注、直通電話)の開設、その他によって、クルーズ船にお ける犯罪、その他の深刻な事件についての注意を喚起することにある。(Live 5 News: Jul 24, 2014 10:41 AM)

Concordia曳航更新:順調な航海(イタリア)

Costa Concordiaの残骸撤去チームは、航海を始めて22時間後の今朝午前10時30分に、護送部隊がジリオ島の沖50マイル、Genoa Pra-Voltri(注、ジェノバ)から約140マイルにいると報告した。この更新時においては、巡航速力は約2ノットだった。

天候及び海象は良好で、海は穏やか。北北東から6~7ノットの風が吹いていると報告した。

最初の環境試料標本採取が、昨夜、所定の計画通り船尾と船首区画で行われた。

今朝、技術者らが船体の周囲で検査を行い、スポンソン(注、浮き)とこの難破船との連結に異常がないことが判った。 (MarineLink.com: Thursday, July 24, 2014, 11:09 AM)

死亡した沈没フェリーの船主の息子が捜索後拘束(韓国)

7月25日、ソウル/仁川(=インチョン)発。金曜日、警察は、死亡した沈没フェリーSewolの船主の長男を、父親と共謀して着服そ の他の犯罪を実行した容疑で拘束した。

Yoo Byung-eunの息子のYoo Dae-kyun(44)は、ソウルの南30キロメートル余にある龍仁(=ヨンイン)で早朝に逮捕され、3ヶ月に及んだ捜索が終結した。(Yonhap News: 2014/07/25 22:26)

デンマークのフェリー会社、ノルウェー航路の警備増強(デンマーク・ノルウェー)

シリアの過激派グループが月曜日にノルウェーに対してテロリスト攻撃を実行する計画を立てているかもしれないことから、警察は空港、鉄 道駅、国境に武装警備員を配置している。

Stena Lineは、ノルウェーのオスロとユトランド半島のフレデリクスハウンの間の航路でフェリーを運航しているが、乗船客の全員に対する旅券あるいは運転免許証の保安検査を強 化すると発表した。ヒルトシャルスから運航しているFjord Lineも、ノルウェーの港湾での手荷物検査を増強する決定を行った。

DFDS seawaysは、コペンハーゲンからオスロにフェリーを運航しているが、デンマーク当局もノルウェー当局も、非常保安手段を取るよう要求はしていない。

DFDS Seawaysのhead of communications(=広報部長)のGert Jakobsenは、BTに対し、一般的に警備はかなり強化されていると話した。

「弊社では、2004年に導入したフェリーや港湾における恒久的なテロ保安システムを保有しております。これは、全ての乗客が管理下に 置かれるというものです。身元を証明することなしに弊社船に乗船することはできません。」

船員に対しては、追加の警戒態勢に就き、如何なる不審な行動についても報告するよう話していると付け加えた。(The Copenhagen Post: July 25, 2014 16:15)

P&O Ferries、横断中に犬が死亡したのを受け、方針見直しへ(英国)

P&O Ferriesは横断中に犬が死亡したのを受けて、動物に関する方針を見直す。

このフェリー会社の規則では、乗客はペットと一緒に自分の乗用車の中にいてはいけないが、車両からペットを持ち出すこともできないもの としている。

The Telegraph紙は、息子と3匹の犬と共に、カレーからドーバーに旅行したKirsty WallaceとDeane Wallaceが、4時間半の横断を経て自分の乗用車に戻ってみると、ペットのパグ(注、中国原産の小型犬)のMerlinが気絶しているのを発見したと報じた。犬を蘇生 させるこの一家の試みは、失敗に終わった。

今や10,000人近い人々が、犬を船の甲板に持ち込むことを認めることを求める嘆願書に署名した。

P&O Ferriesでは、この家族が駐車した区画は換気されていたと話したが、方針を見直すと語った。(後略)(Travel Weekly UK: 25 July 2014 at 11.18 GMT)

ケニア警察、フェリー攻撃計画の疑いの2人の男性を殺害(ケニア)

ケニア、モンバサ発。金曜日、ケニア警察は、モンバサという港湾都市のフェリーを攻撃する計画をしていたとの疑いのある武装した男性2 人を、警察が近づいたところそのうちの1人が手榴弾を投げようとしたので射殺したと述べた。

