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2002年8月

2002年8月の海外旅客船情報

Carnivalは、競争相手の「魚雷攻撃」取引だと発言(米国・英国)

米国の巨大クルーズ会社Carnival Corporationは、昨日、誤った独占禁止機関による英国のP&O Princess Cruisesとの5兆ポンドの合併の提案を「魚雷攻撃をするようなものだ」として、Royal Caribbeanを非難した。

Carnivalは、米国の独禁当局から承認されたPrincessへの敵対的株式公開買付けで対抗しているが、Royalは競争相手 を 侵害するなどと主張して取引を「妨害」していると発言した。

P&O Princessの経営最高責任者Peter Ratcliffeに対する公開状の中で、Carnivalは合併の機会を妨害したとしてRoyalに対し訴訟を提起するよう求めている。Carnivalの会長 Micky Arisonは、次のように書いている。

「当社は、何故P&O Princessが何もしないでいるのか、そして何故Royal Caribbeanが当該取引及び米国又は欧州委員会を含む将来のクルーズの取引の手続きを妨害しようとしていることを許しているのか、その理由を知り当惑している。」

しかしながら、Royalの経営責任者Richard Fainは、Carnivalの論拠を否定し、P&Oとの合併を未だに「断固として約束されたもの」だと主張した。Carnivalの論によると、独禁当局はク ルーズ市場を全体として休暇市場の一部として認定すべきであり、P&Oの立場を支持すべきだという。Fain氏は語る。

「Carnivalの論理によると、消費者を害することなく世界にたった一つだけのクルーズ会社しかなくなることが可能となる。当社は 敬 意を持ってそのような「論理」を受け入れることをお断りする。」

一方、Ratcliffe氏はCarnivalの非難に関する論評を避け、Arison氏との会談の申し出を断った。「Royalとの 合 意条件の下、当社は貴方とお会いする立場にはないのです。」とRatcliffe氏は語った。

そのCarnivalからの手紙に引き続き、P&O Princessに対する敵対買付けを容認する驚くべき委員会の決定がなされたのだった。(Independent: 01 August 2002 19:13 BDST)

病気になったクルーズ客が訴訟をちらつかせる(カナダ)

Ryndamの怒った乗客は、1週間前もインフルエンザに似たウイルスが同じ船を襲ったことをクルーズ客船会社のHolland Americaが警告しなかったとして、法的手段に出ることをちらつかせている。

「これまでの人生で、こんなに大量に吐いたのは初めてだ。」 フロリダ在住のGeorge Cataldo(78)は、木曜日にRyndamからバンクーバーで下船した時に言った。

「連中は乗船する前に、前にも同じことがあったことを私達に伝えるべきだった。それを知っていたんだからね。私は4日間病気で、うち2 日 はベッドの中でしたよ。クラッカーが欲しかったんだが、連中はクラッカーを切らしていたんだな。この会社には頭に来たので、訴えてやろう と思う。」

Cataldoは、クルーズは22回目だが、こんなことは初めてだという。

しかしワシントン州オリンピア在住のAmanda Waggonerは、木曜日にRyndamを後にしたとき、元気だった。

「私は大丈夫でしたが、多くの人々は怯えていました。1人が病気になると、他の人も病気になっていったのです。私は単なる自然な出来事 だ と思いますよ。ただのインフルエンザですよ。」

クルーズ客船会社のHolland America Lineは、この問題で次のバンクーバー発アラスカ・クルーズを中止した。

乗船者の約13パーセントにあたる200人の乗客と31人の乗員が、先週の金曜日にバンクーバーから始まったクルーズにおいて、ウイル ス による胃腸病に伝染した。この船は木曜日にバンクーバーに到着し、Lynnterm Eastターミナルで1週間入渠し、その間消毒し、保健所職員の検査を受けることとなる。

しかしこのことは、バンクーバーに到着してアラスカ・クルーズが中止になったことを初めて知った人達には不愉快なことだった。

「これは結婚25周年の初めてのクルーズだったんです。」

そう話すのは、夫のCharlesとニューハンプシャーからやって来てクルーズの中止を知ったKaren Feredayだ。「ここに来るまで、そのことについては何も知らされていなかったんですよ。」

Charles Feredayは当惑していた。「私が聞いたところでは、連中は1週間前に知っていたというのです。何とかしなければならないんだが、どうしていいものやら。」

Holland Americaの副社長Rose Abelloは、木曜日に会社は、その木曜日の中止になったクルーズの1300人の乗客の大部分に連絡をとろうとしたものの、約300人に連絡が取れなかったと話した。来 てしまった乗客には全額払戻しの上で自宅までの航空運賃を提供するか、今後のクルーズの割引、あるいは7日間の航空機と陸上のアラスカ旅 行を含む幾つかの選択肢を提供すると話している。

Ryndamの乗客と乗員が所謂ノーウォーク様のウイルスに苦しめられたのは、過去2週間の間に今回が2度目だ。最初のクルーズでは 163人の乗客と7人の乗員が病気になった。ジャスパーとトロント間のVia Railの列車で起きたノーウォーク様のウイルスに因るものと思われるインフルエンザに似た病気の発生の1週間後に、最初のRyndamの出来事があったのだ。同じ病気が サンシャイン・コーストのキリスト教徒の子供キャンプでも発生し、170人中100人が病気になった。

