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2002年12月

2002年12月の海外旅客船情報

太平洋上で燃え盛る船から旅行者を救出(タヒチ)

タヒチ、パペーテ(Reuters)発。日曜日、仏領ポリネシアのボラボラ島に近い太平洋上で火災を起こした豪華クルーズ船から、救助 隊は安全に127人の乗客を救出した。

地元政府指導者は、きっぱりとテロ攻撃ではないと述べた。観光大臣のBrigitte Vanizetteは、火災は4本マストのWind Songの機関室から出火したことは明らかで、「全くの事故」と話した。

「これは大事に至らなかった事故で、テロとは一切関係のないことです。」と言った。

太平洋群島の危機センターの当局者は、乗船者の大半は米国人だが、全員怪我も無く救出されたと語った。

仏領ポリネシアの高等弁務官事務所の顧問団長Christian Jouveもまた、犯罪の要素を一切否定した。全員は無事で、ただ妊娠中の女性と高齢の男性が船酔いで入院しているという。

旅客フェリーのAremitiが、船長の警報をうけて救助のため現場に急行した。2機の飛行機がタヒチの首都パペーテに旅行者を乗せて く ることとなっている。

高級で異国風のクルーズに特化した米国企業Windstar Cruisesは、シアトルの本社で声明を発表した。それによると、「127人の乗客、92人の乗員は全員無事で怪我人は出ていない。モーター・ヨットのWind Songは、機関室から出火した。現時点では機関室からの出火原因は不明。」という。

危機センターは、乗客にはメキシコ人、アルゼンチン人の他、19人のカナダ人と、2人のフランス人が含まれているという。船員の大半は イ ンドネシア人とフィリピン人であり、全員避難している。

旅行者へは払戻し
パペーテからフランス海軍の艦船で消防士が到着するのを待つ間、12人以上の船員は機関室の火災を食い止めようと船に残った。

タヒチ島に救助された乗客が飛行機で到着し始めているが、ロイターと接触した目撃者によると、炎は船を包み込んではおらず、大半は内部 で 燃えているという。

危機センターの当局者は、その帆を張った4本マストの動力船は大変な損害を受けたが、沈没の危険は殆どないと述べた。タヒチ島に曳航さ れ ることとなるという。

Windstar Cruisesは、この金曜日にクルーズを始めた乗客には払い戻しをし、将来無料招待をすることとなると話した。

Vanizetteは、米国で3000人以上が殺された2001年9月11日の攻撃や最近のインドネシアのバリ島のディスコ、ケニアの ホ テルでの大量の死者の出た攻撃の後、マスコミの憶測を静めるのに骨を折っている。

「ここは最も安全な観光地の一つであり、それは旅行者、とりわけ米国人は良く知って欲しい。」と話す。

サウジ生まれのOsama bin Ladenのアル・カイダ組織は、米国攻撃で責められている。米国の当局者が、ソマリアに本拠を置く別のイスラム過激派が背後にいるかもしれないと言う一方、イスラエルは 先週モンバサ近郊のイスラエル所有のホテルで16人が殺害された爆弾攻撃後、アル・カイダが主要な容疑者だと述べている。バリ島で200 人近くが殺された10月の爆撃では、他の好戦的な連中が追跡されている。(Reuters Asia: 02 December, 2002 07:40 GMT+08:00)

別の船が病気の乗客を乗せて戻る(米国)

マイアミ発。月曜日、Carnivalのクルーズ船が胃腸病ウイルスに罹患した7ダース以上の人を乗せて3日間クルーズから 戻ってきた、と保健・警察当局は語った。

全長855フィートのFascinationは、2,052人の乗客と920人の乗員を乗せて、バハマから午前5時前にマイアミ港海域 に 帰還した。金曜日の午後、何人の乗客を乗せて出発したのかははっきりしていない。

Carnivalの広報担当者Tim Gallagherが、船上で病気になった人がいるかどうかを確認することは拒否したものの、フロリダの保健局は日曜日、警察に対して船は多数の病人を乗せて港に戻るだろ うと警告した。

「Fascinationは同じタイプのウイルスに罹患した86人の人々を乗せて来ると電話で連絡がありました。」とMiami- Dade警察の広報官Ama Tangeloは話した。

その病気がHolland Americaの船AmsterdamやDisneyのMagic等、最近、他のクルーズ船をしつこく悩ませている同じノーウォーク型ウイルスかは、直ちには断定できな い。

Holland America Line Incはマイアミに本拠を置くCarnival Corpに保有されている。Amsterdamは、過去4回のクルーズで1,000人近くが発病し、10日間フォート・ローダーデールのポート・エバグレーズに係留して完 全消毒した後、日曜日、1,261人の乗客を乗せて10日間のカリブ海クルーズに出発した。

「当社はウイルスのサイクルを断ち切ったと本当に自信を持って言えます。」とHolland Americaの広報担当Rose Abelloは言った。「誰も今後病気にならないと保障することができるでしょうか。それは絶対にできません。」(中略)

Fascinationは月曜日にキー・ウエスト、メキシコのコズメルへの4日間クルーズに出かけることとなっている。当局が中止する と 考えているのかどうかは、月曜日の早朝現在、はっきりしていない。

Fascinationの出発が取消されれば、フロリダ港では最近3度目のノーウォーク関連のクルーズの中止となる。(The Associated Press: Mon, 2 Dec 2002)

過酷な天候で旅行の計画が混乱(英国)

夜通し吹いた強い風と激しい雨による倒木のため、北アイルランドを横断する道路は不通になっており、フェリー運航は一時休止している。 ある地点では風速75マイルの突風が吹いている。

北西のロンドンデリーとストラバンでは、とりわけ悪影響を受けている。倒木のため、ストラバンのLiskey道、Camus道、および ニュータウンズスチュワートのLetterbin道は不通になった。これらの道路は再開されている。

気象庁は強風と激しい雨は月曜日の午前中続くと警告している。環境局は技術者が夜通し出て作業していると話した。

一方、ベルファストとスコットランドを結ぶフェリー運航もまた影響を受けている。SeaCatは悪天候のため16時のベルファスト発 トゥルーン行き、および19時30分のトゥルーン発ベルファスト行きは運休したと通告した。

16時の便のすべての乗客は、乗換えのため14時30分までにチェックインするよう求められている。乗客にはSeaCat電話028 9023 4023に電話するよう要請されている。P&Oによるとラーン―ケアンライアン航路は、通常通り運航されるという。(BBC: Monday, 2 December, 2002, 08:14 GMT)

巡航制御の下ウイルスを乗せて船は行く(米国)

2002年12月4日、FASCINATION船上発。昨日クルーズ船Fascinationは、前の航海で200人近い人々が船上で 罹患した病気に罹らないよう用心している乗客を乗せて、フロリダ州キー・ウェストとメキシコに向けて出発した。

