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2008年8月

2008年8月の海外旅客船情報

嵐の中でクルーズ定期船が揺れ、ニュー・ジーランド人怪我(ニュー・ジーランド)

嵐の中で船が激しく揺れ、順風万帆の夢が打ち砕かれた観光客を乗せたクルーズ定期船は、オークランドに向っている。

P&O CruisesのPacific Sunは、水曜日の午後8時ちょうど前に7メートルのうねりと時速90kmの風に襲われたとき、オークランドの北、約600キロメートルの洋上にいた。大半がニュー・ジー ランド人の少なくとも40人が怪我をし、船上の医療職員によって治療を受けた。

これは、昨年7月にP&O CruisesのPacific Starが、9メートル以上のうねりに翻弄された嵐の中で損傷を受けた同様の惨事に引き続くもの。窓が割れ、船首が損傷を受け、サテライト・ディッシュ(=パラボラ・アン テナ)が船外にもぎ取られたが、怪我人は少なかった。

広報担当者によると、Pacific Sunの乗客は、切り傷、打撲、捻挫したが、「更に傷害を負った者がいた」という。船が損傷したかどうかについては、詳細を語らなかった。(中略)

Pacific Sunは、乗客1732人、船員671人を乗せているが、横に揺れて以来、ウェブ・カメラの生映像を更新していない。

「お客様が船上で良い看護を受けていると、お客様のご友人やご家族に確約したいものです。」とP&O Cruisesの広報担当者は話した。(Stuff.co.nz: Friday, 01 August 2008)

クルーズ船がピレウスでフェリーと衝突(ギリシャ)

ギリシャのクルーズ船Crystalが、金曜日、ピレウス港でフェリーのLissos(注、旧フェリーはまなす)と衝突した。

クルーズ船には、955人の乗客が乗船していた。両船は物損が生じただけで、怪我をした者はいなかった。Lissosは乗客や車輌を載 せ ていたところで、チノス島とレスボス島に向うところだった。

エーゲ海とトルコで7日間クルーズをしていたCrystalは、Lissosと同様、港湾局の技官による検査を受けてから出港すること と なる。(Express: 01/08/08-21:41)

Carnival Fantasyは油漏出のため再びモービルに転配(米国)

先週、ミシシッピー河で油の漏出があったことから、Carnival Cruise Lineはニュー・オーリンズ行きのFantasyを、モービルに再び転配させる、とこのクルーズ客船会社は金曜日に語った。

この乗客2,056人乗りの船は、5日間のカリブ海クルーズを終えて、月曜日にニュー・オーリンズに帰って来ることになっていた。しか し 「ミシシッピー河で現在進行中の問題」のため、乗客はアラバマ州モービルで下船することとなり、ニュー・オーリンズ港にはバス輸送するこ ととなった。

Fantasyの次のクルーズは、月曜日に出発する予定だが、モービル発となる。ニュー・オーリンズ港に到着することとなっている乗客 ら は、アラバマ州に移送される。Fantasyは、その旅行が最高潮を迎えたときに、ニュー・オーリンズ港に戻る見込み。

Fantasyは先週、ミシシッピー河で400,000ガロンの重油が漏出して以来、モービルに旅程変更することを余儀なくされてい る。 (The Times-Picayune -NOLA.com: Friday August 01, 2008, 2:32 PM)

新たな衝突で船は途方に暮れているかも(ギリシャ)

旅客フェリーが巻き込まれた一連の事故の最新のものは、昨日、955人の行楽客を乗せたクルーズ船が、チノス島とレスボス島に向う人々 をピレウス港で乗船させていたフェリーと衝突したというものだった。

怪我をした者はなく、クルーズ船のCrystalが、港内にいたフェリーLissosに激突したとき、船は小破しただけだった。

両船とも安全検査の後に出発したが、事故は一連の数件の海難事故の後、起きたものだった。これには先月、Kythera沖の岩礁に衝突 し たフェリーや、6月にOinousses近くの岩礁に突っ込んだ別のフェリーも含まれている。

一方、昨日、Folegandrosとピレウスを結ぶ水中翼船に乗船していた乗客1人は、波が船の窓を突き破ったときに怪我をしてい る。 Hellenic Seawaysが保有するFlying Cat 3は、Serifosに接岸することを余儀なくされ、268人の乗客は、窓が修理されるのを待った。(Kathimerini: Saturday August 2, 2008)

サンクト・ペテルブルクとヘルシンキ間でフェリー運航再開(ロシア・フィンランド)

8月2日、発。土曜日にサンクト・ペテルブルクとバルト海の首都を結ぶ定期フェリーの運航が始まる。Stella Lines Company所属のフェリーJuliaは、サンクト・ペテルブルクからフィンランドに向う最初の航海を行う。このフェリーは、「Christian 4」という船名で、ノルウェーとデンマーク間のクルーズに使用されている。

「Inflot Worldwide SPb」という会社の総取締役代理のAndrei Mushkarevは、Juliaは週3回クルーズをすると語った。このフェリーは通年運航となる。乗用車400台と乗客1,500人を乗せることができる。

Mushkarevは、このフェリー事業の関係者全員が72時間査証なしでサンクト・ペテルブルクにフェリーの乗客を上陸させることを 許 可する計画には楽観的だと考えている。関係法令がないことから、3年間、諸外国との間のサンクト・ペテルブルクのフェリー運航が奪われて いた。そうした法令が9月に導入となるかもしれない。

1990年代初期、Baltic Shipping Companyがフェリー事業を支配していた。そこのフェリーの「Anna Karenina」「Ilyich」「Konstantin Simonov」が、サンクト・ペテルブルクとバルト海の首都の間を定期航海していた。しかし直ぐにこの航海は休止となった。

2004年から2005年にかけて、エストニアとフィンランドの会社が定期フェリー運航を始めたが、後にこの事業を放棄した。夏季に は、 こうした会社が150,000人もの乗客を輸送していた。(ITAR-TASS: 02.08.2008, 08.12)

Stena Lineは最新フェリーを就航(英国)

英国とアイルランド間でフェリーを運航しているフェリー運航事業者のStena Lineは、200万ポンドの改修後、最新の「HSS Stena Voyager」を公開した。

船内の改良には、船首の160席の休憩室、新しい便所設備、新しい待遇区画、2店の喫茶店、1店の大都会酒場、乗客170人までが座る こ との出来る拡張された静かな休憩室が含まれる。