モンバサと沿岸地方は、ここ数ヶ月間の一連の攻撃で多くの人々が殺害されてきた。最悪の発砲事件は北部沿岸で起きていたが、モンバサは 数回の爆弾攻撃を受けていた。

ソマリアのal Shabaabというイスラム団体は、多くの攻撃をしたと主張しているが、政府は地元政治網に対する北部沿岸での襲撃の幾つかを非難しており、多くのケニア人は誰に責任が あるのか混乱したままであり、警備の失態に対して怒りの声を上げている。

警察では、金曜日の晩に殺害した2人は、モンバサと南部沿岸の間にある海峡を定期運航している混雑しているフェリーのLikoniを攻 撃する計画を立てていたのではないかと考えている。

警察が近づいたとき、男性らは最も混雑する時間である午後6時(米国東部夏時間午前11時)頃、フェリーの方に向っていた公共のミニバ ス(注、マイクロバス)に乗車していた。

「警察に追い詰められているのに気付くと、1人は手榴弾を取り出して爆発させようとしたのですが、そうする前に射殺されました。もう1 人は小銃を持っており、同様に殺害されました。」とMombasa County Commissioner(=モンバサ郡政委員)のNelson Marwaは話した。

「当方では、フェリーの乗客を攻撃する計画を立てていたのかもしれないと考えています。」と現場でジャーナリストに語った。

Likoniというフェリーは、仕事に向う何千人もの乗客を、毎日、南部海岸の自宅からモンバサまで輸送している。また空港から人気の 南部の浜辺にあるホテルに行きかう観光客の主要なルートともなっている。

数カ国の西欧諸国は、市民に対し、モンバサを含むケニアの何ヵ所かの地域に旅行することに警告を発している。この勧告がある中での攻撃 で、かっては活力のあった沿岸部の観光産業が直撃を受けている。

「今日、このフェリーで惨事が起きるところでした。警察はこの容疑者に気が付いていませんでしたが、素早く行動し、多くの命を救いまし た。」とフェリーの警備員のEmmanuel KimotoはReuters(=ロイター通信)に語った。(Reuters: Fri Jul 25, 2014 2:41pm EDT)

クルーズ定期船の残骸、Costa Concordiaが最後の航海を終える(イタリア)

イタリア、ジェノバ発。難破したクルーズ定期船、Costa Concordiaは、最後の旅を終えて、日曜日、ジェノバに到着した。ここで解体されることとなる。

曳船に曳航されて、風に突き押され、本船はイタリア北西の都市にある港にゆっくりと入った。Concordiaは2012年1月13日 に、トスカーナ州沿岸沖のジリオ島に船長が接近し過ぎたために岩礁に衝突し、転覆して32人が死亡した。

2013年9月に、壮大な作業によって船は直立した。水曜日、この残骸を曳航する曳船が船主のCosta Crociere Spaの本店があるジェノバへの5日間の旅をゆっくりと始めた。この港は2005年に竣工後、この豪華船が最初に船出したところだった。(中略)

取り壊しと解体には、2年かかるものと見られている。

しかしまずは、この難破船ではインド人給仕の遺骨の捜索が行われることになっている。いるかの住まいとなっている、海の綺麗な釣りと観 光の島であるジリオ島の港外で横倒しになった船の中を泳ぎ回った潜水夫による、繰り返された捜索にもかかわらず、見つからなかった唯一の 遺体となっている。捜索活動中に潜水夫1人が亡くなっている。

船長のFrancesco Schettinoは、過失致死罪、難破させ、多くの乗客と船員がまだ乗っていた船を遺棄した容疑で訴追されている。多くの人々が、Concordiaが傾き始めてから、 凍てつく海に飛び込んだ。大混乱の遅延した避難において、救命艇はもはや使えなかった。(Fox News: Published July 27, 2014)

世界を変えることに完全に失敗した船(米国)

50年前、世界最初の原子力駆動の貨客船が、世界に原子力時代を受け容れさせることを促すべく、合衆国からヨーロッパに航海して広報宣 伝旅行を行った。しかし、そのようには全くならなかった。