過去2週間にPentictonとKelownaの老人ホームの数十の住人もそのウイルスに罹患した。Okanaganの保健所職員 は、 新たな発生に目を光らせている。

内国保健省の広報官Alison Paineは、木曜日、インフルエンザは生命の危険はないが、とても不快なものとなり得ると話した。「クルーズ船やバス、あるいは長期ケア施設のような密閉された状況の中 では、簡単に蔓延します。」

この病気は、下痢や嘔吐をしたり同じ物に触れたりして、手を洗わない人々の中で広がり得るものだ。

Ryndamで初めに発生したときは、カナダ保健所の職員は、強い塩素で船の一部を消毒し、その後アラスカに向け新しい乗客のグループ を 受け入れることを承認した。しかし多くの乗客が同じウイルスで発病したのだった。その症状は、下痢、吐き気、嘔吐、腹部の痙攣だ。

Abelloは、消毒の努力は期待したように成功していなかったと話した。「ウイルスを押さえ込んだと信じていましたが、残念なことに そ うではなかったのです。」

しかし8月8日に通常航海を再開するときには、ウイルスはもはや問題とならないことを会社は確信していると話した。

「ウイルスの周期を断ち切り、船内のウイルスを退治したいものです。これを機会に船の頭からお尻まできれいにいたします。作業をするた め 船を空にします。」

Abelloは、2番目の乗客のグループに、最初の発生を警告していなかったのは、そうする理由がなかったからだと話した。

今回の旅行の間、病気の乗員とその同室者は船室に隔離されたが、乗客は船内を自由に歩き回っていた。カナダ保健省と米国疾病対策セン ター の職員も乗船し、その状況を監督していた。

Abelloは、カナダ保健省と米国疾病対策センターの職員には承認されていたが、次の航海はHolland Americaの判断で中止にしたと話した。中止による収益の損失は深刻だという。

8月のRyndamによる1週間のアラスカ・クルーズの費用は、1人当たり1,800ドルから2,900ドル。つまり234万ドルから 377万ドルの収益の損失となる。

木曜日、カナダ保健省の広報官Harsh Thakoreは、3人の係官を衛生状態を監督するため乗船させると語った。このウイルスは、太平洋の北西部ではよくあるものだと話した。

「1月以来、60の胃腸病がブリティッシュ・コロンビアで発生しており、その約50パーセントがこのウイルスと関係のあるものです。誰 も が罹りうるものです。一旦体内に入り込むと、増殖し人から人へと伝染します。」

Thakoreは、この船は完全に消毒されると話した。「この船は頭からお尻まで剥がされて異なる種類の消毒剤で消毒されます。毎日監 督 することとなります。来週の木曜日には、大変にきれいな船になりますよ。」

この1ヶ月か2ヶ月の間、他の船ではほとんど発生していないという。「適当な衛生設備を使って上手くやっているからです。」

木曜日の午後、バンクーバー観光協会は、置き去りにされた乗船客のために、カナダに情報窓口を設けた。

「ホテルの部屋のような、バンクーバー周辺のサービスを探すお手伝いをさせていただきます。」とバンクーバー観光協会の市場調査・広報 監 督のWalt Judasは話した。彼によると7月下旬と8月上旬は1年で最も混む時期で、ホテルの80パーセントが予約済みだという。Judasは、旅行者を収容できる十分なホテルの 部屋はあると話した。

しかし、シアトルのDenise Howellは、近くでウロウロすることには興味がないという。

「連中(Holland America)は、ここに私達が来る前に連絡すべきでした。どうしていいのか分からないわ。」と木曜日の午後、ご主人と一緒に到着したときに話した。「もう家に帰りた い。二度とクルーズなんて予約しないわよ。」(Vancouver Sun: Friday, August 02, 2002)

AboitizはWG&Aの共同経営者を買収(フィリピン)

国内最大の同族複合企業の一つで、セブ島に本拠を置くAboitiz Equity Ventures Inc.(AEV)は、WG&Aの共同経営者を、約36億5000万フィリピン・ペソで買収した。

フィリピン株式市場に提出された声明の中で、AEVの代理人Elsa Divinagraciaは、WG&A(William、Gothong、Aboitiz Incにより構成されている)の大株主から、9億1800万株をAEVが買取することに関する合意文書が先週の水曜日に届いたと述べた。それはこの海運会社の61パーセン トに相当する。

当該株式は、Chiongbian and Gothongというグループと海運業界のおける2つの名門一族が保有している。WG&AはChiongbianのWilliam LinesとCarlos Gothong Lines Inc.、そして Aboitiz Shipping Corp.の3社が合併して1996年に設立されたもので、フィリピンで最大の、そして最高収益を上げている海運会社だ。

WG&Aは23隻の船を全国で運航しており、旅客と貨物の双方において最大の内航フェリー海運を提供している。今年の上半期の 収 益は、昨年度の11パーセント増の6億4900万ペソに達している。67億ペソの収益のうち、純利益は5億7100万ペソに達している。

DivinagraciaはWG&Aの31パーセントをAEVが現有しており、Aboitizグループは会社の買収により92 パーセントを支配することとなると話した。

「この取引はAEVの正に戦略的買収なのです。」とErramon Aboitizは話した。「海運業界において指導的な企業のおける我々の所有権と経営的地位を強固にし、当グループの収益とキャッシュフローを健全なものとするでしょ う。」