団体料金は、全ての便で適用される。詳しい情報は、電話0870 520 4402番へ。(Group Travel Organiser: 03 Aug 2008)

HarperはKomogata Maru事件を謝罪(カナダ)

メトロ・バンクーバー発。Stephen Harper首相は、日曜日、数百人のインド人をカナダから追い返した1914年のKomogata Maru(=駒形丸)事件について公式に謝罪した。

約8,000人の群集が、サリーのベア・クリーク公園であったこの発表に出席した。

演壇を離れると、人々が演壇に押しかけ、首相の謝罪は不十分だと怒鳴り返した。

Komogata Maru(=駒形丸)は1914年5月23日に、376人を乗せてバンクーバーに遣って来たが、政府は乗客の下船を許さなかった。(Vancouver Sun: Sunday, August 03, 2008)

海員はTallinkに対する抗議の中、スト予告へ(エストニア)

The Estonian Independent Trade Union of Seamen EMSA(=エストニア海員独立労働組合 EMSA)は、今日、Tallinkの給与政策に反対し、1時間の予告争議を行う。

Aripaevは、午後1時から2時までの間に予告ストを行い、Tallinkの船舶の何隻かの出発に影響が出ると書いた。

労働組合は、Tallinkは要求に対して圧力をかけており、従業員のことを気にかけていないとする、無視し得ない主張をしている。

「Tallinkは海運以外のことに投資を行っていて、ホテルを建てて、タクシー会社を始めていますが、一方で海員や従業員を苦しめて い るのです。」EMSA副委員長のJuri Lemberは話している。「連中は牛歩戦術をしていて、道理に適った行動を取っていないのです。」

金曜日、Lemberは賃金交渉には進展は見られず、計画通り、ストライキの実施を計画すると語った。「港に接岸している船に影響が出 ま すが、航海中の船には影響は出ません。このストライキは自発的なものですが、Tallinkの海員の60パーセントが支持すると言ってい ます。」と語った。

Tallinkが労働組合の賃上げ要求に応じたならば、人件費は税金を含め、1億5800万クローンに上ることとなる。現在の賃金協約 は、9月に失効する。

Tallinkの代表者(注、女性)は、賃金協約があることから、この予告ストは奇妙なものだと語った。「これは完全な誤解です。」と 話 した。

EMSAには2,000人以上の組合員がいるが、うち1,400人以上が、Tallink Groupの船舶で雇用されている。(Baltic Business News: 04.08.2008 09:37)

北海の双胴船の事故で23人怪我(ドイツ)

ドイツ、エムデン発。北ドイツ沿岸沖で双胴船が時化の海に突っ込み、23人余が怪我をした、と警察が火曜日に話した。この船は月曜日の 晩に北海のヘリゴランド島からボルクム島の港に向う途中で、何メートルもある波が手摺を引きちぎり、展望窓を突き破って入り込んで来た。

飛び散るガラスで乗客23人が怪我をし、うち3人が重傷を負い、ヘリコプターで本土の病院に搬送された。

ヘリゴランド島は夏の間、何千人もの日帰り客で賑わい、その大半が船を利用している。(Earthtimes: Tue, 05 Aug 2008 07:23:33 GMT)

上海の埠頭の近くで船舶衝突、4人怪我(中国)

上海発。Shanghai Maritime Safety Administration(=上海海事安全局)の警備艇が月曜日、Wusong埠頭の近くで旅客船と衝突し、怪我をした4人が病院に運ばれた。

同局によると、この旅客船はShanghai Passenger Shipping Companyが保有する船で、出港直後だったが、数隻の砂利運搬船によって視界が遮られたという。

どの船に乗っていた者が怪我をしたのかは、直ちには判明しなかった。

事故は捜査中であり、後日、賠償金が支払われる。(China Daily: 2008-08-05 00:27)

旅客は名所に到着(中国)

上海の国際旅客ターミナルの「The Water Drop(注、「水滴」の意)」は、当市の新たな建築名所だが、本日開所し、イタリアの定期船Costa Allegraを午前7時に迎えた。Costa Allegraの100回目の中国訪問だった。

船と「The Water Drop」を連結した38メートルの橋を渡って、80,000平方メートルのロビーに観光客が到着した。それは空港のようなもので、「The Water Drop」から定期船に橋が伸びている。「The Water Drop」の中心は、高さ28メートルの、82メートルの搭乗ホールとなっている。

2億6000万米ドルの「The Water Drop」は、850メートルの埠頭に80,000トンまでの旅客定期船を3隻収容できる。Oriental Pearl Towerに面した北外灘にある「The Water Drop」は、年間100万人の乗客を扱うこととなる。

上海は、2年前にCosta Allegraの基地となり、それ以来、国際旅客定期船の基地となっている。

Carnival、Royal Caribbean、そしてStar Cruisesという3大クルーズ運航事業者が、上海に事務所を設けている。(Shanghai Daily: 2008-8-5)

スタテン島の通勤者はフェリー・ターミナルの抗議で邪魔される(米国)

仕事から帰宅途中のスタテン島の島民が、今日の夕方、異例の抗議に直面した。

午後5時30分頃、ホワイトホール・フェリー・ターミナルで、可能性あるイラン攻撃に反対する意見の声の方を向くと、約50人の反戦活 動 家が立ちすくみ、忙しいラッシュ・アワーの通勤者に印象を残そうと、5分間立ち塞がったのだった。

抗議者らは大声で「No attack on Iran(=イラン攻撃反対)」と繰り返し叫び、その場に留まってプラカードを握り締めていた。プラカードを貸してくれと言って、数人の通勤者も抗議に加わった。デモは、 抗議者の1人が混雑しているターミナルの中で笛を吹いて始まった。

この突飛な行動は、 George W. Bush大統領が大統領執務室から出発する前に、イランに対する攻撃の脅威が相次いだことに応えてなされたもの。同様の行動は、マンハッタン島のグランド・セントラルやペ ン・ステーション(=ペンシルバニア駅)でもあった。(Staten Island Advance: Wednesday August 06, 2008, 5:33 PM)

フェリーのMV Kabalegaは代替(ウガンダ)

政府は、MV Kabalegaを代替するため、フェリーの購入に第1歩を踏み出した。このフェリーは小麦800トンを輸送していたが、2005年5月にMV Kaawaと衝突して、ビクトリア湖に沈没した。この衝突で、MV Kaawaが国内唯一のフェリーとなっていた。Privatisation Unit(=民営化局)の広報官、Jim Mugungaは、次のように語った。