流線型の、赤と白で塗装され、内装は当時超現代的なものだったクローム・メッキで装飾されたNS Savannahは、他の貨物船とは全く違っていた。

旅客用の設備を有していた。この600フィート、12,000トンの船は、映画館、ベランダの酒場、プールを自慢としていた。船室には カーテンがなかった。代わりにまぶしさを遮る「polarised(=偏光)」窓が、客室の側面に並んでいた。

本船は、合衆国大統領の想像力から直接に生まれた数少ないものの1つだった。1953年、Dwight Eisenhower(=ドワイト・アイゼンハワー)は、核による大惨事に対する懸念増大と、原子力の民間利用の可能性についての楽観主義との均衡を図ることを試みて、有 名なAtoms for Peace(=原子力の平和利用)演説を行った。そして大統領は原子力船を欲したのだった。民間のものである。

NS Savannahは、5000万ドルの費用がかかったが、55年前の今週、進水した。本船は世界最初の原子力駆動の商船で、将来の燃料の安全性と信頼性の象徴としての、一 種の大使になるものとされていた。

Stan Wheatleyは、本船で働くことに興奮した者の1人だった。Savannahが建造中は造船所にいて、処女航海ではchief engineer(=機関長)を務めていた。

「この原子力システムは、疑いもなくプロトタイプ(注、原型)だったのです。全員、みっちり訓練を受けました。」

誰もが、本船は原子力の美しい広告になるはずだと思っていた。

「最高に格好の良い船で、今でもかなり魅力的な船です。」と現在、メリーランド州ボルチモア港にいるこの退役船の保存と保護をしている Savannah Associationの会員になっているWheatleyは語った。

1964年9月、Savannahはヨーロッパ旅行に出発し、ロッテルダム、ブレーメン、ハンブルク、ダブリン、サウサンプトンに寄港 した。群集は波止場に並んで、何千もの多くの人、政府幹部、そして実業家が、設備を視察するために乗船した。

「広報活動の最高傑作品でした。」とNS Savannah AssociationのWill Davisは話す。「どこにも行って、前もって写真が送られ、関心を生んでいたのです。」

「狙いとするところは、他国民に本船を見せて体験させて、原子力は脅威ではなく、役に立つものであることを知らしめることにありまし た。」

この興奮にも関らず、Savannahはこの外交使節の任務に失敗したのだった。

1年後、この使節航海は終了したが、Savannahは原子力駆動船が未来であると世界を説得することに失敗した。

原子力商船は、他にたった3隻が建造されただけだった。ドイツの鉱石運搬船Otto Hahn、日本の貨物船Mutsu(=むつ)、ソ連の砕氷コンテナ船Sevmorput。Savannahのように、これらの船はもはや運航していない。

原子力船

NS Savannah AssociationのWill Davisによると、他国は原子力船の開発を検討したという。

「日本は原子力ばら積み貨物船の研究を発表し、そしてもちろん、西ドイツはOtto Hahnを鉱石運搬船として建造しました。ところが英国とフランスは別々の機会に原子力駆動遠洋定期船の建造計画を発表しました。」

1963年12月2日付けの英国の計画向けの基本設計は、上に掲載した通り(注、画像省略)。

商業海運業と違い、軍は原子力を喜んで受け容れた。長年の間におよそ700隻の原子力駆動の艦船が就航してきた。このうち200隻が現 役で、大半が、軍艦か潜水艦。ロシアの砕氷専用船は、唯一の民間船の例だ。

で、どうして原子力駆動商船は業界の標準とならなかったのか?

原子力は、途方もない対立論争により止めになることは決してなかった。船の話をすると、環境保護の潜在的危険が明らかなのだ。

原子力船の開拓者らは、問題に見舞われた。1974年の処女航海において、Mutsu(=むつ)は、日本の沖500マイル(800キロ メートル)で、放射性物質を漏らし始めたのだった。漁師や住民による長期に亘る抗議があったにも関らず、修理のために大湊港に戻ることが 許された。世界的な注目の波の中、原子炉遮蔽体の欠陥が原因であるとされた。

Savannahも、同様の問題を経験した。直ぐに超過した大量の放射性廃棄物を貯蔵することとなったのだった。最初の年が過ぎたばか りで、115,000ガロンの低レベル廃棄物が海に放出されたのだった。貯蔵空間は、その後増設されたが、少量の廃棄物は放出され続け た。