マサチューセッツ州マルボロから来たMarek Biela(36)は、マイアミで月曜日に乗船した際にCarnival Cruise Linesから乗客になされた勧めに従い、頻繁に手を洗っていた。しかしBielaは、キー・ウェストでの1日観光中に何をしようかとい うことの方を考えていた。

「最悪の場合、1日か2日病気になるわけですよ。もし命にかかわる病気だったら、船なんかに乗らなかったですね。」

月曜日遅くマイアミを出港した船はメキシコのコズメルにも寄港する。

船側は、バハマへのFascinationの週末クルーズでしつこく悩まされたノーウォーク様ウイルスと推察されるものについて乗客に 詳 細を説明した。しかし今回、似たような問題が起きることを避けるための会社側の特別な措置については殆ど情報がなかった、とカリフォルニ ア州サンタ・バーバラから初めてクルーズに参加したDavid Martinez(22)は話した。

Carnival Corp.の広報担当者Jennifer de la Cruzは、昨日の午後現在、病気は報告されていないと話している。

月曜日早朝、Fascinationが3日間クルーズから戻って来たときには、189人の乗客と13人の乗員が激しい嘔吐と下痢を患っ て いたと当局は語った。専門家はノーウォーク様ウイルスかどうか、まだ確定していない。

ノーウォーク・ウイルスとノーウォーク様ウイルスは、24時間から48時間下痢、腹痛、嘔吐を引き起こすいくつかの共通の微細な有機体 組 織を有する。(New York Post: Wed 4 Dec 2002)

4隻目のクルーズ船でも伝染病(米国)

マイアミ発。最近胃腸病の発生が報道されているクルーズ船で4隻目となるが、120人近い乗客がノーウォーク様ウイルスの症状と一致す る病気に罹患している。

偉大なる英国のP&O Cruisesが運航しているOceanaで、114人の乗客と3人の乗員がウイルスの症状を呈していると木曜日、疾病対策予防センターが語った。

クルーズ船では1,000人以上の乗客が最近病気になっているが、クルーズ客船会社と旅行代理店は、その問題で事業に深刻な影響を受け て いないと話している。

疾病対策センターの広報官は、Oceanaでの症状は最近しつこく悩まされたHolland AmericaのAmsterdam、Carnival Cruise LinesのFascination、そしてDisney Cruise LineのMagicと一致すると語った。連邦保健局は調査のためOceanaに乗船することになっている。

Oceanaは1,859人の乗客を乗せて15泊の旅行中で、フォート・ローダーデールのポート・エバグレーズからの就航航海を11月 1 日に始めて、まだ3回目の航海に過ぎない。

疾病対策センターによると、ノーウォークとノーウォーク様ウイルスは、下痢、腹痛、そして激しい嘔吐が24時間から48時間続く。食べ 物、水、感染者との接触あるいは感染者が触れたものを通じて広がる。

保健当局者は、病気はとりわけ寒い時期にはよくあるものであり、クルーズ船での事件が普段よりも増加しているのか、それとも最近の事件 は 単に多く報告されているだけなのかは良く分らないと話した。

クルーズ産業は、景気の後退と9月11日に起因すると思われる不振からいまだに回復中の状態であり、大衆を安心させようと必死である。 ク ルーズ客船会社は、船の運航を休止して舳先から艫まで掃除をしている様子を、直ちに見せてきた。(Japan Today: Friday, December 6, 2002 at 09:30 JST)

英国海運は戦争の恐怖の中で護衛されることに(英国)

旅客船は今週決まる新反テロ対策の下で、武装した軍隊及び軍の護衛を受け入れることとなる。ならず者国家の近くや諜報機関が攻撃の危険 が増大しているとする地域を通過する船舶は、ジェット機、軍艦、陸軍部隊の保護を受けることが許されることとなる。

前例のない安全対策が、テロリストによる大規模な環境破壊により大混乱を引き起こすことのないよう、原油タンカーや貨物船に対しても適 用 される。

ロンドンに本拠を置く国際海事機関(IMO)の下で作成された規則は、海運産業の歴史の中でもっとも急進的な安全保障計画である。8万 隻 の船舶に適用される安全保障計画は、2004年7月までの潜在的なテロや海賊行為に対処するために作成された。

政府当局者は既に草稿となる計画を議論しており、来週金曜日にIMOの加盟162ヶ国により承認される見込み。専門家は、9月11日の 惨 事により劇的に引き上げられた安全保障対策が、航空機産業と並んで海運業界にも結局は及ぶものと見ている。

こうした動きは、テロリストが旅客船をソフトな標的として見ていると業界のアナリストが懸念を強めているところから生じている。英国は 既 に「浮遊爆弾」を用いた海運業に対する攻撃あるいは船舶の乗っ取りの脅威を警告している。

それはイエメン沖のアデン湾に停泊中の原油タンカーLimburgが、10月に破壊攻撃を受けたことに引き続くもの。テロリストは爆発 物 を積んだ小型の高速船でタンカーに突っ込んで船体を破壊し、9万バレル以上の原油を流出させた。

IMOの対策では、港での厳しい防御同様、四六時中、保安職員のチームを乗船させることも要求している。とりわけ、インドネシアやソマ リ アのようなアル・カイダの細胞が疑われる国の近くを通過あるいは寄港する船舶は、軍隊の保護を受けることとなる。護衛は最寄の沿岸諸国の 負担となる。

国際運輸労連の広報官で先週IMOの詳細な交渉に参加していたJohn Whitlowは、自分が考えた海事安全対策を突破できてうれしかったと語った。「これで乗客がテロの危険から逃れるばかりではなく、船員が海賊の脅威からも解放されるこ とを願っています。」

業界紙Lloyd's Listの編集者David Oslerは、諜報機関筋が旅客船が将来アル・カイダの標的になり得るとする警告を受け取っていることを確認した。「来年、クルーズ船が攻撃目標になるとは思いたくないで すね。クルーズ船は豊かな西洋人が沢山乗船している比較的ソフトな標的です。攻撃されれば大変なパニックになることが明らかなものでしょ う。」

その安全対策は、1995年以来4倍に増加している海賊の懸念も和らげることとなる。毎月平均で2隻の原油タンカーが乗っ取られてお り、 世界の海洋での海賊攻撃は、昨年253件から271件に増加している。先週だけでもインドネシア沖での銃を使った攻撃を含む、8件の事件 が起きている。(The Observer: Sunday December 8, 2002)

クルーズ産業の見通しはウイルスの発生や戦争の可能性にもかかわらず有望(米国)

マイアミ発。クルーズ船産業は、昨年のテロリスト攻撃以来事業に影を落としている不確実性を、2003年には終わりにしたいと 願ってきた。しかし最近の4隻の船の胃腸ウイルスの集団感染で、来年度の見通しは更に不透明なものにさえなっている。

業界の経営者やアナリストは、合衆国がイラクとの戦争に突入してクルーズの乗客が家に留まることとなるのかどうかを既に懸念している。 今 や問題は、一連の世間でよく知られた胃腸病ウイルスの集団感染が、将来の予約に影響を与えるかどうかという点だ。