「様々な事項に助言をしてもらうため、海事専門家を起用しているところです。」

フェリーは鉄道網の代替手段であり、ケニアとウガンダの輸送網を連結している。(New Vision: Wednesday, 6th August, 2008)

Akerのフィンランドの造船所が2隻のイギリス海峡のフェリーを建造へ(フィンランド・英国)

英国の海運会社がノルウェーの造船業者Aker Yardsに2隻の大型旅客フェリーを発注した、と同社は金曜日に声明において述べた。このフェリーは、フィンランドのラウマのAkerの造船所で建造される。

この注文はP&O Ferriesがしたもので、3億6000万ユーロ相当。Akerのラウマ造船所は、2010年と2011年に、このイギリス海峡で使用する船を引き渡すこととなってい る。(Newsroom Finland: 8.8.2008 at 10:43)

クルーズ船は有毒ガス漏出で訴えられる(米国)

8月10日、マイアミ発。2005年にロサンゼルス港であった船員3人が死亡した有毒ガスの漏出事故で、Royal Caribbean Cruisesは元船長に訴えられた。

ノルウェー人のBjoern Eidissenは、Miami-Dade Circuit Court(=マイアミ・デイド巡回裁判所)への訴えにおいて、このクルーズ客船会社は、2005年9月2日に有毒な硫化水素ガスが漏出していたバラスト・タンクの保守・ 修繕を怠ったと主張した、と土曜日にThe Miami Heraldが報じた。

「船長はこの船に乗船しており、他の船員らと共に駆けつけ、ガスに晒されたのです。」とEidissenを代理するマイアミの弁護士 John H. (Jack) Hickeyは語った。「外傷性脳損傷を負ったものと考えております。」

Eidissenの訴えにおいては、障害のために働けなくなったとして、不特定損害賠償金を求めている。

金曜日、Royal Caribbeanは声明文において、救助隊は、呼吸機具を使用して漏出したガスに打ち勝った3人の船員を回復させることに専念していたと述べた。Eidissenの役割 は、乗客が乗船中に発生したこの事故の記述においては言及がなかった。

「いずれにせよ、影響を受けた者はいなかった。」と声明文にはあった。「船員や乗客の宿泊設備、あるいは公室内において、ガスが危険な 水 準にあったとする報告は決してなかった。」(United Press International: Aug. 10, 2008 at 4:52 PM)

新しいBrittanyのフェリー(フランス・英国)

Brittany Ferriesは昨日、ヘルシンキで新しい豪華クルーズ・フェリーを進水させた。12月に引き渡される予定のArmoriqueは、2009年3月に就航する。

この9000万ポンドの船は、ポーツマスとロスコフの美しいブレトン港の間で使用するために特別に設計されたもので、ブルターニュ地方 の 国立公園に因んで命名された。

新船は、乗客1,500人と500台以上の乗用車を積載できる。また、燃料効率と二酸化炭素の排出を最小限にしている点から、環境に優 し いことを自慢としている。

David Longden代表取締役は、設計趣旨が「本船が正に現代の特色を出すため、ブルターニュの色彩や空間を反映している」と言って、新船の快適さと様式を賞賛した。

「今日旅行する際、最も豪華なものの1つに、空間的余裕というものがございますが、飛行機の旅の場合は、大変に人気のものとなっており ま す。Armoriqueの全てのお客様は、こうした恩恵を受けることができるのです。」と続けた。

このフェリーは、昨年、プール―シェルブール航路、プール―サンタンデル航路に就航したCotentinという、最近、船隊に加わった 船 と、船体は同じ。(TravelBite.co.uk: Monday, 11 Aug 2008 14:44)

フェリーの座礁は未だに調査中(米国)

U.S. Coast Guard(=合衆国沿岸警備隊)は、未だに金曜日の夜に発生した事故を調査している。この事故は、カスコ湾のバスケット島の南東約半マイルで、ポートランドに本拠を置く フェリーが座礁したというもの。

96人の乗客は、このフェリー、Bay Mistから脱出した。海洋汚染や怪我人の報告はない。事故は金曜日の午後10時頃、発生した。

84フィートのフェリーは、午前3時15分頃、上げ潮によって再浮揚した。船体検査では、穴の徴候を示すものは見つからなかった。この フェリーと3人の船員は、ポートランドのカスコ湾フェリー埠頭まで、曳き船に護衛された。(MaineToday.com: August 11, 2008 11:00 AM)

組合はKiwiRailは歩み寄りの姿勢がないと批難(ニュー・ジーランド)

Interislanderフェリーに乗組んでいる船長と甲板員を代表する組合は、KiwiRailとの継続中の契約上の論争が、6ヶ 月間に亘る交渉の解決には至らなかったことで落胆した。

「我々の方ではかなりの妥協をしたにも拘らず、会社側は満足のいく妥協に達するよう、立場を十分に変えようともして来なかった。」と Merchant Service Guild(=海上貿易組合)は今日、話した。

昨夜と今晩に計画されていた2回のストライキは、昨日、賃金交渉が再開されて中止となった。

声明においてKiwiRailは、Interislanderの経営陣と組合は、交渉において合意に達するよう努力を継続すると述べて い る。

夜行便2便は、上級船員が持ち場を離れて大半の運送会社が混乱し、土曜日の晩に運休した。

ニュー・ジーランド最大の運送会社であるMainfreightは、準備を整える時間を得るため、クック海峡のフェリーが影響を受ける 争 議行為をより警戒すべきだと話している。

同社は、KiwiRailはストライキが計画されていることについて2週間以上も前に聞かされていたが、貨物便2便が運休となった前日 の 先週の金曜日まで、その情報を伝えてくれなかったと話した。(The Dominion Post: Tuesday, 12 August 2008)

ロシアは48人のウクライナ人の船員をグルジアのポチ港で足止め(ロシア・グルジア・ウクライナ)

ウクライナの外務大臣は、黒海のグルジアの港湾で足止めになっているウクライナの民間船の帰還問題で、ロシア側と協議している。

UNIANの通信員によると、ウクライナ副外務大臣のKostayntyn Yeliseyevは、今日、キエフであった記者会見で、この問題を主張した。

副大臣によると、とりわけ48人の船員が乗船している大型のウクライナのフェリーが、グルジアのポチ港で足止めになっているという。こ の フェリーは、軍事衝突が発生する前にポチに到着していたもので、黒海海域がRussian Black Sea Fleet(=ロシア黒海艦隊)の艦船によって封鎖されているため、現在、イリチェフスク(ウクライナ)の港湾に帰還できないという。

