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2005年12月

2005年12月の海外旅客船情報

湾岸と地中海周遊クルーズ(アラブ首長国連邦)

クルーズ船のDeutschlandが月曜日、ドーハ港に接岸し、乗船していた数百人の観光客は下船して、この国の観光に出かけ、ある いはゴルフに興じた。クウェート、バーレーン、オマーンを含むアラブ湾岸クルーズでアラブ首長国連邦を訪れた船の乗船客は、圧倒的にドイ ツ人観光客であったが、湾岸同様、トルコ、エジプトを訪問した最初の時期には、アメリカ人乗客が何人か乗船していた。

カタールのArabian Adventuresが、Deutschlandの100人以上の乗客のために半島北部の観光を催行した。(Khaleej Times: 1 December 2005)

封鎖解除後フェリーは運航再開(英国・フランス)

EUによる割り当て削減に反対するフランスの漁師による抗議行動で、ケント州ドーバー港を出発するフェリー運航が混乱した。

木曜日の朝から始まったカレー、ブーローニュ、ダンケルクといったフランスの港湾でのバリケードは、グリニッジ標準時間12時00分を もって解除された。

P&Oの5便が運休し、SpeedFerriesは2便運休した。SeaFranceとNorfolklineは僅かに遅延し た。海峡横断フェリーは、グリニッジ標準時間10時00分ちょうどに、ドーバーから運航を再開した。この動きで、いつものようにドーバー では交通渋滞したが、街や主要道路では大した混乱はなかった。

ドーバーでの遅延は、フォークストンのChannel Tunnel(=海峡トンネル)であった技術的な問題が拍車をかけ、乗客らは海峡横断で待つことを余儀なくされた。(BBC News: Thursday, 1 December 2005, 13:01 GMT)

にっぽん丸がマニラに向けて出港(ブルネイ)

ブルネイを含む日本とアセアン諸国の若者を乗せたSouth East Asian Youth Programme(東南アジア青年の船)のクルーズ船が、昨日、次の目的地であるフィリピンのマニラに向けてムアラ港を出港した。

送別会の主賓は、文化青年スポーツ省代理大臣Dato Paduka Awang Haji Yaakub bin Abu Bakarであった。ホームステイ(=家庭滞在)のプログラムに参加した家庭も、この催しに出席し、歓迎を受けて、このクルーズ船の見学をした。

日本、アセアン諸国からの300人以上の若者が、にっぽん丸という船に乗船し、11月28日にムアラ港に到着した。国内では、若者たち が 3日間のホームステイのプログラムに参加し、ブルネイ人のホスト家族から文化、生活様式、ご馳走について学び、相互交流した。 (Borneo Bulletin: December 2, 2005 Friday)

TemasekはP&Oの株式を購入(英国)

ロンドン発。シンガポール政府の投資機関Temasek Holdings Pte Ltdは、昨日、英国のP&Oの株式を買い占めつつあると話した。これにより英国の港湾、フェリー・グループの入札競争に拍車をかけることとなるかもしれない。

P&Oの株式は、火曜日に国の後援を受けたDubai Ports Worldが33億ポンド(57億ドル)で買収することで合意に達しているが、Temasekはこの11パーセント以上の申し出で、この騒動に加わるかもしれない。 Temasekは木曜日に、同社の2430万株式を購入したと話した。(Peninsula On-line: 12/3/2005 4:10:3)

Staten Island Ferryの船長が市を訴える(米国)

2年前に事故で11人が死亡したスタテン島のフェリー船長が、伝えるところによると市を訴えるという。New York Timesによると、Michael Gansas船長は、この悲劇のスケープゴート(注、贖罪の山羊)とされたと主張しているという。

この訴えは先週起こされたもので、市当局者はフェリーが接岸中に2人の船長が船橋にいることを要請する規則に違反していたと、誤った主 張 をしていたとしている。Gansasは、求人名簿に掲載、あるいは現職復帰する前に、市は自己の主張と仲裁するよう要求している。

副船長のRichard Smithは、衝突で気絶したときAndrew J. Barberiを独りで操船していた。

Gansasは捜査に協力することで合意しており、訴えの1つが取り下げられている。2003年11月に解雇されていた。(NY1: Dec 4, 2005)

Irish Ferries:ある分析者の見解(アイルランド)

Irish Ferriesやその経営陣、従業員が直面している挑戦は、わが国における輸送システムの基本的な変化に由来するものである。

最も重要なものは、近海航路における乗客数の減少である。これは格安航空機の座席数の増大と、乗用車の賃貸料の下落が原因している。こ れ はヨーロッパ中で起きていることであり、他国においても同様の影響が生じている。すなわちフェリー運航事業者の利益の減少である。

旅客事業が落ち込む一方で、貨物量は増え続けている。アイルランド経済は急速に拡大し、とりわけ消費財の輸入の必要性は、5パーセント の 伸びで、海上貨物量を支えている。

しかしこうした事業は、地味で飾り気のない船に適したものである。要求はますます海上貨物業者向けのものとなり、今後2年間以上に亘 り、 この市場に更に収容力を配分する計画である。少なくとも3隻の新しい貨物船が、アイリッシュ海に準備されていることが知られているが、い ずれも非アイルランド人の上級船員・下級船員が配置されることとなる。

Irish Ferriesばかりではなく、全部で3社が厳しい競争を展開することだろう。恐らくはこの国に、冷蔵庫、家具、葡萄酒のような商品のかなりの割合を輸送し、究極的には家 庭に届くことになる。

というわけで、この難しい論争において支配人や労働者にどう振舞うべきかを講義する前に、この変化している市場において、私たちがどう い う役割を果たしているかを知る必要がある。

1950年代、ヨーロッパから合衆国への乗客の大半は、旅客定期船を使用していた。こうした船では高賃金で多くの人を雇い、大いに市場 は 潤っていた。新しい航空機を使い、低運賃を提供した航空会社が、直ぐさま大西洋における旅客船事業を破壊したものだった。この結果、大変 に利益を上げていた海運会社は廃業に追い込まれ、船舶はスクラップに売られ、何千人もの従業員が解雇されたのである。船主と海運業の労働 者にとっては、大変な経験であった。

損失は、現在、大西洋間を飛んでいる(Aer Lingusを含む)航空会社に奪われたものである。これはアイルランドにおいては小さな問題であった。というのは、こうした会社は大半が外国の会社であったためである。 わが国の政治家、労働組合、そして勤労者階級は、国有航空会社を使って、喜んで緩んだ手綱を引き締めたものだった。

同様の傾向が、今、ヨーロッパ中の近海旅客航路で広まっている。英国の優良フェリー会社P&Oは、ドバイ国にちょうど売却され た ところである。近年、巨額の赤字を垂れ流していたフェリー事業ではなく、その港湾事業が首長国の気を惹いたのだった。P&Oの フェリー事業は、格安旅行と海峡トンネルのために、過去10年間以上に亘って蝕まれてきた。