業界ではまた、株主が第1位のCarnival Corpと第3位のP&O Princess Cruises PLCとの合併を承認するかどうかも知りたいことである。

業界が2003年にどう進むか、また船上での病気がどういう影響を与えているかを知る最初の兆候は、1月1日から3月までの期間の動向 で ある。この時期に例年殆どのクルーズ客が夏の旅行を予約する。

「問題は、(病気発生の)ニュース報道で一旦色褪せてしまったクルーズのイメージが変わるかということです。」とUBS WarburgのアナリストRobin Farleyは語る。

Holland AmericaのAmsterdamに清掃後、9日間のクルーズに参加した乗客らは、懸念を表明すると共に旅行の計画を立て続けると語った。

オーストラリアのメルボルンのJohn Ohlmannは、DisneyのMagicに乗船したカリブ海クルーズで先月病気になった乗客の一人である。あの事件で次のクルーズを予約することが難しくなったわけで はないと語る。

「あれでクルーズを止める気は全くないですよ。」と話した。

一方、業界はテロリスト攻撃後の収益の落ち込みから未だに回復途上にあり、世界的な出来事により再び事業に影響が生じないかを懸念して い るところだ。American Classic VoyagesとRenaissance Cruisesの2社が倒産を余儀なくされ、残りは船室をお客で満たすためにもがいて来た。

クルーズ客船会社は船をより本国に近づけ、ニュー・オーリンズやボルチモア、テキサス州のコルプス・クリスティのような第二次市場に寄 港 してあの攻撃に対処した。この動きは来年度も継続する。

「人口の多い様々な港に高品質の船舶を投入することで、この業界は次の大きな成長を遂げると見ています。」とNorwegian Cruise Lineの経営最高責任者Colin Veitchは語った。

NCLのクルーズの90パーセント以上は、北米の港を出発している。このクルーズ客船会社は最近、ボルチモア、ヒューストン、ニュー・ オーリンズからも出発することを発表し、全部で12の米国の港湾から出発することとなる。

マイアミに本拠を置くRoyal Caribbean Cruises Ltdは、2002年に米国の6都市からの新しいクルーズを始めた。

「当社はいずれはそこに進出するつもりでしたが、(あの攻撃で)それが加速されました。」とRoyal Caribbeanの会長兼経営責任者Richard Feinは話した。

何人かのアナリストの来年の見通しは一致しており、カリブ海、アラスカ、さらにはヨーロッパのクルーズは、イラクで戦争があるか否かに か かっている。乗客はそこまで心配していないようだ。

CIBC World MarketsのアナリストPaul Keungは、クルーズ会社についてこう語った。「顧客が30日間以内のものを何とも思わない限り、船を満たすことに問題はないでしょう。」

マイアミを本拠とするCarnivalの会長兼経営責任者のMicky Arisonは、戦争の悪影響はそれが短期間のものか長引くかによると述べた。

「比較的短期間の戦争ならば、会社に与える悪影響をそれほど心配していませんね。」

クルーズの価格は、12月のクルーズで下がっているものがあるが、年間を通じて少しずつ上昇している。Raymond James & Associates Incの調査では、1月発以降のクルーズの価格は明らかに上昇しているという。

Carnivalの54億ドルでのP&O Princess Cruisesの乗っ取りが承認されれたとしても、少なくとも初めは顧客にそれほどの影響を与えないだろう、と仲介業Raymond Jamesの娯楽休暇部門のアナリストJoseph Hovorkaは語った。

CarnivalとP&Oの合併で、64隻の船を有する強力な新会社が設立されることとなり、市場占有率は2005年までに 50 パーセントに達する。2005年までにRoyal Caribbeanの24パーセントの市場占有率は20パーセント近くにまで低下し得る、とSalomon Smith Barneyの娯楽部門のアナリストJill Krutickは話した。

Royal Caribbeanは「強力な第2の競技者に留まり、その若く大変居心地の良い船隊で互角に戦えるでしょう」と語った。(Canadian Press: Sunday, December 08, 2002)

匿名の警告電話の後、フェリーで爆発物は見つからず(ギリシャ)

昨日、ピレウスに停泊していたフェリーから乗客を避難させることを余儀なくされた爆弾の脅迫はウソだったと、船を捜索した結果、爆発物 が見つからなかった後で港湾当局者は話した。

午後3時30分に新聞社に6時30分にDalianaで爆弾が爆発すると主張する匿名の電話があった。船はパロス島、ナクソス島、イカ リ ア島、フールニ島、サモス島に向かうことになっていた。(The Kathimerini:? 9/12/02)

Hapag-Lloydの収益が転落(ドイツ)

昨日、ドイツの親会社のTUIが発表した報告書の中でKatrin Berkenkopfが書いたものによると、Hapag-Lloydは純益が劇的に落ち込んでいる。

1月から9月までの貨物とクルーズ船の収益の合計は、4,100万ユーロ(4,070万ドル)で、昨年の同時期の75%以上にまで落ち 込 んでいる。

今月初旬、Container LineのトップGunter Casjensは、Hapag-Lloydの2002年の収益は明らかに昨年の記録には及ばないが、今年の第1四半期は赤字に転落したものの、「大変満足できるもの」に留 まるだろうと話した。

Hapag-Lloydはコメントを用意していなかった。TUIの広報担当者は、Casjens氏の見通しについてコメントしない模様 だ が、継続するものと見ている最初の3四半期の明らかな明るい動向を指摘した。

9ヶ月間の海運グループの総売上高は、合計16億7,000万ユーロで、2001年の同時期の18億3,000万ユーロから減少してい る。Hapag-Lloyd Container Line単体では、昨年が17億ユーロだったのに対し、15億5,000万ユーロの売上となっている。

一方輸送量は、2001年の最初の9ヶ月間の125万TEUから、今年は137万TEUに成長している。会社によるとすべての地方で成 長 に貢献しているという。

貨物運賃は、ある取引では回復し、とりわけアジアではそうだが、しかし未だに2001年の水準からは程遠い状態にある。

クルーズ部門のHapag-Lloyd Kreuzfahrtenは夏季には高収益だったが、4隻のうち2隻は前年に比べ稼動しなかった。売上高は1億2,500万ユーロから1億2,300万ユーロに僅かに落ち た。(Lloyds List: December 11, 2002 5:03am)

テロ、ウイルスに対抗したクルーズ 旅行誌編集者語る(米国)

最近、乗客に胃腸病が発生したことで、Disney、Holland America、Carnivalは、クルーズを短縮せざるを得なくなった。疾病対策センター(CDC)は、ノーウォーク・ウイルスはテロではないと話している。しかしウ イルスの素早い感染から、クルーズ船は生物兵器や他のテロリストの脅威の格好の標的であることが判明した。ここでTraveler Consumer Newsの編集者Norie Quintosに、洋上での旅行者の安全について語ってもらった。