「そうした封鎖を避けるため、ロシア側と協議しているところであります。」とK.Yeliseyevは語った。(UNIAN News Agency: 12.08.2008 15:43)

クルーズ船がMeyerferft造船所の船渠から出る(ドイツ・米国)

十分な試験や機関試験の後、Celebrity Cruises向けの新船、Celebrity Solsticeは、MEYER WERFTの屋根のある第二船台を、2008年8月10日、日曜日に出た。

午前7時30分頃、ゆっくりと船台を離れ始めた。その日、多くの試験がなされた。午後2時までに、船は造船所の埠頭に停泊した。

船は埠頭に停泊し、本船の2本の煙突を取り付けるような残りの作業がなされることとなる。

エムス川からEemshaven(オランダ)の港湾への海上試運転は、2008年9月27日に実施される。

この新船は全長315m、全幅36.80mで、24ノット以上の速力で航行可能。2,858人以上の乗客を、1,426室の船室に収容 で きる。(Shipping Times: 14 August 2008)

MSCはAKERに2隻のクルーズ船を予約(フランス・イタリア)

MSC CruisesはAker Yardsに、2隻のMusica級のクルーズ船を発注した。

声明によると、船はAker Yardsのサン・ナゼールにあるフランスの造船所で建造し、2011年2月と2012年2月に引き渡されるという。この契約は未だに融資を条件としており、船価は発表さ れていない。

この発注は、P&O ferriesの約3億6000万ユーロ相当、ドーバー―カレー航路向け、2隻の49,000総トンの旅客カー・フェリーの注文に引き続くもので、こちらの船はフィンラン ドのラウマのAker Yardsで建造される。このMSCの最新の契約は、韓国の造船所、STXが、ノルウェーに本店を置く国際造船グループの買収を完了した後で署名された。

6月、フランス政府はSTXと協議しており、サン・ナゼールとロリアンで2つの造船所を経営してしているAker Yards Franceの株式の34%を買収する意向だと報じられた。(Maritime Global Net: Thursday, 14 August 2008)

賭博船は永遠に港を去る(米国)

フロリダ州、フォート・ローダーデール発。賭博の風景は、南フロリダでは変貌を続けており、最近までにカジノ遊びの唯一の店舗の1つ が、市場から圧力を受けていることが判明した。フォート・ローダーデールに停泊しているクルーズ船のSeaEscapeが、ポート・エバ グレーズから戻って来るのが日曜日で最後になる。

1987年以来、この船はどこかに半日クルーズを行っていた。つまり法規制を逃れるために巡航していたもので、常連客はスロット・マ シー ン、ブラックジャック、その他のカジノの賭け事を楽しむことができた。この種のゲームは陸上では許されていなかったので、船は一貫して事 業を営むことができたのだった。

今では、Seminoleカジノ(注、先住民セミノル族経営のカジノ)の完全なカジノ賭博の出現や、競馬場やドッグ・レース場にあるベ ガ ス流のスロット・マシーンが登場し、SeaEscapeは危機感を持っていた。初年度から、乗客数は12パーセントも減少したのだった。

厄介な経済、高騰する燃料費、そして競争の激化といった挑戦を跳ね除けることができず、このクルーズ船の経営陣は、ブロワード郡から移 動 するのが有益かもしれないと判断したのだった。

この船は、直ぐにフロリダ州のどこかの港に落ち着くという噂がある。陸上の賭博場の急増は、ブロワード地区に集中しており、そこから離 れ ることで、船は再び利益を上げるかもしれないという。(Online Casino Sphere: 8 14, 2008)

デンマークの海運グループDFDS A/Sは業績下方修正(デンマーク)

2008年8月14日。デンマークの海運グループのDFDS A/Sは、木曜日(8月14日)に、年間収益と収益の伸びは以前の予想よりも少ないとして、業績下方修正を行った。

市況の悪化と高い石油価格のため、同社は年間の税引き前収益の予想は、以前発表した5億デンマーク・クローネから、3億2500万―3 億 7500万デンマーク・クローネに修正したと話した。年間収益の伸びは、以前は3―5%の予想だったのに対し、今や約2%を予想してい る。DFDSは、8月26日に中間報告書を発行する。

デンマークのコペンハーゲンに本店を置くDFDS Groupは、64隻の船舶からなる北ヨーロッパの指導的な海運会社。同グループは14ヵ国に4,400人の従業員を擁し、2007年度の収益は、83億デンマーク・ク ローネと報告している。

1英国ポンド(GBP)は、約9.48デンマーク・クローネ(DKK)に相当。(Trading Markets: Thursday, August 14, 2008)

BC Ferriesの船舶火災で乗客はTsawwassenで立往生(カナダ)

ブリティッシュ・コロンビア州、バンクーバー発。BC Ferriesの船、Coastal Inspirationが、金曜日、Tsawwassenからデューク・ポイントに向う途中で出火した。

Coastal Inspirationは、ナナイモのデューク・ポイント・ターミナルに向おうと、ジョージア海峡を横断中だった。このとき船内で動いていたキューブ・バンが火を噴き、船 内は煙に包まれた。船はバンクーバー南部のTsawwassenターミナルに引き返すことを余儀なくされた。

この火事で、数時間に亘って運航が混乱した。フェリー船員は乗客に、午後12時45分頃、船内で火災が発生したと発表した。船のスプリ ン クラー・システムが、直ちに作動した。

552人の乗客全員は、カフェテリアとラウンジ区画に留まるよう要請され、怪我をした乗客はいなかった。火災発生時、合わせて201台 の 車輌が積載されていた。

デルタ消防署が、この動いているバンから上がる炎を抑えることができたが、車の内部は大破した。

Coastal Inspirationはドイツで建造されたもので、昨年6月に就航したBC Ferriesの3隻の新しいSuper C級の船の1隻。この船は、乗客1,600人、乗用車370台が積載可能。(AHN: August 16, 2008 1:21 p.m. EST)

Steam Packetの所有者はCondorのフェリー運航を買収(英国)

Steam Packet Companyの所有者は、その資産名簿にもう1つの英国の離島フェリー運航を加えることとなった。

オーストラリアに本拠を置く巨大銀行のMacquarieは、チャンネル諸島のフェリー会社、Condorを購入すべく、数百万ポンド の 取引に合意した。この取引は2億5000万ポンド以上のものと報じられており、将来、長期間に亘って、フェリー運航を確実にするための手 段と見られている。