別の堅実な海運会社のStenaは、運賃の厳しい価格圧力と、運航費用の増大で、フェリー運航の収益性が最小限になっていることを認め ている。

しかしながら不愉快な真実というのは、私たちの全てが、わが国市場経済における会社の変化と機会をもたらす産業の変革に付き合わされる こ とである。

私たちは、家庭で消費される商品や役務(=サービス)において、一般に最も安い価格で、最も便利なものを求めないものだろうか。(消費 動 向からして)そうしていることは明白である。

この同じ消費選択によって、Irish Ferriesのような会社が脅かされ、RyanairやAer Lingusのような会社(注、格安航空会社)が成長しているのである。いずれもアイルランドからの航路で座席数をかなり伸ばし、急速に消費者を奪っている。両社は Irish Ferriesの乗客の動きの直接的な脅威となっているのである。

一般に、国内および海外で拡大しているアイルランド経済において、こうした会社に対する批判を聞くことは殆どない。Celtic Tiger(=ケルトの虎)の原動力だからである。しかしその収益は、下り坂になっている競合他社や市場を犠牲にして得たものである。

困難なことだが、この変化の過程において、(アイルランドやその他の地域を問わす)労働者や経営者が不利な影響を受ける結果となること に 注目しなければならない。労働者、政治家、そして経営者団体の真の指導者は、過去数週間に見られた偽善を避け、この問題を解決することに ついて責任がある。

Irish Ferriesと労働組合のいる業界は、厳しい圧力の下にあり、そして消費動向を通じて、私たちによっても動かされている。

この5年間に見られたことは、旅客取り扱い量は、アイルランドからのフェリー運航において取るに足らないものとなり、貨物は、海運業者 の 事業として成長を続けているものの、アイルランドの港湾を利用している船舶の大半は、アイルランド以外の者(注、外国人)によって所有さ れている運航事業者によってヨーロッパ中が支配されていくことになる(そして既にそうなっている)のである。

そうした変化に合わせて行くことは、痛みを伴い、問題の多いものである。関連する全ての側面を考え合わせる必要があるだろう。

Joe Gillは、Goodbody Stockbrokersの調査主任で、ICG(Irish Ferriesの親会社)の分析者。(Sunday Business Post: 04 December 2005)

平和の船からは何の商売上の恩恵なし(フィジー)

この第二の都会の商売は、期待した程ではなかった、と商業指導者は話した。

平和の船であるThe Topazが、800人以上の乗客と船員を乗せてラウトカに到着したにもかかわらず、街では僅かな観光客しか見掛けられなかった。Lautoka Chamber of Commerce and Industry(=ラウトカ産業商工会議所)の会頭Natwarlal Vaghは、次のように話した。

「街では観光客は見掛けませんでした。これは平和の船で、乗船客の大半は非政府機関を訪問し、そこでもてなされていました。」

昨日の午後、Vagh氏は、この街の実業家からの反応はまだ受けていないと語った。

「しかし街には多くの地元の人がいました。新しいJackの店を見に行きたかったからです。商工会議所では、クルーズ定期船がラウトカ に 来ることを希望しています。」と、Vagh氏は語った。

ラウトカ町役場書記Pusp Rajは、Lautoka City Council(=ラウトカ市議会)では今回の訪問者のために街を清掃することを保障した、と話した。(Fiji Times: Sunday, December 04, 2005)

クルーズ船の「悪魔」の詳細(米国)

40年前、クルーズ産業は旅客海運業の「成れの果て」であった。

今日、クルーズ休暇で年間1200万人が130億ドルを消費する観光市場における最も急速に成長している分野の1つになっている。 Kristoffer Garinの著書、「Devils on the Deep Blue Sea: The Dreams, Schemes and Showdowns that Built America's Cruise-Ship Empires」(Viking社、24.95ドル)は、この陽光の下での戯れのイメージの裏側に迫るものだ。ここに、USA TODAYのJayne ClarkとGarinの対談を掲載する。

Q:このクルーズ現象の唯一の主要原因はありますか?

A:労働の世界化が、信じられないくらいの貢献を果たしているでしょう(つまり客船会社によって支払われる低賃金のこと)。それとアメ リ カの「mallification(=ショッピング・センター化)」です。すなわち大衆は、予め設計された空間で大衆向け行事に興味を持 つようになったということです。アメリカ人の休暇の主流は、Disney型だということです。それで大型船は、「floating luxury theme parks(=洋上豪華テーマ・パーク)」になっているわけです。

Q:3つの客船会社、とりわけ目立っているのがCarnivalですが、7つの商標を保有しています。現在、クルーズ市場の95パーセ ン ト近くを支配しています。消費者にどういう影響を与えていますか?

A:可笑しなことに、実際には消費者には良い影響を与えているのです。とりわけ健康と安全の問題に関してはね。1980年代、業界全体 は、洋上細菌工場みたいなものだったんです。しかし周辺部の会社が脱落して、今や3大競技者が残ったわけですね。そして人々の気を惹くた めに、何百万ドルもの金を費やしているのです。切り詰めるわけがありません。

Q:主要客船会社によって巨額の利益が刈り取られていることについて広範にお書きになっています。外国船籍にすることで、いかに合衆国 の 税法・労働法の裏をかいているか、いかにカリブ海の小国に付け込んでいるか、どれだけ汚染しているか、といったことです。これは善良なる 市民としての法人とは到底思えないものです。それにも関わらず、収益は上昇し続けているわけですね。

A:複雑な問題があるのです。クルーズ客船会社は、火急の問題に対しては大変に良い解答を用意しているのです。

労働の面では、こうした人々は本国にいるよりは金を稼ぐことができると話しています。ある面では正しいのです。仮に搾取工場だとすれ ば、 慈悲深い搾取工場ですね。会社側はこう話すのです。責任を背負い込むことなく、世界で最も裕福な社会で行った事業で得た利益を、残らず刈 り取っているのだ、とね。

環境問題では、船から油を投棄するという完全なる謀議に関して、繰り返し重罪で有罪に直面した場合でさえもウソを付き、あなたが油に覆 わ れた海カモメの芝居がかったメディアの流す映像は見ることはないのです。投棄は組織的で、少しつづ、そして全ては大洋の真ん中で行われて いるのです。

Q:時折、業界のスキャンダル、例えば報じられていない船上での犯罪や医療ミスが明らかになると、業界は、船は小さな町と同じくらい安 全 だと言い返します。そうなのですか?

A:統計学的にはそうですね。私が論じているのは、1時間以内に病院に行けない小さな町は、アメリカには殆どないということです。そし て アメリカの小さな町には警察がいて、指揮系統が混乱していない公僕がいるのです。そして休暇や休暇以外で過ごすことは、(町のほうが) ずっと危険なわけですが、それは馬鹿げた比較です。

Q:クルーズ船で観光客の約55パーセントが、カリブ海に到着します。それにも関わらず、そこでは愛憎の関係が存在しています。島に とっ て、クルーズ客がいない方が良いのでしょうか?

