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2006年8月

2006年8月の海外旅客船情報

フェリーが「鯨に衝突」して混乱(英国)

北ウェールズのホリーヘッド沖でフェリーが鯨に衝突し、何千人もの乗客の旅行計画が混乱した。

Irish Ferriesは、火曜日英国標準時間14時の事故後、2日間に亘ってDublin Swiftの運航は休止することを確認した。この船がホリーヘッド港に接近中に、「軽い衝撃」の衝突があった。怪我人はいなかった。

Irish Ferriesの広報担当者は、航海を予約していた4,000人の乗客は、カー・フェリーで対応すると話した。同社の営業部長Declan Mescallは、次のように語った。

「弊社では何が起きたのか正確には把握しておりません。確かなことは、ホリーヘッド港から約1時間30分離れたところで、今日の午後、 水 中物体に衝突したということです。Jonathan Swiftは何か大きくてやわらかい物に衝突し、これは海洋哺乳類の一種かと思われます。」

同船は衝撃を受けたとき、約40ノットで運航中だったと語った。また同社のカーフェリーが横断する際に、イルカがそばで遊ぶことは珍し い ことではないと付け加えた。

Irish Ferriesは、Jonathan Swiftは用心のために運休していると話した。これから2日間かけて、潜水夫が損傷の具合を検査し、もし可能ならば原因を調べることになっている。広報担当者は話した。

「調査結果と修理工事如何により、運航時間は短くも長くもなります。」

乗客向けの情報案内は、電話アイルランド0818 300400番、英国08705 171717番。(BBC News: Tuesday, 1 August 2006, 16:46 GMT 17:46 UK)

フェリー運航の戦いで3社を誘致(英国)

グーロックとダヌーン間のフェリー入札の次の段階に3社が参加することとなった、と運輸大臣のTavish Scottが発表した。

インバークライドとコーワル半島間の車輌と徒歩客の双方を扱う運航申請のため、CalMac、V Ships、そしてWestern Ferriesが誘致された、と話した。

地元権益の見解と同じく、グーロックとダヌーン間のフェリー運航は、助成金なしの商業運航として提供されるもので、現在の運航、時刻表 の 規制を廃止するもの。Scott氏は語った。

「入札手続の次の段階に進むことができて、うれしいです。グーロックとダヌーン間のフェリー運航は、地元民とこの地域の訪問者の双方に とって、生命線となるものです。」

この地域を結ぶ現在の運航は、CalMacがダヌーンとグーロック間、Western Ferriesがハンターズ・キーからマッキンロイズ・ポイント間で行っている。(Glasgow Evening Times: 01/08/06)

Blue Lady:1つの時代の終焉(インド)

8月2日、アーメダバード発。遂に議論のある船「Blue Lady」は、最高裁判所の指名を受けた委員会から、アランで解体するために長らく待ち焦がれていた認可を受けた。この壮大な船は、色々なときにSS FranceやSS Norwayと呼ばれてきたものだが、停泊地からアラン船舶解体工場の墓地となるV 2に向け、最期の旅の途上にある。

門外漢にとって「Blue Lady」は、1984年から85年に工場が拡張されて以来、何千もの船舶を解体してきたアランで解体される単なる船に過ぎないかもしれない。しかし最後の本物の古典的遠 洋定期船の1隻として、フランスで進水して、アランで解体のために到着することは、本船の歴史に他ならない。

Blue Ladyとして知られる前のことだが、フランス人にとってSS Franceの就航は、大変に重要な事業であったのであり、フランス大統領Charles de Gaulleは、1956年の建造開始から1960年の進水に至るまで、綿密に監視していた。

French Line(FL)が、SS Ile de FranceやSS Liberteのような老朽船と代替すべく、大型の古典的遠洋定期船の建造を発注したとき、大統領は「Showcase for France(=フランスの展示場)」としての壮大な遠洋定期船を建造することはフランス国民の誇りとなると述べた。それ故、この船は同国に敬意を表して、SS Franceと命名されたのだった。

建造当時、本船は史上最長の旅客船であった。316メートルの長さは、345メートルのRMS Queen Mary II(注、Queen Mary 2の誤り、英国郵便船も誤り)が2005年に建造されるまで破られなかった。大統領夫人のYvonne de Gaulleは、1960年5月11日に本船を命名し、大統領自身が出席して、大変に愛国的で国粋主義的な演説を行ったものだった。

SS Franceは、多くのフランスの映画俳優や貴族を乗船させて、ニューヨークまで1962年2月3日に処女航海を行った。同年の12月には、Leonardo da Vinciの最高傑作「Mona Lisa」を、ル・アーブルからニューヨークに輸送した。1962年から1974年までのSS Franceとしての最初の時代、本船はFLのフラグシップであり、大西洋横断と、1973年から74年に2度の大変に宣伝された世界一 周航海を行った。FLは、Compagnie Generale Transatlantque(CGT)の子会社だった。