同様の保障は、MacquarieがSteam Packet Companyを買収したときにもなされ、世界最古の継続的海運会社の独自性を維持することが強調された。

Condor Ferriesは、ウェイマス、プール、ポーツマスから、ジャージー島、ガーンジー島、そして北部フランスとの間を運航している。イングランド南部海岸からブルターニュ地 方に行く最速のフェリーであることを自慢とし、チャンネル諸島との間の全海上輸送貨物の80パーセントを占めている。(中略)

Macquarieは、1980年代後半以来、ヨーロッパで活動してきており、ヨーロッパの本店はロンドンにある。(Isle of Man Today: 18 August 2008)

1933年のマルクス主義者小説の人気は、日本の若者の急進的変化への渇望の現れ(日本)

日本:何百万人もの日本の労働者は、賃金の減少や、希望が持てなくなって来ている中、どう生きるべきか学んでいる。東京のDavid McNeillが報告する。

「WE'RE GOING to hell!(=おい地獄さ行(え)ぐんだで!)」

1人の日本人漁師が、ロシア沖の凍てつく海に向う加工船に乗り込む際に、そう叫び、この警告が全て真実であることが証明される。水夫、 そ の仲間、老練な海で鍛えられた男達や大学生、貧しい農家の少年らの一団が、残忍な現場監督、貪欲な上司に殴られ、搾取される。組合を結成 し、ストライキを始めると、軍隊がドカドカと乗船してきて、容赦なく鎮圧されてしまう。

そうしたものが、プロレタリア(注、無産者階級)の古典、The Crab Ship(=蟹工船)の最小限のあらすじである。この小説のために、著者のTakiji Kobayashi(=小林多喜二)は、日本の悪名高い特別高等警察の注意を惹き、出版して4年後に、拷問によって殺害された。しかしそれは1933年のことであった。日 本で増えているワーキング・プアー(注、低収入労働者)を恐らく除いては、多くの者にとっては驚くべきことに、この Kobayashi(=小林)の本は、人気が復活し、書棚にある他の題名の本よりも、飛び抜けて売れているのである。

長年、年間約5000部が、主として大学教授や社会主義者向けに販売されてきたものだったが、The Crab Ship(=蟹工船)は、1月から人気が沸騰した。この文庫版の出版社であるShinchosha(=新潮社)は、今年490,000部近くも刷っており、100倍に増え ている。どれだけ印刷したら良いのか見当が付かないと話している。

「驚いています。」と同社広報担当のYuki Mineは、新しい読者の半分以上が20代、30代だと語る。同書の漫画版も2006年に出版されており、学生に大変に人気があるという。

マルクス主義者の作品の復活は、多くの者が日本の極貧の過去のゴミ箱に長らく放り込んでいたものが、世界第2の経済の中で、不満の高ま り の証拠として現れたものである。深刻なリストラ(注、改革)の10年間において、多くの従業員の保護が削られてきた。日本の労働者の3分 の1は、パートタイム(注、非常勤)であり、更に多くの者が、とりわけ若者が、賃金の減少や、希望が持てなくなって来ている中、どう生き るべきか学んでいる。

「この小説の状況とは違いますが、社会構造は同じなんです。」と著述家で評論家のKarin Amamiya(=雨宮処凛)は話す。彼女は1月にThe Mainichi(=毎日新聞)のインタビューの中で、この洞察を賞賛し、同書の復活の火付け役となった。「今日の読者は、この本の中に自分を見出すのです。とりわけ貧し い若者が、そこに自分の生活が描かれていることを知るのです。」

こうした国内の気分の変化から利益を得ているのは、出版社だけではない。ちっぽけなJapan Communist Party(=日本共産党) (JCP)は、政治成績表の底辺近くで、長年、惨めに過ごしてきたが、2月に党首のKazuo Shii(=志位和夫)がYasuo Fukuda(=福田康夫)首相に熱弁を振るうと、毎月1,000人の党員が補充されていると伝えられている。

「日雇い労働者は、使い捨て商品のように捨てられているのです。」とShii(=志位)氏は、インターネット上のTVクリップで、延々 と 流している。同党は、日刊紙Akahata(=赤旗)という新聞を150万部販売しているが、ピーク時の350万部には及ばない。

JCP(=日本共産党)の成長は、しかし異例のことである。日本の組合員数は史上最低であり、この国は未だに、半世紀もの間、殆ど継続 的 に支配してきた財界びいきのLiberal Democrats(=自由民主党員)が優勢だ。それでもCrab Ship(=蟹工船)現象は、日本の若者の多くが、急進的な変化を渇望していることの現れといえる。

「80年前に書かれたものですが、全然、古さを感じさせません。」とAmamiya(=雨宮)は話す。「その点で、2008年における 復 活は、大変に理解できるものであり、興味深いものなんです。」(Irish Times: Tuesday, August 19, 2008)

フェリーの乗客は便所の試練(英国)

フェリー会社が、週末のリバプールからベルファストへの殆ど1晩かかる横断航海の間、便所が使用不能だったことを乗客らに謝罪した。

Norfolkline Ferriesは、便所に布切れが流されたために、日曜日の朝、午前12時頃、配管システムが故障したと話した。ある乗客は次のように語った。

「船の上で殆ど10時間も、便所なしで過ごしたんです。最悪ですよ。」

同社は乗客らに「inconvenience(=不自由)」をかけたと謝罪した。

「機関士が徹夜をしてこの問題を解決するために作業し、乗客が下船した午前7時5分頃、解決いたしました。」

BBCと連絡が取れた乗客の1人(注、男性)は、小さな子供を連れた家族連れが大勢いたと話した。

「この船は最悪です。出港すべきではなかったのです。」と語った。

午前6時頃、ベルファストに到着した時、ターミナル・ビルは閉まったままで、街の公衆便所は全て開いていなかったという。

「これまでの人生で最も急いで北部海岸の自宅に帰りました。この件に拘った誰にとっても、まさしく最悪のことでした。」と語った。 (BBC News: Page last updated at 12:19 GMT, Tuesday, 19 August 2008 13:19)

遠洋定期船の記念品が収集家に歴史上の贅沢な時代を誘う(米国・英国)

8月19日、サンタ・フェ発。豪華に設計された「Empress of Britain」は、1930年6月11日の就航に備えた海上旅行の素晴らしさや驚きに満ち溢れた巨大な遠洋定期船だった。