A:その論争に関しては、かなりの量の弾丸が必要ですね。金は入って来るが、島には必ずしも必要のないクルーズ基盤設備に金は出て行く わ けです。加えて、そうした小さな処に大量の人々が襲来するので大変です。またクルーズ観光業は、地元の事業よりは、フランチャイズの(= 独占販売権を与えられた)商店や食堂の新しいうねりをもたらしているんですね。船を降りても、その国を本当に知ることにはならないので す。

Q:寄港地観光で地元色にどっぷりと漬かることは難しいということですね。しかし完全に作られた観光施設が沢山あって、例えば地元のも の ではないイルカの種と泳いだり、ジャマイカのMargaritavilleのParadiseでチーズバーガーを注文したりと。そこで何 をもたらしますか?

A:あなたがクルーズ船から降りて見える小さな窓に見えるよう、彼らは演じなければならないのです。カリブ海に行く目的が、青い空とう ね る緑の丘を見るだけならば、クルーズ船に乗っていてもできることでしょう。しかし島の生活のゆったりとした時を過ごしたいのならば、5時 間でそれをすることは、一種の挑戦です。

Q:何回クルーズに出かけたことがありますか?

A:本書の調査中に4回です。

Q:楽しみました?

A:う~ん、そうだとも、そうでないとも。船の上では本当に楽しかったですよ。しかし広範な方法で陸上の目的地を本当に探検したいのな ら ば、クルーズは不向きですね。

Q:船上講師の話があると思いますか?

A:あればうれしいですね。私は、問題を抱えるこの魅力的な産業に対して、公平で率直な見解を提供しようとしてきました。しかし本当に 本 当にクルーズを愛している人々は、悪い話を聞きたくないものでしょう。講義を聴く聴衆にとっては、私は適任じゃないかも。(Asbury Park Press: 12/4/05)

中国へのフェリー旅行は金がかかることに(韓国)

来年、韓国と中国間のフェリー運賃が、6,000ウォンばかり値上げになる。運航事業者は記録的な石油価格を補填すべく、1月に 5,000ウォンの燃料追加金を課し、仁川(インチョン)港の国際ターミナルの旅客運航手数料は、15年間凍結していたが、来年、 1,000ウォンに値上げする。

中国の港湾と仁川を結ぶ旅客貨物定期船業者の組合であるThe Yellow Sea Passenger and Cargo Shipping Committee(=黄海旅客貨物海運委員会)は、最近の石油価格の高騰で赤字に追い込まれ、2006年1月1日に追加料金を課すこととなったと話した。仁川港湾当局 は、最近、海事水産庁に対し、2,200ウォンに旅客手数料を引き上げることを話した。

仁川からは、威海(ウェイハイ)、大連(ターリエン)、石島(シータオ)を含む中国に、1日10隻のフェリーが運航している。 (Chosun Ilbo: Dec.5,2005 22:20 KST)

高速フェリーは2006年シーズン開始を発表(米国)

高速フェリーCATの運航事業者は、2006年度の7ヶ月間の運航を3月31日に始めると発表した。フェリーは10月29日まで運航 し、ロチェスターとトロント間で500往復以上する計画。

「CATでは、2005年の最初の3ヶ月間の運航で100,000人近い乗客を扱いました。」とRochester Ferry Board(=ロチェスター連絡船会議)の議長Ben Douglasは話している。「当会議では成功したと確信しており、2005年度の結果の確実性は、2006年度における強固な基礎を確立したものです。」

Bay Ferries Great Lakesは、2006年度の時刻表作成を行っており、2005年の終わりまでに、この情報は消費者と大衆に提供される。(13WHAM-TV: December 7, 2005 6:21 AM)

EUはベルギーのSNCBのInter Ferry Boats部門への助成を検査(ベルギー)

ブリュッセル発。ヨーロッパ委員会は、ベルギー国有鉄道事業者SNCBが、その一部門のInter Ferry Boats(IFB)を再編すべく行った助成が、EU規則に適うものであったか否かを調査し始めると話した。SNCBとIFBは、2003年4月に助成合意に達している。

同委員会では、調査の対象となる助成は、総額1億6,600万ユーロであり、様々な貸付や信用合意からなると話した。(Forbes: 12.07.2005, 05:15 AM)

フェリーがCAMIとToyotaの役に立つことに(カナダ・米国)

ポート・バーウェルは、先週、カナダとの横断航路を持つことになった。ベイハム議会が、オハイオ州フェアーポート・ハーバーに行くこと となるポート・バーウェルに本拠を置くこととなる設立中のShort Sea Linesから聞いた話である。

この提案は、乗客と車輌を積載する1隻の高速フェリーと、65台の輸送トラック、乗用車を積載する1隻のフェリーを運航させるというも の。計画では、2006年の秋にトラック・フェリーの運航を開始することとなっており、高速旅客フェリーは2007年の春には準備できる という。

Short Sea Linesでは、CAMI、Toyota、その他の地元企業のような、自動車製造業にフェリーを役立てたいと希望している。(CD98.9: Posted by Newsroom on 2005/12/8 5:47:03)

クルーズ船で行方不明となった男性の家族は犯罪を疑う 出訴の意向表明(米国)

マイアミ発。新婚旅行中にマイアミに本拠を置く会社のクルーズ船から行方不明となった男性のコネティカット州の家族は、男性は犯罪の犠 牲になったと確信していると語った。

George Allen Smith IVは、7月5日、ギリシャとトルコの間の地中海で、Royal Caribbeanの船舶から姿を消した。遺体は発見されていない。

「分からないので、終わりにはできないのです。」とSmithの妹のBree Smithは話した。「Georgeは浮かんで来なかったので、遺体を埋葬もできないし、お墓で祈ることもできないのです。」

当局者は、Smithの失踪は疑わしいとしている。Smithの船室のバルコニーから救命艇まで血痕が発見されており、船内で指紋が見 つ かっている。乗船客も、大きな音を聞き、家具が散らかり、Smithの船室で言い争う声が聞こえたと報告している。Smithの妻の弁護 人は、彼女は被疑者ではないと主張している。

家族は、他の乗船客の主張にも関わらず、Smithの船室に入らなかった点に関し、クルーズ客船会社を訴える予定。FBIは捜査してい る。Smithの妹は、FBIを信じており、逮捕してくれると思うと話した。

「将来が約束されていたのに、26歳で殺されたのです。」と語った。「Georgeは、家族にとって、とても掛け替えのない存在で、本 当 に連れ戻したいのです。単なる血痕では済まされないのです。」

当局者は、血液と指紋について、これ以上の詳細を明らかにはしていない。Royal Caribbeanの広報担当者は、旅客の安全は優先すべきもので、同社ではSmithの失踪に関し、当局と家族に完全に協力していると話した。 (Click10.com: 8:25 am EST December 9, 2005)

フェリーを占拠する労働者は支援者に感謝(アイルランド)

会社の船の1隻に17日間立て篭もっている4人のIrish Ferriesの労働者は、今日、昨日の国民的抗議の日に、何千人もの抗議者が行進してくれたことに感謝した。

少なくとも10万人が、ダブリン、コーク、ウォーターフォード、リムリック、ゴールウェイ、スライゴ、アスローン、ロスレアで、移民労 働 者の使用と解雇と戦うよう政府の行動を要求する、ICTUが組織した大集会に参加した。