AEVは、昨日の終値1株3.40ペソのWG&A株を、相当なプレミアム付きの3.98ペソで購入することとなる。

「これはすべての株主にとって、勝利に次ぐ勝利というべき状況だ。」とChiongbianグループの最高経営責任者の Chiongbianは語った。「当社は大変合理的な株価で手に入れ、それを急速に発展している運輸事業において再投入できるものと考え ている。」

その合意によると、AEVは半額を現金で支払い、元金は1年間猶予して、残額を5年以上の期間内に12パーセントの固定金利で支払うこ と となる。会社は60日から90日でこの買収を完了するものと見ている。

「規制緩和に伴い、マニラでは貨物と旅客用の港湾施設が改良され、確固とした商標、少ない借入金、強固なキャッシュフロー、そして業界 に おける指導的な地位が求められており、WG&Aは力、金融、糧となるものに対する投資に応えた収益を、AEVにもたらすことがで きる。」とDivinagraciaは話した。

2002年の最初の6ヶ月間において、AEVは昨年度の43パーセント増の11億5000万ペソの純利益を稼ぎ、電力事業や金融、その 他 の投資で力をつけてきている。(The Philippine Star: 08/02/2002)

中国でフェリー転覆3人溺死(中国)

北京発。当局者によると、中国南西部の揚子江で、船が衝突後転覆し、3人が溺死し20人以上が行方不明となっている。

四川(スーチョワン)省のHejiang郡で、金曜日、フェリーが他船と衝突し沈没した時、フェリーには40人以上が乗船していたと、 マスコミは当局者の発言を引用して報じた。3体の遺体を収容する一方、14人が救助された。

そのフェリーは、49トンの貨物又は69人の旅客を積載できるもの。地元政府は200隻以上の船を動員して行方不明者を捜索している。 (Press Trust of India: August 03)

「洋上での格闘」後クルーズ船で男性が死亡 ガイアナ出身でカナダの旅券を所持する男に鎮静剤投与(カリブ海)

2週間前、トロント在住の男性がカリブ海のクルーズ船の船倉で死亡した。その船の船員がこの奇妙な洋上での格闘で2缶の防犯スプレーと 強い鎮静剤を使って男を取り押さえようとしたものであるが、遺族がこの件について回答を求めている。

O'Neil Persaud(31)は、米領バージン諸島のセント・トーマス島沖で停泊中のRoyal Caribbean Cruise Lineの船舶の船倉で、7月20日に死亡した。Persaud氏は、ガイアナの生まれだが、子供の時からカナダで暮らしており、有効なカナダの旅券を所持していた。

クルーズ会社によると、Persaud氏は7月19日にサン・マルタン島に寄港した際に、不法にAdventure of the Seasという船に乗り込んだ密航者だという。

7月20日にRoyal Caribbean Internationalが出した声明によると、「カナダの旅券を所持するガイアナ出身の31歳の男性密航者と確認された者」が、「挙動不審で暴力的な振舞い」を始めた ので、7月19日の深夜に身柄を拘束したという。

船員が船倉に閉じこめたが、船員によると男は部屋の壁から金属を剥ぎ取り、その金属で手首を切って、自分の血液を自身の体や船倉に塗り つ けたという。船員は防犯スプレー2缶を使ってPersaud氏を止めようとしたが、スプレーでは効果がなかったという。

その会社の新聞発表によると、Persaud氏は、「船の職員が拘束しようとして、自分自身や他人を傷害することを避けるべく、船医ら に より鎮静剤を投与したときに死亡した」という。しかしToronto TV局とのインタビューでは、Persaud氏の家族は合法的な休暇中だったのであり、クルーズ会社の扱いは不適切なものだったと主張した。

「精神安定剤に耐えられるかどうかを調べないで、人に精神安定剤を使ってはいけない。」とPersaudのおじ、Joelは話した。

Royal Caribbean Cruise Linesの広報担当者Michael Sheehanは、昨日のインタビューにおいて船員はPersaud氏に対して鎮静剤を施用したことを確認した。バージン諸島当局が本件を捜査中なので、鎮静剤の名称につ いては話せないと語った。

Sheehan氏はまた、同様の理由から乗客がこの騒動やPersaud氏の死亡を目撃したかについてもコメントできないと述べた。 Sheehan氏によると、クルーズ会社はこうした短い旅行を提供していないので、Persaud氏がクルーズ船で合法的な旅行をしてい たはずはないという。

「当社はそうしたことはしておりません。1日周遊(デイ・クルーズ)はしていないのです。」

セント・トーマス島の当局は、その死を事故死と判断しているが、しかし島の役人は未だに毒物学者の報告書を待っている。毒物学者は Persaud氏の血液標本を米国本土に送っており、検査の結果が出るには8週間かかる。

Persaud氏の家族はクルーズ会社からの回答を待っているが、何が起きたのかを知るのには2ヶ月かかりそうだ。「息子は生きてその 船 に乗って、死んで降りてきたのです。」とPersaud氏の母親Estherは話した。

「O'Neilがどうして死んだのか、本当のことを知りたいのです。」(National Post:Saturday, August 03, 2002)

曳船が豪華船を救助(カナダ)

バンクーバーからアラスカに向かっていたHolland Americaのクルーズ船が動力を失い、昨夜、約1時間ほど曳船が救助に来るまで漂流した。

この長さ720フィートのStatendamは、バンクーバーの約20マイル沖のジョージア海峡でトラブルに遭遇した。午後9時頃、乗 組 員が無線で救助を求めてきた。機関室には煙があったが炎は上がっていなかったと報告を受けていると当局者は話した。