13年間に亘って、ル・アーブルとニューヨーク間の北大西洋を航海し、大西洋横断船である間に何千もの結婚式が船上で執り行われた。

しかし1973年から74年にかけての石油危機と原油価格の高騰に引き続き、1974年10月に本船は引退すると発表されたのだった。

この発表の後、船は東行きの航海の終着であるル・アーブルに接岸しようとしていた。しかし労働組合員がこの船を占拠して港の入り口に停 泊 し、交通を遮断したのだった。約1,200人の乗客と800人の船員が乗船しており、通船で岸に渡ることを余儀なくされた。

労働組合員は船の運航継続を要求し、あわせて労働者の賃金を35パーセント増額するよう求めた。しかしこの日は歴史的なSS France-CGT事業連盟にとって、最期の日となった。最終的にはル・アーブルの埠頭に係留され、忘れられた埠頭として知られることとなった。

船は4年間近く廃船状態のままで、解体の計画も売却の計画もなかった。1977年、サウジ・アラビアの億万長者Akram Ojjehが、時代物の家具や美術品の洋上博物館として使おうとして、殆ど買う寸前まで行った。ところがこの申し出は現実のものとはならず、船は1979年まで港に留まっ たのだった。

最終的には、1979年にノルウェー人の海運の大立者でStar Cruiseの子会社となっているNorwegian Cruise Line (NCL)の所有者Lauritz Klosterに、この定期船は売れた。Klosterは、テレビのLOVE BOATというかっての人気番組の影響をうけてクルーズに関心が出てきたことから、この船を買ったのだった。

海事業界がかなり冷ややかに見ていたことから、Klosterは「寒冷用の」SS Franceから「温暖用の」SS Norwayに、8000万ドル近くかけて改造した。1980年4月4日に、SS Norwayとして再命名された。

ドイツのブレマーハーフェンに曳航され、完全に改造された。旅客定員は2,044人から2,181人に増やされ、船員の定員は 1,100 人から800人に減らされた。1980年にクルーズ運航に供され、新しい装いで運航を始めると、その見事な大きさ、増設された旅客定員、 そして豪華な旅客設備をもってクルーズ業界に革命をもたらしたのだった。

1980年から1999年まで、NCLのフラグシップである定期船であった。スペインのバルセロナ入港時にターボ過給機から出火して最 初 の大きな機関不調を経験する1999年まで、ライバルを蹴散らし続け、満船にして航海していた。

3週間運休することを余儀なくされた。しかしながら運命の日は、2003年5月25日にやって来た。マイアミに接岸後、ボイラーが爆発 し、ボイラー室に加熱蒸気が充満して、Norwayでは7人の船員の命が奪われ、17人が負傷したのだった。

2003年6月27日、SS Norwayは曳航されてマイアミを出発し、2003年9月23日にドイツのブレマーハーフェンに到着した。2004年3月、SS Norwayは再び決して航海しないことが正式に発表された。

しかし、この船には大量のアスベストと、その他の有害廃棄物が機関・隔壁区画にあるため、Basel Convention(バーゼル条約、注、有害廃棄物の越境移動を制限する条約)により、ドイツを離れることを許可されなかった。

本船はドイツ当局により、修理のために移動することが確認され、曳航によってのみ港を出ることを許可された。2005年5月23日にド イ ツを離れ、2005年8月10日にマレーシアのポート・クランに到着した。2006年4月24日、インドのメディアは、Star Cruiseによって所有されている「Blue Lady」と呼ばれているこの船は、アランの船舶解体業者に売却されたと報じた。

2006年6月5日、皮肉にもWorld Environment Day(=世界環境デー)に、インド最高裁判所は、本船がインド領海内に入り、Gujarat Maritime Board(=グジャラート州海事会議)が確認した安全な投錨地に投錨することを許可した。

2006年6月30日、Pipavav港に到着し、そこで投錨していた。Pipavavは、アランの投錨地から35海里離れている。本 船 の分解は直ぐにも始まるが、これはある1隻の船の終わりなのではなく、クルーズにおける壮麗な時代の終焉となる。 (Expressindia.com: Thursday, August 03, 2006)

歴史に残る原子力推進のSavannahが100万ドルで再建(米国)

バージニア州ノーフォーク発。世界初の原子力推進の貨客船Savannahは、James Riverの「Ghost Fleet(=幽霊船隊)」から救われ、ノーフォークの造船所で修復されることとなった。

Colonna's Shipyardが、この海の遺産を修理・刷新するための100万ドル近い契約を獲得した。この船は、国の歴史遺産として長年係留され、Reserve Fleet(=予備船隊)の錆び付いた廃船となっていた。本船は、8月15日にColonna'sに曳航される。