「クルーズ船はとりわけテロリスト攻撃には脆弱だということですか?」

3件の病気の発生がテロと関係があるとする証拠は、現在までのところ、全くありません。実際、ノーウォーク・ウイルスは、陸上においてあ まりにも一般的で、CDCはどこでもこのタイプのウイルスの平均発生率は、かなり高いと報告しています。しかもクルーズ船でのこうした発 生は、比較的密閉された空間に大勢の人がいるので珍しくないものです。例えば1998年6月に、アラスカに向かった3回以上のRegal Princessのクルーズで、少なくとも270人以上がノーウォーク・ウイルスで発病したことがあります。

これは、クルーズ船がテロには脆弱であるということです。米国当局者は、クルーズ船を標的にした特別な計画は感知していないと言ってい ま すが、アル・カイダはそうではないのかもしれません。2000年10月のUSS Coleの攻撃を始めとして、アル・カイダは以前、船舶攻撃を指揮したと考えられています。最近、船体に爆弾を仕掛けるという「遊泳者」攻撃の脅威に関するあいまいな政府 の警告が出されています。船舶が、小型機による航空機攻撃よりも脆弱だとする警告もあります。

「これらの脅威はどのくらい現実的なのですか?」

9月11日以前は、多くの専門家がこうしたタイプの攻撃はあり得ないと言ってきました。しかし現在では、クルーズ産業を含む全員があらゆ るシナリオを深刻に受け止めています。見通しをもった取り組みが大切です。しかしクルーズで出会うトラブルは、テロということはないで しょう。泥棒や詐欺でお金を奪われることはあっても、命を奪われることはないでしょうね。一番の方法は、油断しないこと、そして厳しい安 全基準を維持するよう、政府に圧力をかけ続けることです。(中略)

「病気の発生と9月11日後、クルーズ産業はどうなっていますか?」

クルーズ産業は、年間110億ドルの産業で、病気の発生と9月11日はこれまでのところクルーズ客船会社に否定的な影響を与えていませ ん。事実、今年は11パーセント以上も事業は成長したのです。そしてCruise Lines International Associationは、2003年の乗客数はかなり増えると見ています。しかし病気の発生がいつまでも続く問題となったり、イラクに対する戦争が宣言されたりしたなら ば、予約は落ち込むことになるかも知れません。(後略)(National Geographic News: December 11, 2002)

CDCはクルーズ船の伝染病は沈静化へと語る(米国)

アトランタ発。木曜日に連邦当局者が報告したところによると、胃腸病の発生が見られた船では、船を消毒したクルーズ客船会社の努力の結 果、病気の報告は殆どなくなったという。

しかし疾病対策予防センターは、最近のクルーズ船での病気の頻発が終息したというには時期尚早だと話している。

2002年度にクルーズ船では21回の発生が報告されたが、当局者が報告が増え乗客が知ったことから増加したかもしれないと語っている も のの、CDCは過去4年間と比較し増加していると見ている。

「発生はなく終息したと言う日を待っていますが、まだそうは言えないのです。」とCDCの船舶公衆衛生計画の長、Dave Forneyは話した。

11月と12月に1,500人以上の乗客が発病し、CDCは幾つかのクルーズ客船会社を調査してきた。CDCは船の食料や水には発生の 原 因となるものは見あたらなかったと話した。ノーウォーク・ウイルスとノーウォーク様ウイルスは48時間下痢、腹痛、激しい嘔吐の原因とな るものだが、感染した人との接触あるいは感染者が触れたものから広がる。

Holland AmericaのAmsterdamの1,000人近く、Disney Cruise LineのMagicでの500人近くがウイルスで発病したと報告されているが、いずれも清掃のためクルーズを中止して以来、一握りの人しか感染していない。

「この数字は船を清掃し消毒した作業の成果です。」とForneyはAmsterdamを清掃したHolland Americaの努力について語った。Carnival CorpのFascinationもまた、先月のクルーズで194人が発病して以来、殆ど病気がない。

CDCは英国のP&OのOceanaという別のクルーズ船を監視している。この船は木曜日に293人の乗員・乗客が発病したと 報 告されている。CDCはその発生の標本を分析している。CDCは船舶の注意深い清掃を力説し、乗員・乗客には年間米国で2,300万人が 罹患するウイルスを防ぐため頻繁に手を洗うことを呼びかけている。

今年、17隻のクルーズ船で21回の胃腸病の発生があったとCDCは話した。この機関では、クルーズ船の乗員・乗客の3パーセント以上 が 発病すると見ている。

発生のうち9件はノーウォーク様ウイルスによるもので、3件はバクテリアによるものだった。残りの9件は確定していない。

昨年、クルーズ船では7件発生しただけだったが、1998年から2001年までの発生は合計18件である。クルーズ船での病気の割合全 体 は1990年代は減少してきた、とCDCは語った。

1990年から1995年の間は、クルーズ船に乗船した乗客10万人あたり4人の発生だった。しかし1996年から2000年の間は乗 客 10万人あたり3.5人に減少していた、とCDCのElaine Cramer博士は語った。最近2年間の数字は発表されていない。(The State: Posted on Fri, Dec. 13, 2002)

古いSpirtは今月売却へ(オーストラリア)

古いフェリーSpirit of Tasmaniaは、今月9000万ドル近くで売却されるものと見られている。

ノルウェーの会社Fjord Lineが、ノルウェーのベルゲンとデンマークのHanstolm間で旅客運航に使用するフェリーの購入に興味を持っていると伝えられている。Lloyd's Listは、この船は12月20日までに売却される見込みで、来週、シドニーで海上試験が行われると伝えている。(ABC News Tasmania: 13/12/02)

第二の高速フェリーが開設か?(カナダ)

トロントの開発業者がその気になれば、オンタリオ湖を横断する高速フェリーが一つ以上できあがるだろう。今日のNiagara Gazetteという新聞はBill Wilkinsonという実業家が、トロントとナイアガラ郡ポーターとの間をカーフェリーで結ぶ計画をしていると報じた。

Wilkinsonは、その運航はナイアガラ瀑布の新しいカジノの集客に役立ち、フェリー事業は500人の雇用を生み出し得ると語っ た。 その報道によると、州議会議員のGeorge Maziarzと他の官僚が火曜日にWilkinsonの国際高速フェリー会社で会合するという。その事業は、開業に4000万ドルが必要だと言われている。(WROC- TV: 12/14/2002 6:00 PM)

船舶はどれだけハリファックスを汚染することになるのか?(カナダ)

最近の研究で、コンテナ船とクルーズ船の出す大量の温室ガスとスモッグにより、バンクーバー上空の大気が汚染されていることが示されて いる。連邦政府は同様の事態がハリファックスでも起こるのかどうか知りたがっている。Environment Canadaは、当局が懸念すべき事態かどうかを明らかにするため、来年から研究を始める。