米国沿岸警備隊の広報官は、この豪華船は1,200人まで乗客を乗船させることができるものだが、航行に際し危険はなかったと話した。 昨 夜、船は港に曳航された。(The Seattle Times: Monday, August 05, 2002 - 12:00 a.m. Pacific)

キプロスのクルーズ会社がレバノンで投錨(レバノン)

11,162トンのCalypsoは、週末、ベイルート港に停泊して2泊旅行の450人近いキプロスの旅行者を降ろし、レバノン間のク ルーズ振興を図るため、地元旅行業者を船に招いた。

この船の親会社である、キプロスに本拠を置くLouise Cruise Lines(LCL)は、会社紹介のため、日曜日の午後に旅行業者と報道関係者を船に招いた。レバノン人がベイルート港から他の目的地に行くという「未だに統制のできな い」クルーズの、振興問題について、旅行業者から話を聞いた。

「当社は数年前にレバノン行きのクルーズを始め、何千人ものキプロスやヨーロッパの旅行者を運び、この努力は今でも継続しています。」 と LCLの市場調査主任のGeorge Mikailedesは、Calypsoの劇場で話した。LCLは世界で最も大きなクルーズ会社の一つであり、リマソルでは地中海の他のクルーズ会社よりも遥かに多い乗客 を扱い、市場の22パーセントを占めている。

この会社は、1999年8月にキプロス株式市場に上場した。Louis Organizationの一部であるこの成功したクルーズ部門は、キプロス発のクルーズ市場の60パーセント以上を支配しており、船隊の更新、拡張をしながらカリブ海、 西地中海でも航海している。Louis organizationは、故Louis Loizouにより1938年に設立されたもので、それ以来、顧客の要望に応えて最良の価格で最高の品質を提供してきた。

80年代初期にクルーズ市場に参入し、エジプト、聖地(イスラエル)、ギリシャ諸島の人気ある玄関口にキプロスを発展させた。今日で は、 この会社の目的地は増え、全部で40の島嶼に及んでいる。

保有する9隻のすべての船舶は、最近改装され、食堂、バー、免税店、カジノ、プールを含む近代的な設備を備えている。全長136メート ル、全幅19.5メートルで、喫水が6.5メートルのCalypsoは、596人の乗客を収容できる。LCLでは毎年、192本のキプロ ス発のクルーズを行い、うち11本はベイルート行きのものだ。

「当社では旅行業者を通じて全ヨーロッパでクルーズの市場調査を行っており、レバノンは美しい目的地の一つだと認識しております。」と Mikailedesは話した。「今年、需要が伸びていることに当社は注目しており、この傾向を維持するため大いに努力いたします。」

しかしこの会社は、乗客が様々な目的地に入国するに際し障害に直面している。まず「ビザなし渡航」を始め、ヨーロッパに向けて乗客を扱 い 始めたが、しばしば少数の乗客が船に戻らなかったという。

「ビザを取得することが難しい多くの乗客が、国を出るためにクルーズに参加したのです。」とLCLの共同経営者Nabil Zahlanは説明した。

このことでキプロスの当局はビザを強く要求することとなったが、しかし大変な努力の結果、逃走した乗客1人につき5,000ユーロの罰 金 を支払えば良いこととなった。

旅行者が逃走しないよう、LCLでは現在、レバノン人の乗客のすべてについて、職業証明書、居住証明書、1,500ドルの預金を要求し て いる。

土曜日に乗船した旅行業者らは、こういうことをしても逃走者はなくならない、むしろクルーズに適したお客を共同で選別するのが良いと論 じ た。

「皆さんの助力によって、当社はそうした行為を防止できるものと思っています。」とLCLの常務取締役Euripides Gaverielidesは、船上で旅行業者に語った。(The Daily Star: 05/08/02)

フェリーが浸水、226人脱出(フランス)

海事当局によると、今日、フランス西岸のブリタニー・コーストと離島を結ぶフェリーで浸水し、200人以上が安全に脱出した。

La Turballe港からベル島に向かっていた船には全部で226人が乗船していたが、フェリー会社によると、近くの島に救命艇や私有のボートなどで救助されたという。事故 の原因ははっきりしていない。

フェリーの船長は、現地時間の午前9時に初めて救助隊に問題を報告し、乗客を脱出させると伝えてきた。

当局はすぐさま潜水チームの他、フェリーが浸水で沈没するのを防ぐため2台のポンプを積んだヘリコプターを派遣した。

一方、全長27.67メートルの商用フェリーAtlanteには、226人の乗客、4人の船員が乗船していた。(Agence France-Presse: August 08, 2002)

ブルックリン―マンハッタンにフェリーが就航(米国)

2002年8月9日。通勤・遊覧フェリーの運航が、9月24日よりブルックリンとマンハッタン間で始まる。New York Water Taxiは、平日の午前6時30分から午後7時までの間と、週末の午前11時から午後8時までの間に、3隻のフェリーを走らせる。片道の運賃は3ドルだ。

船は、ブルックリンのFulton FerryとマンハッタンのSouth Street SeaportのPier 11、Battery Park CityのPier A、ワールド・ファイナンシャル・センター、Chelsea Piers、西44丁目に止まる。(NEW YORK POST: August 9, 2002)

