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2012年1月

2012年1月の海外旅客船情報

クルーズ船Amadeaは激しいうねりのため寄港中止(英領アングィラ島)

クルーズ船Amadeaの「Old Year's Day(=年の瀬の日)」、つまり2011年の大晦日にSandy Ground Anguilla(注、「砂の多い土壌のアングィラ島」の意)への予定された到着は、この島の観光業の大変な成功となる休暇シーズンの出 来事の1つとして加わる筈だった。

しかし、この期待された訪問は実現はしなかった。観光当局によると、激しいうねりのためだという。今や期待は、1月末の寄港が成功する こ とだ。(Anguilla LNT: 01/01/2012 00:49:00 Etc/GMT+1)

原子力安全委員会は業界から献金を受け取る:報道(日本)

東京発。日本の原子力安全委員会の委員や検査官の3分の1近くが、同国の原子力産業から献金を受け取っていた、とAsahi Shimbun(=朝日新聞)は日曜日に報じた。

この影響力の大きな日刊紙によると、3月11日の地震と津波による大災害で、日本の原子炉の安全性が疑わしいものとなり、政府委員会の 中 立性は疑問のあり得るものとなったという。

この地震・津波災害では、20,000人以上が死亡または行方不明となり、原子力発電所はメルトダウン(注、炉心溶融)した。それ以 来、 放射性物質が環境に漏出している。

この組織の5人の常任委員のうちの2人と、84人の外部の検査官のうちの22人が、2011年3月までの5年間に、原子力発電に関連す る 会社と業界団体から献金を受け取っていた、と朝日は伝えた。献金は、合計で約8500万円に上る、とこの日刊紙は報じた。

そのうち、11人が、この委員会によって検査されている原子炉製造業者や電力会社、核燃料会社から献金を受け取っていた、と朝日は伝え た。委員会には、中立的な立場から国や電力会社を指導する権限が与えられている。

この委員会の委員長、Haruki Madarame(=斑目春樹)は、昨年(注、「一昨年」の誤り)4月に委員長に就任する前のUniversity of Tokyo(=東京大学)の教授だった2006年から2009年までの間に、Mitsubishi Heavy Industries(=三菱重工業)から400万円を受け取っていた、と朝日は報じた。

斑目は、この献金の見返りとして同社に如何なる便宜も一切図っていないと述べた。(Japan Today: JAN. 02, 2012 - 12:13PM JST)

ケニアの船舶事故で8人溺死、20人行方不明(ケニア)

ケニアの観光地、ラム島沖であった時化の海での船舶転覆事故で、少なくとも8人が溺死し、死者は増えることが懸念されている、と警察は 月曜日に話した。

「生存者の捜索を継続しております。日曜日の晩の闇の中で高波を受けて船(注、NV Safina)が転覆し、12人が収容されて病院に搬送されています。」と地方警察署長のAggrey Adoliは語った。

「溺死した8体の遺体を収容しており、今日も万一に備えて捜索を継続しています。」とAFP(=フランス通信)に語り、乗客はラム島か ら 本土まで短距離を旅行中だったと付け加えた。

ケニアのRed Cross(=赤十字)は、乗船していた80人以上の乗客のうち、20人以上が行方不明となっており、「行方不明になった人を求める家族を支援すべく」捜索受付窓口を設置 したと声明文において述べている。

「何とか岸まで泳ぎ着いて、バスに乗って行ったと願いたいですが、この船の正式な乗船名簿はないので、捜索を継続しているのです。」と Adoliは付け加えた。

ラム島では、伝統的な新年のお祝いの一環として、ボート・レース等のお祭りが開かれており、島は観光客で混雑していた。 (Africasia: January 2, 2012)

南クリル諸島は低気圧に襲われる(ロシア)

ロシアの南クリル諸島は、海岸線に9メートルの波を叩き付けている強力な低気圧によって打ちのめされているところだ。

この低気圧は日本からやって来たものだが、Iturup島や北部に連なる一連の人が住んでいない諸島に達しており、風力は秒速20メー ト ルになっている。

サハリン島と本土を隔てているタタール海峡(注、間宮海峡)では、6メートルの波のため、双方を結ぶ定期フェリーの運航の休止を余儀な く されている。(The Voice of Russia: Jan 3, 2012 10:31 Moscow Time)

クルーズ船客29人が冬の嘔吐ばい菌に襲われる(英国)

クリスマス・クルーズの観光客が、伝染力の強い冬の嘔吐ばい菌の攻撃に襲われた。

2009年にノロウイルスで400人が発病したことがあるMarco Poloに乗船していた29人の乗客が、8人の職員と共に船室に隔離され、医療職員の治療を受けた。

この船は738人の観光客と360人の船員を乗せているが、12月20日に出発し、テネリフェへのクルーズを終えて、今朝、ロンドンの チ ルベリー埠頭に戻って来ることになっている。

名前を明らかにすることを望まない乗船客の1人は、この華やいだ旅行は悪夢になったと語った。この女性は次のように話した。

「嘔吐物という印の付いた袋がいたるところにあり、職員はマスクをしていました。」

「まるで映画から出てきた何かみたいです。喫茶店は閉まっていますが、酒場はまだ開店しています。しかし全ての公共便所は閉鎖で、自分 の 船室のを使うように言われています。」

「しかし私達の船室は、どこからも遠いのです。この旅行は完全な災難(注、大失敗)です。」

旅行を催行したCruise & Maritimeは、少数の乗客がノロウイルスで発病したことを確認した。この船は今晩、別のクルーズに出発する前に、今日、消毒し、新たな旅行で乗船する乗客には、何が 起きたのかを話すという。

Cruise & Maritimeのdirector(=取締役)Richard Bastowは、次のように話した。

「弊社では、厳格に健康保護手順に従っており、弊社のお客様と船員は、船内での良好な衛生状態の重要性を完全に知り、留意しておりま す。」

「本船は、定期的にUK Port Health Authorities(=英国港湾衛生局)により検査を受けており、他の全てのクルーズ客船会社と同様に、弊社では関係当局と密接に作業を継続しており、その勧告や指針 に従っております。」

ドイツの旅行業者によって保有されていた2009年7月、約400人の乗客がMarco Poloでノロウイルスため発病し、英国周遊旅行を中止せざるを得なかったことがあった。(Mirror.co.uk: 3/01/2012)

何だか魚臭い(インチキ臭い)ことが起こりつつある……(ノルウェー)

これは必ずや悪臭の原因になるに違いない。20トンの死んだニシンが、ノルウェー西部の海岸に打ち上げられたのだ。

Norwegian Institute of Marine Research(=ノルウェー海洋研究機関)によると、大量の魚が12月末に浜辺で見つかったという。

更に専門家でさえも、ノルドレイサのカバエネスであったこの奇怪な出来事には当惑している。

「ニシンが打ち上げられたのは、以前見たことがありますが、こんなに大量のはないです。」とトロンへイムのNorwegian University of Science and Technology(=ノルウェー科学技術大学)の生物学者、Ole Kristian Bergは語った。

Bergは、潮が魚を浜に打ち上げたのか、捕食動物が魚を追いかけて、海から追い出したのかもしれないと付け加えた。

あるいは、川が大洋に流れ込んでいるこの地域の高水準の淡水の犠牲になったこともあり得る。

ノルドレイサの地元当局は、今や魚の多くが、潮によって海へと流されてしまったと話した。

この異常な出来事は、大晦日に合衆国のある町で、クロウタドリの群れの全てが、突然、死んで落下した日からほんの数日後に起こったもの だ。

またアーカンソー州のビービで鳥の大集団が死亡した騒動があってから、2度目の新年を迎えた日の出来事でもあった。

2012年に世界の終末を見ることになると信じている人にとっては、考えるべき事柄だ。(The Sun: Published: 03 Jan 2012)

英国を嵐が襲い、交通は混乱(英国)

ケント州のドーバー港は、厳しい天候のために閉鎖されていたが、再開された。

2隻のP&O Ferriesの船、Pride of CalaisとPride of Kentは、カレーからのやたらに長い横断航海をして、このケントの港に接岸することができた。

Pride of Kentは、ドーバーに午前10時10分頃、接岸するものとされ、Pride of Calaisは、ドーバーに午前11時20分頃到着するものとなっていた。

ところが港が閉鎖となり、乗客は、両船が午後2時にドーバーに入港できるようになるまで、極端に嫌な天候状態と格闘することを余儀なく さ れたのだった。(Bourne Local: Published on Tuesday 3 January 2012 14:57)

フェリー会社は危機に瀕する(ギリシャ)

少なくとも海運会社の1社が、今後数か月内に破産に直面し得る、とDeputy Minister for Merchant Marine(=商船大臣代理)のAdonis Georgiadisは、水曜日に警告した。

大臣代理は、業界からの幾つかの提案をFinance Ministry(=財務省)に転送しており、ギリシャの債権者は、船内(船室等)サービスの付加価値税率を逓減し、バンやトラックの輸送は23パーセントから6.5パー セントにするよう盛り込んでおり、更に燃料代の支払い保証のために、助成航路契約の50パーセントを取得して、資金難に陥っている沿岸海 運会社に対しHellenic Petroleum(注、「ギリシャ石油」の意)による掛売りを容易にする対策を求めている、と語った。

燃料価格は、在来船の場合で、2009年以来、75パーセント上昇している。(Kathimerini: Wednesday Jan 4, 2012 (23:11))

クルーズ船で十代を強姦した容疑で、2人逮捕(米国)

ポート・エバグレーズ発。ポート・エバグレーズを本拠とするクルーズ船に乗船中、深夜、十代向けダンス・クラブから個室に誘い出され て、2人の乗客に強姦された、とある十代の少女が話した。

十代の少年と若い男は、火曜日、ポート・エバグレーズで逮捕された。2人ともブラジルに住んでいるが、現在、ブロワード郡で拘束されて い る。

この十代の少女と家族は、アイオワ州に居住しているが、クリスマスにフォート・ローダーデールから、Royal CaribbeanのAllure of the Seas(=アルーア・オブ・ザ・シーズ、注、「海の(性的)魅力」の意)に乗船して、10日間クルーズに出発していた。船はセント・トーマス島、サン・マルタン島、セン ト・キッツ、そしてハイチに寄港した。

この十代の少女は当局に対して、昨夜、Fuel(=フューアル、注、「燃料」の意)と呼ばれる十代向けクラブに行き、午前1時45分 頃、 15歳の少年にパーティに招待されたと語った。少女は、彼の個室で友人らに会うものと思ったが、中に入ると別の男がいて、2人は少女が帰 ることを許さなかったと語った。

この15歳の少年は、少女は門限があるので帰ろうとしたと話しているが、2人は少女を強姦した。逮捕文書によると、少女は直ちに船の関 係 者に通報したという。

成人の容疑者、20歳のLuiz Scavoneは、水曜日、初めて出頭した法廷審尋で、淫らかつ猥褻行為を犯したという1個の訴因について告訴され、John "Jay" Hurley判事の面前に立った。Hurley(注、判事)は、Scavoneに10,000ドルの保釈金を課して、ブラジル旅券を放棄するよう命じた。

男性は入国審査が未定のまま、水曜日、Broward County Main Jail(=ブロワード郡拘置本所)で拘束されている。

もう1人の被告人は、相当理由宣誓供述書によると、淫らかつ猥褻暴行の嫌疑で、ブロワード郡のJuvenile Assessment Center(=未成年者能力評価センター)に送られたという。

Royal CaribbeanのGlobal Corporate Communications(=世界企業広報)の支配人、Cynthia Martinezは、船はこの事件を直ちにFBI(=連邦捜査局)とBSO(=ブロワード郡保安官事務所)に通報し、港で捜査のために乗船することを許可したと語った。

「Royal Caribbeanの顧客介護班が、この女性客に対して、医療や相談を含む様々な支援をしました。」とMartinezは書面で述べた。同支配人によると、Royal Caribbeanは「捜査中、法執行当局者への支援を継続する」という。

Arlene Satchellが、この記事に寄与した。(Orlando Sentinel: 8:25 p.m. EST, January 4, 2012)

クルーズ客船会社はTitanicの旅を遡る、よりマシな結果を狙って(英国・米国・カナダ)

平均的なありふれた休暇旅行以上のものを求める観光客の間で、冒険旅行は人気が出てきているが、不運の遠洋定期船、Titanicの 元々意図した航路を辿ることを企画した数本の新しいクルーズは、ちょっとばかり違うものとなるかもしれない。

Titanic Memorial Cruise(=タイタニック追悼クルーズ)は、4月8日にイングランドのサウサンプトンを出発することになっており、この有名な遠洋定期船の航海100周年を記念して、 Titanicの元々の航海を辿る。Fred Olsen Cruise Lineでは、乗客1,309人乗りのBalmoralという船で行く、ミニTitanicクルーズも提供する。4,018ドルで、乗客は洋上で12日間過ごすが、現在で は関心のある旅行者向けのキャンセル待ちのリストで、唯一の部屋が利用できるだけだ。更に乗客694人乗りのAzamara Journeyも、ニューヨークを出発して、ノバ・スコシアに寄港後、4月15日にTitanicの眠る場所を訪れることを予定している。この8泊クルーズの参加費用は、 一人当たり4,900ドルとなる。