電気技師のGary Jones、2等航海士のBrian Whitfield、機関士のVincent HetheringtonとJohn Curryは、11月23日、ウェールズのペンブロークに停泊中のIsle of Inishmoreの制御室に立て篭もった。Irish Ferriesが東ヨーロッパの斡旋労働者が乗船するのを護衛すべく、警備会社を雇ったときに行動を起こしたもの。

17日間に及ぶ抗議について、今日、Curry氏は次のように話した。「行進してくれた人の数に、本当に圧倒されました。」

制御室は海面下にあり、蛍光灯が常時点灯しているので、男たちは目隠しをして眠っている。

Curry氏は、クリスマスまでに家族の待つ家に戻れるかは分からないが、Irish Ferriesの経営陣が、今でもLabour Relations Commission(=労働関係委員会)で組合側と話し合いをしていることで勇気付けられていると話した。

「我々は、この会社の経営陣に対する信頼を失いました。連中は何でもやると思っています。職員でこの会社に不信感を持っているものは、 大勢いますよ。」と言った。

昨夜、組合代表とフェリー会社の経営陣は、労働関係委員会で休憩も取らずに会談した。LRC委員長Kieran Mulveyは、両者が交渉を最初からやり直すことのできる基盤を築くために、双方と連絡を取ると話した。(Ireland Online: 10/12/2005 - 13:15:31)

クルーズ船と油槽船は「al-Qaedaに対して脆弱」(英国)

al-Qaedaによるクルーズ定期船と油槽船に対する攻撃を阻止すべく、緊急の行動が必要だ、とTony Blairが警告している。

海事防衛は、別の9月11日型の攻撃に対する防衛に関しては脆弱だ、とテロとの戦いに関するある国際協定は述べている。この文書は、首 相 と30カ国以上の世界の指導者との間で合意されたものだが、洋上攻撃の「深刻な」危険を低減する必要性が高まっているとしている。同警告 は、先月、アフリカ沖で豪華クルーズ定期船Seabourn Spiritが、銃とロケット砲により、海賊に攻撃された後で出されたもの。

公安筋は、この襲撃は、テロリスト達に、多数の死傷者を出すこととなる旅客船に対する攻撃という、クリスマスの見ものとなるものを行う 気 にさせ得るものであることを心配している。とある公安筋はMirrorに対して、次のように話している。

「Al-Qaedaは、世界経済の弱点となるものに狙いを定めています。世界で毎日使用される石油の8,000万バレルの大半が、船で 輸 送されているのです。海運は高い価値のあるもので、標的にするには危険の少ないものなんです。」

専門家は、5,000人までの乗客を乗せるクルーズ船が、少数のテロリストによって沈没させられ得ることを警告している。また油槽船に 対 する自殺攻撃は、爆弾を積んだ小型高速船を使用することで可能だ。そうした攻撃が世界で最も交通量の多いイギリス海峡でなされたならば、 経済に損害を与え、環境破壊をもたらすこととなるだろう。

先月バルセロナで合意されたThe Euro-Mediterranean Code of Conduct on Countering Terrorism(=ヨーロッパ・地中海反テロリズム行動規範)は次のように述べている。「我々は攻撃に対する弱点を減らさなければならない。」

EU首脳は、洋上巡回を増加させ、弱点を検査し、港湾統制を強化する方向にある。来年、湾岸諸国が署名すべく、一大攻勢をかけることと な る。The International Maritime Organisation(=国際海事機関)も、UN Secretary General(=国連事務総長)Kofi Annanに対して、Security Council(=安全保障理事会)でこの問題を取り上げるよう力説している。(Mirror.co.uk: 10 December 2005)

大嵐のためヘルシンキ―タリン間の高速フェリーは運休(フィンランド)

フィンランドとエストニアを結ぶヘルシンキ―タリン航路の高速フェリーは、月曜日に運休した。ヘルシンキ港のVessel Traffic Serviceによると、運航再開は火曜日になりそうだという。

毎年この時期は、Nordic JetlineとTallinkの高速フェリーとSuperseacatが運航しているだけである。Linda Lineの船舶は、今年、1日1便であった。(Newsroom Finland: 12.12.2005 at 15:42)

Carnival:労働者は船上でもっと稼いでいる(米国)

マイアミに本拠を置くCarnival Corp.は、知恵のあるマーケティング、シュークリームみたいな合衆国の税法、そして世界中の貧しい国々から採用した安い労働者によって、世界最大のクルーズ休暇会社に 成長している。

Carnivalの船員は、週7日間、1日10時間から16時間働き、多くの者は主としてチップに頼っている。同社は合衆国法人税法と 労 働法を回避し、昨年は18億ドルの利益を上げていた。というのは、同社はパナマで法人格を取得しているからである。また北米の乗客を異国 風の寄港地に運ぶ一方、陸上で金を落とす消費者の割り当てを維持すべく、小売業者と取引をしてもいる。

「Canaveral’s Crews: the people and profits behind the cruise ship party(=Canaveralの船員:クルーズ船の宴会の裏での人と利益)」という特別記事のために、FLORIDA TODAYのスタッフ・ライターのJohn A. TorresとMatt Reedは、 Carnival Corp.の幹部とのインタビューを試みた。同社の広報担当者Vance Gulliksenが、電子メールで我々の質問に応じ、同社に代わって回答を寄せた。

FLORIDA TODAY:殆ど賃金を支払われずに長時間働かされて、船の労働者は搾取されていると言っている批判者達に、Carnivalはどう答えますか?

Carnival:Carnival Cruise Linesは、21隻の船隊の33,000人の海上労働者に、雇用の機会を与えております。同様にフロリダ州マイアミ、ミラマー、コロラド州コロラド・スプリングスの陸上 事務所でも、別に3,500人を雇用しています。Carnivalの世界的規模の要員は、極端なまでに多様で、100カ国以上の国籍から なっております。

クルーズ船は本質的に「floating resorts(=洋上行楽地)」として運航されており、食事、飲み物、家事要員から、大工、電気技師、事務員の果てまで、幅広い職種が要求されているのでございます。

クルーズ船は1週7日間単位、1日24時間の運航なので、海上労働者の労働時間は、一般に陸上の平均的従業員よりは長くなっておりま す。 しかしながら多くの海上労働者は、本国にいるよりはずっと多くの収入を得ているのでございます。実際、Carnivalや他のクルーズ客 船会社の海上労働者が、家族全員(あるいは親族の果てまで)を養い、家を建て、子供を大学に入れ、あるいは本国で事業を始めさせたという 話は、数え切れないくらいあるのでございます。

海上労働者の特殊事情を理解し、Carnivalでは、海上労働者が魅力ある労働環境で、様々な利益を得られるよう努力しております。 部 屋、医療を無料にしているのに加え、Carnivalでは、クルーズ産業唯一の退職者用計画も提供しております。また職員や専門職強化の ための船員訓練センター、船員専用のインターネット・カフェ、船員娯楽センター、船員体育館、そして毎月の船員行事がございます。

FT:従業員はどうやって賃金を得ていますか?本国に送金する仕組みはあるのですか?