買収の標的P&O Princessは船隊を増強(英国)

買収劇の台風の目であるクルーズ・グループP&O Princessは、今日、1億5,000万ドル(9,800万ポンド)の取引で船隊を増強した。

このグループは、昨年倒産したフロリダを本拠とする個人所有の会社、Renaissance Cruisesがかって運航していた船齢3年の2隻の船を購入する。

R3、R4と名付けられた船は、現在フランスの投資家の所有だが、Renaissanceが傭船していたものだ。今日の取引で、 P&Oはこの船を2年間賃貸し、期間満了後、船舶所有権を引き取ることとなる。

R4はTahitian Princessと再命名され、タヒチのパペーテを母港に仏領ポリネシアで通年航海をする。R3はPacific Princessと再命名され、半年を太平洋と仏領ポリネシア、残りの半年をオーストラリア人向けに南太平洋でクルーズすることとなる。

P&O Princessの最高経営責任Peter Ratcliffeは語る。

「これらの2隻の小型船は運航費用が大変に効率的でPrincessの目的地に理想的であって、当社の近代的な大型船の船隊を補完する こ とでしょう。」

このロンドンに本拠を置くグループでは、現在19隻の船舶と、2隻の川船の船隊を運航しており、今日購入した船の他、今後2年間に、さ ら に6隻の船舶、1隻の川船を取得する計画だ。

今回の取引は、米国の巨人Royal CaribbeanとCarnival間の戦いの中心にいるP&O Princessの将来を決める決定的な時期になされた。

P&O PrincessはRoyal Caribbeanとの合併を望んでいるが、その計画はCarnivalが3.3兆ポンドの敵対的株式公開買付けをしてきて転覆した。この敵対的株式公開買付けには、最 近、欧州委員会から青信号が示されている。米国連邦取引委員会は、来月にもこの取引に対する決定をする見込みだ。 (Businessam.co.uk: 10:24, Aug 09, 2002)

今日、The Worldがコーク港に到着(アイルランド)

世界で最も大型で最も豪華な船が、今日、コーク港に販売宣伝を兼ねて到着した。

このクルーズ定期船は、適切にもThe World(世界)と名付けられているが、アイルランドの富豪と有名人に船上のアパートを提供するために当地に寄港した。スィートは300万ユーロからで、これまでに6人 のアイルランド国民が契約した。

船上には、食堂、ナイトクラブ、美容室、診療所がある。(online.ie: 10 Aug 2002)

姉妹船の大公開で大勢が乗船(オーストラリア)

Spirit of Tasmania I と IIの船内の最初の公開で、今日、ホバートの波止場には5万人の人出が予想されている。

タスマニアの新しい2隻のフェリーは1億7600万ドルもするが、2週間前に到着し、その就航で観光客の予約が見込まれている。その扉 は 今日、入場料1金貨で、午前9時から午後5時まで開かれる。TT-Lineの広報担当のSimone Ferrierは、行列を避けるために早めに来場することを勧めている。

「混雑するでしょう。船のすべてをお見せ致しますから。」と話した。

Macquarie 2-3 Wharfに停泊しているSpirit Iと、Princes Wharfに停泊しているSpirit IIはいずれも公開されるが、両船は同じものだ。車輛甲板からラウンジ、バー、レストラン、船室を見学するには30分かかる。 Ferrierは、最初のバス海峡横断の準備 の作業は続けられていると話した。

「売店や案内所のようなところでは、仕入作業や表示の変更作業が行われているところです。9月1日の準備のため無休で働いているので、 業 者が歩きまわっていますよ。」

TT-Lineの船長、船員、販売要員も本船に関する質問には答えられるようになるとのことだ。今日はバス海峡に就航する新しいフェ リー の3日間の宣伝公開の最初の日だ。

「家族連れでお祭りのようになるでしょう。」とFerrierは話した。「甲板では食事やお飲物をご用意致しますし、更にバンドや大道 芸 人も繰り出します。すべての収益は、ホバート・ロータリー・クラブを通じて慈善団体に寄付されます。」

Ferrierは、身障者も船倉に行くことが出来ると話した。見学者は平底靴で暖かいジャケットを身に着けてきて欲しいという。

応援のロータリーのスタッフが管理する駐車場がPrinces Wharfにも用意される。Spirit I と II の公開は、メルボルンでは来週の土曜日と日曜日、デボンポートでは8月24日にも行われる。(The Mercury: 11aug 02)

新しいロサイスのフェリーが観光客でヒット(英国)

ロサイスとゼーブルージュを結ぶスコットランドの新しいフェリー運航は、旅客の運送で明確なヒットを飛ばした。ギリシャの海運会社 Superfast Ferriesは、5月に開始して以来、8万人以上の乗客を輸送した。今や貨物輸送にも手を伸ばそうとしている。Yannis Criticos取締役は話す。

「当社は、恒久的な運航を確立するために必要な経済界からの支援を受けられることを確信しております。」

運送業者が遠い南部の港に長距離輸送をしなくても大陸とロサイス間が結ばれていることを知ったので、Superfastは、貨物が増加 するものとみている。業界消息筋は語る。

「Superfastはハルのニューカッスルのフェリーよりも費用がかかるが、利便性はある。運転手の労働時間に対するEUの規制で、 Superfastは運送業者には魅力的なものになるだろう。」

新しいフェリー港を後援するスコットランドのEnterprise Fifeは、多くの地元企業がロサイスを使うようになったと話している。(Daily Record: Aug 12 2002)