もっと冒険をしたい旅行者は、この100周年の間、船をずっと間近に見ることができる。Deep Ocean Expeditionsは、7月からTitanicの難破船に行く4本の旅行をお膳立てしている。しかしTitanicを見ることは、預金口座にタイタニックな(=巨大 な)衝撃を与えることになる。というのは、この旅行は(航空運賃や港からの往復料金を入れないで)一人当たり59,680ドルもするから だ。

この探検の間、参加者はTitanicの沈没現場に向うため、カナダのニューファンドランド州のセント・ジョンズから、12日から13 日 の間、洋上にいることになる。沈没現場に到着するや、小型のMIRという潜水艇に乗り込んで、沈没現場まで8時間から10時間かけて潜る こととなる。12,500フィート潜るには2時間30分かかるが、海底に到着するや、訪問者はこの悪名高いWhite Star Lineの船の残骸の探検に4時間を費やすこととなる。(BusinessNewsDaily: JAN 6 2012 9:03 AM ET)

119人が乗船した亡命希望者の船がクリスマス島の近くで見つかる(オーストラリア)

119人の疑わしい亡命希望者が乗った船が、ウェスタン・オーストラリア州沖で阻止された。

Border Protection(=国境警備隊)の指揮下で運航しているHMAS Maryboroughが、今日、クリスマス島の北、約18.5海里で、この船を阻止した、とAustralian Customs and Border Protection(=オーストラリア税関・国境警備隊)は話した。2人の乗組員も乗船していた。

これは今年3度目のことで、月曜日に51人の乗客と3人の乗組員が捕捉されたことに加えて起きたことだ。

この疑わしい亡命希望者は、警備、身元確認、健康調査のため、クリスマス島に送られた。

現在、本土には、3554人が移民収容所におり、これには2ヶ所の収容センター、1ヶ所の家族収容所、1ヶ所の住民居住施設のあるウェ ス タン・オーストラリア州の1182人が含まれている。

ウェスタン・オーストラリア州の小麦地帯のノーザム収容センターは、3月頃に竣工することになっており、600人まで収容できる。

政府の国境警備体制は、High Court(=高等裁判所)が800人の亡命希望者と4000人のマレーシアからの難民を交換するという計画を潰した8月以来、宙に浮いている。

政府は、マレーシアとの取り決めを復活させる立法にCoalition(=保守連合)が同意したならば、太平洋のナウルという島にある 処 理センターの再開を再検討することを申し入れている。(The Australian: January 07, 2012 12:40PM)

裁判所はSeaFrance救済計画を拒絶(フランス)

裁判所が土壇場で出て来た計画は収益を上げられないと言い、フェリー会社は清算となった。

フランスの裁判所は、フェリー会社のSeaFranceを倒産から救うための最後の試みを拒絶し、同社は清算された。

同社を買収するというSeaFranceの従業員団体からの申出は受け入れられない、と裁判所は判断した。

昨日(1月8日)、Channel Tunnel(=海峡トンネル)を経営している会社であるEuroTunnelは、この労働者の入札を支援すると話した。しかしTribunal de Commerce(=商事裁判所)は、労働組合によって立案されたこの事業計画は、国庫補助金を必要とすることになるものであって、収益は上げられないと判断した。

SeaFranceの主要組合であるCFDT Maritime Nord(=フランス民主労働総連合北部海事)は、フランスのPresident(=大統領)Nicolas Sarkozyが、先週、提案した代替の買収協定の受け入れを拒絶している。

Sarkozyは、SeaFranceの900人近い従業員の雇用を守ることは、大統領としての「duty(=義務)」であると語った が、今日、「noted the decision of the court to liquidate and dissolve this company(=この会社を清算して解散させるという裁判所の決定を知った)」と語った。大統領は、フランス当局者が明日、職員代表と管財人と会談し、この状況を議論す ることになると語った。

10月、European Commission(=ヨーロッパ委員会)は、フランス国鉄のSNCFが1億ユーロ融資するという提案は、国庫補助規則に違反すると裁定している。SNCFは、 SeaFranceを所有している。

SeaFranceのフェリー運航は、11月以来、運休している。同社は1996年以来、競争の激化や密輸疑惑の直撃を受けて、財政難 に なっていた。SeaFranceは、海峡横断フェリーを経営する最後のフランスの会社。(European Voice: 09.01.2012/ 15:23 CET)

大西洋クルーズ船業界は支援を得る(カナダ)

Atlantic Canada Opportunities Agency(=大西洋カナダ機会庁)の大臣は、月曜日、シャーロットタウンで、大西洋地方のクルーズ船旅行市場に対する100万ドル計画を発表した。

Bernard Valcourtは、連邦政府、大西洋の4つの地方政府、業界団体が今後3年間に亘って、この地域を3季節(注、春、夏、秋)、家庭に相応しい、第一のクルーズの目的地と して売り込むため、Atlantic Canada Cruise Association(=大西洋カナダ・クルーズ協会)に114万ドル以上投資すると語った。

「3年間に亘って一緒に売り込むことができるということです。」とACCA(=大西洋カナダ・クルーズ協会)の会長、Betty MacMillanは語った。

「クルーズ業界見本市をすることができます。当地に乗客を呼ぶため、私達の地域に本当に焦点を合わせて、私達の地域を宣伝する共同販売 に おいてクルーズ客船会社と提携することができるのです。」

ACOAの分担金は、350,000ドル。(CBC.ca: Jan 9, 2012 8:24 PM AT)

KPTはバングラデシュから2隻のフェリーを購入(パキスタン・バングラデシュ)

カラチ発。Karachi Port Trust (KPT) は、バングラデシュのWestern Marine Shipyardから2隻の旅客フェリーを、2億バングラデシ・タカで運航用に購入した、と月曜日、声明文において述べた。

「これは、バングラデシュの造船所がパキスタン向けの船舶を初めて建造したものです。」とバングラデシュのMinister for Industries(=産業大臣)Dilip Baruaは、バングラデシュのチッタゴンにあるWestern Marine Shipyardであった船舶引渡式で演説した。

「このフェリーの取引は、SAARC(=南アジア地域協力連合)諸国間における貿易が増加していることの証明になります。」とBaua は、声明文によると述べたという。声明文では、General Manager Operations KPT(=KPT経営総支配人)Rear Admiral(=海軍准将)Azhar Hayatは、バングラデシュのチッタゴンにあるWestern Marine Shipyardであった式典で、地元高官や政府機関の長らと共に、この船を受け取ったという。

Pakistan High Commissioner(=パキスタン高等弁務官)Afrasiab Mehedi Hasmi、Western Marine Shipyard Chairman(=会長) Saiful Islam、Managing Director(=代表取締役)Sakhawat Hossainが、式典に出席した。この長さ30メートル、幅6.18メートルの船は、乗客215人と船員10人を乗せる収容力がある。(The News International: Tuesday, January 10, 2012)

MSC Cruisesの船が座礁(バハマ)

MSC Cruisesによると、この客船会社のMSC Poesiaという船が、土曜日、ダンス音楽テーマ航海の最中、バハマで座礁したという。同社では、事故は、この船がグランド・バハマ島のルカヤ港に向っていた朝6時50 分に発生したと話している。MSC Poesiaは、満潮時の「Holy Ship! Voyage」の第2日目を、タグボートの助けを借りて岩礁を押しのけなければならないこととなった。この航海は、20人以上のDJs(=ディスク・ジョッキー)を呼び物 とする3泊のエレクトロニカ(=電子)祭りだった。

船長らは、MSC Poesiaは、干潮時に14フィートの水深で座礁したと言っている。4隻のタグボートが、船を安定させて、引っ張り出すために配備された。この出来事は、この船は水深 30フィート未満のところに接岸させるべきではなかったと言っている人達によって批判されている。本船には、入港時に船長が水深を知るた めに助けとなる水深測定器がないということが言われていた。

運良く座礁事故は、このクルーズ船の旅程に大きな影響を与えなかった。予定通り乗客は港に到着し、MSC Poesiaは日曜日に到着し、リトル・サン・サルバドルでのビーチ・ダンス・パーティに間に合った。この航海はその後、月曜日の朝にポート・エバグレーズで予定通り終了 した。MSC Cruisesでは、船内の全ての設備とサービスは通常通りで、船と乗客は常に全く安全だったと話している。この船は現在、カリブ海での予定された旅程を継続することと なっている。MSC Cruisesの広報担当者(注、女性)のCheryl Fenskeは報道陣に対して、この暗礁に関する損害報告書を待っているところだと話した。(後略)(Car Rentals: January 10, 2012 12:40 pm)

Tallinkはフィンランドで人員削減を計画(フィンランド・エストニア)

エストニアの海運会社のTallinkは、陸上勤務の50人以上を削減すべく、フィンランドの労働組合との間で話し合いを開始した、と Aripaev.ee/LETAはKauppalehti紙から引用した。

「より効果的に取り組むことの原因となっているものは、将来的に継続して行きそうな電子販売利用の増加です。」とTallink Silja Finlandのdeputy director(=次長)Pasi Nakkiは語った。

人手を介した販売の比率は常に減少して来ていて、人員削減の狙いは、こうした状況に会社の営業活動を合わせて行くことにある、と語っ た。 (The Baltic Course: 10.01.2012.)

寒さ、雪、強風がギリシャを襲う(ギリシャ)

1月11日、ギリシャ、アテネ発。突然の寒波、雪、強風が水曜日、ギリシャの幾つかの地域を襲った、と当局者は語った。

アッテカの北部近郊では雪になり、当局はペンデリ及びパニシア地方のディオニュソスの道路では、スノー・チェーン(注、タイヤ・チェー ン)を使用するよう、運転者に促した。キフィシアなどの他の地域では、霙となった。

海上では強風が吹き、フェリーは、ピレウス港、ラフィナ港、ラブリオ港に引き返すことを余儀なくされ、予定されていた出発便は欠航し た。

Hellenic National Meteorological Service(=ギリシャ国立気象局)では、木曜日には状況は回復するものと見られ、気温は、金曜日までには上がると話した。(UPI.com: Jan. 11, 2012 at 8:38 PM)

朝鮮造船業は世界一の座を奪還(韓国)

国内の造船業は、中国に追い抜かれて3年ほどで、世界市場における首位の座を奪還した。朝鮮(注、韓国)は昨年、世界の船舶受注の半分 を取り込み、受注額において中国を大きく引き離した。

火曜日、市場調査会社のClarksonによると、国内の造船業は、2011年に付加価値換算トン数で合計1355万トンの受注を制し た。これに対して中国は、920万CGTだった。

世界の船舶受注は、2011年は海運市場の不振や流動性(注、船舶金融)問題により30パーセント落ち込んだ。しかし朝鮮は新規発注で 7 パーセント増となり、市場占有率は48.2パーセントにまで増加した。一方、中国の受注量は、同時期においてほぼ半数になっていた。朝鮮 の受注額は481万6000ドルであり、中国の192万ドルの2倍以上。

朝鮮の造船業の復活は、ドリル・シップ、液化天然ガス輸送船、大型コンテナ船などの付加価値の高い船舶への移行によるものだ。(The Chosun Ilbo: Jan. 11, 2012 11:10 KST)

新しいドーバー―カレー間のフェリーの運航が計画(フランス・英国・デンマーク)

月曜日、フランスの裁判所はSeaFranceを清算したが、これは880人分の雇用が失われ、ドーバーでは100人以上の雇用が失わ れたことを意味する。しかし今や、こうした雇用の多くが、DFDS SeawaysとLD Linesが計画している新しいドーバー―カレー間のフェリー運航によって救われ得ることとなった。

フランスの裁判所は先に、この2社によるSeaFrance引き継ぎのための入札を、安過ぎると判断した。このフェリー会社2社は、先 月、新たな入札には労働組合が非協力的であるとして、参加しないと述べた。ところが裁判所がこの病んだフランス所有の運航事業者を清算す ると、2社は、P&O Ferriesの競争相手をフランスで提供することに新たな関心を示したのだ。

DFDS SeawaysとLD Linesは、余剰人員となった300人の労働者を雇うことになるSeaFranceに新たな関心があると話している。声明において、この共同企業体は、フランスの雇用を 維持するものを提供することになる独自の立場にあると述べた。これには、フランス船籍で船舶を展開することも含まれるという。それゆえ、 新たなドーバー―カレー航路を開設する機会を追い求め続けていることを確認している。

2社の意図は、フランス人海員を乗務させた、フランス国旗をなびかせた2隻の船を運航させるというものだ。新しい航路を開設して、魅力 的 なサービスを顧客に提供するために、約300人の労働者を雇用し、直ぐにも募集を開始することができる見込みだという。DFDS Seawaysのpassenger director(=旅客監督)Chris Neweyは、他の場所でも機会があるか検討中だと話している。

一方、Eurotunnelは、今やカレー港で身動きが取れなくなっているSeaFranceが所有していた3隻のフェリーを購入する こ とを申し出ている。意図は、労働者共同組合に船を賃貸するというものだ。