環境破壊の不安が、常に原子力船に不利に働いた。「浮かぶことのできるものは沈むこともできるのであり、石油漏出から判ったように、そ れは、もしもではなく、何時起きるかの問題なのです。そしてそれが起きてしまうと、環境の激変となり得るものなのです。」と Nuclear Consulting Groupの創立者で、University College London's Energy Institute(=ロンドン総合大学学部エネルギー機関)のsenior researcher(=主任研究員)であるPaul Dorfman博士は話している。

費用も、もう1つの否定的側面だった。原子炉を積んだ船は、常に、より費用がかかるものとなっている。合衆国のNimitz級航空母艦 は全て原子力駆動であるが、英国の新しいQueen Elizabethという超大型空母は、費用の問題から、ディーゼル機関の他、ケロシン(=灯油)を燃料にするガス・タービンを連結したものを使う。

原子力の費用の懸念は、疑う余地がない。原子炉の費用は、ディーゼル機関を建造するよりずっとかかるものだ。それに加えて、保守と不要 になった原子炉の最終的な廃棄には、予測不能の費用がかかる。

更なる原子力の夢

原子力自動車:第二次世界大戦後、どこも生産はし なかったものの、多くの試作車が提案された。最も有名なのは、1958年のFord Nucleonで、いつの日か可能になるとの見込みの下、エンジンの中にある小型原子炉を使って走行するものとされた。

原子力飛行機:冷戦時代、合衆国とソビエト連邦 は、爆弾を搭載して長時間空中に留まることのできる原子力飛行機の建造の可能性を調査した。この考えは、大陸間弾道ミサイルの出現に取っ て代わられた。

原子力鉄道:ソ連は長年に亘って原子力駆動機関車 の考えに興味を示していると報じられてきた。1956年、ソビエト連邦の運輸省は、そうした鉄道はシベリアの僻地で使用可能であることを 示唆した。2011年、別の計画が進められてきたと言われた。

長所もある。原子力駆動船の当初の価格は相当に高いものとなっていたが、商用ウランは従来の燃料より安いものとなっており、原子力船の 燃料費はすっと安い、とCity University, London(=ロンドン市立大学)のprofessor of marine engineering(=船舶工学教授)のJohn Carltonは話している。

原子力駆動船は燃料補給なくして何年も動くことが可能で、遠距離を網羅できる。Savannahは追加の燃料なくして、20ノットで地 球を14周することが可能だった。

しかし莫大な数の実務上の障害にも関らず、非現実的な考え方をする人たちは、気候変動の懸念と石油価格が継続的に上昇している時代にお いて、この概念の議論を再び始めている。原子力駆動船は、二酸化炭素や温室効果ガスを排出しない。Wheatleyは、かなり魅力的なも のになっていると話している。

「いずれは始まります。原子力復活の可能性は道理に適ったものです。原子力駆動船には未来があります。時間の問題に過ぎません。」

しかし、いくつかの挑戦に出くわすこととなる。

核廃棄物を受け容れて、ウランを船に燃料補給できる施設のある港湾を建築する必要が出てくる。

更に、事故が発生した際には、いつ解決できるのかを説明する責任と、酷く複雑な保険の問題がある、とDorfmanは話す。

原子力船の接岸受け入れを拒否する国もある。「何事も起きる前に、重要な規制合意に署名をしておく必要があるのです。」と Dorfmanは語る。

更に大半の場合、洋上原子炉についての生理的レベルでの疑念に出くわすに違いない。広報宣伝航海は、1度や2度以上必要になるのかもし れない。(BBC News Magazine: 25 July 2014 Last updated at 08:26)

クルーズ船1隻=乗用車10,000台(アイスランド)

レイキャビク港のクルーズ船1隻は、港湾当局側に必要な設備がないこともあって、乗用車10,000台もの汚染を放出している。

Visir紙は、今年これまでに、100,000人以上の乗客を乗せた90隻のクルーズ船がアイスランドにやって来たと報じた。クルー ズ船隻数は来年、100隻に増加するものと見られている。

クルーズ船1隻が港に接岸する際、その発電機は運転したままとなっている。1隻のクルーズ船は、24時間に10,000台の乗用車から 出る汚染に相当する油を燃焼させている。入手できる一般的な解決策はあるものの、アイスランドの港湾当局者はそれを保有していない。