アラスカでクルーズ船が短時間漂流(米国)

ジュノー発。昨日、動力の故障でHolland Americaのクルーズ船が短時間漂流した。

スカグウェーからグレーシャー・ベイに向かっていたRyndamは、午前1時30分頃、2基の発電機のうちの1基が突然停止した。これ に より船は約20分間推力を失った、と沿岸警備隊の副官Joe Paitlは話した。

船は昨夜、修理のため曳船によりオーク・ベイに曳航された。航海を再び始めることになるが、この海域の嵐のためグレーシャー・ベイは抜 港 となる、とHolland Americaの広報担当Rose Abelloは述べた。

Ryndamは連続して2本のクルーズの乗客が伝染病に襲われ、集中的に消毒するため、1週間バンクーバーの港で過ごした後、木曜日に ア ラスカに向け出港した。

先週Holland Americaは、出港後に短時間動力を失ったため、Statendamのブリティッシュ・コロンビア―アラスカ間のクルーズを中止したばかりだった。(The Seattle Times:Tuesday, August 13, 2002 - 12:33 a.m. Pacific)

豪華船がバミューダに(バミューダ)

世界初の全室スィートでバルコニー付きのクルーズ船が、今年後半にバミューダに短期間やって来る。

RadissonのSeven Seas Marinerの豪華スィートに乗客らは1万8000ドルを支払って、11月29日金曜日にハミルトンに到着する。船は午前7時から午後4時までの9時間、町に滞在する。

Marinerには最大700人の乗客を収容することができ、世界でもっとも広々としたクルーズ船の一つとなっている。昨年就航し、カ ナリア諸島のテネリフェ島からフロリダ州、フォート・ローダーデールに向け航海中だ。(Bermuda Sun: 2002-08-14)

新しいフェリーがアラブ首長国連邦とイランを結ぶ(アラブ首長国連邦)

アラブ首長国連邦(UAE)とイランを結ぶ新しい貨客船サービスが最近始まった。UAEの東海岸とイラン南部のバンダル・アッバースと ジャスク港を結ぶものだ。UAEの東海岸とイランの港を直接結ぶ、最初のフェリーとなる。

テヘランに本拠を置くValfajre-8 Shipping Companyが運航し、フェリーはKhor Fakkanとジャスク、バンダル・アッバース間で旅客と貨物を輸送する。この会社は、250席あるRoRo船をこの運航に使用する。

「増加しているイラン行きの人々に対処するため、8月10日に始めました。これはUAEの東海岸とイランを結ぶ最初の直行フェリーで す。」とこの運航の代理店であるOasis Freight Agencyの運航主任、T.V. Lonanは話した。

「イランを訪れる人々にとって、とりわけ沢山の荷物を持っている人にとっては、素晴らしい旅行の選択肢です。最初の航海では、乗客は 78 人でしたが、人々が海路で旅をすることに関心を持っていることの現れでしょう。当初、月に4航海を予定していましたが、需要次第で増やす つもりです。」

切符はバンダル・アッバース行きの片道が110ディルハム、往復切符が190ディルハムとのことだ。

「乗客一人当たり70キロの荷物まで認めています。子供切符は半額で、荷物は35キロまでです。」(Gulf News: Thursday, August 15, 2002)

乱暴な乗客(ギリシャ)

火曜日、キクラデス諸島の中心シロス島で、Ermoupolis港でフェリーに乗船しようとした2人の男が、港湾警察と口論となり、殴 り倒して逮捕された。

商船省の水曜日の発表によると、Eleftherios Rambos(42)とPanayiota Papageorgopoulou(23)は、警察官Apostolos Soultanisと喧嘩となり、警察官が列を乱そうとしたのを制止しようとしたところ、殴り始めた。Soultanisは、医師の治療を要する程度の傷害を負った。 (The Kathimerini: 16/8/02)

フェリーが衝突(ギリシャ)

土曜日、ロードス島の港で2隻の小型旅客フェリーが衝突した。しかし乗客に怪我人はなく、船が僅かに損傷したに過ぎなかったと商船大臣 は話した。Symi IとMarilenaには、それぞれ112人、90人の乗客が乗っていた。(The Kathimerini: 19/8/02)

NCLはプロジェクト・アメリカの船体を購入(米国)

月曜日、Norwegian Cruise Lineは、倒産したAmerican Classic Voyagesが計画した米国建造のクルーズ船の資材と部品を買い取り、ヨーロッパに送って2000人乗りの旅客船を建造すると発表した。

ロサンゼルスに本拠を置くNorthrop Grummanは、マイアミに本拠を置くAmerican Classic Voyagesから受注した2隻の船の建造工事を、2001年10月に中止している。American Classic Voyagesは、9月11日の攻撃後、損失を出し、10月19日に破産法の適用を申請している。American Classicはその申請後、大半は州外となるSunriseに、1000人を転籍させる計画を放棄した。

Northropは、プロジェクト・アメリカの建造計画は、米国海事機関が11億ドルの債務保証を取り止めたことから中止になったと述 べ た。ミシシッピーの造船所で建造工事が中止になったとき、海事機関は船に関する1億8500万ドルの債務を保証していた。

Norwegianの広報担当者Susan Robisonは、マイアミを本拠とするこのクルーズ客船会社が船体や資材にいくら支払ったのか、あるいはこの会社が海事機関の債務を弁済したのかについては、明言を避け た。