Dover District Council(=ドーバー地方議会)leader Councillor(=評議員長)のPaul Watkinsは、地元の家族に衝撃と影響を与えることとなることから、SeaFranceが東ケント州で127人を解雇することを心配 している。清算により余剰人員と なった住民に、雇用の機会を提供することのできる別のフェリー運航事業者が現れるのを住民らは希望している、と語った。しかし Eurotunnelが将来において入札を行う可能性を除外していないことを、未だに懸念している。というのは、これは海峡横断市場にお ける運賃やサービスに大きな衝撃を与え得るものだからだ。

Dover and Deal MP(=ドーバーの政策国会議員)Charlie Elphickeは、ドーバー―カレー間の別のフェリー航路のニュースは、大ニュースだと考えていると話している。しかしフランス国旗をなびかせて、フランス人労働者に よって運航するのは「it’s a crazy idea(=馬鹿げた考え)」だと思っている。英国には職に就いて一生懸命働くことを熱望し、労働市場において柔軟な人々が大勢いる。こうした労働者を雇い、英国国旗をな びかせたならば、税金も安くなるのであり、ドーバーの経済にとっても素晴らしいものとなるからだ。(Car Rentals: January 11, 2012 11:34 am)

中国のフェリー向けに推進器受注(中国・ドイツ)

MAN Diesel & Turboは、北東中国で運航しているWeihai Haida Ferry Companyが、2軸・中速推進を特徴とする乗客2,200人乗り・レーン長1,100メートルのro-paxフェリー(注、RORO方式の旅客カー・フェリー)を発注 したと話している。

この運航事業者は、北東中国の渤海(=ボーハイ)海峡の両岸にある威海(=ウェイハイ)と大連(=ターリエン)を結ぶ航路を運航してい る。この航路は現在、2隻のro-paxフェリー、すなわちXin Shen ShenとShen Shen 1によって運航されている。新船は船隊内の古い船と代替になり、18ノットの設計速力で、2,200人の乗客を輸送する能力を有する。

この船は、地元のHuanghai(=黄海、ホワンハイ)造船所で建造され、Shen Shen 2と命名される。ドイツのアウクスブルクのMAN Diesel & Turboの製作所で製造された、2基のIMO Tier-II適合の、MAN 9L32/40、4サイクル・エンジンからなる2軸(=双暗車)推進器を呼びものとする。このエンジンは、交流電源で運転するPTOシャフトを使う、2基のRenk単独減 速変速装置と2基の高性能Alpha VBS1020 Mk5型のMAN CPプロペラ(=推進器)を通じて運転されることとなる。Alphatronic 2000推進制御システムは、このパッケージの一環として提供され、MAN Diesel & Turbo Frederikshavnが、この推進器を一括して提供することとなる。この注文には、同社の販売後部門のMAN PrimeServとのエンジン予備部品協定も含まれている。

Weihai Haidaは、MANにとっては新しい顧客となるが、このエンジン設計会社はHuanghaiとは長期にわたる付き合いがある。Huanghaiでは、今日までにMANの 4サイクル推進システムを使って8隻のro-paxフェリーを建造している。この造船所はまた、MAN Diesel & Turboのライセンス生産の2サイクル・エンジン34基も注文している。

MANによると、この新しいフェリーの注文の原動力になったものは、威海と、中国北部、とりわけ大連地域周辺からの観光客数の増加を引 き 出している内陸部との間の地域観光客の増加によるものだという。(The Motorship: 12 Jan 2012)

反核会議がフクシマから学んだ教訓を提供(日本)

東京発。ドイツから来たEuropean Parliament(=欧州議会)の議員、Rebecca Harmsは、日本に到着した時、同国の54基ある原子炉のうち、僅か6基しか稼動していないことから、厳しい電力不足に備えていたが、国中のいたるところで電力が無駄に 使われていることを知って、衝撃を受けた。

この国は、この25年間で世界最悪の核による惨事を体験しているが、保温便座や派手なネオン・サイン、ホテルの入り口にある大型空気加 熱 器の果てまで、「is wasting electricity everywhere(=あらゆるところで電力が無駄に使われている)」と欧州議会におけるGreens(=緑の党)の副党首Harmsは語った。

「It was really astonishing(=本当に驚いたことです)」と東京の南部にある横浜で週末に開かれた反核会議の演説者の1人であるHarmsは語った。

彼女の批判的な所見は、将来のエネルギーと、Fukushima Daiichi Nuclear Power Station(=福島第一原子力発電所)の大惨事後の放射能汚染を含む、様々な問題と取り組むために、この会議の主催者が参加者と共有することを願っているものを代表し ているようだ。

この原発が3月11日にマグニチュード9の地震と津波で被災し、一連の爆発と火災で、大量の放射性物質が環境中に放出された。

この原発はTokyo Electric Power Co(=東京電力)が運転しているが、6基の原子炉のうち、3基がメルトダウン(注、炉心溶融)した。80,000人以上の住民が、この地域から避難することを余儀なくさ れてきた。

横浜で開催されたGlobal Conference for a Nuclear Power Free World(=脱原発世界会議)と題された週末の行事には、日本や海外から大勢の専門家、活動家、立法者(注、議員)が集まり、10,000人以上が入場するものと見られ ている。

この国際会議は、Peace Boat(=ピース・ボート)、Green Action(=グリーン・アクション)、Citizens' Nuclear Information Centre(=原子力資料情報室)、FoE Japan、Greenpeace Japan(=グリーンピース・ジャパン)、そしてInstitute for Sustainable Energy Policies(=環境エネルギー政策研究所)といった、主として日本の非政府組織と調査センターが主宰しているものだ。

会議は、フクシマの大惨事をきっかけに、日本で反核感情が高まっている中で、行われている。

日本の電力会社は、検査や保守のために原子炉を停止させており、大衆の懸念と原子力に対する抵抗の高まりの中で、再稼動させることがで き ないでいる。この大惨事の前は、国内電力の約30パーセントが、原子力発電によるものだった。

主催者は、国境、世代を超えて人々を結集させ、世界中で原子力を段階的に廃止させるきっかけを掴みたがっている。

「Now is the time to start to discuss how to reduce nuclear dependency and promote natural energy for future society(=今こそ、核への依存をどうやって減らし、将来の社会のために自然エネルギーをどうやって推進していくかの議論を始める時です)」と、この会議の議長で Peace Boatの指導者であるTatsuya Yoshioka(=吉岡達也)は、東京での記者会見で語った。

12月中旬、政府は福島で冷温停止が達成されたと宣言した。これは、この大惨事の非常事態局面の終結と、除染と原子炉の廃止(注、廃 炉) の開始を記すものだった。

政府の宣言にも拘わらず、毎日の生活や放射線の健康への影響の不安で、「so many people in Fukushima are still struggling(=福島の非常に多くの人々が、未だに苦闘している)」とYoshioka(=吉岡)は語った。(Monsters and Critics.com: Jan 13, 2012, 5:12 GMT)

霧でマワ―カラカンジ航路のフェリー運航は乱れる(バングラデシュ)

金曜日、マワ―カラカンジ航路のフェリー運航は、濃霧による視界不良のため、6時間に亘って運休した。

3隻のフェリー、すなわちRo-Ro方式のフェリー、Bhasha Shaheed Barkot、Kaberi、そしてRaniganjは、霧のため、数百台の車輌を乗せて川の真ん中で立ち往生している、とマンシガンジの通信員は報告している。

同航路のフェリー運航は午前3時に混乱したが、濃霧が消えたことから、午前9時頃に再開された、とBangladesh Inland Water Transport Corporation(=バングラデシュ内水輸送会社) (BIWTC)のマワ事務所支配人、Sirajul Islamは話した。(Daily Star Online: Friday, January 13, 2012)

クルーズ船がイタリア沖で座礁して「6人死亡」(イタリア)

4000人以上を乗せていたクルーズ船がイタリア沖で座礁し、少なくとも6人が死亡したと報じられている。

Costa Concordiaは金曜日の晩、ジリオ島の近くで砂州に衝突し、約20度傾いた。その後、人々は救命艇に乗ったり、泳いだりして、陸地に辿り着こうとした。

乗船していた最後の50人は、「worsening(=悪化しつつある)」状況の下で、ヘリコプターで脱出しているところだ。

イタリア人、ドイツ人、フランス人、英国人が、3,200の乗客の中にいた。加えて1,000人の船員が、この船に乗船していた。 1000人の乗客がイタリア人で、ドイツ人が500人、フランス人が160人。

Costa Concordiaは、金曜日、地中海クルーズで、ローマに近いチビタベッキア港から出航し、シチリア島、サルジニア島、スペインに寄港して、マルセイユに接岸することに なっていた。

金曜日の晩に乗客が夕食を摂っていた時、大きな衝撃音を聞き、船は電気の問題が生じたと聞かされたと、ある乗客はイタリアのAnsa通 信 社に語った。

「夕食を食べていた時に、明かりが突然消えて、ドカーンと轟く音と、うなるような音を聞いたのです。全てのカトラリー(注、ナイフ、 フォーク、スプーン等)は床に落ちました。」とLuciano Castroは話した。

この長さ290メートル(950フィート)の船は、座礁して浸水が始まり、20度傾いている、と地元沿岸警備隊は話した。

退船命令が出た、とCosta Concordiaのキャビン・スチュワード(注、船室給仕係)のDeodato Ordonaは、BBC(=英国放送協会)に語った。

「一般非常事態を放送し、お客様を避難場所に集合させました。」と語った。

「しかし救命艇を降ろすのが難しかったので、本船の右側に乗客を移動させました。そうしたら降ろせたんです。」

高齢の乗客は泣き叫んでいた、とOrdona氏は話し、更に、自身と他の何人かは海に飛び込み、陸地までざっと400メートルを泳いだ と 話した。

救助された乗客は、イタリア西海岸沖25キロメートル(18マイル)にある観光の島、ジリオ島のホテル、学校、教会に収容されていると こ ろだ。

Costa Crocieraは、この船を所有する会社だが、何が事故の原因かはまだ話せないと話した。

「本船は徐々に傾いていることから、避難は極端に難しくなっています。」と声明文にはあった。「本船の状況は悪化しつつあり、避難の最 終 段階は、より困難なものとなりつつあります。」

「沿岸警備隊とその他救急隊、乗客と船員の救助に最善を尽くしていただいたジリオ島の当局者と市民の皆様には、深い感謝の意を表明いた し ます。」(BBC News: 14 January 2012 Last updated at 05:40 GMT)

Costaクルーズ船会社は長い事故の記録をもつ(イタリア)

2010年、ここの船は2件の衝突事故を起こしている。Costa Classicaが中国の揚子江(=ヤンツーチアン)で貨物船に突っ込んで3人が怪我をした時は、動力喪失が原因とされた。もう1件の事故は、強風の際に、エジプトのシャ ルム・アッ・シャイフで船長がCosta Europaを接岸させようとして、船員3人が死亡し、乗客4人が怪我をしたのだった。

Costa Europaの乗客で、アバディーンから来たArlene Grantは、当時、次のように語っていた。

「港に入って来て、陸地の突端の辺りまで来ると、船は突堤に衝突して、第一甲板に穴が開いたのです。」
「船長は、事故があったが、通常通り続けるという発表をしたのです。」
「しかし午前5時30分に、別の発表があって、荷物を纏めて退船するように言われたのです。」
「その時までに、船は片側に傾いて、全ての物事はおかしくなり始めたのでした。」
「暗くて、しかも船が傾き始めていたので、かなり恐ろしかったのです。私は、穴は海水面の上に出ているものと思っていました。」

ある海事当局者は、この事故は「100 per cent human error(=100パーセント人的ミスだ)」としたものの、Costa Cruisesは悪天候のためだと話した。

同じ年、Costa Atlanticaは操舵問題を悪化させ、船員の1人は後に児童ポルノの所持と輸入で逮捕された。

2009年、このクルーズ客船会社は、誇大広告で35,000ドルの罰金刑が科せられ、同年、機関問題を巡ってCosta Europaでは暴動に近いことが発生した。Costa Romanticaでは、発電室で火災を起こし、1,429人の乗客が避難することとなった。

2008年、Costa Concordiaは悪天候の中、パレルモで岸壁に衝突、Costa Atlanticaの船員は、ドーバー海峡で自動車運搬船と殆ど衝突しそうになったことから、UK Marine Accident Investigation Branch(=英国海難事故調査支所)によって批判された。

ここの航路は厳格な双方向交通システムが取られているが、接近船に向って迷い込み、衝突を回避すべく他船に急いで後進することを余儀な く させたのだった。この時は、1,697人の乗客が乗船していた。

報告書からは、Costaの船員がヨーロッパ海域で他に3件の事故に近い出来事に巻き込まれていたことが分かる。 (Mirror.co.uk: 14/01/2012)

Costa Concordia:クルーズ船の生存者発見(イタリア)

惨事に襲われたクルーズ船、Costa Concordiaで、イタリア沿岸沖で座礁して24時間以上も経って、3人の生存者が発見された。

救助隊は、新婚旅行中の南朝鮮(注、韓国)の夫婦が救助された数時間後、3人目の生存者にまで辿り着こうとしているところだ。これまで に、3人の死亡が確認され、約40人が行方不明となっている。

Costa Concordiaの船長は、複数の過失致死罪の容疑で逮捕されている。検事は、避難が完了する前に、船長は船を後にしたと話している。First officer(=一等航海士)のCiro Ambrosioも、拘束されている。