Carnival:海上労働者は、船上で現金で支払いを受けております、またCarnivalでは、最近、海上労働者が船から本国に直 接、電子送金できる仕組みを始めました。

FT:乗客のチップに関してはどうですか?とりわけ前もって支払われるチップですが。給仕や客室係の間で、等分にされているのですか?

Carnival:給仕チームは、それぞれの部門でチップを分け合っております。例えば食堂チーム、給仕長、チーム・ウェイターは、そ の 部門でのお客様からのチップを分け合います。同様に、客室の給仕と助手は、船室部門からのチップを分け合います。

FT:会社がパナマで設立されているという、Carnivalに対する批判はどうですか?

Carnival:税金や法的な問題に関しては、わが国がしている程、念入りなものではございません。弊社では、こうした言葉に含まれ る ものは、大変に明確なものだと考えております。

FT:貴社のU.S. Security and Exchange Commission(=合衆国安保為替委員会)に提出した年次報告では、Carnivalの合衆国税に関する地位が変動すれば、Carnivalの将来の収益成長に重大 な影響を与えると述べています。その地位に対し、法案や、現在、脅威となるようなものがあるのですか?

Carnival:ございません。

FT:会社の見通しでは、Carnivalはカナベラルのような母港に対して、どれほどの影響を与えていますか?

Carnival:Carnival Cruise Linesは1993年以来、ポート・カナベラルから運航しており、同港はカナベラルばかりではなく、クルーズ産業全体において、最も速く成長した母港の1つになっており ます。

Carnivalは、2,052人乗りのSensationを、この春から同港初めての4日間、5日間クルーズ計画を実施して、ポー ト・ カナベラルからの運航を拡大いたします(この計画は姉妹船の2,052人乗りのElationに、秋には引き継がれます。)。

こうした3隻の船舶を含め、Carnivalは、560,000人の乗客をポート・カナベラルから輸送し、ポート・カナベラルはマイア ミ に次ぐCarnival第2の母港になるものと見ております。

弊社ではポート・カナベラルに対するクルーズ産業の経済的効果に関して特別な情報を持ち合わせておりませんが、フロリダ州はこれまで、 ク ルーズ産業の最大の恩恵を受けているところです。(中略)

FT:合衆国、あるいは地元当局は、どうやって貴社の運航(例、安全、環境問題)を監督すればよいのでしょうか?

Carnival:Carnivalは、ワシントンDCに本拠を置くInternational Council of Cruise Lines(=国際クルーズ船会議)の会員であり、安全、保安、健康なクルーズ船環境を促進する同機関の指導基準を遵守しております。 ICCLは、規則と発展過程方針の枠内で、合衆国と国際海事機関により活動しております。(Florida Today: December 12, 2005)

Carnivalは更に船舶を増やす計画(米国)

マイアミに本拠を置くCarnival Corp.は、今日、イタリアの造船業者Fincantieriとの間で、4隻の新船を建造する20億ドル相当以上の取引に署名した。

Holland America Line、Carnival Cruise Lines、Princess Cruises、Costa Crociereは、それぞれ1隻ずつ船舶を取得する。この4隻の新船増強により、Carnival Corp.は、2006年から2010年にかけて16隻を投入する計画で、船隊は95隻になる。クルーズは観光業界において最も急速に成長している分野であり、年間 1000万人以上の者がクルーズをしている。本日の取引は以下の通り。

Holland America向けに、2,044人乗りの旅客船。建造費は4億5,000万ドルで、2008年夏に就航。86,000トンで、Holland Americaの最大の船となる。

Princess Cruises向けには、3,100人乗りの旅客船。建造費は5億7,000万ドルで、2008年秋にデビュー。116,000トン。

Carnival Cruise Lines向けに、3,608人乗りの旅客船。建造費5億6,000万ユーロで、2009年秋に就航。130,000トンで、Carnivalでは最大の船舶になる。

イタリアに本拠を置くCosta Crociere向けに、3,004人乗りの旅客船。建造費は4億8,500万ユーロで、2009年夏にデビュー。112,000トン。

この取引には、2隻以上の選択権があり、それぞれCarnival Cruise LinesとHolland Americaに1隻ずつとなっている。Carnival Corp.は12の商標で79隻の船舶を保有する、世界最大のクルーズ会社。(Miami Herald: Posted on Wed, Dec. 14, 2005)

アイルランドのフェリー航路向けの新船(アイルランド)

フェリー会社のNorseMerchant Ferriesは、新しいMersey Vikingが今朝到着して、バーケンヘッド―ベルファスト航路の収容力を増加させた。

この貨客フェリーは、イタリアのVisentini造船所から直行したもので、12月6日に投錨した。12月7日に7月に就航した姉妹 船 のLagan Vikingと共に最初の航海を行った。

両船は、バーケンヘッド―ダブリン航路に転配となり、NorseMerchantは再び1日2便の運航ができることとなった。

この高速船は、乗客970人、商用車輌150台、乗用車160台を積載できる。NorseMerchantは、バーケンヘッドの Twelve Quays(=12波止場)ターミナルからアイルランド航路を運航している。(ic CheshireOnline: Dec 16 2005)

船舶収容力を伸ばしてCarnivalの利益増加(米国)

12月16日、ニューヨーク発。クルーズ船運航事業者のCarnival Corp.は、金曜日、燃料費用高騰の影響を船舶収容力の大幅な増大によって埋め合わせ、第4四半期の利益が20パーセント上昇したと語った。しかし2006年度の予想収 益は、分析者の予想を下回り、株式は約4パーセント下落した。

同社はHolland America、Cunard、Princessといったクルーズ商標を経営しており、11月30日締めの四半期の利益は3億5,300万ドルで、1株当たり43セントで あると報告している。1年前の同時期は、2億9,400万ドルで、36セントであった。Reuters Estimatesによると、ウォール街の分析者は、1株当たり41セントの収益と予想していた。

11月30日締めの2005年会計年度の純収益は、23億ドルで1株当たり2.70ドル。前年は19億ドルで2.24ドルであった。同 社 の同四半期の収益は、昨年の22億ドルから26億ドルに増加しており、分析者の予想は25億ドルであった。年間収益は、2004年会計年 度の97億ドルから111億ドルに増加した。同社の四半期当の利用可能な寝台あたりの総クルーズ費用は、昨年に比べ3.8パーセント増。

「同四半期の燃料費用が約50パーセント増加して、わが国史上最悪のハリケーン・シーズンであったにも関わらず、弊社は、なおも収益を 伸 ばすことができました。」と最高幹部のMicky Arisonは話した。

同社では、2006年度の第1四半期の予想収益は、分析者の予測が45セントであるのに対して、1株当たり34セントから36セントの 幅 で予想している。2006年度の1株当たりの収益は、分析者の予想が3.13ドルであるのに対し、3ドルから3.10ドルと予想してい る。

Carnivalの株式は、New York Stock Exchange(=ニューヨーク証券取引所)の今朝の取引で、2.69ドル、5パーセント下落して、52.15ドルであった。(Reuters: Fri Dec 16, 2005 12:47 PM ET)

フィリピン海軍が沈む行くフェリーから75人救助(フィリピン)