このBritish Royal Academy(=英国美術院)の芸術家によって装飾された船は、異文化の伝統やアール・デコ(注、1920年代から30年代に流行した直線を基調とする装飾様式)の魅力 が興味深く混在したものだった。直立的で堂々としたEmpressは、プールやテニス・コートを備えた洋上都市であった。

中国を主題とする丸みを帯びた喫煙室。「Mayfair」という休憩室はルネサンスの意匠であり、カード・ルームはスペインを主題と し、 1等食堂は現代風だった。

この船の宿泊設備は、浪費の限りを尽くしたスィートから、小さな内側の船室まであった。最大のスィートの2室には、独自のバルコニーさ え も付いていた。船室の全てには洗面所があり、完備した浴室が備えられている部屋もあった。

珊瑚色のカーテンのある空色の円柱が、舞踏場を取り囲んでいた。卵形の天井には、青空が描かれ、白い星が踊り場の上にぶら下っていた。

士官と船員は、いつも乗客の数よりも多かった。サービスはこの豪華クルーズの大きな要素であった。Empressには、自転車設備や電 動 馬、パンチ・ボールがある体育館もあった。

贅沢というのは、今日の収集家にとって、遠洋定期船の記念品の魔力となっている。これら洋上都市は、より大きく、フランスの油絵の一場 面 のように装飾されている。ジェット機の旅に取って代わられ、最終的には過去のものになってしまった。

5月22日に、ニューヨークのSwann Galleriesが、Frank O. Braynardの収集品から遠洋定期船の記念品を競売の目玉にした。Empress of Britainの彩色された石版ポスターは、1931年、36インチ×24インチ。3,120ドルで売られた。(PR-Inside.com: 2008-08-19 19:33:35)

アムステルダム:3泊のクルーズ休暇が95ポンド(英国・オランダ)

ニューカッスル・アポン・タインからアムステルダムへDFDS Seawaysに乗って、1人当たり95ポンドから、3泊に更に都市で過ごす休暇付きの旅を楽しもう。

料金には、往復の船賃と船室、寝台と朝食付きのアムステルダムでのホテルの選択権、更に宿泊延長して、このワクワクさせられる都市を探 検 する選択権も含まれている。

DFDSではまた、2泊の都市クルーズ休暇も提供しており、往復の船賃と船室、全食事付きで、1人当たり79ポンドから。

詳しくは、電話08717 818 177番か、DFDS Seawaysのウェブサイトまで。(TravelBite.co.uk: Wednesday, 20 Aug 2008 11:22)

フェリーで何百人もが何日も立往生(エジプト)

サウジ行きの何百人もの旅行者が、機関不調のため港に引き返すことを余儀なくされた船で3日間も立往生した、とサウジの日刊紙、 Arab Newsが木曜日に報じた。

エジプトのサファガとサウジ・アラビアのドゥーバを結ぶフェリーは、サファガに戻って来たが、乗船していた者は、修理後もこの旅を継続 し たいのならば、船を離れることはできないと告げられた。

船は、火曜日にドゥーバに到着した。(ArabianBusiness.com: Thursday, 21 August 2008)

NCLは陸上勤務145人解雇(米国)

Norwegian Cruise Lineは木曜日、世界的に145人の陸上従業員を、燃料価格の高騰と今後2年間の船隊縮小に対処するための経費節減と再編の一環として解雇した。

今回の解雇は、このマイアミに本拠をおくクルーズ運航事業者にとっては2度目の職員削減になる。3月に解雇された従業員数は公表してい な い。

今月初め、同社はサンライズのSawgrass International Office Parkの新しい営業所の職員を雇用し始めた。ここでは約140人を雇用すると言われている。同社にはそうする金銭的誘引があった。

サンライズに新規事業を誘致するため、市当局者はNorwegianの親会社であるNCL Corp.に、新規雇用者1人に付き500ドル、サンライズの住民1人に付き1,500ドルを支払うことで合意した。

この合意がなされたとき、この動きはもしかするとマイアミ・デイド郡における雇用に悪影響を及ぼすかもしれないとの批判もあった。

NCLの広報担当者のAnneMarie Mathewsは電子メールで、この解雇はサンライズでの事務所開設とは無関係だと話した。そこでは単に販売だけを行うという。

「会社の全ての部局を通じてポストを削減しており、マイアミ、アリゾナ州、英国、ヨーロッパでは縮小しております。」とMathews は 書いてきた。

声明では職員の削減に言及し、NCLは積極的に削減に取り組み、同社は2010年までに船隊に加わることになる2隻の新しいF3船に よっ て史上最大の成長をするための準備をしているという。その一方で、3隻の船を運航から外す。

Marco Poloは、今年初めに運航から外された。またNorwegian Dreamは秋に、Norwegian Majestyは2009年に、外れることとなる。同社はまた、ハワイから2隻を転配し、ヨーロッパの港湾に3隻配置するという。

NCLは、この解雇は「今後数年以上に亘る成長の構図を適切に支えるため」会社にとって必要なことだと話した。(Bradenton Herald: Friday, Aug. 22, 2008)

HDが直行航路を大削減し、乗客らは怒り(英国・フランス)

HD Ferriesのサン・マロ行きの直行航路が、燃料費の高騰のために運休になった、と昨日、乗客が主張した。

昨日、Guernsey Pressと連絡を取った多くの旅行者が、この運航事業者が9月1日より、ガーンジー島からサン・マロに直行航路を移転する突然の決定を行ったことに衝撃を受けていた。

9月1日以降の航海を予約した乗客らには、運休を知らせるため、同社が連絡を取っている。

この動きは、同社によって最近、多くの便が運休となったことに引き続くもの。影響を受けた乗客は、Guernsey Pressに次のように語った。

「自社の都合に合わせて運休するHD Ferriesのやり方は、定期運航を行う能力に対する乗客の信頼を損なうだけです。自殺行為か何かみたいなものですよ。」

HD Ferriesは、論評をしなかった。(Guernsey Press and Star: Saturday, 23rd August 2008)

バブヤンのカミギン州沖で沈没した2隻の船の捜索は続行(フィリピン)

先週の水曜日、台風「Karen」の真っ只中に、バブヤン群島のカミギン島沖の海域で2隻の旅客船が沈没したことを警察当局は確認し た。

M/V Perpetual Helpは、バランゲイ・バラツバトの埠頭に接岸中に転覆した。この旅客フェリーには、3人の船員が乗船していた。NelsonとAlfredo Bumagat、Gilbert Manaloであり、全員がラ・ウニオンのナギリアン町の住民。