この作業は、稼動していない原子炉の撤去、全ての残留放射物の洗浄、そして新しい任務に向けて船を整えるという政府の大掛かりな計画の 第1歩となる。

Savannahは、サウス・カロライナ州チャールストンで海事博物館になった後、1994年にニューポート・ニューズ近郊の同船隊に 加 わっていた。(WAVY-TV: August 6, 2006)

ハリファックスはベドフォードに連絡するフェリー開設へ(カナダ)

ハリファックス発。今日、州議会に提出されたコンサルタントの報告書によると、高速通勤フェリーを使用して隣接するベドフォードと連絡 する計画に向け、市当局は前進することとなる。

この報告書は、オタワに本拠を置くTDV Global Inc.によって作成されたもので、要点は2つの選択肢にまとめられる。

1つは、それぞれ800万ドルの2隻の350人乗りの旅客船を使って、費用が3000万ドルに上るものだ。この計画にはターミナル、通 勤 者用駐車場、加えて輸送サービス、建設費用、開業費用も含まれる。費用のかからない方の選択肢は、それぞれ550万ドルの2隻の206人 乗り旅客フェリーを使うもの。

この報告書が承認されると、運航は2007年の秋までに始まることとなる。(Globe and Mail: POSTED ON 07/08/06)

広島爆撃の生き残りがその恐ろしい日を回想(インド)

コーチン発。正義無き平和はありえない。国家が直面する内外の問題の多くは、正義の欠如によるものだ、と平和活動家で元インド海軍大将 のRamu Ramdasは語った。

合衆国が広島に原子爆弾を投下して61年周年に関連し、日曜日、ここToc-H Public SchoolでPeace Boatによって組織された聴衆を前に演説し、平和は唯一の戦略であり、最終的には勝利するものだと語った。

この出来事に関連して、14歳のときに広島爆撃で生き残ったAmano夫人が、その身の毛のよだつ日の記憶を回想した。「私は工場で働 い ていました。というのは第二次世界大戦は学生までも巻き込むものだったからです。工場の壁が厚かったために助かることができました。しか し私の家族は、同じように幸運ではありませんでした。なぜなら、私たちの家は爆弾が投下された場所の近くにあったからです。」2年後、こ の女性は小学校で教師として働き始めた。

Peace Boatのクルーズ・ディレクターNakahara Dainiは、国家は敵を許すべきであり、過去の過ちから学ぶべきだと語った。

広島と長崎での爆撃の影響に関するスライドでの展示が行われ、平和の歌が歌われた。(Hindu: Monday, Aug 07, 2006)

トランスジェンダーの船員は船の「大衆文化」を批判(英国)

あるトランスジェンダーの女性が、「balls(注、キンタマ)」について質問され、意図的に「he(=彼)」とされた、と労働裁判所 で陳述した。

P & O Ferriesの船員であるDrusilla Philippa Marlandは、同社が差別から守ってくれなかったために退職を余儀なくされたと主張している。

彼女は性転換のためにからかわれ、Pride of Bilbaoという船の上で「we are all men here(=ここにいるのは皆、男)」などというあざけりに対処することを余儀なくされた、と聴聞において陳述した。

「私をよそ者扱いする機関士のいる大衆文化がありました。」と彼女は話した。

内部調査で、同僚が不適切に振舞っていたことが判明した、とサウサンプトン裁判所は聴聞した。P&O Ferriesの人材補佐Sandra Rayは話した。

「機関室におけるMarlandさんの同僚達の振る舞いの水準は、期待されているようなものではありませんでした。大半の者は、無知 だっ たのであり、悪意のないものでした。」

彼女は、性転換者の扱いについて教育するよう主張しているが、これ以上の損失補償には関心がないとしている。

聴聞は続いている。(PinkNews.co.uk: 09-August-2006)

噂はあるが、まだフェリーを購入せず(カナダ)

BC Ferriesが、Queen of the Northの代替フェリーとして「Sonia」を購入する取引を終えたという噂は、事実ではない。

広報担当者のDeborah Marshallが金曜日の午後に話したところによると、BC Ferriesは交渉中であり、現時点では何の発表もないという。

「Sonia」は、仲介業者のMaerskの所有で2004年建造。21ノットで運航し、乗用車178台、乗客1,000人以上を乗 せ、 船室は79室。(Queen Charlotte Islands Observer: Friday, 11 August at 17:50:49 PST)

窃盗:会計係の同僚が計算が合わないことに気づく(米国)