世界中の多くの主要港湾では、船舶に大きな電力ケーブルを接続して、油を燃焼させずに、港湾地域を汚染させることなく電力を供給するこ とを可能にしている。レイキャビクには、そうした電力設備は費用がかかるために無い、と報道していた。

「旧港にはトロール漁船用や小型船用の類似の設備はあります。」とPort Director(=港務監督)のGisli Gislasonは記者に語った。「これらのクルーズ船がいる地域に(電力を)接続する事業は、途方も無く金がかかるのです。」

Gisliは、これらクルーズ船の多くが、自前の「greener(=より環境に優しく)」、汚染を少なくする手段を持っていることを 指摘した。それ以上には、これといった解決策がないようなのだ。

「こうしたクルーズ船が接岸している時間は、比較的短いものです。」とGisliは語った。「こうした巨大な船のチームが(電力のため に)陸上の電線を使って動かし続けることは、現時点においては実現可能性のないことなのです。」(Reykjavik Grapevine: Published July 28, 2014)

Columbusからクルーズ船までの7つのローグ・ウェーブ災害

2007年、US National Oceanic and Atmospheric Administration(=合衆国海洋大気庁)のPaul Liuは、恐らくはrogue waves(=ローグ・ウェーブ、「凶暴な波」という意の巨大波)に関連すると思われる50件以上の歴史的な出来事の一覧表を編集した。以下は、最も深刻だったもののの幾 つかだ。

1498年、Columbusは、南北アメリカ大陸への3度目の探検中、トリニダード近くの海峡を通過中の夜、巨大な波が自船をいかに 持ち上げたかについて物語った。恐らくColumbusの言葉からは、今日、この海域はBocas del Dragon、つまり「龍の口」と呼ばれているところと思われる。

1853年、イングランドからカナダに500人の移民を乗せていたAnnie Janeという船が襲われた。生きて陸地、すなわちスコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島の島の1つであるVatersayにたどり着いたのは、僅か100人程 だった。

1884年、西アフリカ沖のローグ・ウェーブで、イングランドからオーストラリアに航海していたヨットのMignonetteが沈没し た。ディンギー(注、小型船)で船員4人が脱出した。19日間漂流し、船長は他の3人の生存者の食料とするために10代のキャビン・ボー イ(注、給仕係)を殺した。

1909年、汽船のSS Waratahが、南アフリカ沖で200人以上を乗せて、跡形も無く消えた。この海域は、今ではローグ・ウェーブが高率で発生するところとして知られている。

1943年、2つの巨大な波が、立て続けに北大西洋を横断中のクルーズ定期船Queen Elizabethを襲い、喫水線の上、28メートルにある窓を破った。

1978年、ドイツの商船であるスーパータンカー(注、超大型油槽船)のMS Munchenが、ブレマーハーフェンからジョージア州のサバナに向う途中、嵐の北大西洋で、救命筏と非常用浮標だけを残して消えた。

2001年、2隻のクルーズ船、BremenとCaledonian Starが、数日のうちに相次いで南大西洋で30メートルと見られる波によって船橋の窓が粉々になった。

ローグ・ウェーブについてもっと読むと、「Rogue waves: The real monsters of the deep(=ローグウェーブ:海淵の真の怪物)」で、2006年以来、9隻の近代的な船が破壊されており、ローグ・ウェーブを予測するためにどれだけ我々が戦っているかを 知ることができる。(New Scientist: 21:00 29 July 2014)

Hyundai Heavy Industriesは第2四半期に史上最悪の業績(韓国)

朝鮮(注、韓国)最大の造船業者であるHyundai Heavy Industries(=現代重工業)(HHI)は、第2四半期に1兆ウォン(9億7600万ドル)以上の営業損失という史上最悪の業績を報告した。

昨日、この造船所は、4月から6月までの間に1.1兆ウォンの営業損失を計上したと述べた。同社は、昨年同時期には289億ウォンの営 業利益を計上していた。

第2四半期の売上は12.8兆ウォンであり、1年前よりも2.1パーセント減で、純損失は6166億ウォンだった。

HHIは、この巨額損失はウォン高のためだと話した。(JoongAng Ilbo: July 30, 2014)