フィリピン海軍が、1日以上もスル海で浸水していたフェリーから75人を救助した。

このフェリーは、ホロ島とサンボアンガ市南部を結ぶもので、プロペラが壊れ、漂流していた。

巡視船がマレーシア海軍との国境警備訓練から戻り、フェリーをサンボアンガに曳航した。(ABC Asia Pacific: 17/12/2005 20:56:16 AEST)

DP Worldの公式入札でP&Oを巡る戦いの引き金を引く(英国)

ドバイのDP Worldは今週、P&Oに対して、33億ポンドの提供をするものと見られている。銀行家によると、この公式入札により、ライバルのTemasekの入札を引き起 こすことになるという。ここは英国海事グループにおいて、戦略的な持分を築いて来ているシンガポールの国有会社である。

DPWが以前発表した準備計画よりも直接的なものとなると見られる入札について、200頁の文書が公表されることとなる。計画は、税制 面 で利点のあるものだが、提案の承認に必要な50パーセントを超える、75パーセントの株主の賛成を要する提案である。この変更は、2週間 前にTemasekがDP Worldの提案よりも1株当たり443ペンス高い価格でP&Oの株式の5パーセントを購入したことに対する対抗措置。

金曜日、P&Oの株式は466ペンスで引けた。これは市場が、2つの資金の豊富な国有会社間で、入札戦争が勃発するものと考え て いることを示すものである。(後略)(Telegraph.co.uk: 18/12/2005)

ECは旅客船の安全性でベルギーを批判(ベルギー)

「当委員会は、船舶で旅行する人々の安全性に関連する規則の完全実施に関して、加盟国の遅滞には寛大でない。」と今日、 European Commission(=ヨーロッパ委員会)は発表した。これは、ベルギーと連合王国(=英国)をEU Court of Justice(=EU裁判所)に提訴する最終段階である「説得意見」送付に引き続くもの。

英国とベルギーはこれまでのところ、ロール・オン、ロール・オフ(ro-ro)旅客船に関するEU法令の、国内法化完全実施をしていな い。皮肉なことに、ベルギー人と英国人は、未だにゼーブルージュでのフェリー惨事を生々しく記憶している。

ro-ro船Herald of Free Enterpriseという乗用車・旅客フェリーは、ドーバー、カレー、ゼーブルージュを結 んでいた。1987年3月6日、同船は船首扉が開いていたために沈没し、193人の乗客が死亡している。

英国、ベルギー両当局は、2004年11月17日までに、同指令を国内法化すべきものとされていた。しかしベルギーは、 Directive 2003/24/EC(=EC指令2003年第24号)を未だに国内法化せず、英国はジブラルタルに関連する指令を国内法化していない。

「2003年採択の2つの指令の目的は、ro-ro旅客船の復原性の向上と、EU域内で就航している船舶に関連して、移動性を低減して 人々の安全要求を改善するよう導入することとされているもので、これにより、EU海域における旅客の安全性を総じて向上させるものであ る。」と、これに先立つ声明でECは述べていた。(Brussels Review: Monday, 19 December 2005)

Windermere Ferryは今日の午後までに運航再開(英国)

Windermere Ferryは舵輪の1つが磨耗して運休しているが、船は直って、今日動き出すものと期待される。

このフェリーは舵輪を交換する必要があるが、昨日、部品が到着し、今日の午後、運航再開となる模様。

Cumbria County Council(=カンブリア郡議会)が、ホークスヘッドとボーネス間を結ぶ運航を経営しており、(フェリーのおかげで)住民や観光客は湖の周りを14マイルも車に乗って 行く必要がない。(Lakeland Radio: Tuesday, 20 December 2005)

ウソの爆弾の脅迫電話をした十代に40,000ドルの支払いを命じる(米国)

マサチューセッツ州、ナンタケット島発。島での週末を長く過ごそうとして、ナンタケット島のフェリーにウソの爆弾の脅迫電話をした4人 の十代は、検察官との取引で、総額40,000ドル近い損害賠償金を支払うこととなった。

この十代が有料電話から爆弾の脅迫電話をして、7月17日の日曜日、島とケープ・コッド間でフェリーの運航をしているHy-Lineが 一 時運休し、何百人もの人々がナンタケット島に足止めにされた。

ヒューストンのDaphne Bragg(17)、コネティカット州ハートフォードのBrett Williams(17)、コネティカット州ウェスト・サフィールドのBrendan Reed(17)、そしてナンタケット島のVincent Veilleux(16)は、数日後に逮捕され、虚偽の脅迫をしたとして起訴された。

島でこの友人達は週末を一緒に過ごしており、家に帰りたくなかった、と捜査官は話している。200人余の旅行者が、一晩中、島に足止め に され、数ダースの人々が、翌日にフェリーの運航が再開されるまで、地元の学校の間に合わせの避難所で一夜を明かしたのだった。

火曜日に発表された弁明書によると、この十代は有罪の評決となる重大事実について認め、ウソによって影響を受けた沿岸警備隊、ナンタ ケッ ト町、旅行者に対して、39,468ドルの損害賠償金を支払うことで合意した。Cape & Islands地方検事事務所によると、この十代らは分担して損害賠償金を支払うという。2年間の保護観察処分となり、400時間の公共サービスに就くことが要請されるこ ととなる。(Boston Globe: December 21, 2005)

リガ港がフェリーのBaltic Kristinaを購入(ラトビア)

リガ発。Riga Free Port行政機関は、Baltic Kristinaを購入した。本船はRiga Sea Linesの所属で、船価は250万ラト(360万ユーロ)。同港は、Riga Sea Linesの唯一の資産であった同フェリーの、ただ独りの入札者である。同社は、同港が保証しているParex Bankに対する770万ドルの借入金を返済できずに破産を申し立てられている。同資金は、550万ドルをかけて1973年に建造したフェリーを購入するのに使用された。

同港では、1ヶ月内にこのフェリーに対する支払いをしなければならない。これまでのところ、同港がこのフェリーをどうするのかは不明。 広 報担当者のKarlis Leiskalnsは、再売却されるか、ホテルに転用すると話している。Baltic News Serviceによると、同港はRiga Sea Linesが債務不履行に陥った借入金の保証をしていたために、困難な状況になったことを認めている。Leiskalnsは、港から出られないようにして船から何週間も立 ち去ることを拒絶していたフェリー従業員は、バック・ペイ(注、不当労働行為時の賃金相当額の支払い)を受け取ることとなると話した。

Riga Portは、Riga Sea Linesの19.72パーセントを保有し、Riga City Council(=リガ市議会)は、同港の35.48パーセントを保有し経営している。いずれも他の株主と共に、同社の負債に見合うだけのものに増資する決定を怠り、その 結果、同社は借入金の返済ができず、管財人の管理下に置かれることとなった。

会社は清算される模様で、エストニアのTallinkが、儲かるリガ―ストックホルム航路の第1位の運航事業者になる準備をしている。 (Baltic Times: 21.12.2005)

Star Cruisesは遠洋定期船ターミナルの合弁事業に参加(中国)