Princess Cruisesの船に乗務していた従業員が、金曜日、船の金庫から40万ドルを窃取した容疑で起訴され、ケチカンの裁判所に出頭した。

オーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州のElisha Cuffeは、Sapphire Princessの事務員で、この刑事告発によると、時に150万ドル以上の現金に接する機会がある仕事をしていたという。

Cuffe(32)は、ケチカン地方裁判所に出頭した。窃盗の重罪で起訴され、保釈金は、現金で30,000ドルとされている。彼女は オーストラリア領事館の当局者と接触することを断った、とアラスカ州警察では話した。旅券は押収され、U.S. Customs and Border Protection(=合衆国税関・国境警備隊)に引き渡されている。

FBI広報官のEric Gonzalezは、当局では、窃取した現金を公海上で運搬した容疑で、連邦政府に起訴することも考慮中だと話した。

昨年の5月からの数週間に、Cuffeはこの船のコンピュータ記録が実際に扱った現金の正しい合計額よりも少ないことに気が付いたと捜 査 官は話した。報告書によると、Cuffeは超過した現金を自分の船室に運び、食器棚の中に溜め込み、それからベッドの足の近くに置いてい たという。

検察官作成の刑事告発によると、水曜日のCuffeの船室の捜索で、合衆国紙幣の400,000ドル、カナダ通貨の40ドル、合衆国の 旅 行小切手で4,660ドル、そして9,700ドルのクレジット・カードび支払明細を回収することができたという。

捜査に当たった警察官Gary Webbは、旅行小切手とクレジット・カードは、現金と一緒に間違って取り出したものかも知れないと話した。

クルーズ船の警備員が、木曜日にケチカンの港に到着するまで、Cuffeを1日間抑留していた。

主任が現金が合わないことに気がつき、Cuffeを問い詰めた。しかし8月になるまで内部調査は終わらず、警察当局に通報もしていな かった。

Cuffeは、このクルーズ客船会社に勤めて10年になる。最近、この2,670人乗りの船の上級事務員に昇格していた。

この船のウェブ・サイトによると、現在は、内海航路を通ってバンクーバーからホィッティアまでの7日間クルーズを行い、戻ってくるとい う 定期運航を行っている。

「クルーズ船発の犯罪は通常、そんなに多くはないです。」とクルーズ船の人気の目的地であるケチカンに本拠を置く警察官のWebbは話 し た。警察が扱う捜査の大半は、年配の乗客が死亡した事案だという。

「これは全く例外的なもので、恐らくは皆さん、回収された現金の額に驚いているかと思います。」(Anchorage Daily News: August 12, 2006)

ロシア人22人が本国に向けてレバノンを出国(キプロス)

キプロスのロシア大使館は、レバノンを脱出した22人のロシア市民のために、月曜日のモスクワ行きの飛行機の座席を確保した。

ロシアの通信社Itar-Tassが報じたところによると、この団体はキプロスのクルーズ定期船Princess Marisaでキプロスにやって来た。

「レバノンを脱出した全てのロシア市民は、今日、AeroflotでモスクワのSheremetyevo-2空港に到着しました。」と 大 使館員は同通信社に話した。

イスラエルとヒズボラ間の紛争が始まって以来、数百人のロシア人を含む55,000人余の外国人が、船でキプロスに脱出した。 (Playfuls.com: 12:04 AM, August 15th 2006)

クロアチアのフェリーが埠頭に激突、乗客怪我(クロアチア)

8月16日、ザグレブ発。水曜日、クロアチアのスプリト港に接岸しようとして、300人以上が乗船したフェリーがコンクリートの埠頭に 突っ込んだ。少なくとも18人の乗客が怪我をした、とこの南部沿岸都市の警察は話した。

6人の重傷者を含む怪我人は病院に急送された、と警察は話した。船首に停めてあった少なくとも15台の乗用車が損傷した。

Ministry of Tourism, Development and Maritime Affairs(=観光・発展・海事省)は、船の2基の機関が故障し、その後、船長が2基の碇を降ろしたが、事故を回避できなかったと話した。詳細な調査が行われていると いう。

このフェリーは、クロアチアのショールタ島からの乗客を乗せていた。(Hindu: Wednesday, August 16, 2006 : 1930 Hrs)

合衆国のクルーズ船がバハマ沖で油を流出(バハマ)

バハマ、ナッソー発。バハマで水曜日に接岸中、ある合衆国のクルーズ船の機関プロペラが海底にぶつかり、油が漏れて船の損傷させた、と マイアミに本拠を置くクルーズ会社は話した。

Celebrationは予定していたナッソー寄港を取り止め、フロリダ州ジャクソンビルの母港に戻ることを余儀なくされた、と Carnival Cruise Linesの広報担当者は話した。