豪華クルーズ客船会社、「環境破壊観光」提供で非難される(米国)

合衆国の豪華クルーズ運航事業者が、ジャンボ・ジェット機よりも、1マイル当たり乗客1人当たり3倍以上も二酸化炭素を排出する輸送手 段を使用して、北極の環境を徹底的に破壊する体験ができる「once-in-a-lifetime(=一生に一度の)」旅行を提供すると 発表した。

Northwest Passage(=北西航路)を通過する史上初のレジャー・クルーズであり、現在、北極の氷が解けているが故に接近可能となっているものであり、気候変動の影響を直接目撃 することに関心を持つ者に販売されることになるものだ。

2016年8月16日に予定され、Crystal Cruisesにより企画されるこの旅行の切符は、20,000ドル(12,000ポンド)から44,000ドルの間。

Crystal Cruisesの広告宣伝や、この旅行における船からの二酸化炭素排出量についてのFAQ(=よくある質問)に対する言及は、まだない。

ホッキョクグマを垣間見ることは「no guarantee(=保障できない)」ことを同社は認めているものの、1,070人までの乗客が、アザラシ、セイウチ、ザトウクジラ、ジャコウウシを見物する32日間探 検旅行に連れ出されることとなる。

この航海の大半は、68,000トン、13甲板船であるCrystal Serenityで行われるが、護衛船やヘリコプターも同行する。

Popular Science(注、ポピュラー・サイエンス誌)は、この旅行を「environmental disaster tourism(=環境災害観光旅行)」と記載し、1隻のクルーズ船の乗客当たり、1マイル当たりの二酸化炭素排出量は、Boeing 747が1機飛行する場合の3倍になることを示唆する調査を引用していた。

このクルーズの広告宣伝は、ソーシャル・メディア利用者により「see/help ruin the environment(=環境破壊を目撃・助力する)」「watch the ravages of global warming in person and become a human vulture(=じかに地球温暖化の惨状を見て、人間を強欲にする)」「high-carbon-footprint cruise to watch polar bears drown(=ホッキョクグマが溺死するのを見るための高二酸化炭素排出クルーズ)に参加する」機会を人々に与えるものだと批判された。

World Ocean Observatoryは、次のように書いた。「Is no place safe from our intrusion, waste, and consumption?(=我々の不法侵入、廃棄物、消費から安全な土地はないのか?)」

ウェブサイト上のよくある質問において、Crystal Cruisesは、Northern Passage(=北西航路)を下る同社初の航海という「historic(=歴史上重要な)」性格の他、気候変動を取り巻く環境に対する影響について講義を行うために、 14人の専門家が、このクルーズでお客に同行すると述べていた。

同社幹部のThomas Mazloumは、GCaptainというウェブサイトに、次のように語っている。

「この航海中、講演者は気候変動や、この航路にどれだけの影響を与えたかといったことに関する情報について、お客様を啓発することにな ります。」

「近時の北極の氷の後退により、25年の歴史を有するCrystalが旅行業界においてご案内することとなる、正にその時なのでござい ます。」

そのFAQ(=よくある質問)の「Environmental(=環境)」の見出しの下で、Crystal Cruisesは、本船と護衛船の双方とも、「voluntarily use Marine Gas Oil, a low-sulphur fuel… well in excess of the existing environmental regulations(=自主的にMarine Gas Oilという低硫黄燃料を使用しており…、既存の環境規制を超えるものでございます)」と述べていた。(eco-business.com: Published 30 July 2014)

Princess Cruises、2017年お目見えの新船発注(米国)

Carnival Corp.のPrincess Cruisesは水曜日、2017年に新船を迎えることになったと述べた。

このクルーズ客船会社は、イタリアの船舶製造業者のFincantieriとの間で、乗客3,560人乗りの新船建造の合意に達した。 Miami Heraldによると、費用は約6億ユーロ、つまり8億200万ドルを少し超えた位となる。

Princessは、この船が何と呼ばれるものになるか、あるいは何処を航海することになるかについては、まだ語っていない。この 143,000トンのクルーズ定期船は、昨年、1番船がお目見えしたRoyal Princess級の3番船となる。(South Florida Business Journal: Jul 31, 2014, 7:23am EDT)