この船の運航事業者、Costa Crociereは、船が潜岩に衝突した時、船はいつもの針路を辿っていたと話した。

テレビのインタビューで、この船の船長であるFrancesco Schettinoは、この岩はどんな海図にも掲載されていなかったと話した。

警察では、なぜこの事故が穏やかな状況の下で発生したのか捜査しているところだ。

韓国の夫婦は、土曜日の晩、半分水没した2層下の甲板にある船室から救助隊員が話し声を聞いたことから居場所が分かったものだ。数時間 後 に救出された。

この夫婦は2人とも29歳で、陸地に移された時、2人とも健康だった。

その後、日曜日の朝、救助隊員は、船内に発見した3人目の人物の居場所を突き止め、話しかけた。当局者は、この人物はイタリア人上級船 員 であり、足に重傷を負っているものと考えられると話している。

現場にいるBBC(=英国放送協会)のMatthew Priceは、2人のスキューバ・ダイバーが、中にいる誰かを引き出そうとして、船の窓を叩き壊そうとしているのが見えると話している。

2人のフランス人乗客と、1人のペルー人船員が死亡し、他に30人が怪我をして、2人が重傷。

潜水夫は、トスカーナ州ジリオ島の近くで横たわっているこの船の捜索を継続している。

Costa Cruisesのpresident(=社長)のGianni Onoratoは、現在の同社の主要課題は、生存者を支援して、帰国を助けることだと話した。

何が起きたのかを確定することは難しいが、しかし船は「a big rock(=大きな岩)」に衝突して停電したと話した。Onorato氏は、次のように付け加えた。

この大惨事の原因を究明すべく、「弊社はイタリアの当局者と完全な透明性を確保して作業中であります。」

通常の救命艇による脱出は、船が非常に早く傾いたことから、「almost impossible(=不可能に近かった)」とも語った。

52歳の船長、Francesco Schettinoは、Costa Cruisesで11年間勤務していた。

イタリアのAnsaという通信社によると、グロッセート市のchief prosecutor(=主任検事)は記者に対して、Capt Schettinoは「very ineptly got close to Giglio(=大変不適切に、ジリオ島に接近した)」と語った。

乗船していた3,200人の乗客の中には、イタリア人、ドイツ人、フランス人、英国人がいた。更に1,000人の船員もいた。

日曜日の朝、UK Foreign Secretary(=英国外務大臣)のWilliam Hagueは、Sky Newsに対して、乗客23人と船員12人の英国人は全員無事であり、確認されたと語った。

沿岸警備隊の船長Cosimo Nicastroは、イタリアのテレビに対して、潜水夫は、この船の近くの海を広範に亘って捜索を行ったが、これ以上の遺体は見つかっていないと話した。

土曜日、生存者は、本土にある、約25キロメートル(15マイル)離れたポルタ・サン・ステファノに移された。

現場にいるBBCのAlan Johnsonは、多くの生存者が、未だに毛布に包まったままそこに到着し、中には明らかに自分達が耐え抜いたことで強い衝撃を受けていた、と報告している。乗客の Luciano Castroは、Ansaという通信社に次のように話した。

「夕食を摂っていると、あたかも船のキール(注、竜骨)が何かに衝突したような大きな音を聞きました。」

「船はその穴から浸水し始めて、傾き始めたんです。」

乗客の中には、通信社のAssociated Press(=AP通信)に対して、船員は船からの退避方法について指示を出さなかったと語る者もいた。

何人かの乗客は、この事故を1,500人以上が犠牲になった1912年4月の巨大遠洋定期船の沈没についての映画、Titanicと比 較 していた。(BBC News: 15 January 2012 Last updated at 10:18 GMT)

クルーズ船Costa Concordiaの船長は「針路を逸れる」(イタリア)

イタリア沖で座礁したクルーズ船の船長は「unapproved, unauthorised(=認められていない、権限のない)」針路の逸脱を行った、と船主は話している。

Costa Cruisesの社長、Pier Luigi Foschiは、Francesco Schettino船長を、地元民に船を見せるために近隣の島に近づき過ぎたと非難した。

この船長は、自分の海図にはなかったと言っている岩礁に衝突させたことで責められている。

金曜日、Costa Concordiaの船体に穴が開き、6人が死亡して、29人が行方不明になっていると言われている。

当局者は先に、行方不明者数は16人に減ったと語ったが、グロッセート県の地元当局者は月曜日の晩に、乗客25人と船員4人が行方不明 の ままであることを確認したと語った。

ドイツのメディアは、12人のドイツ人乗客が未だに行方不明だと報じており、合衆国の当局者は、乗船していたものと考えられる約2名の ア メリカ人についての情報を求めている。イタリア人6人、2組のフランス人夫婦、ペルー人1人も確認されていないと報じられている。

月曜日、救助隊は、生存者の捜索を続行した。しかし悪天候により船が動いたために、数時間に亘って作業は中断された。当局者は、夜通し 捜 索を続行することはないと話した。

Schettino船長は、過失致死罪の容疑で拘束されている。

ジェノバでの感傷的な記者会見では、この事故に対して謝罪する際、Foschi氏は涙をこらえていた。

「弊社はこの船長に接して、必要な支援は全て致しますが、しかし事実を認める必要はあり、人為的なミスは否定できません。」と語った。

「この航路は、正確に設置されたものでございます。この針路を外れたという事実は、Costaが認めていない、権限のない、あずかり知 ら ぬものであり、この船長によって、単独で操船したものなのでございます。」

「船長は、本船を見せようとして、このジリオ島の近くに行こうとし、この島に接近するため、本船の針路変更を決定したのでございま す。」

この船に乗船していた乗客の中には、金曜日の21時30分頃(グリニッジ標準時間20時30分)に船が岩礁に衝突して、身の毛のよだつ よ うな音を聞いたとしている者もいる。

船が傾き始めるや、直ぐに警報が鳴り、パニックとなった。Schettino船長は、ジリオ島沖の直ぐ近くに横転して現在横たわってい る ところに向おうとして、陸地に船を近づけるために舵を切った。

乗客と船員の中には、船が、救命艇に乗船するのに不可能な角度に傾いていたので、陸地まで泳ぐことを余儀なくされた者もいた。

乗船していた4,200人の乗客と船員は、これに先立つ数時間前にクルーズに出発した際には、非常訓練を実施していなかった。

海事新聞のLloyd's Listは、衛星からの情報によって、Concordiaの針路を辿ることが出来ると話した。

同紙は、この定期船の以前の航海と、金曜日の航海とを図形を使って比較したものを発行しており、金曜日の航路は、通常の航路よりも遥か に 逸脱していたことを示唆している。

月曜日の朝、救助隊員は6人目の遺体を発見した。男性乗客だった。

BBC(=英国放送協会)のMatthew Priceは、船はその日、海面下に沈没したと話している。

潜水夫が、暗いために船内を見るのが困難だと語り、横倒しになっている廊下に沿って泳ぐと、方向が分からなくなると語った、と Matthew Priceは話している。

積んでいる約2,300トンの燃料が壊れて漏れ出したならば、この船は環境災害の原因になりかねないとの懸念が増大している。

イタリアのEnvironment Minister(=環境大臣)Corrado Cliniは、船から液体が漏れている証拠はあるが、この液体が燃料であるかどうかの確認はできないと語った。

大臣は、政府は燃料漏れを防ぐため、臨時の財政支援を行うべく緊急事態の布告を行うと語った。

Schettino船長(52)は、Costa Cruisesで11年間勤務しており、会社は、船長は全ての必修科目に合格していると話している。

船長は、自分の海図には自船が衝突した岩礁は掲載されていなかったと言って、いかなる法律違反も否定している。

また、避難が完了する前にCosta Concordiaを後にしたという検事の主張も、自分とその船員が船を最後に離れたと強く主張して否定している。

First officer(=一等航海士)のCiro Ambrosioも、拘束されている。(BBC News: 16 January 2012 Last updated at 21:37 GMT)

フェリーと交易船との衝突で、船員3人が死亡、8人が行方不明(アルバニア・トルコ)

1月16日、アンカラ発。トルコの交易船が、アドリア海のアルバニアの港で旅客フェリーと衝突して沈没し、船員3人が死亡、8人が行方 不明となっている。

Turkish Cihan News Agency(注、トルコの通信社)によると、この船は船主と船員がトルコ人で、マルタ船籍でアルミニウムを積載していたもので、カー・フェリーのAnkaraとアルバニ アのドゥラス港沖20マイル(30キロメートル)ほどのところで衝突し、直ぐに沈没したという。

アルバニア当局者は、3,000トンのアルミニウムを積載していたReina Iの衝突は、公海上で沈没したもので、トルコ人船員のうち3人が死亡して、他に8人が行方不明になっていると語った。

Cihanでは、船員2人が救助されたが、未だに行方不明者を捜索していることを確認した。

Reina Iは、ロシア黒海のノボロシースク港の船で、モンテネグロのバルに13人の船員、うちトルコ人10人を乗せて向っていた。

衝突原因については、まだ情報がない。フェリーのAnkaraの犠牲者は、報告されていない。(The Kuwait News Agency (KUNA): 1/16/2012 8:27:00 PM)

クルーズ船沈没:Carnivalの大惨事で業界全体が動揺(イタリア・米国)

イタリアのジリオ島の沖の海にへたばって横たわるCosta Concordiaの映像は、この船を所有するCarnival Cruise Linesにとっては、破滅的なものとなっている。しかしこの事故が、遊覧航海産業にどれ程の悪影響を与えるものかは判っていないし、この座礁船は、来るべき数ヶ月間のう ちに、この分野の会社にとって歓迎されざるメタファー(=暗喩)になるかもしれない。

「これは、クルーズ業界でこれまでに見られた最悪(の事故)です。」とTravallianceの最高経営責任者、Mark MurphyはIBTimesに語った。「騒ぎが近いうちに収まりそうにありません。海上に横たわる船の映像がある限り、しばらく業界にとっては、これは骨の折れる相手と なります。」

Costa Concordiaの船長が、金曜日の晩、この船をトスカーナ州の島に接近させ過ぎて座礁させ、酷く船を傾かせた時、少なくとも6人が死亡した。ちょうど3分間で、この船 は大量の水で一杯となった。4,200人の乗客の大半は安全に脱出したが、16人が未だに行方不明となっている。

月曜日の午後現在、捜索救助活動は中止され、Carnivalは、同社にとってどれだけの損失が生じたのかを決定すべく損害評価を開始 し た。本船の廃止だけで、仮にこの船を最終的には浮揚させることができたとしても、同社は今年、9500万ドルの費用を負うこととなる。し かし浮揚が可能かは、現時点ではハッキリしない。

Concordiaは、2006年に5億7000万ドルの費用をかけて建造された。5億1300万ドル分の保険をかけているものの、 Property Casualty 360によると、Carnivalは損害につき3000万ドルの免責額に直面し、傷害責任においては、1000万ドルの免責額に直面しているという。

この事故がクルーズ常連客にどのような影響を与えるかは、それほど明確ではない。合衆国では約20パーセントの人がクルーズに出かけた こ とがある、とMurphyは指摘するが、出かけたことがないと見られている80パーセントが、業界の主要課題となっている。

「この80パーセントが厄介なのです。」とMurphyは語り、過去において躊躇したことのある人は、金曜日にイタリアであったような 惨 事の後は、船に乗りたくなくなるという。

それ故、1隻の船で起きた1件の事故は、個々のクルーズ客船会社にとって手腕の試される問題となる。Carnivalが財政上の面倒な 問 題の影響をもろに受けることとなる一方で、その最大の競争相手は、既に市場で打撃を被っている。

月曜日、Carnival PLCの株は、ロンドン証券市場において約17パーセント下落し、全体で約10億ドルの損失となっている(合衆国での取引では、Carnival株は約2.5パーセント下 落した)。Carnivalの主要競争相手にとっては、物事は好転しているが、しかしそれ程でもない。Yahooによると、Royal Caribbeanの株式はNYSE(=ニューヨーク証券取引所)において約2.6パーセント下落、オスロでの同社上場株式は7.5パー セント下落している。

Royal Caribbeanは、論評の求めに対して電話で返答してこなかった。

連鎖反応
現在、船はジリオ島の沖の海で横転しているが、Carnivalは悪いPR(=報道発表)のために長期利潤がへたばることになった場合で も、食い止められるだろう。しかしより重要なことは、この事故が、比較的新しい遊覧航海産業全体に衝撃を与えることだ。

他の旅行形態と比較して、クルーズは実際、最も安全な休暇方法の1つであり、惨事の度に新たな安全対策が取られてきた。1990年代の 多 くの火災で、全ての船では、スプリンクラー、不燃性家具、煙探知機・防火扉の数の増加の他、自己完結型「fire zones(=防火区画)」が指定されることとなった。2010年にPacific Sunのクルーズを巨大な波が襲って42人が怪我をした時は、この会社はテーブルやその他の備品を甲板に固定し始めた。

それでも、数年毎に船舶での事故はあるようで、これが業界全体に対する汚点となっている。2006年にはPrincess CruisesのStar Princessであった火災で、乗客1人が死亡しており、ノロウイルスやその他の胃腸病の勃発は、珍しいことではなく、昨年1月には、ソマリアの海賊がインド洋の英国の クルーズ船に乗り込んできた。