バンクーバーでの研究では、スモッグと酸性雨の主たる原因である都市上空の温室ガスの58%、硫化化合物の98%の責任は大型船にある こ とが示された。この研究によると、1隻の大型船が港に入港すると、年間に走る2,000台の自動車とトラックに匹敵する二酸化硫黄が排出 されるという。

Environment Canadaの汚染防止地方局長Ian Traversは、この種のデータは直ぐにも東海岸でも用意できると話した。「船舶がある種の大気汚染物質の原因だということは解っていますが、現時点ではその原因の目録 を作成していないのです。」

ハリファックス港湾当局のDawn Dalleyは、バンクーバーには2,820隻であるのに対し、ハリファックスには昨年2,296隻の船舶が訪れていると話した。うち96隻がクルーズ船であり、高品質の 燃料をより効率良く奇麗に燃焼させる傾向にあるという。

しかしTraversは、ハリファックスの地形は、バンクーバーのように頭上が汚染され得るよう山に囲まれておらず、かなり違っている の で、バンクーバーでの研究をそのまま当てはめることは難しいと話している。Environment Canadaは、何隻の船がハリファックスとダートーマスを訪れているのか、船の型、燃料、機関を正確に監視する計画を来年実施して「代表的な標本を抽出する」という。ま た港の大気標本と、船舶の出す煤煙に含まれるものも調べるとTraversは語った。

「船舶が犯人かどうかを語るにはまだ早すぎます。」とTraversは話した。原因が判明するまで政府がその情報にどう対処すべきか語 る のは難しいという。「まずは抽出されたものを調べ、それから何かを変える必要性があるかどうかを決定すべきです。」(The Daily News: Sunday, December 15, 2002)

200人がCarnivalのクルーズ船で発病と報告(米国)

ニュー・オーリンズ発(AP)。Carnival Cruise Linesは、日曜日に航海を終えたCarnival Conquestというクルーズ船で200人以上の乗客が胃腸病の症状を発症したとの報告を受けたと語った。

この会社は、その病気はノーウォーク様ウイルスと見ており、他のクルーズ船で何百人もの乗客が同様の病気に最近罹患している。 Carnivalは原因を確定するため、連邦疾病対策予防センターと作業していると話した。

Conquestは3,160人の乗客を乗せて12月8日にニュー・オーリンズを出港した。次の7日間クルーズは西カリブ海に向かうも の で、日曜日の夕方に出発することになっていた。会社の役員は、乗客には病気の発生を告げており、航海を希望しない人には全員に払戻しをし ていると話した。(The Associated Press: Mon, 16 Dec 2002)

フロリダ州セント・ピーターズバーグで新しいクルーズ客船会社が開業へ(米国)

フロリダ州セント・ピーターズバーグ、12月17日発。市及び会社側は、月曜日、新しいクルーズ客船会社は繁華街で営業を始め、主とし て湾岸地域の住民を対象に350人の雇用を生み出す計画だと発表した。

3月に開業するTitan Cruise Linesは、2000人乗り全長450フィートのSpirit of St. Petersburgで毎日2回のクルーズを行うこととなる。324席の食堂、205席の音楽堂、ナイトクラブ、バー、売店、プール、カジノ、ショー・ルームといった設備 を備える。

1990年代初期以来、TitanはBayboro Harborのセント・ピーターズバーグ港を出発する最初のクルーズ運航者となる。この会社は、以前、ニュージャージー州で通勤フェリーを運航していたところで、月曜日に Titan Cruiseの役員と共に記者会見を開くとRick Baker市長は語った。

「Titan Cruise Linesはセント・ピーターズバーグの繁華街が新しい娯楽を主体とする良質の観光地であることを理解して当地に進出したものです。」とBakerは話した。Titanの 会長Mark Julianoは、TitanはBank of America Towerの3階分を借り、事務所を移転することとなると話した。

Titanは湾岸以外の米国の領海外の賭博が許容されている海域でクルーズをすることとなる。ヨーロッパの船齢20年の船を刷新して使 用 し、船は2月に到着することとなっている。Titan Cruise Linesは、Brigadoon Capital Partners Inc., から融資を受けており、ここも事務所をBank of America Towerに移転する。(Hoovers: December 17, 2002 11:37pm)

強姦訴訟がクルーズ客船会社に対して提起(米国)

クルーズ船のMillenniumの若い女性カウンセラーが、2人の男性乗員から性的な暴行を受け、会社は治療と犯行現場の証拠物を保 存するよう忠告することを怠ったとして、水曜日、Celebrity Cruisesに対して訴訟を提起した。マイアミ―ダデ巡回裁判所に提起された訴訟ではまた、Celebrityは雇用の際の審査を怠り、その船舶での以前のセクシャル・ ハラスメントや性的暴行の苦情を無視する怠慢があったと申し立てられている。

11月2日、バハマ警察は2人の乗員を強姦の容疑で逮捕した。一人は鉛管工、もう一人は空調技術者である。2人は保釈金を支払い旅券を 提 出し、公判を待っている身だ。

マイアミに本拠を置くCelebrityはRoyal Caribbean Cruises Ltdに保有されているが、ここの広報担当者Michael Sheehanは、「当社は当社船で申し立てられたいかなる犯罪に対しても強い犯罪ゼロのプログラムで臨んでおります。」と語った。「その申し立てはすぐさまFBIに通報 しており、バハマ当局は捜査中です。」

その訴訟では、医療費その他の損害の賠償の他、懲罰的損害賠償も求められている。

「最も重要なことは、その犯罪ゼロのプログラムが、犯罪を防止するための犯罪ゼロのプログラムではなかったことを会社に認めさせたいと い うことです。犯罪を合法的に防止してこそ、犯罪ゼロのプログラムなんです。」とその女性従業員の代理人でマイアミの海事弁護士James M. Walkerは語った。

訴訟によると、Delatalas Theologos(20)とNikolaos Neamonitis(27)は、ハロウィーンのパーティーの後、11月1日の早朝に「Jane Doe(某女)」を誘拐して繰り返し強姦したという。女性は明らかに容疑者により薬を飲まされ、暴行時には意識不明あるいは意識混濁状態だったとWalkerは話した。

Jane Doe(26)はCelebrityに6月に雇用され、乗客の子供の世話をするため9日前にMillenniumに配属になったばかりだった。Doeは現在、両親の暮らす 米国国外におり、インタビューは拒否しているとその弁護士は語った。

訴訟ではDoeが意識を回復した時、TheologosとNeamonitisが自分をビデオ撮影しているのに気がついたと主張してい る。女性はテープを奪い船室から逃げようとしたが、男達に暴行され殴られたと訴訟では申し立てられている。

Doeはその強姦をクルーズ客船会社に報告した。しかし医療を受けさせたり、強姦の法的検討をしたり、犯行現場を保存したりすることの 代 わりに、Celebrityは船上で男性の上級船員からの質問攻めにその女性を曝した、と訴訟では申し立てられている。