警察では、バランゲイ・バラツバトの沿岸で、M/V St. Josephも水曜日に転覆したという別の情報も受け取っている。船主のErnie Payasと4人の船員が乗船していた。

M/V St. Josephの船員は、Dexter Calapin、Dennis Garalde、Christopher Irece、そしてTeofilo Cadiyであることが判明している。警察では、この船にはナギリアン町に送られるコプラ(注、乾燥させたココナッツの実)の入った袋と鉄くずが積載されていたと話した。

締切時間現在、フィリピン沿岸警備隊は、この行方不明となった船舶と8人の船員の居場所を突き止めるため、捜索と救助活動を続行してい る。

一方、別の船のM/V AAAも、カミギン海域沖で沈没したとの新たな情報もある。(ABS CBN News: 8/23/2008 7:57 PM)

旅券の審査で乗客足止め(ロシア・オーストラリア)

約1600人のオーストラリアのクルーズ船客が今日、地元当局が一連の旅券の審査に何時間もかけたため、ロシアの港湾で5時間も待機す ることを余儀なくされた。

Sun Princessは、大半がオーストラリア人の2000人の乗客を乗せて、7月14日にシドニーを出発したが、ロシア海軍が全ての旅券を審査し、更に再審査したために、ロ シアの東岸にあるペトロパブロフスク港で抑留された。

The Heraldでは、このクルーズ船は2隻の海軍のフリゲート艦によって、港から離れられないよう阻止されたものと理解している。

「午後4時30分に出港することとなっていたのですが、ロシア側は9時30分まで出港させなかったのです。」と乗客の1人、シドニーか ら 来たEllie Fitz-Geraldは話した。

「大変にイライラさせられるものでした。午後5時30分に旅券を集めるために遣って来て、全てに押印しなければならなかったのです。と こ ろが中々それをしないのです。当局が旅券を返還しなかったので、船を離れることができない人もいました。単に船に足止めになっていまし た。それから連中は、旅券の全てを再点検すると要求しました。船長は憤慨していました。」

地元当局は、船をそんなに長く引き止めた理由を説明しなかった。

しかしペトロパブロフスク港は、ロシアがグルジアに軍隊を送る決定をしたことを巡るロシアとNATO(注、北大西洋条約機構)間での口 論 で、一定の役割を演じていた。

ニュース・ウェブサイトのChinaview.comは、ロシアは、NATO主導のOpen Spirit 2008という海軍の演習で、同機構がグルジアを支持していることから、合衆国の軍艦がペトロパブロフスクに入港することを拒否した、と8月19日に報じていた。

オーストラリアはNATOとは密接な関係にあり、グルジアの侵略には反対している。(Sydney Morning Herald: August 25, 2008 - 8:41PM)

Fred Olsenは燃料費のためクルーズの旅程を改訂(英国)

Fred Olsen Cruise Linesは、燃料費の高騰の結果、船舶のうち2隻のfly/cruises(注、「フライ・クルーズ(=飛行機と船旅を組み合わせた旅行)」)の回数を減らすよう旅程を 改訂した。

営業担当取締役のNigel Lingardは、Braemarは5月初めにカリブ海から戻り、ドーバーから北ヨーロッパ、アイスランド、バルト海、地中海にクルーズ運航すると語った。

元々のこの船の2009年夏の予定では、イタリアのチベタベッキア港を本拠地として使用するものだった。この船は、通常のフライ・ク ルー ズの冬季予定のため、来年11月にカリブ海に戻る。

一方、Boudiccaの予定は、2009年12月まで変更はない。2009年12月には、元々のバルバドスからのカリブ海のフライ・ ク ルーズが、以前のポーツマスからサウサンプトンに移るクリスマス以降まで、多くの旧ポーツマス発着クルーズと代替される。Lingard は次のように語った。

「弊社のフライ・クルーズ予定は、元々は2年ほど前の運航経費を基に計画されたものでございます。しかし燃料費の劇的な上昇で、弊社で は 最も費用効率の高い予定を提供することに決めたのです。これはまた、弊社の伝統的な顧客の皆様に、以前の連合王国発のクルーズの選択の余 地を広げる機会をもたらすものでもございます。」

この改訂された予定は、既に販売されている。(Travel Weekly UK: 26 August 2008)

Orient Linesは新所有者の下でクルーズ再開(米国)

Orient Linesのクルーズは、その1番船が新所有者によって買収され、来年の4月から再開する。

Orient Linesの商標は、今年6月に、Star Cruisesから合衆国のクルーズの第1人者、Wayne HellerのOrigin Cruise Groupによって買収された。Hellerはオーランドに本拠を置くクルーズ小売業者で、北米における最大のクルーズ販売者であるCruises Onlyを設立している。

Orient Linesは、当時の所有者であるStar Cruisesが、唯一の保有船であるMarco Poloを売却し、事実上、昨年、廃業していた。この船は今、チルベリーからTransocean Toursが運航している。

新しい所有者は、ロシア人が所有する船齢40年、24,981トン、乗客650人収容のMaxim Gorkiyという船を買収した。この船は現在、ドイツの旅行会社、Phoenix Seereisenが傭船している。この船は11月にPheonixを離れ、2010年から発効する新しいSafety of Life at Sea regulations(=海上人命安全規則)に適合するよう改修される。

船はMarco Polo IIに改名され、4月15日にバルセロナからカイロに向う15日間Wonders of Antiquity(=古代遺跡の驚き)の旅を手始めに、地中海クルーズを提供する。それには、ドーバー、エジンバラのリース、サウサンプトンといったところから数多くの 英国船が航海したところが含まれている。(Travel Weekly UK: 26 August 2008)

Color Lineは挑戦的な上期にも拘らず楽観的(ノルウェー)

ノルウェーのフェリー運航事業者COLOR Groupは、「挑戦的な」今年の前半6ヶ月間に引き続いて円滑な運航を継続するためには、職員の適度の削減が必要だと警告した。

人件費の増加、燃料費の25%上昇、更に同社のリストラ(注、再編)関連の費用で、今年前半に19億ノルウェー・クローネの一般管理費 を 計上した。

このため、22億ノルウェー・クローネの収益が相殺され、税引き前損失が7600万ノルウェー・クローネに上り、昨年同時期よりも 6100万ノルウェー・クローネも悪化した。同社では、今年後半に損失を取り戻せると、未だに自信を持っている。