荒海
大半の旅行業界のように、クルーズは複合事業である。Costa Concordiaの大惨事のような出来事が確実に害を与えることになる一方で、他の要素があらゆる方面の利益に影響を及ぼしている。

「どんな否定的なものでも、ある種の人々を思い留まらせるわけですが、しかし業界は、過去十年間において、年を追うごとに成長してきた の です。大体、倍増しています。」とMurphyは語り、更に新船と、こうした船の上における新しい呼び物が船の行き先を決めては事業を変 えて来たと付け加えた。

「合衆国においては、Baby Boomer(=ベビー・ブーマー、注、1945年から1964年生まれの人)世代によって市場となっており、この市場は成長を続けています。この人達は旅行をしたがり、 合衆国における裁量支出(注、自由に使える支出)の約50パーセントを占めています。」と語った。

成長して10年ではあるものの、2008年に始まった金融危機は業界を悩ませており、とりわけヨーロッパ諸国がそうだ。燃料価格の高 騰、 航空運賃、ヨーロッパに飛ぶ飛行機の座席数の減少は全て、各社が建造して就航させることのできる船舶数を制約することに繋がっている。

「船舶は業界の原動力となるものです。」とMurphyは指摘し、今年就航する船は約7隻しかないので、収益は落ち込むものと見られる と いう。

しかし業界に何が起ころうとも、世界経済の結果として、Costa Concordiaの沈没はクルーズ事業に否定できない影響を与えることとなる。(International Business Times: January 16, 2012 2:02 PM EST)

女と子供は後か?Costa Concordiaでは騎士道精神なし(米国)

Rich Lowry

トスカーナ州の沿岸沖で座礁したクルーズ船、Costa Concordiaについての映画を作るとしたならば、船長についてのロマンチックなお話にはならないだろう。

イタリア当局者は、過失致死罪と時期尚早に船を放棄した疑いで、船長を直ちに逮捕した。彼は、あらゆる意味において、この不幸な船の船 長 であるのかもしれない。

1世紀前の春、Titanicは断末魔において全ての救命艇を出し、Capt. Edward Smithは部下にこう語った。「Men, you have done your full duty. You can do no more. Now it’s every man for himself.(=諸君、諸君は全ての義務を果たした。これ以上できることはない。今や、われ先に逃げる時だ。)」

Titanicが姿を消した時、ある目撃者は、恐らくは船から海に投げ出され、海の上で子供をしっかりと掴みながら、船長の姿を思い出 し ていた。

Titanicが沈んだ後、船員は海から自分や他の者をせき立てるCapt. Smithの声を聞いたといつも考えていたものだった。「Good boys! Good lads!(=諸君、良くやった)」と。

「Every man for himself(=われ先に逃げろ)」は、死者の出たCosta Concordiaの大惨事に関連する慣用句だが、土壇場の急場しのぎのものではない。これは物事の自然律にかなったものなのだ。

ある新聞記事に、こういう言葉があった。「An Australian mother and her young daughter have described being pushed aside by hysterical men as they tried to board lifeboats.(=あるオーストラリア人の母親とその小さな娘は、救命艇に乗り込もうとする狂乱状態の男達に押しのけられたと表現した。)」

もしTitanicの男達がこうしたものを読んだならば、恥ずかしくて後ずさりするだろう。Titanicの船員は、ヒステリー患者と は 手当たり次第に発砲するような連中のことだと考えていたろうし、自発的にサービスを行おうと申し出ただろう。

女性と子供は理屈の上では優先的に扱われたが、実際上は必ずしもそうではなかった。

このオーストラリア人の母親は、現場についてこう語っている。「We just couldn’t believe it ―especially the men, they were worse than the women.(=信じられませんでした、とりわけ男性達が。男性は女性よりも酷かったのです。)」

別の女性客も同意した。「There were big men, crew members, pushing their way past us to get into the lifeboats.(=大きな男達や船員らが、私達を押しのけて救命艇に乗り込んで行ったのです)」

更に他のおばあさんは、こう批判した。「I was standing by the lifeboats and men, big men, were banging into me and knocking the girls.(=私は救命艇の傍に立っていたのですが、男達や大男が私にぶつかってきて、女性を突き飛ばしていたのです。)」

Costa Concordiaの野郎どもは、脱出するために手当たり次第に殺到して、押しのけて、踏みつけて、騎士道時代(注、11世紀~14世紀のヨーロッパ)を、明らかに善良か つ死に絶えたものにしてしまったのだ。

この座礁クルーズ船には、もちろん英雄はいる。ちょうどTitanicに卑怯者がいたのと同じように。しかしTitanicの船員の規 律 と、当時の男性の間で広く行き渡っていた自律的な騎士道倫理が、パニックになった自己保存本能に向けた自然的な衝動に対し、切り札を出す ことができたのだった。

女性と子供達は先に行き、そして状況の切迫さが明らかになるや、規律は破られ、容認できないものとなった。船員は、男性らが救命艇に殺 到 しないように、威嚇発砲した。

Daniel Allen Butlerが「Unsinkable(=「不沈 タイタニック 悲劇までの全記録」)」という著書において詳述している事例に、ある男性客が救命艇に乗り込もうとしたと ころ、弾き飛ばされて、打ちのめされたというものがある。

生存者の統計が、これを物語っている。3等の女性は船の奥底にいたわけだが、そこは避難が難しく、指示はあいまいで、あるいは無かった に も拘わらず、1等の男性よりも助かったのだ。

1等の女性は殆ど全て(97パーセント)、2等は84パーセントが助かった。

Butlerが言及しているように、自発的に後に残った1等の男性は死亡したが、これはEdwardian(=エドワード朝、注、 1901年から1910年の英国)の理想に忠実であった。

我々の眼から見ると、彼らは何だか馬鹿げているように見える。Benjamin Guggenheimはその夜、夜会服に着替え、こう言った。「We’ve dressed in our best and are prepared to go down like gentlemen.(=我々は正装し、紳士らしく沈んでいく覚悟ができた。)」

救命艇にたったの1人分の空きしかなかったときに、妻と娘のどちらにするだろうか。

夜会服を着たGuggenheim老人か、それともバミューダ・ショーツ(注、短パン)にフリップ・フロップ(注、ビーチ・サンダル) を 履いたご同輩か。

聖歌の「Nearer, My God, to Thee(=主よ御許に近づかん)」を楽団が勇敢にも演奏しつつ、Titanicは沈んだと言われている。この惨事に最期の優雅な雰囲気を添えたのだった。

今日、優雅な雰囲気はない。「Women and children, first(=女、子供を先に)」から、「Dude, where’s my lifeboat?(=おい、オレの救命艇はどこだ)」になったのだ。

Costa Concordiaの女性が証言するように、それは遥かに落ちぶれたものなのだ。(New York Post: 10:17 PM, January 16, 2012)

Star Princessはフォークランド諸島の立ち入り禁止:政治的理由ではなく健康上の理由(フォークランド諸島)

ここ数年で僅か2回目のことだが、1月14日にFalkland Islands Government(=フォークランド諸島政府)は、諸島の首都スタンレーにクルーズ船の乗客が立ち入ることを拒否した。問題となった船は、乗客2,608人が乗船して いたStar Princessだった。

禁止の理由は、政府広報官の新聞発表によると、嘔吐と下痢の原因となる感染力の高いノロウイルスが、この船で発生しているためだとい う。 この船の到着当時、58件の症例が認定されて「red alert(=非常警報)」状態になっていたという。

この決定は、公式発表では「difficult(=困難だ)」と表現されていたが、この諸島のChief Medical Officer(=保健所長)によってなされたもので、「following agreed protocols(=合意された手続に従ったもの)」であり、「consultation with both the ship's doctor and a consultant microbiologist in the UK(=船医と英国の顧問微生物学者との協議)」を受けたものだという。

フォークランド船籍の船舶を禁止するという近時のMercosur(=メルコスル、注、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグア イ の4カ国共同市場)諸国の決定に対する報復措置として、この船の寄港を中止する決定を行ったというアルゼンチンでの憶測は、スタンレーで は冷笑されている。というのは、この大きさの船の寄港が1回無くなることで、100,000ポンド以上の経済的損失になるのかもしれず、 これには政府の財源となる乗客からの到着税だけでも、46,944ポンド含まれているからだ。(Penguin News: Tuesday, 17 January 2012)

DFDSは新しいスウェーデン―英国間の競争相手を警告(デンマーク)

コペンハーゲン発。1月19日。デンマークのフェリーと貨物船の運航事業者、DFDSは、水曜日の晩、そのイェーテボリ―イミンガム航 路と競合するスウェーデン―英国間の新たな競争相手により、2012年に事業は打撃を受けるものと思われると警告した。

「同航路の開設は、当グループの2012年度の業績に深刻な否定的影響を与えることになると見られる。現在、入手できる情報を基礎にす る と、この衝撃の水準は数値で示す以上のものとはならない。」とDFDSは声明文において述べた。

「DFDSは、この競争の増加に対処する多くの対策に着手している。」とあった。

DFDSはこの競争相手の身元を明らかにしていないが、新設のNorth Sea RoRoは声明文において、DFDSの代替となるものを目指しているとしており、週3便で、1月24日に就航するという。(Reuters: Thu Jan 19, 2012 1:58am EST)

イタリアの「Titanic」と2人のキャプテンのお話(イタリア)

ローマ発。転覆したイタリアのクルーズ船の船長に船に戻るよう命令したCoast Guard(=沿岸警備隊)の役人が、水曜日、知らないうちに即席の英雄になってしまった。真っ暗闇の中で国の誇りを守ったものとして、高い評価を受けている。

イタリアは、2人のキャプテンの話で持ち切りになっている。1人はCoast Guard Captain(=沿岸警備隊大佐)Gregorio De Falcoで、Costa Concordiaの船長に対して、自船に戻り、救助活動を監視するよう怒り狂って命じた男だ。もう1人はCaptain(=船長)Francesco Schettino。新聞は大惨事に直面して逃げ出した腰抜けの烙印を押し、今や自宅に軟禁されている。

「よく聞け、Schettino。多分、お前は海から助かったんだろうが、おれはお前に酷い目に遭わせてやる。ただじゃおかないから な。 船に戻れ、(罵り言葉!)」

De FalcoがSchettinoを怒鳴りつけた4分間の無線交信が、火曜日に公表された。

De Falcoが使ったイタリア語の「cazzo」という言葉は、男性器を意味する隠語であるが、何かを強調する際に普通に使われており、「Go on board, damn it(=船に戻れ、くそ!)」に相当する。このイタリア語の命令口調の「Vada a bordo, cazzo !」は、既に水曜日の朝までに、Tシャツに書かれている。「Thank You, Captain(=ありがとう、大佐)」は、同国最大の全国紙、Corriere della Seraが水曜日に採用した、より穏やかな見出しだ。

「2人の男……2つの話では、1人は我々に恥をかかせ、もう1人はそれを埋め合わせた。ありがとう、Captain De Falco。我が国には、あなたのような人が大いに必要なのだ。」とCorriere della Sera紙は書いた。

この2人のキャプテンの間で行われたもう1つの印象深い遣り取りがある。De Falcoは、Schettinoに次のように言った。

「船に戻れ!これは命令だ!他に何も考えることはないんだ。お前は「Abandon Ship(=船を放棄)」したんだぞ。おれは命令する。船に戻れ。分かったか?」

この新しい「Italian idol(=イタリアのアイドル)」は、全くそんなものとは無縁のように見える。De Falcoは48歳。しかも禿げ上がっていて、制服を着ている。むしろレストランのメートル・ド(注、「メートル・ドテール」というフランス語起源の言葉で、「給仕長」の 意)のように見える。

「私は英雄ではない」とDe Falcoは記者らに語った。(Times of India: Jan 19, 2012, 05.55AM IST)

クルーズ船の親会社は海難後、安全審査を命じる(米国・イタリア)

イタリア沿岸沖で座礁したクルーズ船の親会社は、そこの全てのクルーズ客船会社の安全審査を要求している。

Carnival Corporationは、Costa Concordiaの大惨事で、同社の安全性と緊急手続や訓練について、疑問が生じていると語った。

同社幹部は、同種の事故が確実に二度と起きないようにしたいと話した。

木曜日、救助隊員は潜水夫により多くの船内区画を開放しようとして制御された爆破を行い、21人の行方不明者を捜索している。

11人の死亡が確認されている。この船の船長は、過失致死罪と船舶遺棄罪での起訴に直面している。(WKYT: Thu 10:44 PM, Jan 19, 2012)

サルベージ会社が被災したクルーズ船の復帰のために勢ぞろい(オランダ)

オランダ、合衆国、デンマークのサルベージの専門家が、難破した遠洋定期船、Costa Concordiaの解体あるいはサルベージ(注、浮揚)を行うべく勢ぞろいしている、と通信社のReutersは報じている。

この船の保険会社の1社に指名されたあるサルベージの専門家は、会社は競争入札になりそうで、これには、オランダのグループの Boskalis-Westminsterの一部門であるSmit Salvage、合衆国のCrowley Maritime Corpが保有するTitan Salvage、そしてMaerskが保有するデンマークのSvitzerが含まれると話した。