この船は海に潤滑油を約53ガロン流出させた、とフロリダ州マイアミの同社本店から、広報担当のJennifer de la Cruzは電子メールで答えた。

同社は、合衆国沿岸警備隊を含む当局に通報したと話した。予定では、船は木曜日の朝に母港に戻ることになっていた。

合衆国に戻り次第、技術者が本船を調べる見込み。ナッソー寄港が取り止めになったことから、乗客は1人当たり50ドルの船上割引と、将 来 のクルーズの25%引きのサービスを受けることとなる、とこの広報担当者は話した。(USA Today: 8/16/2006 9:17 AM ET)

クルーズ船から行方不明になった女性の遺体発見(米国)

フロリダ州ネープルズ発。FBI(=連邦捜査局)は、7月にクルーズ船から姿を消したフロリダの女性の遺体が、イタリアの沿岸沖で発見 されたと話している。

FBI広報官のLourdes Hallは、Elizabeth Galeana(22)は溺死したもので、犯罪性は疑われていないと話している。Associated Pressに「遺体は家族に引き渡されました。」と語っている。

Galeanaは7月25日に、Royal Caribbean Internationalの船舶、Voyager of the Seasから行方不明になったと通報された。

チベタベッキア港からイタリアのナポリに船が向っているときに見かけられたのが最後だった。最後に会ってから約7時間後に、姉妹が Galeanaが行方不明になったと届け出た。

マイアミに本拠を置くクルーズ客船会社の広報担当者Michael Sheehanは、Galeanaは恐らく船から落ちたのだろうと話している。同社では捜査に協力していると話している。(All Headline News: August 17, 2006 6:18 p.m. EST)

9月3日よりカラチ―ドバイ間のフェリー運航開始:Babar Ghauri(パキスタン)

カラチ発。港湾・海運連邦省上院議員Babar Khan Ghauriは、11月3日からカラチからドバイに向うフェリー運航が開始されると話した。

「Gulf Dream Cruise」(最初に免許されたフェリー)が主宰する会合が、昨夜、地元ホテルで催され、席上、同議員は、Gulf Dream Cruiseの重さは23,000トンで(注、総トン数の誤りか)、長さは196メートル、船室は540室で乗客1250人収容、船員は400人になると話した。

港湾海運省は、政府は全ての港湾における民間部門の参入を促進したいと言明した。

Rizwan Mohauddinは、この事業の最高経営責任者。Gulf Dream Cruiseは、夜も昼も楽しさ満載で、カラチからドバイまで毎週運航する。(Online - International News Network: Friday 18th August, 2006)

クルーズ船が死んだ鯨を飾り付けて接岸(米国)

合衆国アラスカ州、スワード発。壮大な2,000人の乗客が乗るクルーズ船Summitが、死んだ鯨を球状船首からさりげなくぶら下げ てアラスカ州のスワードに入港した。

この長さ25フィートから30フィートの鯨は、船がスワードの埠頭に係留された後、港湾労働者によって発見された、と連邦捜査官は Anchorage Daily Newsに語った。

鯨は暫定的にザトウクジラと分類されているが、船から取り除かれ、Thumb Cove近くの浜辺に、日曜日の午後、曳船によって曳航された。

鯨はSummitにぶつかったのか、それとも既に死亡して浮遊していたものが船にひっかったのか結論付けるために検死が行われる、と当 局 者は話した。検査では、鯨が船に衝突して死亡したのか、略奪を目的とする攻撃によるものか、あるいは自然原因によるものかについても明ら かにする。

ザトウクジラは、幾つかの連邦法令によって保護されている絶滅危惧種だ、とNational Marine Fisheries Service(=全米海洋漁業サービス)のアラスカ海洋哺乳類の専門家、Barbara MahoneyはDaily Newsに語った。(Monsters and Critics.com: Aug 20, 2006, 16:41 GMT)

クルーズ船料金、投票で判断(米国)

アラスカ州、ジュノー発。今週の火曜日にアラスカ人は、クルーズ船に更に税金を課し、更なる規制に直面させることになるかどうかを決す るための投票に出掛けることになる。市民団体は、クルーズ船には自己負担させるべきであり、更に綿密に監視する必要があるとして、この投 票に関する第二法案を提出している。業界側は、この法案は地元経済に打撃を与え、州の雇用を喪失させると言って反撃に出ている。 (KTOO: August 20, 2006)

Sea Containersは金貸しに救済計画を準備(英国・米国)

Sea Containersの投資家は現在の資本構成は「維持不可能」だと警告を受けている。この負債を抱えた会社は、「今後数週間以内に」主要な金貸しに財政再建計画を示す計 画だと話している。

先週、ニューヨークで、同社の社債権者に対して発表されたもの。Sea Containersは投資家に対し、この財政再建計画は「既存の株主が会社に更なる資本を提供することを可能に」し得ることが期待できるとも述べた。