「年間全体では、昨年と同じになると見ています。繁忙期は夏で、そして夏と秋には実質利益を上げています。」と最高財務責任者の Bjorn Paulsenは語った。

過去12ヶ月間に、Color Lineはノルウェーのベルゲン、オスロとデンマークのヒルトシャルス港を結ぶ航路のうち、2航路を閉鎖した。同社はまた、3隻の老朽船を売却しており、4番目の船、 Princesse Ragnhildは、簿価は5000万ノルウェー・クローネであるものの、現在、係船中であり、売りに出されている。

リストラの一環として、同社は、今年前半に2隻の昼間航海用の船、SuperSpeed IとIIを導入した。このための追加費用は、より効率的なものであることが判明している。

Paulsen氏によると、現在のリストラでは、陸上職員を適切な水準にまで減らすこととなる結果となりそうだという。

「運航の縮小により、新たな配置に合わせるために職員削減を実施しているところです。」と確認した。「2隻の新船の運航により夜間航海 が なくなったので、陸上職員は少なくても良いことになったのです。」と語った。

また同社では、船舶の入れ替え、燃料費の上昇問題、人件費の取り組みが残されるものの、会社が追加費用を負わなくなることから、来年は 通 常の利益水準に回復することを確認した。(Lloyd's List: 27 8 2008)

エストニアとフィンランドの海員労働組合は協同へ(エストニア)

エストニア船籍のフェリー会社のTallinkの船は、9月1日より、国際的な労働組合の活動下に入る、とERR Newsは伝えた。

このことは、労働組合が協同して、このフェリー会社に圧力をかけることができることを意味する、とEstonian Seamenas Independent Unionの委員長、Kaia Vaskは語った。

EMSAとTallink間で署名された賃金協約は、9月1日に失効する。更に、エストニア船籍のTallinkの船舶には、有効な労 働 協約がない。

Vaskによると、エストニアとフィンランドの労働組合が、9月1日より協同することとなる可能性があるという。(Baltic Business News: 29.08.2008 16:57)

フィリピン初のクルーズ船が遂にパラワン島に向う(フィリピン)

フィリピン、マニラ発。数ヶ月待たされて、国内初のクルーズ船、The 7,107 Islandがマニラ港を出発し、パラワン島に向った。しかしこの船には、豪華船での興奮を夢見る観光客を乗せてはいなかった。

GMA Networkのプライムタイム(注、ゴールデン・アワー)のニュース番組24 Orasの金曜日の晩の報道では、Bureau of Customs(=関税局) (BOC)が、合計1980万ペソに上る未納の税及び関税を理由に、昨年暮れに出港することを禁じていた。

「これが、関税当局が本船の展開に関して管轄権を取得した理由です。単に、この船の税金や関税が支払われていないからです。」とBOC の 副局長Reynaldo Umaliは語った。

しかし船主のSteve Tajanlangitは、本船はタイで取得したもので、フィリピンには登録されていないと主張している。

「パナマ船籍(の船)と考えているので、義務は(ない)。外国船籍なので、納税義務はない。」と説明した。

Tajanlangitは、BOCは政府機関がそうした指令を出したことに言及することなく、5月に船を出すことを許可したと主張し た。 BOCは最近、この洋上行楽船がパラワン島に向うことを許可した。

The 7107 Islandには、プール、レストロ・バー(注、酒場)、体育室、スパ(注、温泉)のような施設がある。137室の冷房の効いたテレビと浴室のある船室がある。

「7,107島あるので、フィリピンを宣伝することができます。それでこの船を7,107 Islandとしたのです。」とこの船主は説明した。「手の届かないパラワン島にも行けるのです。」

この船のパラワン島への旅は処女航海だったが、海運会社が関税当局との間での税金問題を解決できなかったならば、この船の最終航海とな る かもしれない。(GMA news.tv: 08/30/2008 12:25 AM)

マディラ島のフェリーは夏の後も継続(ポルトガル・スペイン)

スペインのフェリー運航事業者Naviera Armasは、ポルチマン―マディラ―カナリア島間の航路は、現在までのところ未確定で、数字次第だったが、夏季以降も継続することを確認した。

同社によると、6月13日に始まって以来、14,000人以上の乗客を輸送する「大成功」のため、この航路を継続するという。

Naviera Armasは、この航路で運航する現在、建造中の2隻の船のうち、1隻の「新たなフェリーの受け入れ」を待っているところだ。

同社ではまた、現在、週1便であるこの3つの港を結ぶ航海を、来年5月には「週2回に増加することになりそう」であることも確認した。

Naviera Armasは、3年前にカナリア島とマディラ間で運航を始め、今年、ポルチマン港もその航路に加えてみた。予想以上の需要があり、この海域での試験的航海として始まったも のは、継続運航されるものとなった。

詳しい情報は、ウェブサイトへ。(Portugal News: 30/8/2008)

Superferry 14爆破の「黒幕」がバーレーンから強制送還(フィリピン)

2004年の流血のSuperferry 14爆破事件の容疑者が、土曜日、バーレーンから強制送還された、と警察は話した。

Philippine National Police(=フィリピン国家警察)(PNP)は、バーレーン政府は、Ruben Omar Pestano Lavilla Jr.をフィリピンに送還したと語った。7月24日にバーレーンで逮捕されていた。

PNPによると、LavillaはUnited Nation’s Security Council(=国連安全保障理事会)の制裁目録に搭載され、合衆国官庁によってもテロリストとされていたという。

Lavillaは、地元テロ集団Rajah Sulaiman Movement (RSM)の、精神的かつ創立者と思われる人物。

RSMはキリスト教改宗者集団であり、当局者によると、Abu Sayyaf(注、フィリピンの反政府イスラム過激派)の一団や、Jemaah Islamiyah(注、インドネシアのイスラム過激派)と結びついているという。

警察では、Lavillaは、2004年2月27日のSuperferry 14(注、旧ほわいとさんぽう2)爆破の黒幕であるとみている。これは、洋上における最悪のテロリスト攻撃と呼ばれている。乗船客の100人以上が、この爆破で死亡した。

また、2005年2月14日のバレンタイン・デーの爆破と関わりがあると警察ではみている。

PNPは、LavillaはMakati City Regional Trial Court(=マカティ市地方予審裁判所)に、暴動および殺人の罪で起訴されると語った。(ABS CBN News: 8/30/2008 2:15 PM)