殆ど完成していた一隻の船の船体は、ヨーロッパに送られ、そこでNCLが、現在のところ未定の造船所で完成させることとなる。

「船の意匠はとても独創的なものです。」とNorwegianの社長Colin Veitchは話した。船は2004年の春に引き渡されるものと思われる。(The Miami Herald: Tue,Aug. 20, 2002)

ドイツのクルーズ船がキールに戻る(ドイツ)

ドイツ、キール発。奇妙なウイルスで100人以上の乗客が発病したため、水曜日にドイツの豪華クルーズ船がキール北港に戻ってきた。

四星のBerlinは、乗客が吐き気、下痢、めまい、そして高熱を出したため、15日間のバルト海クルーズを1週間ばかりで中止した。

「これまでに決して経験したことのないものです。」とPeter-Deilmann海運会社の広報担当者Hans-Ulrich Kosselは語った。キールの保健所職員とウイルス学者は、この伝染病の原因を調査中だ。

Berlinはバルト海の港に向けたクルーズのため、8月14日にキールを出発し、既にラトビアのリガ、エストニアのタリン、ロシアの サ ンクト・ペテルブルグに寄港している。

このクルーズ船は、ドイツのテレビ番組、「夢の船(ドリーム・シップ)」の舞台となったもので、1人あたり最高5287ユーロを支払っ た 400人の乗客で満員だった。(Sapa-DPA: 21/08/2002 13:35)

クルーズ・フェリー運航者のジレンマ(フィンランド)

クルーズ・フェリーの運航者は老朽船の更新に必要な収益がなく、厳しい状況に直面している、とフィンランドのトゥルク経済大学の海運経 済学教授Jorma Tainaは話している。

2004年に、EU諸国の乗客はスウェーデンとフィンランドにアルコール度数の高い酒を持ち込むことが概ね許されるようになり、北欧諸 国 の酒税が減税となる。同年、エストニアがEUに加盟する可能性があり、これらの国を結ぶ航路での、運航事業者の免税販売による収益が無く なることとなる。

フィンランド、スウェーデン間を結ぶフェリーでは、オーランド諸島に寄港して免税販売を継続している。ここはEUの課税地域の圏外にあ る。

しかしTaina教授がFairplayに語ったところでは、このことは「引き合わない勝利」だという。なぜならそれで運航事業者が新 し いサービスを開発することを避けてしまったからだという。貨物の取扱量が増加している一方で、旅客の運賃収入は、低い水準に留まってい る。このことから、クルーズ・フェリーよりも小型で、宿泊設備の簡素化されたro-pax船が、次世代船として選択されることがありそう だという。(Fairplay: 22 August 2002)

英国のフェリーの乗客数が増加(英国)

調査会社のFerrystatによると、英国のフェリー航路の乗客数が、2001年と比較して今年上半期に5.2%増加した。

1月から8月までの間に、合計1600万人がフェリーで旅行をした。旅客船協会の理事Bill Gibbonsは、このことは英国フェリー産業が免税販売の廃止と口蹄疫から立ち直ったことの現れだと述べた。(Travel Weekly: August 22, 2002)

政府にクルーズ・センターの推進を力説(タイ)

Star Cruisesグループの総支配人Chutima Topanyaruangによると、施設や運航に関して政府の援助があれば、タイは単なる寄港地ではなく、クルーズ船の中心地としての将来像を描くことができるという。

このグループは、アジア太平洋地域の主要な運航者であり、昨年の5月、レム・チャバン商港のターミナル・ビルの建設に、6億7500万 バーツの費用をかけている。このことで海路によりタイを訪れる観光客が増加する、とChutimaは主張する。シンガポールは、少なくと も年間100万人の乗船客が通過しており、この地域のクルーズ船の中心である。

「シンガポールよりも多くの観光客を引きつけることができます。政府により、例えば到着時の査証のようなものについて便宜を図ってもら え れば、我が国は東南アジアのカリブになれるでしょう。」と彼女は話した。

1999年の同社の旅程にタイを付け加えたことにより、レム・チャバンを通過した乗客数は年間30%増加し、今年は13万人が見込まれ て いる。

タイでは、そのグループが運航しているSuperStar Capricornがレム・チャバンから出ており、もう1隻の船SuperStar Virgoはシンガポールを本拠とし、過去3年間にプーケット島に40万人弱の観光客を輸送した。クルーズはアジア人の中で人気を得ており、とりわけ近年のタイではそうで ある。

「このタイプの休日は、海陸の輸送を結合させるものとして輝かしい未来があり、船はそれ自体がリゾートなのです。」と彼女は語った。

Chutimaは、乗船客は寄港地で平均100米ドル(4,200バーツ)の金を落とし、またクルーズ客船会社が地元の業者から食材を 調 達して雇用を生み出すことに注目し、休日の選択としてクルーズを推進することを政府に求めている。

タイでは、そのグループの主要な顧客は、家族連れ、勤労者層、そして会議や展示会などの市場である。最近では、タイで乗船した乗客の約 80%がタイ人だった。しかし外国人の比率を50%にまで引き上げたいものだ。

Star Cruiseグループは、世界で4位の大手クルーズ客船会社であり、香港株式市場に上場している。(Bangkok Post: Saturday 24 August 2002)

TT-Lineの新しいフェリーで二輪車で旅をする人に朗報(オーストラリア)