Sea Containersの最高責任者Bob MacKenzieに率いられている上層部経営者は、株主と社債権者と面会した。この会合は、グループの財政状態を回復させるためのMacKenzieの計画の主要な段階 のように見えた。会社筋は語った。

「大半のアメリカの投資家はこれまでBobに会う機会がなかったのです。ですから彼を知り質問をするのに良い機会だったのです。」

Sea Containersは輸送界の大立者James Sherwoodによって1964に設立された。3月に同社を去り、その最高経営責任者としての地位はMacKenzieに引き継がれている。

Sherwoodの下でSea Containersは事業範囲を広げ、その中にはロンドンとスコットランドを結ぶ鉄道会社のGNER、Orient Express Hotels、出版会社、Harry’s Barの持分の半分が含まれる。事業の縮小をして以来、Orient Expressはそぎ落とされ、グループのフェリー事業の大半は売却されるか廃業した。

グループは壊滅的な負債で苦しんでいる。その会計は不明確で、MacKenzieが昨年の数字を埋めるのを数ヶ月間に亘って遅延させて い る。

Sea Containersは発表において、巨大複合企業は「複雑過ぎ、高くつき、現金がない」と述べている。

費用節減のための計画の概要を示しているが、その中にはGNERの支出を削減するための「様々な方策」が含まれている。

しかしグループは、この鉄道会社は考えていたよりも収益を上げておらず、「短・中期的には」配当金の支払は出来そうにない、と警告して い る。(The Sunday Times: August 20, 2006)

運航ノット料金がクルーズ船詐欺の標的に(米国)

マイアミ発。Royal Caribbean Cruise Linesに勤務していた元役員付秘書が、火曜日の朝、クルーズを友人や家族に売る方法で、その元雇用主から何千ドルも窃取していた容疑で逮捕された。

Maggie Moyaは、南フロリダの住宅建設業者に転職するまでの15年間、RCCLとCelebrity Cruisesで働いていた。その15年間、友人や家族のために何百ものクルーズを予約して乗船させ、支払った金は着服していた。

CBS4のBrian Andrewsは、今朝、通勤途中に逮捕されたとき、Moyaに追いついた。彼女はこの騒動の全てを知らないようだった。

「Moyaさん、何故逮捕されたかご存知ですか?」「いいえ。」

昨年の4月、RCCLは、招待クルーズに24人以上もの人と出掛け、自分のためにもクルーズをしていたので、Moyaを解雇した。

コンピュータ・ファイルを調べると、長年に亘って何百通もの電子メールを送信していたことが判り、他人に売ったクルーズで得た現金を窃 取 していたことが判明した、と刑事は話している。

同社が彼女を問い詰めたところ、警察によると、こう答えたのだという。

「これはあぶく銭。抜け道を知っているんです。」

Royal Caribbeanの広報担当者は、次のような声明文を発表した。

「Royal Caribbeanは、従業員あるいは運航における、如何なる犯罪行為についても容赦いたしません。これは、私利のためにその地位を悪用した者が含まれている事件です。弊 社は、有効な訴追を行い、法令を完全に及ぼすべく、Miami-Dade Police Department(=マイアミ・デイド警察)とMiami-Dade State Attorney’s Office(=マイアミ・デイド州検事局)と密接に作業しております。」

その後警察は、Moyaは少なくとも2年間、クルーズを販売して現金を得るために、利益を上げていたことを認めたと話している。一方、 90年代初期にまで遡って、彼女が詐欺を行っていたという目撃者の証言も得ている、と警察では話している。

当局では、彼女の預金口座から25万ドル以上も押収しているが、窃取したのはこれよりも遥かに多額だと話している。(CBS 4: Aug 22, 2006 6:42 pm US/Eastern)

アラスカの手数料でマイアミのクルーズ産業は動揺(米国)

マイアミに本拠を置くクルーズ産業に打撃だ。アラスカの投票者は、同州を通過する全ての乗客に50ドルを課す法案に賛成することが明ら かになった。

賛成派は、この手数料は年間5,000万ドルに上るもので、アラスカの波止場の維持や州の観光基盤の強化に役立つと話している。反対派 は この手数料はクルーズ船と金を持ってくる乗船客を追い払うこととなり、結果として地元企業に打撃を与えると話している。

同法案は今日の午後、投票区の87パーセントで、52対48の票差で通過したという。

クルーズ客船会社による訴訟や強引な陳情運動も、同様に見られている。

アラスカ州議会は、同法案を発効させるには予算を通過させる必要があり、州法の下で「僅かな」修正をすることも許されている。

50ドルの手数料を課すことの他、同法案はアラスカで運航するクルーズ船の稼いだ金に税金を課すことになる。クルーズ船の大半は、外国 船 籍のため、州政府や連邦政府に所得税(注、法人税に相当する)を支払っていない。