11月2日、ナッソーでCelebrityの被告側弁護士が乗船してきた。彼は中立者のように振舞い、病院に報告することを許される前 に Doeを尋問したと申し立てられている。女性は2人の乗員の名前を言わないよう口止めされ、医師には性的な暴行を受けて殴られたことを言 わないよう話されたと主張している。その医師はDoeを治療することを拒否したと訴訟では述べられている。

女性は船から降り、バハマで治療を受けた。そして11月3日にマイアミにそのクルーズ客船会社により飛行機で送られ、ホテルの部屋が提 供 されたとWalkerは話した。女性の主張に因れば、クルーズ客船会社はSouth Miami Hospitalに女性を向かわせたという。

Walkerは、Doeが未だにCelebrityに雇用されているかどうかは分らないと話した。Sheehanは、この3人の乗員の 雇 用上の地位についてのコメントを拒否した。

Celebrityに対して起こされた別の事件では、1999年7月にZenith船上で男性乗員から性的な暴行を受けた女性乗客の申 立 てに対し、連邦裁判所は先月、その乗客に対して100万ドルを支払うよう命じている。(The Miami Herald:? Thu, Dec. 19, 2002)

Viking Lineはストックホルム発の飲み放題食べ放題クルーズを中止(フィンランド)

スウェーデンのマスコミの大騒ぎにより、フィンランドの旅客船会社Viking Lineは計画していたストックホルム―オーランド諸島往復の飲食込みクルーズの中止を余儀なくされた。

そのクルーズは1月初旬に始まることになっていたもので、切符の料金にすべての食べ物や飲物が含まれるものだった(795スウェーデ ン・ クローネ、約87ユーロ)。

水曜日、スウェーデンの新聞Aftonbladetはそのクルーズの計画記事を掲載した。その記事の同じページには別のViking Lineの船のViking Isabellaで、数週間前にアルコール中毒で死亡した20歳のフィンランド人男性の記事が掲載されていた。それは18歳の男性とウォッカ飲み競争をして死亡したもの だった。

Aftonbladetはまた、飲み放題食べ放題クルーズの考えは酷い考えだと話すスウェーデン公衆保健局長Gunnar Agrenを取材していた。「それは人を殺すだけのものですよ。」

水曜日、Viking Lineはマスコミの圧力に屈し、計画したクルーズを中止した。

「その見出しがとても酷いものだったので、当社は数時間前にクルーズを中止する決定をしました。」とViking Lineの広報部長Johanna Boijer-Svanhnstromは話した。その死亡記事と並べられたことで、計画していたViking Lineの飲食込みクルーズの誤解を招くものだったという。

「当社はその旅行が飲み放題のどんちゃん騒ぎになると考えてはおりません。今週の初めには、どちらかといえばご年配のお客様に美味しい お 食事とワインを提供することを考えておりました。例えばバーではきついお酒のフルボトルは置いていないのです。」とBoijer- Svanhnstromは話した。

Isabellaでの死亡事故は大変ショッキングな出来事だったことは認めたが、しかしViking Lineの船でアルコール中毒で死亡したのは今回が始めてだったということも指摘した。

アルコール、煙草の免税販売は、フィンランド、スウェーデンから半自治領オーランド諸島へ向かう船舶の収入源となっている。欧州連合内 で の免税販売の大半が終了したにも拘らず、オーランド諸島に寄港する船舶ではその利権が認められている。オーランド諸島がEUの関税連合か ら外れた地域だからである。フィンランド、スウェーデン両国はアルコールと煙草に比較的高率の税を課している。(Helsingin Sanomat: Thursday 19.12.2002)

ブラジルのフェリー沈没で死者は33人に上る(ブラジル)

12月20日、ブラジル、サンパウロ発。金曜日に消防局の広報官は、潜水夫が33体の遺体をブラジルのアマゾン水域の川で沈没した混雑 していたフェリーから引き上げたが、なお40人が行方不明になっていると話した。

「遺体は船内にあるはずです。それどころか乗客が船上でこんな風に寝たがるハンモックの上にあることでしょう。」とベルンで広報官は 語っ た。ベルンは月曜日夜、アマゾンの河口から約400km離れたバルサレナの町の近郊から河を下ってきたDom Luiz XV-I の目的地であった。

当局は、その川船は引き上げることになるかもしれないが、パラ川に沈没した時には140人の船に340人が乗船していたものと考えられ る と語った。救助隊員は304人が助かったと話している。

アマゾン水域で蜘蛛の巣のように伸びる川で過積載の船が転覆した時に、行方不明者数を当局が推測するのは異例のことではない。その船の 所 有者は、明らかに多くの金を得るために多くの乗客を詰め込むことを容認していた容疑で取り調べられることになる、とパラ州河川局は話し た。(MSNBC: 21:38 20-Dec-02)

Color Lineは遂に世界最大のクルーズ・フェリー発注を確認(ノルウェー)

ノルウェーのクルーズ・フェリー事業者Color Line ASとノルウェーが所有するフィンランドのKvarner Masa-Yards Inc.は、Color Lineのオスロ―キール航路向けの世界最大のクルーズ・フェリーの建造に関する合意文書に署名した。

その契約はColor Lineの所有者Olav Nils Sundeと、Kvarnerの会長Kjell Inge Rokkeとの間で最近署名されたもの。3億ユーロ以上の取引で、ノルウェー海運史上最大の船舶契約の一つである。新船は2004年12月からオスロ―キール航路の Prinsesse Ragnhildと交代することとなる(中略)。

新船は74,600総トンで、Kronprins Haraldの2倍以上の大きさであり、The Worldの2倍近くもある。様々な年齢層や好みに応じたスパ、ウォーター・パーク、カジノ、映画館、ショー・ラウンジ、幾つかのディスコ、食堂の他、独立した会議場や展 覧会場も完備される。子供向けの様々な催物も行われる。免税コーナーでは、流行の店舗や専門店を見掛けることとなるだろう。

人目を引く施設や店舗は、全長120メートルの船内の大きな「通り」に位置し、甲板3層分の9メートル近い天井を持つ(中略)。この新 船 はオスロ―キール航路をKronprins Haraldと共に運航することとなる。2770人収容でき、Kronprins Haraldの殆ど2倍である。大きな会議場を持ち、ノルウェー、ドイツ間の貨物、車輛輸送の需要に応えることとなろう。車輛甲板は2.5キロの車線を有する(中略)。

契約には同じレベルの第二船の建造も含まれている。ノルウェーのサプライヤーが重要な役割を果たすこととなり、それ故この計画はノル ウェーの海運産業において大きな意味を有するものとなるだろう。(Ferrynews: 22nd December 2002)

クルーズの役員の新婚旅行はおまるに直行(米国)

マイアミ発。国内のクルーズ会社をしつこく悩ませている胃腸をむかつかせるウイルスの最新の犠牲者は、休暇の乗客の予約を受け付ける仕 事をしている会社の幹部だった。

昨日John Paradisは、Royal CaribbeanのBrilliance of the Seasの船室の便座に座って過ごした新婚旅行を終えてマイアミ港に戻った。