アジア最大のクルーズ運航事業者のSTAR Cruises Ltdは、香港で第2の遠洋定期船ターミナルを開発しようとしている、香港に本拠を置く2社と合弁事業を始める。

Star Cruisesと金融会社VXL Capital Ltdは、それぞれ同事業の30パーセントを保有し、一方、不動産開発業者のNan Fung Development Ltdは40パーセントを保有することとなる、と昨日、VXLは声明において述べた。

VXL会長Lim Chee Wahは、Star Cruisesの会長Lim Kok Thayの実弟。

3社は、今年1,100万人を記録する遠洋定期船で休暇を過ごす人々を賄う世界で最も有名な港湾の1つに新しい施設を建築すべく、香港 政 府に対して関心を示すこととなる。マレーシア資本の会社であるStar Cruisesは、22隻の船舶を用いて世界の200の目的地に航海をしているが、香港に本拠を置く。

「合弁事業の意図は、この計画に入札するためである。」とVXLの声明にはあった。「香港政府は、競争入札手続を通じ、同クルーズ・ ター ミナルの開発を前進させることとなるかもしれない。」

Star Cruises株は、シンガポールで、26.5米セントで変わらず。同社の香港で取引されている株式も変わらず、2.075香港ドル。

ホテル・発電所・製紙工場・石油開発を含む事業を営む、マレーシア最大の会社の1つ、Genting Bhdを支配しているLim一家の2人が、この事業で1つとなった。

クアラ・ルンプールに本拠を置くGentingは、11月11日の時点でStar Cruisesの0.3パーセントを保有し、別にResorts World Bhdを通じて、このクルーズ休暇事業者の36パーセントを保有している。

シンガポール最大の公的株式売買仲介業者のKim Eng Holdings Ltdの元香港部門であるVXL Capitalは、2003年12月にマレーシア人実業家Lim Chee Wahに売却されている。クアラ・ルンプール証券取引所関係者によると、Limは、2002年5月までGentingの常務取締役代理であった。

Star Cruises、VXL、Nan Fungは、この合弁事業に総額1,000万香港ドル(130万米ドル)を貸し付けることとなる。香港政府は、2011年まで第2クルーズ・ターミナル建築のための投資者 を募っている、と政府は話した。(Shanghai Daily: 2005-12-23)

フィンランドのAker Yardsがフランスからフェリー受注(フィンランド)

造船グループのAker Yardsは、フランスの会社Brittany Ferriesとの間で、旅客フェリー注文の同意書に署名した。この取引は約1億500万ユーロから1億1,000万ユーロ相当のもので、金曜日にAker Yardsがプレス・リリースを発表した。

このフェリーの建造で、700人に年間の仕事が与えられることになる、と同社は話した。同フェリーは、遅くとも2008年10月までに 引 き渡される。

Brittany Ferriesは、フランス・英国間向けの新しい種類の船舶に投資している。同社では新しい旅客フェリーの設計に協力して来ている。1,500人乗り、全長167メート ル、全幅27メートルのものになる見込み。

「今年はフィンランドのAker Yardsにとって、記録的な年であった。」とAker Yardsのクルーズ・フェリー事業部門の責任者Yrjo Julinは、プレス・リリースの中で述べている。「弊社では12隻の新造船と7隻の改造契約を発表しており、これは18億ユーロ相当で、この造船所で年間11,800人 の仕事を生み出すものである。」とJulin氏は続けていた。(Newsroom Finland: 23.12.2005 at 13:15)

クライド・ヘブリディーズ諸島航路の入札戦争にライバル3社が参戦(英国)

同航路を現在運航しているCaledonian MacBrayneは、Western FerriesとV Shipsとの競争に直面している。危うくなっているのは、何百万ポンドもの政府の助成金。

当局は現在、スコットランド本土と離島間の25航路を維持するために、2,800万ポンドを支出している。スコットランド行政府がこの 運 航の入札を求める決定をしたところ、17社が当初興味を示したものと考えられている。落札者が2年間以内に運航を始めることになるが、 CalMacは2社の手強い挑戦者に直面している。

Western Ferriesがグーノック―ダヌーン航路で既に戦闘を始めているが、両社にとって最大の脅威は、グラスゴーに本拠を置くV Shipsになりそうだ。ここは26カ国に22,500人の海上職員と1100人の事務職員、600隻以上の船舶を擁する世界で最大の船舶管理会社の1つ。

CalMacとWestern Ferriesは、いずれも就航させる新船の発注で、クライド最後の商用造船業者Ferguson of Port Glasgowが営業を継続できるか否かの鍵を握っている。(Glasgow Evening Times: 23/12/05)

SeaStreakはフェリー切符を値下げ(米国)

ニューヨーク発。都心と、ハイランズとアトランチック・ハイランズ間でフェリーを運航しているSeaStreak America Incの関係者は、燃料価格の下落を受けて、1月1日より切符の価格を引き下げる。11月の燃料平均価格は、1ガロン当たり30パーセントの下落で、SeaStreakで は切符の価格を引き下げることとなった。

同社では、安価なSulferディーゼル燃料を基準にした燃料追加料金公式を有している。燃料価格が上昇したために、料金を引き上げて い た。

1月1日より開始する41ドルの往復運賃は値下げして38ドル、10回回数券は現在の196ドルから184ドルに値下げ、40回回数券 は 30ドル引き下げて、623ドルから593ドルになる。

SeaStreakのフェリーは、クリスマス・イブと12月26日月曜日の運航は2便減便して、週末時間で運航する。すなわちハイラン ズ のコナーズ地区からの午後6時40分の便と、午後7時50分東34丁目発・午後8時第11埠頭発・ハイランズのコナーズ地区行きの便が減 便となる。

クリスマスの日は、フェリーは運休となる。詳しくはSeaStreak、電話1-800-BOATRIDEへ。(Asbury Park Press: 12/24/05)

民間衡平法上のグループが市場で2社のフェリー運航者買収へ(北ヨーロッパ)

ヨーロッパ最大のフェリー運航事業者2社が、総額14億ユーロ(9億5,000万ポンド)の値札をつけて売りに出され、バルト海の海運 市場を大きく揺さぶっている。

Scandlinesの共有者、すなわちドイツ政府が後援している鉄道会社Deutsche Bahnとデンマーク運輸省は、このフェリー運航事業者売却の署名をするために、その違いを埋めてしまった。投資銀行のNM Rothschildが、売却の忠告をすべく、デンマーク側によって指名され、一方Deutsche Bahnは、Morgan Stanleyを引き止めている。これら銀行は、新年に8億ユーロまで値をつけて、Scandlinesの売却活動を開始するものと見られている。

この動きに引き続き、GNERという鉄道会社の所有者であるSea Containersが、そのSiljaのクルーズ・フェリー事業を売却すべくSociete Generaleという銀行を指名する決定を行った。クリスマス前に覚書が送付されたばかりで、同事業は約6億ユーロ相当のもの。

Silja売却に近い筋は、次のように話した。「フェリー事業の扉を閉めたのは、(Sea Containers社長の)James Sherwoodです。」

ScandlinesもSiljaも、CVC、Cinven、Terra Firmaといった民間衡平法上のグループから興味を引き出そうとするものと見られている。フェリー運航事業者のDFDSと、ドイツの船主Deutsche Seereedereiは、Scandlines購入の可能性があるとされてきたところだ。