また同法案は、クルーズ船が独立した汚染監視員を乗せ、しかるべき地元企業に対し乗船客から受け取った金額を開示することも要請してい る。(Miami Herald: Posted on Wed, Aug. 23, 2006)

フェリーに機関不調が直撃(英国)

日曜日、機関不調でヤーマスに向っていたWightlinkのフェリーは、ライミントンに引き返すことを余儀なくされた。

1基のエンジンだけで午後1時15分にライミントンに引き返したとき、乗客らはMV Cenwulfの船長に拍手を送った。船はオイル・ポンプに問題を抱えたもので、現在、Wightlinkが調べている。

Wightlinkの広報担当者によると、Solent Coastguard(=ソレント沿岸警備隊)とMaritime Accident Investigation Bureau (=海難捜査局)(MAIB)は、標準的な手続きに則って連絡を受けているという。

Cenwulfは94人の乗客と28台の乗用車を載せていたが、午後6時15分までに運航に復帰した。

「船長は大変に冷静で、落ち着いていました。何が起きているか、とても上手く説明してくれました。」と乗客のGlen Hepburnは話した。

「問題が起きたとき、ヤーマスの直ぐ先でした。船長は1基のエンジンで操船しようとしましたが、潮流と風で大変に危険でした。」 (Isle of Wight County Press: 23 August 2006)

フェリー事故で乗客・船員は無事(フィリピン)

マニラの南東の島の近くで金曜日の朝に座礁したフェリーの820人の乗員・乗客は無事だ、とフィリピン沿岸警備隊当局者は話した。

同時に、同地域の沿岸警備隊長Alejandro Flora准将は、事故は「人為的ミス」によるものだとした。(中略)

曳き船がこのフィリピンに本拠を置くSulpicio Linesの保有する13,527トンの船を曳航するために送られた、とFloraは語った。

Sulpicio Linesの港湾管理者Nelson Ponteresは、乗客は別の船、MV Princess of the Oceanに移されており、金曜日にセブ島に到着する見込みだと話した。(INQ7.net: 01:49pm (Mla time) 08/25/2006)

Euroferriesはフェリーの計画で前進と話す(米国)

Euroferriesは、取引は交渉中で、完了するとは言っていないと話している。News10 NBCに今日宛てた手紙の中で、役員のAdrian Gillanは、同社はロチェスターの高速フェリーの購入について交渉中だと語った。

事実、Gillanは、Euroferriesは来年までに更に2隻のフェリーを購入するつもりであると話している。これにはオースト ラ リアで建造されたSpirt of Ontarioの姉妹船が含まれる。全部で3隻の船が、イギリス海峡を横断して、英国からフランスの港湾に乗客を輸送することとなる。

Gillanは、この2990万ドルの取引が何時完了するかについては何も語らなかった。Duffy市長の明示していない交渉期限につ い ても語らなかった。(WHEC-TV: 8/26/06)

Spirit IIIは最後の航海でシドニーを去る(オーストラリア)

フェリーのSpirit of Tasmania IIIは、シドニーからデボンポートへの最後の航海に出発した。

TT Lineは、2004年1月にこのフェリーの運航を開始して以来、運航を維持できるだけの乗客数を獲得することができず、燃料費は倍増したと話している。

今日の航海は、最終的に456人の乗客が乗船し、完売した。このフェリーの職員の大半は、他の船で働くことになる。(後略)(ABC Online: Sunday, August 27, 2006. 2:47pm (AEST))

ゲイ・クルーズに出掛けよう(英国)

来年の5月に、英国から全員がゲイのクルーズ船が出港する。現在、200人まで、「the campest in the fleet(=船隊で最も気取った(注、「なよなよした(同性愛)」の意も)」と描写されるNorwegian Dreamに乗船していくドーバーからの3日間旅行を予約受付中。(Glasgow Daily Record: 28 August 2006)

エジプトのフェリー紅海で救助(エジプト)

カイロ発。主としてイスラム教徒の巡礼者である約1,000人の乗客を乗せたエジプトのフェリーが窮地に陥り、紅海で救助された、と公 式のMENA通信社が月曜日に報じた。

Cleopatra Iは、エジプトのスエズ港に向っていたところ、機関のうち1基が故障し、遭難信号を発信した。

通信社によると、発航港のサウジのジッダ港に曳航されたという。事故の原因は正確には判明していない。

6ヶ月前、主としてエジプト人巡礼者と移民労働者の約1,000人が、紅海でエジプトのフェリーAl Salam Boccaccio 98が沈没した際に死亡した。これは近年における最悪の海難の1つになっている。