「誰も飲めなかったし、誰も楽しめなかったですよ。」とFlagshipCruises.comの副社長Paradisは話した。「皆 便 所で座りっぱなしでしたよ。」

Royal Caribbeanの広報担当者Lynn Martensteinは、乗客・乗員3,000人のうち42人が船内で胃腸病になったと報告を受けており、それは疾病対策予防センター(CDC)の3%の発生基準よりも 低いと話した。Paradisは実際の発病者は何百人もいると主張し、多くの人は船室内に監禁されることを恐れて病気を報告していなかっ たと話した。

Martensteinは、部屋に引篭ることは自発的なものだが、クルーズ客船会社側としては乗客に責任を持ってもらいたいと話した。 CDCは病人の数はしばしば過少申告となっていることを認めている。というのは船の医療スタッフと接触した人の情報を得ているだけだから だ。船は塩素溶剤で消毒されたが、昨夜、外洋に戻った。

Paradisはフロリダから出港した数社の主要なクルーズ客船会社で何千人もの人々が発病したノーウォーク様ウイルスの最新の被害者 となった。

その病気は嘔吐、下痢、痙攣、発熱を引き起こすもので、最近ロング・アイランドの病院や看護婦寮等、陸上でも発生している。(New York Daily News: December 24, 2002)

クルーズ船は病気の勃発で子供用プログラムを中止(米国)

マイアミ港に今朝、病気の乗客を乗せた別の船が到着した。今回の病人の多くは子供達だった。

Carnival Spiritは、多くの子供達が病気になったため、Camp Carnivalという子供用プログラムを止めることを余儀なくされた。Carnival側は、最近、多くのクルーズ船を悩ませているノーウォーク様ウイルスに子供達が罹 患したのかどうかついては話していない。Spiritは8日間のカリブ海クルーズに復帰する見込み。(Yahoo Daily News: Thu Dec 26, 9:22 AM ET)

ブッシュ一家は3泊クルーズへ(米国)

フロリダ州、ポート・カナベラル発(AP)。前大統領Bushと息子のJeb Bush知事は、木曜日、最近クルーズの乗客が罹患している胃腸ウイルスに負けないで、家族と警備員を引き連れて3泊のクルーズに出かけた。

Bush夫人を含む家族は、2,500人の乗客と共に船尾にドナルド・ダックの付いたDisney Wonderに乗り込んだ。

2人のBushの孫娘の到着が遅れたため、出発が1時間遅れた。遅れたのがGeorge W. Bush大統領の娘、JennaとBarbaraであることは直ぐには判らなかったが、乗客名簿に掲載されていた。

「これは全くの私的な本当に必要な家族旅行です。」と政府の広報官Katie Munizは話した。青空の下、大変寒い風が吹き渡る中、船はバハマに向かった。

Jeb Bushは何百人も罹患した病気には負けないと語っていた。連邦疾病対策予防センターは、クルーズ船で20件以上の病気の発生があり、過去4年よりも多いと見ている。乗 員・乗客の3%以上の罹患を発生とみなしている。

「私は健康問題には全く心配はしていない。心配なのは電子メールとスタッフと離れて船に乗ることだよ。」と先週笑いながら話した。

Disneyの広報担当者Mark Jaronskiは、船内では立入制限をするところはなく、Bush一家は他の乗客と一緒にメインの食堂で食事をすることとなると話した。12人ほどの親族には、シーク レット・サービスと州警察の護衛が付くことになる。

フットボール場約3つ分の長さがあり、875の船室を持つ船は、ナッソーとDisney所有の島Castaway Cayに寄港する。日曜日の朝に戻る予定だ。昨年の休暇シーズンには、Carter前大統領が同じような旅行を家族と行った。

連邦と州政府は警備費用を支払うが、Bush一家は家族の費用は支払うことになっている。Munizと米国シークレット・サービスの広 報官は、このクルーズでの政府の費用についてコメントすることを拒否した。多くの乗客は、Bush一家を放っておくつもりだと話した。

「ここで楽しい一時を過ごすものと思いますよ。」とオーストラリアのメルボルンから来たFrank Romero(39)は話した。「私達みたいにね。」(The Associated Press: Thu 26 Dec 2002)

Royal Caribbeanのクルーズ船が病気の直撃(米国)

マイアミ発。Royal Caribbeanのクルーズ船でカリブ海を航海中、80人ばかりが病気になり、最近では5隻目の豪華船での病気の発生となった、と保健当局者が金曜日に語った。

病気の原因は確定していないが、被害者は年間181,000人の米国人が罹患する、致死性のないウイルス、ノーウォーク様ウイルスでし ば しば見られる吐き気、嘔吐、下痢の症状に襲われている。ほぼ全員が数日以内に回復した(中略)。Royal Caribbean側は、これ以上の情報を提供する準備ができていなかった。保健当局は検査のため、Majesty of the Seasから大便の標本を収集した。

今月初旬には、ロンドンのP&O Cruisesが運航する英国のクルーズ船Oceanaで100人以上が発病した。Holland America LineとDisney Cruise Lineでは、11月下旬に消毒のため一時的に船の営業を休止していた。(Yahoo Daily News: Fri Dec 27,11:14 AM ET)

ロシア―カーリングラード間の海路が復活(ロシア)

12月27日のRussia TVの報道から。ロシアはバルト海の旅客輸送を復活させることになる。

今日遅く、フェリーのGeorg Otsは、サンクト・ペテルブルグからカーリングラードに向けて出発することとなっている。これからそのフェリーは定期にその航路を結ぶこととなる。これでロシアの最も西 にある地方に、空路や陸路ばかりではなく、海路を使って行けることとなる。

Georg Otsは、週1回か2回、その航路を結ぶ。冬季は氷のため最大で48時間かかるが、夏季や36時間から38時間で結ぶこととなる。

このフェリーには288人の乗客と、107台の乗用車を積載することができる。これによりリトアニア経由のビザ無し通過の問題は、部分 的 に解決されることとなる。カーリングラード―ペテルブルグ間の航路の船隊は、将来、3隻に増強される。(BBC Monitoring Former Soviet Union - Political: 2002-12-27)

ハワイの島でクルーズ船に抗議(米国)

ハワイ州、カウナカカイ発。土曜日、ハワイの離島への最初の豪華クルーズ船の到着に抗議するためにデモ隊が集まっていたが、時化と強風 のため1,200人の乗客は上陸できなかった。

Holland America LineのStatendamのモロカイ島からの慌しい出発は、最大で100人の抗議団とは「全く関係がない」とMolokai Visitors Associationの理事、Sandy Beddowは話した(中略)。

抗議団は、クルーズ船はモロカイ島のサンゴ礁を破壊し、海洋を汚染し、島の静かな生活を台無しにすると主張している。クルーズ客船会社 と その支援者は、船は失業率7.5%の島への経済効果があると話している。