Scandlinesは、1998年にドイツとスウェーデンの2つの最大のフェリー・グループが合併して設立されたものだが、この国境 を 跨る所有権は、しばしば戦略的に勝利してきた。

同事業はデンマーク、ドイツ、スウェーデン間の14本の旅客・貨物航路で26隻のフェリーを運航して、2,000万人の乗客を輸送して お り、2005年度には約1億ユーロは稼ぎ出すものと見られている。

しかしScandlinesを資産評価するのは困難だ。というのは、2016年までにその主要な航路の1つであるドイツの PuttgardenとデンマークのRodby間に架橋する計画があるからだ。

Siljaは、その中核とするヘルシンキ―ストックホルム航路で58パーセント市場占有率を有し、幾分国民的なものとみなされている。 2006年度には5,000万ユーロの利益を生み出すものと見られている。

「フィンランドには500万人のフィンランド人がおり、年間400万人の乗客を輸送しております。」とSilja筋は語った。「ちょう ど、全てのフィンランド人とスウェーデン人の大半が乗船しているようなものです。」(Telegraph.co.uk: 26/12/2005)

イラン最初の現代的なフェリーが就航(イラン)

今週、イラン最初の現代的なフェリーが、ケシム島とペルシャ湾のバンダル・アッバース間で、旅客輸送を開始する。

「Vessels and Ferry Cooperation of Qeshm Island(=ケシム島船舶連絡船協同組合)は、このフェリーの建造で、アラブ首長国連邦の造船所と交渉してきました。」とイランのMarine Transportation Association(=海事輸送協会)の会長Gholamreza Pasalariは語った。

このフェリーは、2日以内にケシム島に引き渡される。その後、バンダル・アッバースとケシム島間で旅客輸送を開始する。

Pasalariによると、このフェリーは7年間は使用できるという。「大半の船はファイバー・グラス製で、協同組合のために運営され て いる民間部門によって保有されています。」とPasalariは説明した。「現在、フェリー100隻と船舶130隻が、この航路で旅客を 輸送しています。」とPasalariは付け加えた。

このイランの海事輸送の長はまた、現在、ケシム島とバンダル・アッバース間に就航している船舶の大半は使い古されており、快適な設備を 持 たないので、この最初の現代的なフェリーをアラブ首長国連邦の造船所に発注したと説明した。

イランで運航を開始することとなっている最初の現代的なフェリーは、200万米ドルで購入されたもので、34人乗り。このフェリーには 冷 暖房設備が装備され、波高が2メートルに達する時でも、24時間運航が可能。一方、古いフェリーは日中しか運航できず、波高が40センチ メートルを超えると動けない。

Pasalariによると、近い将来、こうした型の船舶を増加させるべく、国内の造船所とも交渉しているという。(Persian Journal: Dec 27, 2005)

面倒の種だったPacific Skyは代替(オーストラリア)

P&O CRUISESの新しい定期船Pacific Starは、ブリスベーンから処女航海に出発し、面倒の種だったPacific Skyは代替される。P&O Cruisesの常務取締役Gavin Smithは今日、35,000トンのPacific Starは、その前任者に降りかかった多くの問題を抱えることはないだろうと語った。

「弊社はPacific Skyを使ってクィーンズランド州市場に参入致しました。クィーンズランド州でのクルーズで多くのことを学び、今年は多くのクィーンズランド州民を輸送致しました。」と Smith氏は最新の定期船上で語った。

46,000トン、1400人乗りのPacific Skyは、冷却水取り入れ口にクラゲの群れが入り込んで船の機関が動かなくなり、昨年、クィーンズランド州沖で予定されていたクルーズで遅延する等、問題に悩まされてき た。

2003年には、この船は伝染性の高い胃腸ウイルスの直撃を受けて、消毒しなければならなかった。同年、同船は浸水し始め、ニュー・ ジーラ ンドを出発後、30時間でオークランドに引き返すことを余儀なくされた。

昨年の暮れには、Pacific Skyは12泊クルーズの最初の晩に機関不調が生じ、太平洋島嶼クルーズを切り上げて、ブリスベーンに引き返さなければならなかった。このクルーズでは、既に欠陥のあるボ イラー弁と右舷機関のギアボックスの損傷で、船の1485人の乗客は1日以上もブリスベーンに足止めされるという幸先の悪いものであっ た。

今日、クィーンズランド州知事のPeter Beattieは、ピンケンバの工業用地郊外のクルーズ船埠頭を「second-best(=2番目に良いもの)」であると認め、全長215メートルのPacific Starは、来年暮れに完成後、ハミルトンの新ターミナルに接岸すると語った。州政府はハミルトン・ターミナルを、ゴールド・コーストと タウンズビルの設備を含む「cruise shipping route(=クルーズ海運航路)」の一部となることを思い描いていると(知事は)話した。

ブリスベーンの母港から出発するPacific Starの最初のクルーズは、来年中、地元経済に3,500万ドルを注入することとなる35回のものの1つとなる。Pacific Starは、最初の航海で1100人の乗客と600人近い船員を輸送し、ヌーメア、フィジー、バヌアツに12日航海をする。

「この船は正にクィーンズランド州のクルーズ船産業に対する賛成表示です。いささかのしゃっくり(=反対意見)が聞こえることは理解し て おりますが、この産業は我々にとって本当に重要なものなのであります。」とBeattie氏は話した。(Australian: December 28, 2005)

列車用の北のフェリー(中国)

列車を渤海(ボーハイ)海峡を横断して輸送するフェリーは、遼寧(リャオニン)省と山東(シャントン)省を結ぶこととなる。

開発業者のChina Railways Bohai Sea Train Ferry Co Ltdは、労働者は、34.35キロメートルの鉄道支線の延長と、この計画に関する港湾設備を完成させたと話した。この連結により、遼寧省の大連(ターリエン)と山東省の 煙台(イエンタイ)が結ばれる。

総延長約138キロメートルに及ぶ同航路の工事は、2003年12月に始まった。これは、国内の主要海域で列車を輸送する2番目のフェ リーとなる。そして最長のものとなる。最初のそうした運航は、南中国のQiongzhou海峡で始まり、海南(ハイナン)島の海口(ハイ コウ)と広東(コワントン)省のHai'anとの間を結んでいる。

23億元(2億8,400万米ドル)の予算が投じられた計画は、完成に3年を費やすことになる。試験航海は2006年前半に行われる。 正 式運航は、試験航海の1年以内に始まる。

このフェリーは中国北部から揚子江(ヤンツーチアン)デルタへの貨物・旅客輸送を改善させることとなる。現在、北部からの鉄道路線は、 北 京(ペキン)、天津(テンチン)を通過するもので、600キロメートルから1,000キロメートルの範囲で遠回りとなっている。計画はま た、中国北東部の産業的に取り残された地域の活性化に役立つものと期待されている。(Shanghai Daily: 2005-12-29 Beijing Time)