「この船は間違いなく再浮揚可能ですが、費用対便益の点で、いずれに価値があるのかという問題(注、解体か浮揚かという問題)がありま す。」と同通信社に語った。

Smitは既に、同船から2,300トンの燃料を汲み上げるよう依頼されている。

「弊社が関与していることは、燃料の抜き取りに限られており、最終的に行う船体の除去というものには関わっておりません。しかし弊社の 業 績からは、弊社がそれも行う能力があることがお分かりになるでしょう。」と広報担当者(注、女性)のMartijn Schuttevaerは話した。

Smitは、ベルギーのゼーブルージュ港の直ぐ外で25年前に沈没し、193人の乗客と乗員が死亡したHerald of Free Enterpriseというフェリーの引揚げを率いた。

またSmitは、2001年、ロシアの原子力潜水艦、Kurskのバレンツ海からの引揚げに関わった。(DutchNews.nl: Friday 20 January 2012)

社説 人間性の船(アラブ首長国連邦・イタリア)

突然の大災害は、最高の、そして最悪の人間性を引き出すものだ。危機というものは、政治のような社会習慣を剥ぎ取り、猫かぶりをする暇 もない。1個人の話が、Costa Concordiaというクルーズ船の大惨事から噴出し始め、世界は今週、そうした教訓を学んでいるところだ。

昨日、船が先週金曜日に沈没したトスカーナ州沿岸沖では、サルベージ作業が再開された。死者総数は、30人を超えるかもしれない。

最初に身元が判明した犠牲者である音楽家のSandor Feherは、記憶されることになるだろう。この船のオーケストラのもう1人の奏者が、泣いていた数人の子供達に救命胴衣を着せてあげている姿を目撃している。その後、彼 は自分の宝物である最愛のバイオリンのある下甲板に下りていった。そして再び姿を見せることはなかった。

もう1人の音楽家であるドラマーのGiuseppe Girolamoは、子供に救命艇の自分の場所を譲った後、未だに行方が分からなくなっている。乗客のFrancis Servel(71)は、自分の救命胴衣を妻のNicole(61)に与えた。妻は助かったが、自身は助からなかった。

極悪非道の話もまた、表面に出てくるかもしれない、人間性とはどういうものであるかと。自分がこうした試練においてどういう行動に出る か、明確に言える人はいるだろうか?(The National: Jan 20, 2012)

女は船長は「偉大なこと」をやったと主張(イタリア)

船がイタリア沿岸沖の岩礁に突っ込んだ後で、船長が自分と女性に夕食を注文したという事実が浮かび上がってきたとニュースが主張してい ることから、このモルドバ人女性は、転覆したCosta Concordiaの船長をかばっている。

イタリアのメディアがこの女性の写真を公表してから、Domnica Cemortanに注目が集まっている。この女性は、あの悲劇の晩に、船長のFrancesco Schettinoと夕食を共にしたとされ、この大惨事がどのようにして進展して行ったのかを知るための鍵を握っているのかもしれないと言われている。

この25歳は、このイタリアのクルーズ運航事業者でホステス(注、ダンスの相手をする女性接客係)として働いていたが、契約期限は切れ て おり、この定期船に乗船したときは、友人と休暇中だったという。

本船の料理人、Rogelio Baristaは、フィリピンのテレビ局、GMA Networkに対して、Schettino氏は若い女性と夕食をとっており、この混乱の最中に、船長がデザートまで要求したので衝撃を受けたと語った。

「我々はどうなっているのかと思いましたよ。当時、本当に何だか悪い予感がしていたんです。厨房内の物が、棚から落ちてきているところ で した。」と語った。

「私は、クルーズ船で料理人としての12年の経験があります。火災を目撃したことさえもあります。だから怖くはありませんでした。しか し、それにしても、この船長は何をしているのだろうか、何故、まだここにいるのだろうかと思ったものです。」

Schettino氏が先週の金曜日の午後10時30分頃、すなわち当局者が船が岩礁に衝突して50分経過したとしている時間に夕食を 注 文した、とBarista氏は主張している。

モルドバの日刊紙、Adevarulとのインタビューにおいて、Cemortanさんは衝突の時点では「colleagues, so to speak(=いわば、同僚達)」と食事をしていたと話した。船長が船から最初に離れたということは、否定した。

「私は、ロシアのメディアが、船長が最初に船から離れた、あるいは最初に逃げた者の中にいたと報じているのを耳にしましたが、それは真 実 ではないです。」と語った。

「目撃者として、私は言うことができますが、私は、もっと人が乗れる救命艇に乗るよう、第3甲板に行け、と話してくれた船長の命令に 従っ て、午後11時50分に甲板を離れたのです。」

Cemortanさんは、ロシア人乗客のために、指示を翻訳することを手助けしたと語ったが、Schettinoの行動を称賛した。

「彼は偉大なことをやりました。3,000人以上の命を救ったのです。」と語った。

Schettinoは、「make a salute(=敬礼)」をするため、岸に近づき過ぎたことが、この事故の原因になったと非難されており、火曜日にイタリアの判事の面前に現れた後、自宅軟禁となってい る。

また、避難が完了する前に船舶を放棄した容疑での起訴にも直面しており、この犯罪だけで、禁錮12年までの刑罰を科せられることにな る。

船はトスカーナ州のジリオ島沖で座礁して、11人が死亡したものとされており、21人が未だに行方不明となっている。

潜水夫は、溺死した恐れのある行方不明者を発見するために、船内を必死になって捜索しているが、悪天候のため、状況が危険になったこと か ら、捜索は何度も中断している。(Sky News: 12:32pm UK, Friday January 20, 2012)

Costa Concordia: 港長の通信記録は大惨事がどのように展開したかを物語る(イタリア)

イタリアのリボルノ港のHarbour Master(=港長)が纏めた通信記録の謄本は、今のところ、Costa Concordiaが巻き込まれた大惨事の詳しい記録となっている。

22時06分、プラトのCarabinieri(警察)が、港長の事務所に連絡。ある女性が母親に電話をかけ、Concordiaに乗 船 していて、食堂の天井が自分の上に落ちてきて、船員が乗客に救命胴衣を着用するよう命じたと話したという。

22時14分、港長はConcordiaに連絡を取り、問題が生じたのかと尋ねる。ある上級船員が、20分間の単なる停電に過ぎず、間 も なく回復すると返答。港長は乗客が救命胴衣を着用しているのかどうかを尋ねたが、この上級船員は単なる停電だと主張。

22時16分、Guardia di Finanza(経済警察)の巡視船、G104がジリオ島に接近し、Concordiaを調べるべきかと尋ねる。

22時17分、港長は上官に、Concordiaの上級船員は口を噤んでいるが、状況が悪いものと疑っていると連絡。

22時26分、港長は、この船の船長のFrancesco Schettinoに連絡を取る。船長は、本船は左側の開口部より浸水中であり、本船は傾斜しつつあると話す。船長は、死者又は怪我人はいないと話す。港長は、支援が必要 かと尋ねる。船長は、タグ・ボートを要請。

22時34分、港長は「distress(=遭難)」通報を発したConcordiaに連絡を取る。現在、乗客3,208人と船員 1,023人を避難させているところ。

22時39分、経済警察の巡視船が、船は片側に激しく傾斜していると報告。

22時44分、経済警察は、Concordiaは座礁していると報告。

22時45分、Schettinoは、船は浮いていると言って、これを否定。船を回復させようと試みる。

22時48分、港長は、Concordiaは退船するつもりなのかと尋ねる。返答は「それを検討中だ。」

22時58分、Schettinoは港長に対し、退船を命じたと話す。

23時23分、Concordiaは右舷に大きな裂け目があると報告。

23時37分、Captain(=船長)のSchettinoは、乗船しているのは300人と話す。

00時10分、地元当局者は、ジリオ島に全ての避難者を収容する十分な余裕はないので、本土への移送を開始すると話す。

00時12分、経済警察は、左舷では救命艇が下ろせなくなっていると報告。

00時34分、Schettinoは、自分は救命艇に乗船しており、海面上に3人が見えると話す。

00時36分、経済警察は、子供や高齢者を含む70人から80人が、まだ船にいるのが見えると話す。

00時38分、救助ヘリコプターが、船上に多くの人がおり、海にも何人かいるのを目撃。

00時42分、Schettinoと部下の上級船員の全員が救命艇に乗船。(港長の事務所を管理する)Captain(=大佐)のDe Falcoが、避難を調整すべく全員に船に引き返すよう命令。

01時04分、ヘリコプターから空軍士官を船に降ろす。100人がいまだ脱出中であると報告。

01時45分、係官は、船体から降ろした縄梯子は安全に使用できることを確認。

01時46分、De Falcoは、Schettinoに縄梯子を使って船に戻るよう命じる。

02時29分、船首から3人がぶら下がっていると報告。

02時53分、経済警察は縄梯子を使用して乗船したが、Schettinoは救命艇に乗船して港に向っているのが見えた。

03時05分、フェリーの「Isola Del Giglio(=ジリオ島)」が、既に避難していた300人の他に、更に300人を乗せていく。現在、負傷者5人と死者3人を乗せてPorto Santo Stefano(=ポルト・サント・ステファノ)に戻るところ。

03時17分、警察はSchettinoを埠頭で確認、拘束はせず。

03時44分、乗船した空軍士官が、40人から50人が脱出を待っていると報告。

04時22分、その人数は30人に減る。

04時46分、避難完了。(Telegraph.co.uk: 9:00PM GMT 21 Jan 2012)

イランのフェリーがペルシャ湾に沈没、15人行方不明(イラン)

テヘラン発。22人が乗船したイランのフェリーが、土曜日、ペルシャ湾に沈没した、と国営通信社のIRNAは報じた。

地元当局者はIRNAに対し、22人の乗客のうち7人が救助されたが、15人は未だに行方不明だと語った。

救助隊は、ホルムズ島から南イランのバンダル・アッバス港に向っていたフェリーから、残る15人の乗客を救助しようとしている、とこの 当 局者は付け加えた。(Monsters and Critics.com: Jan 21, 2012, 19:56 GMT)

元Cunardの船員がクルーズ船で子供と性交したという申し立てに直面(英国)

元Cunardの船員が、2隻の豪華クルーズ船において、子供の乗客を性的虐待したという申し立てに関して捜査されている。

この元従業員は、Queen Mary 2と姉妹船のQueen Elizabethで、過去5年間に子供を虐待したと申し立てられている。

この男性は、乗客と定期的に接触することのある、下級職員であると考えられている。

警察による6ヶ月間に亘る捜査の一環として、コンピュータと写真機材が、ウイルトシャー州の男性自宅で調べられているところだ。また警 察 では、被害を受けた乗客と連絡を取り合ってもいる。

捜査官らは、子供の1人の両親からの内報を手がかりにしているものと考えられている。全員が英国に居住。

被災したイタリアの船、Costa Concordiaも所有するCarnival Corporationの子会社であるCunardの広報担当者は、この申し立てにより、同社は「deeply shocked(=大きな衝撃を受けている)」と話した。

このグループは現在、NSPCC (=国家児童虐待防止協会)に対し、心配している家族に助言し、児童保護手続を取ることを求めている。NSPCCのJohn Groundsは、次のように語った。

「これらの申し立てを知り、私たちは衝撃を受け、深く悲しんでいるところです。」

Cunardは、サウサンプトンから出ているこの2隻のクルーズ定期船を運航している。フラグシップであるQueen Mary 2は、船員が1,253人で、世界一周旅行で120,000ポンドまでも支払うことができる乗客を、2,600人以上も収容できる。

それよりも小型のQueen Elizabethは、2010年就航で、職員は1,000人以上、2,068人までの客を収容することが可能。(Metro: 22nd January, 2012)

嵐による損傷は歴史的なフェリーのKalakalaの終わりを意味し得る(米国)

シアトル発。歴史的なフェリーKalakalaの最近の嵐による損傷で、ボート遊びのウェブサイト、Three Sheets Northwestによると、もし必要ならば、U.S. Army Corps of Engineers(=合衆国陸軍工兵隊)は、この船を安定させて移動させるために請負業者に声をかけることになったという。

このCorps(=部隊)が介入することになれば、この船は終わりになりそうだ、と部隊の広報官は、そのサイトに話している。

Kalakalaは、先週の嵐で遺棄された平底船に突っ込んで、片側に激しく傾いていた。

Chopper 7が、月曜日の朝にタコマの海岸地区沖のKalakakaの上空を飛んだが、船は垂直に浮かんでいた。(KIRO Seattle: 1:54 p.m. Monday, Jan. 23, 2012)

金持ちのロシア人がCosta Concordiaで避難するため買収した?(イタリア・ロシア)

ヨーロッパの報道機関の記事が、クルーズ船のCosta Concordiaが沈み行く中、救命艇に乗るために、裕福なロシア人が「wads of cash(=札束)」を出したと伝えている。

この報道では、イタリアの検事が、他の乗客の主張と、金持ちのロシア人が救命艇に早く乗るために金を払ったと言っている陸上にいた目撃 者 を調べているという。大惨事の後、救命艇が到着したジリオ島の住民は、ドイツのメディアに次のように話している。