Statendamは1月22日にもモロカイ島に再度寄港する予定で、他の2船も2003年に寄港を予定している。

ハワイ諸島の中心に位置するモロカイ島は、Kalaupapaハンセン病者居住地とライ病患者の中でDamien神父が活躍したことで 知 られている。約7,000人の住民の人口を支える最小限の設備がある。モロカイ島はまた、ハワイ諸島の中で最も失業率が高い島である。ア ナリストはStatendamの乗客から約13万ドルが流れ込むと予言しているとBeddowは話した。しかし抗議団の中にいた住民はそ うは思っていない。

「乗客は食事も、乗用車を借りることも、買物もしたがらないですよ。無料の娯楽が欲しいだけです。」とZubatyは話した。

「人がただ町に流れ込んで去っていくだけで、この共同体のためには本当に何もしないものです。」と、土曜日に「クルーズ船は法律を遵守 し ろ」というプラカードをもって抗議していた住民のNat Baconは語った。「連中は詰まらないものを買うでしょうが、この共同体を支援するようなお金は出さないものですよ。」

抗議している人達は、クルーズ船の乗客は観光客ではなく、「日帰り客」がただ数時間島に溢れ、去っていくような考えは好きではないだけ だ と話した。

「この土地をまるで動物園かディズニー・ランドのように売ろうとしているようなものです。」と港で潜水用具店を営むBill Kapuni(56)は話した。

今月初旬、モロカイ島の市民グループは、船舶が環境にどういう影響を与えるものかが解るまでクルーズ船の寄港を禁止すべく訴訟を提起し た。その訴訟での公聴会が、Statendamがモロカイ島に戻ってくる同じ日に開かれることになっている。

Statendamとシアトルに本拠を置くHolland America側は、クルーズ船はすべての環境基準に従うと話した。観光当局者はまた、クルーズ船は直ぐ近くのマウイ島に何年も環境問題を起こすことなく寄港していること を強調している。(The Associated Press: Sun, 29 Dec 2002)

風邪のような病気の発生でクルーズ客船会社は冷や汗(米国)

表面上は、今日のクルーズ船は夢の船のように見えるかもしれない。しかしそれは強制的な妄想のようなもの。今や舳先から艫までゴシゴシ 磨かれて消毒されている。日常よく触れるドアのノブ、エレベータのボタン、手摺、灯りのスイッチの果てにまで及んでいる。

船側は乗客に手をよく洗い、船客と握手することを避けるように話している。更に忠告すれば、カジノのチップは拭い、エレベータのボタン は 肘で押すようにという。

10月以来、カリブ海の6隻の船の約1,500人の乗客が、ノーウォーク様ウイルスによる胃腸病に罹患している。多くはフロリダとルイ ジ アナの港から出発したものだ。

それはよくある高い感染力を持った病気だ。オハイオ州ノーウォークで1968年に最初に確認された。症状は下痢、痙攣、吐き気が2~3 日 続く。

疾病対策予防センター(CDC)の検査官は、船上の汚染された食べ物や水によるものではないとしている。CDCの船舶衛生プログラムの 責 任者Dave Forneyは、「主として乗客が持ち込んだ物を調べている。」と話している。

数隻に命中
病気の乗客数に関して最も命中したのはCarnival Corp.だった。ここは打撃を受けたFascination、Conquest、そしてHolland AmericaのAmsterdamやDisney Cruise LineのMagic、P&O CruisesのOceanaの所有者である。ノーウォーク・ウイルスはCelebrity CruisesのConstellationも襲った。

先週、70人の乗客と10人の乗員がRoyal CaribbeanのMajesty of the Seasという船で発病した。その船は、バハマへの4日間の旅行で2,605人の乗客を運んだ後、マイアミに係留された。

12月下旬までの段階では、クルーズの予約は落ちていない。しかし世界最大のクルーズ客船会社であるCarnivalは、ウイルスのた め に将来予約が落ちるかもしれないと警告している。ここの株価は10%近く下落している。11月の第1週以来、既に10%下落している。

他のクルーズ客船会社の株式も同様に下落しており、Carnivalの警告後、Royal Caribbean株は10%下落している。11月29日以来、ここの株式は既に20%下落している。しかしCarnival側は、収益に与える財政的な衝撃は僅かなもの で、1株当り1セントに過ぎないと話している。

「当社はこれは一時的な問題だと見ています。」と取締役のHoward Frankは、電話会議でアナリスト達に語った。

クルーズ産業は9月11日後、事業が浸水してから改善を続けてきた。例えばCarnivalは11月30日までの第4四半期において、 1 株当り33セントの収益を上げ、9月11日後、64%の伸びを見せている。収益は、収容力の増加により、8%増の10.4億ドルである。

しかしウイルスがクルーズ客を苦しめ続けたならば、会社は1月から3月の稼ぎ時にぐらつきを感じるだろうと業界観測者は話す。

「明らかに『胃腸病』という言葉を含むニュース記事は、クルーズ客船会社市場において良いものではない。」とUBS Warburgの報告書の中でアナリストのRobin Farleyは書いている。

最近の発生は、2002年に初めて起きたものではなかった。アラスカにおいて、一握りの船で5月から8月にかけて発生していた。その中 の 1隻、Holland AmericaのRyndamは、8月に運航を休止した。

しかしフロリダ州、フォート・ローダーデールからの4回のAmsterdamの航海で450人の乗客が発病し、感謝祭クルーズが中止と なってマスコミの報道が爆発した。

保健当局者は今年の発生件数の増加を説明できないでいる。

2002年の12月下旬までに、米国の港を出発したクルーズ船で24件の発生が記録されている。これは昨年の4倍以上である。しかしす べ てがノーウォーク様ウイルスが原因なのではなく、何件かは原因不明である。

研究者は、もしすべてのデータを表にしたならば、下降傾向にあった伝染病発生件数は2002年に恐らく破られることになると指摘してい る。2001年により厳格な報告方法が始まっているので、現在報告されているものは、多分以前に発生したものであるだろう(中略)。

戦争の虞は増大
あるアナリストは、ばい菌の危険よりもイラクとの戦争の衝撃の方を心配している。米国のクルーズ客船会社の多くはヨーロッパで運航してい るが、その市場は中東での戦争の影響を最も受けるところである。クルーズ客船会社は、カリブ海やアラスカ海域に船を転配する傾向にある。

「米国がイラクとの戦争に突入したならば(おそらくは2月頃)、そのタイミングはクルーズ産業にとって大変不幸なことになりかねな い。」 とアナリストのJoseph HovorkaはRaymond James & Associatesの報告書の中で言っている。「それは稼ぎ時の中盤であり、予約の混乱と旅程の変更は、総収益に否定的な影響を与え得る。」Royal Caribbeanの総収益は、1991年の湾岸戦争の後、8%下落したと話している。

Hovorkaはウイルスの衝撃は短期的なものとなると見ている。「新聞が忘れれば、直ぐに皆も忘れるものだろう。」(Yahoo Daily News: Monday December 30, 10:39 am ET)