1991年に紅海で別のエジプトのフェリーが沈没した際には、500人近くが犠牲になった。

エジプトの運輸部門は近時、攻撃に晒されている。1連の死亡交通事故の他、先週、カイロの北であった列車事故では、50人以上のエジプ ト 人が死亡している。(Middle East Times: August 28, 2006)

Tallinkは職員260人を一時解雇(エストニア)

タリン発。Silja Lineという海運会社買収の、Tallinkの真の犠牲が明らかになった。この新たに合併した会社は、スウェーデンとフィンランドで260人の職員を解雇する。

エストニアに本拠を置く海運グループは、「フィンランドとスウェーデンの子会社の組織を統合し」、この過程において260人解雇すると 発 表した。

経営、財政、IT、販売、営業、調達等の、同社の陸上部門は全て影響を受けることになる。

フィンランドでは、同社の700人の従業員が180人にまで縮小される。スウェーデンでは、270人中、80人が削減される。

Tallinkは最近、バルト海域で最大の海運会社の1つであるSilja Lineを買収した。(Baltic Times: Aug 28, 2006)

キプロスのクルーズ船客が食中毒で入院(ギリシャ)

アテネ発。ギリシャの島嶼を航海していたキプロスのクルーズ船の約20人の乗客が食中毒に罹り水曜日に入院した、とAthens News Agency (ANA)は報じた。この乗客は、子供14人と大人6人で、Louis Cruise Lines所属のキプロスのクルーズ船「Ivory」で航海していた。

子供は3歳から13歳で、親に付き添われ、水曜日に北エーゲ海の島のミティリーニの病院に入院した。

吐き気、嘔吐、腹部痙攣、下痢といった食中毒の症状を呈した他の80人の乗客は、船医が手当てをした。

この船は、キプロスの港リマソルを日曜日に出発したもので、618人の乗客と150人の船員が乗船していた。観光の島であるサントリー ニ 島、ピレウス港、ティノスに寄港していた。

乗客らは、ミティリーニに船が接岸する少し前に発病し始めたと話している。

ミティリーニの病院長Maria Lazouは、食中毒の原因はサルモネラ菌のようだと話した。(Raw Story: Wednesday August 30, 2006)

マイアミはなおもクルーズ船客の大半を惹き付ける(米国)

今日、業界団体が発表した報告書によると、マイアミは、2004年度よりも5.3パーセント増加の180万人近くがクルーズに出発して おり、昨年は世界で最も混雑しているクルーズ船の中心地に留まった。

ポート・エバグレーズは、2004年度よりも3パーセント減少したものの、130万人近い乗客を集め、第2位の中心地に留まった。ポー ト・カナベラルは、1パーセント増加の120万人の乗客で第3位になった。

バージニア州アーリントンに本拠を置くInternational Council of Cruise Linesは、クルーズの経済的効果を強調した年次報告書の一環として、港湾毎の数字を発表した。

2005年度は、2004年度よりも6パーセント増加の1150万人が全世界でクルーズを行い、概して好調な年だった。

多くのクルーズ会社の本店が集まるフロリダ州は、クルーズ関連消費でかなりの割合を占めている、とICCLは語った。報告書によると、 ク ルーズ産業は昨年、同州で55万ドル近くを消費し、128,000人の雇用を生み出しているという。その第1の受益者は、旅行代理店、航 空会社、ホテル、食堂、陸上運輸業者である、とICCLは語った。

最も速く成長しているクルーズ船の中心地の幾つかは、カリフォルニア州にあり、ロサンゼルスとサン・ディエゴは、2年間連続して乗船客 数 が二桁の伸び。ニュー・オーリンズは、ハリケーンKatrinaの影響があったものの、昨年は308,000人の乗客を扱って、いまだに 10位に位置している。2004年度の乗客数、327,000人からは減少した。(Miami Herald: Posted on Thu, Aug. 31, 2006)

Royal Caribbeanはスペインのクルーズ運航事業者を買収(ノルウェー)

8月31日、オスロ発。Norwegian Royal Caribbean Cruisesは、スペインのクルーズと旅行会社であるPullmantur S.A.を、約2億7000万ユーロの負債総額を加えた4億3000万ユーロ(5億5190万ドル)で買収することで合意した。

1971年設立のPullmanturは、スペイン最大のクルーズ運航事業者である、とマイアミに本拠を置くRoyal Caribbean Cruises Ltd.は木曜日に出した声明の中で述べた。

「Pullmanturは、際立って具体的な方法で、ヨーロッパとラテン・アメリカ市場における存在感を更に拡大しようとしている Royal Caribbeanに、素晴らしく戦略的な機会を提供してくれました。」と声明の中で、会長兼最高責任者のRichard Fainは語った。(Reuters: Thu Aug 31, 2006 3:11am ET167)