「女性や子供や怪我人がいるかと思って、救命艇に向ったのですが、私が見たのは、ロシア語を話している、健康な男性達と夜会服を着た上 品 な女性達だったのです。」

Costa Concordiaの合衆国の広報担当者は、論評を拒絶した。(後略)(Wall Street Journal: JANUARY 23, 2012, 1:16 PM)

イタリア船の船長の妻は激怒:報道(イタリア)

パリ発。クルーズ船のCosta Concordiaを座礁させたことで非難されている船長の妻は、火曜日に発行されたインタビュー記事の中で、メディアの自分の夫の描き方について激怒していると語った。

Captain(=船長)のFrancesco Schettinoは、4,200人を乗せていた定期船がイタリア沖で座礁、転覆して、少なくとも16人が死亡した1月13日の大惨事を引き起こしたことで、責任があると されている。

「私の夫は、空前のメディアの嵐の渦中にいます。」と妻のFabiola Rossiはフランスの雑誌(注、新聞の誤り)、Paris Matchに語った。「私は、責任を負う側が、海や空の惨事で、こんなに暴力的に扱われたことを知りません。これは人間狩りです。人々は 生贄や怪物を探しているんです。」

Schettinoは、難破による過失致死罪と、船舶遺棄の容疑をかけられているが、この大惨事における沿岸警備隊の係官との間の会話 記 録が報道機関に漏れ、ネット上で広く流れてから、イタリアの新聞によって卑怯者の烙印を押されている。

夫の扱いについて怒っているのかと聞くと、「wouldn't you be?(=そうではないとでも?)」と答えた。

夫は「覚悟のできた、断固たる、明快な人です。状況を分析でき、それを理解し、処理できる人です。家では、まめで、細かいことに気が付 く 人なんです。そして人々の評判の良い、気さくで、面白い人なんです。」とRossiは、Paris Match紙のウェブサイト版に公表されたインタビューの中で話した。

沿岸警備隊の記録では、船に戻るように命じられて、逮捕するぞと脅されていた時、Schettinoは途方に暮れて、手に負えなくなっ て いたように思われる。

Schettinoの弁護人は、自分の依頼人は、この大惨事の部分的な責任は認めていると言っているが、連絡を取っていた第三者、とり わ け船主のCosta Cruisesを含め、広範な捜査をするよう求めている。

世界最大のクルーズ船運航事業者のCarnival Corpの一部門である同社は、Schettinoを休職扱いにしており、本件においては被害を受けた当事者であると宣言している。Schettinoによる 「unfortunate human error(=不幸な人的ミス)」によって、この大惨事が起きたと話している。(Reuters: Tue Jan 24, 2012 9:03am EST)

2隻目のP&Oのro-pax船が遂に引き渡される(フィンランド・英国)

P&O Ferriesの海峡横断用の新造船、「Spirit of France」が1月24日に、造船業者のSTX Finlandのラウマ造船所から引き渡された。これは2011年1月にラウマから引き渡された「Spirit of Britain」の姉妹船。

姉妹船のように、Spirit of Franceは、長さ213メートル、幅31.5メートルで、トレーラー、乗用車、その他貨物向けのレーン長は3,746メートルだ。この47,600総トンの船は、約 180台の貨物トラック、195台の乗用車の他、乗客2,000人を収容することができる。STX Finlandによると、本船の設計で特に注目されるのが、環境適合性、エネルギー効率、そして安全性に気を使っている点だという。

「Spirit of Franceと姉妹船のSpirit of Britainは、ドーバー―カレー航路における最大かつ最も効率の良い、近代的な船であります。私たちは、これらの船が乗客に大変い喜ばれ、長きに亘ってP&O Ferriesに首尾よく尽くすこととなることを確信しております。私は、船主と、それから良好な協調関係でこの事業に拘わった全ての方 に感謝したいものであります。」とSTXラウマ造船所所長、Timo Suistioは語った。

この船は元々、2011年9月に引き渡される予定だったという事実については、造船所は何も述べなかった。伝えられているところによる と、振動問題により受け入れられなかったのだという。昨年11月の嵐で、ラウマで係留索が切れて船が損傷したことから、更に遅延したと言 われている。船主は、今や本船を受け入れることができるようだ。Spirit of Franceが就航するや、Spirit of Britainはラウマに戻って、同様の、しかし一見、それ程深刻ではない振動問題が調査されることとなる。(The Motorship: 24 Jan 2012)

乗用車、フェリーに乗り損ね、海に突っ込む、運転者、ウェートレスが救助(クロアチア)

スプリト発。車ごと海に突っ込んでしまった61歳の運転者を救うべく、フェリーのウェートレスがアドリア海に飛び込むというドラマが、 クロアチアのスプリト港であった。

今朝、クロアチアでは、Katarina Prunglという新たな女性の英雄を持つことになった。この31歳のウェートレスは、地元のニュース・ポータルのIndex.hrが、2012年1月24日に報じた記事 によると、アドリア海に突っ込んだ乗用車の運転者を救助すべく、海に飛び込んだという。

Prunglは、本土とフバル島、ブラチ島、ビス島といった観光の島の大半を結んでいるフェリーを運航している国営フェリー会社の Jadrolinijaに勤務しているが、スプリト発ビス島行きの18時30分発の便の準備をしていた。乗用車が視界不良のために海に 突っ込んだ騒ぎを聞きつけた時は、練り歯磨き粉を買いに、地元のDM化粧品店に寄ったところだった。 (DigitalJournal.com: Jan 25, 2012)

イタリアの船舶運航事業者は危機を知っていた(イタリア)

ローマ発。水曜日にあったイタリア議会に対する証言によると、難破したCosta Concordiaの運航事業者、Costa Crociereは、トスカーナ州の沿岸沖で衝突して船が浸水していることを、事故から数分以内、乗客に船から避難するよう指示があった1時間以上も前に知っていたとい う。

Carnival Corp.の一部門であるCosta Crociereの最高責任者であるPier Luigi Foschiの証言で、Francesco Schettino船長が、手に負えない状況になったことから、この危機に関し、会社に逐一連絡を取っていたことを初めて公けに明らかにした。

この報告で、なぜSchettino氏とCosta Crociereが、午後10時58分まで、すなわち岩に船が衝突して1時間以上も経ってから、船の避難警報を鳴らしたのかという疑問も生じている。この1月13日の事故 では、少なくとも16人の死亡が確認され、未だに19人が行方不明となっている。

Foschi氏は、Costa Crociereの海務部長のRoberto Ferrariniが、Coast Guard(=沿岸警備隊)に連絡を取ろうと試みたか否かについては、語らなかった。Costa Crociereの広報担当者は、この件についての論評を拒否した。

「いずれかが沿岸警備隊に連絡すべきだった。」と海上安全コンサルタント会社のNexusの経験豊かな船長、Bill Dohertyは語った。船が岩と衝突したならば、船長の標準的な操船手続は、直ちに沿岸警備隊とその海域の船舶に警戒態勢を取らせ、脱出に備えて、乗客に所定に位置に付 かせるというものだと語った。

Foschi氏の証言は、船の衝突と避難警報との間の73分間にSchettino氏と少なくとも6回連絡を取ったという、 Ferrarini氏によって準備された備忘録に基づくものだ、とFoschi氏は語った。9時57分から10時33分までの間の最初の 4回の連絡では、船長は、水がどのように船体内に広がっているかを語り、船を真っ直ぐに立てて浮かばせることが難しくなって来ていると 語った、とFoschi氏は語った。この証言で、Foschi氏が1月16日に、Schettino氏が10時6分に 「unidentified(=未確認の)」緊急事態を最初にこのクルーズ客船会社に通報したという主張は疑わしいものとなったように思 われる。

Ferrarini氏は「当時の状況では、こんな極端な事態になるとは理解できなかった」とFoschi氏は語った。 Ferrarini 氏と、複数の過失致死罪と船舶遺棄の予備的告発により自宅軟禁下に置かれているSchettino氏の弁護人は、Foschi氏の証言に ついての書面での論評要求に対し、返答はしなかった。

この論評は、微妙な時期に現れた。イタリアの検事はこれまで、Schettino氏の行動に絞って捜査を行ってきた。検事らはこの船の 運 航事業者の対応が、この危機を悪化させたものか否かを見極めるため、この電話連絡も厳密に捜査中だと、この件に詳しい人は語った。

一方、船長とFerrarini氏が電話していた一方で、イタリアの沿岸警備隊は、乗客からの苦情を受けて、10時14分、この船の船 橋 に無線連絡をしている。船は単なる停電中であると聞かされ、これにより救助活動は遅れることとなった。沿岸警備隊は、最終的には救助隊を とにかく派遣した。

Schettino氏は先週、イタリアの判事の面前における非公開の証言において、パニックになることを望まなかったことから、乗客に は 直ちに警報を出さなかったと語った、と船長の証言を知る人は話した。その代わり、Schettino氏は、より安全に脱出できるよう、船 を岸に接近させようと努力したと語った、と事情を知る人は話している。

水曜日、Foschi氏は、本船の船体設計は、数個の水密区画に分かれており、船体の1つの区画が浸水しても、船全体が沈没することは な いようになっていると語った。2つの区画までもが水で満たされても、船は危険にはならないと語った。もし水が3つ目の区画までも破ると、 「状況はかなり危機的になります。それを超えると、船は浮かんでいられません。」とFoschi氏は語った。

「9時57分、Schettinoは船上において非常に大きな問題を抱えており、停電はもちろん、電流がないと話した。船長は Ferrariniに、岩にぶつかったと話した。」とFoschi氏は語った。

「最初の連絡で、船長は、1つの区画だけが浸水したに過ぎないと話した。」と語った。10時6分の2回目の連絡で、船長は2つ目の区画 も 浸水中だと報告したが、本船の浮揚能力は「wasn't compromised(=問題が起きていない)」と話した、とFoschi氏は語った。

10時16分、Ferrarini氏と船長は、「the size of the breach(=裂け目の大きさ)」について、10分間の議論を始めた、とFoschiは語り、Schettino氏はこの状況は「under control(=制御できている)」ことを保証したと付け加えた。

10時33分、Schettino氏はFerrarini氏に対し、船は傾きつつあり、今、イタリア当局と連絡を取っていると話した。 2 分後、退船を予定していると言うために、折り返し連絡した。(The Wall Street Journal: JANUARY 26, 2012)

クルーズ船到着(オマーン)

ハサブ発。クルーズ船Costa Favolosaが、様々な国籍からなる多くの観光客を乗せて、昨日、世界一周航海の途上、ハサブ港に到着した。

観光客は観光地と遺跡発掘現場を訪問する間、ウィラヤトの市場や施設の他、ハサブ市を巡った。

観光客らは、市民の風習や伝統と慣れ親しんだ。この訪問には、市場や自然地の他、Khasab Castle(=ハサブ城)も含まれていた。

The Wilayat of Khasab(=ハサブのウィラヤト)は、特に冬の間、大型クルーズ船にとっては重要な寄港地となっている。(Oman Daily Observer: Thu, 26 January 2012)

連邦政府はニジェール川を結ぶ1億6800万Nのフェリーを購入(ニジェール)

Federal Government(=連邦政府)は、水路の浚渫作業の完了に引き続き、1億6800万Nの費用をかけて2隻の高速フェリーを購入する契約を裁定して、下ニジェール川を 大量輸送のために活用する手続を開始した。

これはState House, Abuja(=アブジャ国会議事堂)で、President(=大統領)のGoodluck Jonathanが議長を務める水曜日のFederal Executive Council(=連邦政府総務会)(FEC)の会議で出てきたものだ。Federal Capital Territory(=連邦首都圏)(FCT)のカギニ地区の第2段階の開発のための260億N相当の契約もまた承認された。

この会議の後の国会議事堂における状況説明会で、Minister of Information(=情報大臣)のLabaran Makuは、FCT(=連邦首都圏)の情報大臣Bala Mohammed、Transport(=運輸大臣)のSenator(=上院議員)のUmar Idris、Interior(=内務大臣)のAbba Moro、Science and Technology(=科学技術大臣)のProfessor(=教授)のIta Ewaと共に出席して、政府はこの水路を休ませておくことを希望していないと話した。

このフェリーは乗客45人乗りで、National Inland Waterways Authority(=国家内陸水路局) (NIWA)が取得し、民間部門と協力して運航して、ワリ、オニッシャ、ロコジャといった町の間で、乗客と商品を手頃な費用で輸送することとなる。(Nigerian Tribune: Thursday, 26 January 2012)

Carnivalはクルーズ船の大惨事で船員に訴えられる(イタリア・米国)

豪華クルーズ定期船のCosta Concordiaがイタリアの沖で転覆したCarnival Corpは、この大惨事についてクラス・アクション(注、集団訴訟)の地位を求めて合衆国で複数の訴訟が提起されるかもしれない最初のものとして、ある船員により訴えられ た。裁判所文書により明らかとなった。

Costa Concordiaに乗務していた船員のGary Lobatonの弁護団は、裁判所に提出した文書において、遅過ぎた退船命令が出るまで、このクルーズ船の「dangerous conditions(=危険な状態)」について気が付かなかったとしている。

この訴訟では、Carnivalがこのクルーズ船を運航当時、国際安全基準を逸脱していたか否かについての判断を求めている。

「Costa ConcordiaのCaptain(=船長)、Francesco Schettinoは、退船命令と救命艇の手配をするのが遅かった。」とLobatonの弁護団は、訴状において述べている。

裁判所に提出した文書によると、Lobatonは、このクルーズ事故によって同様の被害を受けた全ての者のために、個人的に Carnivalを訴えたもので、同社に損害の賠償を求めている。

Lobatonはまた、本件訴訟に対してクラス・アクションの地位を指定するよう、裁判所に求めてもいる。

この114,500トンの船は、トスカーナ州沖で転覆し、11人が死亡し、22人が行方不明になっている。

1月24日のBBC(=英国放送協会)の報道では、死者数は16人に増えたという。

Carnivalは、合衆国の通常営業時間外のReutersの求めに対し、直ちには論評できなかった。

本件は、Gary Lobaton vs Carnival Corp(=Gary Lobaton対Carnival Corp事件)、Case No. 1:12-cv-00598(=事件番号:1:12-cv-00598)、U.S. District Court, Northern District of Illinois, Eastern Division(=イリノイ州北部地域東支所合衆国地方裁判所)。(Reuters: Fri Jan 27, 2012 12:24am EST)

ヒバクシャは反核航海に乗船(日本)

横浜発。第二次世界大戦中の合衆国による原爆投下の生存者が、世界に自分の体験を語り、福島の核の危機から得た教訓を共有して、原子力 発電と核兵器の双方に反対する伝言を広めるべく、100日間の航海を始めた。約950人が火曜日、横浜港を出発した。

日本に本拠を置く非政府組織、Peace Boatが主催するこの種の5回目の旅行の間、生存者らは初めてウクライナを訪問し、1986年のチェルノブイリの大惨事で生き残った人々と会う。

「私は、核兵器の開発は原子力発電所のような原子力の平和利用とは、何だか違うものだと考えていたものです。しかし福島の事故で、私は 人 類が原子力を使用することは、神の道に反するものであることが分かったのです。」と、12歳の時に長崎の原爆投下で生き残った78歳の Kazumi Yamada(=山田一美)は、このNGO(=非政府組織)の旅客船の出発前の記者会見で語った。

広島の原爆の生存者、Shizuko Matsunaga(=松長静子)(80)は、甲状腺疾患を患っているが、福島県の子供達の将来を案じていると語った。

「私は、地球上で原子力を決して使うべきではないという伝言を広めたい。」と記者会見で語った。

この船は、南米、アフリカを含む約20カ国に寄港し、5月3日に日本に戻って来る予定だ。参加者はまた、幾つかの国の反核団体の構成員 と 意見交換もする予定。(The Japan Times: Friday, Jan. 27, 2012)

クルーズ船の被害者は1万4000ドルの補償取引で思案(イタリア・米国)

クルーズ船が座礁して恐ろしい目に遭った時、損害額はどの位になるだろうか。

イタリア船の運航事業者Costa Crociereは、乗客との間の交渉をできるだけ多く削減することを期待して、1万4000ドル以上の数字を提示した。(The Associated Press: Jan. 27)

Heat戦のコートサイドのCarnival CorpのArison(米国)

マイアミ発。金曜日、Carnival Corp Chairman and Chief Executive(=Carnival Corp会長兼最高責任者)の Micky Arisonは、自身のマイアミに本拠を置く会社の子会社の1つに属する遠洋定期船が、2週間前にイタリアの沿岸沖で座礁、転覆して以来、初めて公けの場に姿を現したもの とみられる。

この62歳の億万長者は、マイアミの海岸地区にあるAmerican Airlines Arena(注、「アメリカン航空競技場」の意)のコートサイドに座って、New York Knicksと、世界のクルーズ業界のざっと半分を有する彼が保有しているスター揃いのMiami Heatの、NBA(=全米バスケットボール協会)のバスケットボールの試合を観戦した。

Arisonは、事故現場に姿を現さなかったことから、メディアの報道では厳しく批判されている。CarnivalのCosta Cruises部門が運航していた難破船からは、未だに遺体が引っ張り出されているところだ。

しかしこの「invisible(=顔を見せない)」最高経営責任者は、ある報道で報じられているように、放送席の後ろ側で自分のコー ト サイドからHeatがKnicksを負かす様を観戦していた時は、時折、陽気で、とても静かにも見えた。

スポーツ・コートと開襟シャツを身にまとったArisonは、誰かと僅かに口を利いているように見え、試合が終わると、早々にこの競技 場 を後にした。

少なくとも16体の遺体が、4,200人以上の乗客と船員が乗船し、船体に大穴を開けて転覆した巨大なクルーズ定期船Costa Concordiaから回収されている。

この船の船長、Francesco Schettinoは、自宅軟禁中(注、在宅起訴)であり、トスカーナ州の島の岸に近づき過ぎて事故を起こしたことから、広く批判されている。

Arisonは、Costa Concordia難破後の声明文で哀悼の意を表明しており、この惨事の被害者全員の面倒を見ることを個人的に確約している。(Reuters: Sat Jan 28, 2012 1:38am EST)

バハマの警察はクルーズ船での死を捜査(バハマ・米国)

バハマ、ナッソー発。バハマの当局者は、26歳の合衆国の観光客が、Carnivalのクルーズ船において死亡し、捜査の間、クルーズ が遅れたと話している。

バハマの警察は土曜日、声明文において、サウス・カロライナ州から来た男性が、金曜日の晩に、ナッソーに停泊中のCarnival Fantasyという船で、ある階から別の階に一見したところ飛び降りた、と述べた。現場で男性の死亡が宣言された。

Carnivalは、この客は一見したところ転落したという内容の声明文を出している。この船の土曜日のフリーポートへの寄港は、捜査 が 継続しているため中止になったと話した。

当局者は、この男性の氏名や居住地を発表しなかった。

船は、5日間のバハマ・クルーズのため、水曜日にサウス・カロライナ州のチャールストンを出発した。今のところ、月曜日にチャールスト ン に戻って来る予定。(WPDE: 01.28.2012 at 10:52 PM)

バルバドスの共同企業体が地域フェリー契約を獲得(トリニダードトバゴ・バルバドス)

2012年1月27日金曜日、トリニダード、ポート・オブ・スペイン発。バルバドスに本拠を置くFast Caribbean Ltdが、今年予定されている地域フェリーの運航を経営すべく選任された、とTransport Minister(=運輸大臣)のDevant Maharajは木曜日に発表した。

当初は、このフェリーは、トリニダード・トバゴに本拠をおいて、そこからグレナダ、セント・ビンセント及びグレナディーン諸島、セン ト・ ルシア、バルバドスに乗客、車輌、商品を輸送する。

この事業が商業的に実現可能であることが判明したならば、更に航路を増やすことになる、と大臣は語った。

「バルバドスに本拠を置く共同企業体であるFast Caribbean Ltdが、船主のMontrose Globalからトリニダード・トバゴで運航しているのと同様の112メートルの波浪貫通型双胴船を傭船します。」と大臣は、閣議後の記者会見で報道陣に語った。

「Fast Caribbean Ltdから提案された民間主導の事業がまだ残っております。運航を開始するのに必要な最小限の資本は約1200万米ドルであると、当方に提案されたものの中で先方は示唆し ていますが、先方は2000万米ドルに増資することを提案しています。」

Maharajは、提案は、切符1枚10米ドルで100,000席を通年提供するというもので、トリニダード・トバゴ国籍の者には35 米 ドルまで支払ってもらうことになるかもしれないと語った。

「政府が貢献していることは、交渉をお膳立てしていることです。それには、特別価格に燃料価格を固定させることや、Port Authority(=港湾局)の設備、燃料に関する要望、義務や関税の円滑化、法人税の減免が含まれます。」と語った。

このフェリーは、ポート・オブ・スペインを午前6時に出発して、毎日の最終目的地であるバルバドスには午後6時に到着する。

Trade Minister(=貿易大臣)のStephen Cadizは、この運航で地域貨物の費用を逓減させることになることを示唆した。

「貿易量から、全ての海運会社がグレナダやセント・ビンセントに向っているわけではないのです。」と大臣は述べた。「つまりこれらの 島々 は、そこの商品が出ていくようになると、実際、トリニダードに船で運べるようになるわけで、その後、より大きな会社に積み換えて行くこと になるのです。」(Caribbean360.com: Sunday, January 29, 2012)

悲劇のクルーズ船Costa Concordiaをイタリア沿岸沖で引き上げるのに10ヶ月はかかる(イタリア)

イタリア、ジリオ発。トスカーナ州沖の時化の海のために復旧作業の中断を余儀なくされていることから、イタリア沿岸沖で転覆したクルー ズ船を除去するのに10ヶ月はかかる、と当局者は日曜日に語った。

当局者は、波が1フィート(注、約30センチ)から3フィート(注、約90センチ)になったことに加え、Costa Concordiaが6時間以上の間に1インチ半(注、約4センチ)動いたことを割り出し、500,000ガロンの燃料の除去作業の開始と、未だに行方不明になっている人 の捜索の両方を中止した。

17体目の遺体は、ペルー人船員のErika Soria Molinaであることが判明し、土曜日に発見された。16人の船員と乗客が、行方不明者として一覧に残っており、船内から回収された遺体1体は、未だに身元が判明してい ない。

当局者は、Costa Concordiaが岩礁に衝突して2週間以上も経過しているので、誰かが生きて発見されることは、事実上、除外している。

「我々の最初の目標は、生きている人を発見することでした。」とこの作戦を預かっている国家市民防衛隊のFranco Gabrielliは語った。「今や我々は、1つの大きな目標を持っており、それは、これを環境災害に変えてはならないというものです。」(New York Daily News: Sunday, January 29, 2012, 10:18 PM)

Royal Caribbeanのクルーズ船での死は捜査中(米国)

Royal CaribbeanのLiberty of the Seas(注、「海の自由」の意)に乗船していた47歳の女性客の死は、ポート・エバグレーズで月曜日に捜査されることとなった。

このクルーズ客船会社の広報担当者(注、女性)は、この事件が発生した時、船がどこにいたのか知らなかった。

死亡した女性は合衆国市民であり、足を踏み外して一続きの階段(注、踊り場のない階段)を落ちて、1月30日に死亡した、とRoyal Caribbean Cruises Ltd.の広報担当者であるCynthia Martinezは語った。

「ご遺族とご友人に対し、心からの哀悼の意を申し上げます。」と、このクルーズ客船会社のMartinezから発表された声明文には あっ た。「船の医療施設が転落した女性を当初、看護いたしましたが、残念ながら乗船中にお亡くなりになりました。」

メキシコのコズメルに寄港する4泊のクルーズは、月曜日の午前5時に、ポート・エバグレーズで終わった。乗客は下船手続中だったが、午 前 1時から2時までの間に、警報が鳴るのを聞いたという。(中略)

ポートエバーグレーズのエラー・ドライブ(注、「エラー大通り」の意)にある第25バースでは、捜査官が、ブロワード郡の検視官と Broward Sheriff's Office(=ブロワード郡保安官事務所)と共に、Liberty of the Seasに乗船した。(Palm Beach Post: 11:15 a.m. Monday, Jan. 30, 2012)

EurotunnelはSeaFranceのフェリーを購入へ(フランス)

EUROTUNNELは、清算になったSeaFranceが所有していた4隻のフェリーのうち、3隻を購入する計画を発表した。

このフランス人が保有する会社の会長、Jacques Gounonは、SeaFranceの労働者がフェリー会社を買収することを望んで、この船舶を使用して運航を継続するために組織した協同組合、「Scop」と作業してい ることを語った。

会長は元SeaFranceの職員に地位を提供し、「jobs in Calais under a French flag(=フランス船籍の下、カレーでの仕事)」を提供し続けたいと語った。

Eurotunnelは1994年に開通して以来、海峡フェリーの競争相手であり、SeaFranceはそれ以来、もがいてきた。

しかしGounon氏は、フェリーは、SeaFrance時代よりは貨物の割合を大いに増やすことで、一面ではEurotunnelの サービスを「complementary(=補完する)」ものとなり得ると考えていると語った。

フェリーは、大きさや、危険物に関する規制により、トンネルで輸送することが難しい貨物を輸送することが可能だ。またフェリーは、コー チ (注、長距離バス)にとっては実用的なもので、Eurotunnelとは競合しないと語った。

同社は、この船舶に投資するため、Eurotransmancheという一部門を立ち上げた、とGounon氏は語り、更にこの船舶を 購 入するのに必要な資金、1億1000万ユーロから1億5000万ユーロまでを現金で保有していると付け加えた。また会長は、ノール・パ・ ド・カレー(注、地名)の議長Daniel Percheronに、この議会が以前、SeaFranceを浮かばせ続けるために提供していた1000万ユーロを投資するよう要請した。

競争会社のLD LinesとDFDSは、来月、カレーで新船を就航させる計画を立てているが、Gounon氏はLe Monde紙に対し、競合することに心配はしていないと語った。「Let them come(=かかって来い)」と話した。

「弊社としては、元SeaFranceの職員の技術を使って客船会社を再開し、価格を引き上げたいのです。この数年は SeaFrance だけが、大変に安い、積極果敢な価格設定により生き残ってきたのです。」(The Connexion: January 31, 2012)