1年の大半、バス海峡の新しいフェリーでは二輪車が無料となる。この発表は、今日のSpirit Tasmania Oneのデボンポートでの披露会においてなされたものだ。

何千人もの人々がSpirit Tasmania Oneを見物するため、今日の早朝から行列を作った。過去2週間のホバート、メルボルンでの披露会に、10万人以上の人が押しかけている。

連邦政府は今日、年42週間、バス海峡を横断する二輪車、自動二輪車、キャンピング・トレーラーについて、21ドルを払戻すこととする と 発表した。

繁忙期にはバイクをフェリーに持ち込むのに、6ドルの料金がかかることとなる。旅客の扱いは来週の日曜日から始まる。(ABC News: 25/8/02)

高速フェリーが34丁目とウォール街に(米国)

昨日NY Waterwayは、クィーンズのHunters Point、ウォール街のPier 11と東34丁目との間に、高速通勤フェリーを9月3日から運航すると発表した。最初の週は無料運航となる。

ラッシュ時には15分間隔で運航し、それ以外は30分間隔となる。ウォール街までは8分、東34丁目までは5分ちょうど。(NEW YORK POST: August 27, 2002)

大富豪は豪華船に冷淡(ノルウェー)

オスロ発。大富豪がアパートを購入する形式の、世界初の私有豪華船「The World」は、財政が破綻し破産の瀬戸際にある、とノルウェーの日刊紙Aftenpostenが火曜日に伝えた。

この34億クローネ(4億5000万米ドル)をかけたノルウェー建造のクルーズ船は、「住民」が自由に使える110戸の豪華アパートを 提 供し、決して終わることのない船旅を続ける船の寄港地から自由に乗り降りすることができるものだ。

しかし、2つのプール、4つの食堂、豪華なパン屋、テニス・コート、ディスコ、書店、ゴルフ・コース、ヘリコプター発着施設を備えてい る にも拘らず、未だに「TheWorld」の何十ものアパートが売れ残っているという。

Aftenpostenによると、2月には大変に多くの宣伝をしたが、僅かに1戸のアパートが売れただけで、販売総数は81戸に留まっ て いるという。Aftenpostenによると、アパートの販売はこれまでに僅か20億クローネか、船の建造に投資した額の半額ほどの売上 であり、経営に携わるメンバーの何人かが無理をして購入している。

サッカーの競技場よりも長く、旅客機よりも重い、気まぐれな住民のために300人以上の船員を雇った「The World」は、競争相手のない規模で、外洋での豪華な生活を提供している。アパートには個人用の台所、海を見渡せるジャグジーがあり、広さはそれぞれ102㎡から301 ㎡だ。価格は220万ドルから750万ドルで、これには購入価格の5~6パーセントの年間維持費は含まれていない。

「The World」を運航している会社は、Aftenpostenの報道を否定した。ResidenSeaの販売責任者Hans-Christian Magnusは、「当社は大変満足しています。」と語った。「Aftenpostenの報道は、全く正確ではありません。」と話したが、 詳細を明かにすることは避けた。この会社は、一貫してアパートの販売数とその裕福な所有者の身元を明らかにすることを拒否している。 (Sapa-AFP: 27/08/2002 18:41)

Silja cruisesはロシアのビザ規則により足止め(フィンランド)

ロシアは、サンクト・ペテルブルグへのクルーズの乗船客全員にビザを要求することにした。この突然の決定は、Silja Operaでのサンクト・ペテルブルグへのクルーズを実施しているSilja Lineに先週もたらされた情報とは、正反対のものだ。

Silja Lineによると、以前の慣習は国際旅客輸送の促進を図る見地からのもので、乗船客はビザなしで観光旅行ができるものとされてきた。この新しい有料の要求により、お役所仕 事も増加することとなる。Silja Lineは、ヘルシンキ発のSilja Operaのクルーズの目的地を、サンクト・ペテルブルグからリガに変更することを余儀なくされた。(The Scandinavian Shipping Gazette: 28/08/02)

9月11日から1年後フロリダの観光業は波乱の回復(米国)

マイアミ発(AP)。9月11日以降Dezer Hotelsは、青空を求めてやって来る外国人客や米国人客による、ここ4年間の2桁台の成長が消え去るのを目の当たりにした。

この南フロリダのホテル・チェーンの稼動率は、テロリスト攻撃後の3ヶ月間は50パーセントにまで低下した。Dezer は5軒の海沿いのリゾートの宿泊料金を10パーセント切り下げ、その広告を自家用車で観光地にやって来る地元客や州外の客に焦点を合わせたものにした。こうした努力にも拘 らず、稼働率は約10パーセント低下したままだと、このチェーンの総支配人Joey Eisnerは話した。

「後退しないよう最大限のことをしています。車で来てくださる人々に感謝しています。」とEisnerは話した。

あの攻撃により飛行機による旅行が打撃を受け、ホテルやテーマ・パーク、クルーズ船の予約が干上がった不振の米国経済により、フロリダ の 観光業は既に傷つけられてきた。

その1年後、南米での経済問題に未だに脅かされ、空港での遅れにイライラさせられ、米国経済の健康を心配している中で、緩慢な回復の兆 し が見える。

州政府の観光振興機関Visit Floridaの広報官Tom Flanaganは、2001年度の最後の3ヶ月間の州外からの訪問者数の総計は、約19パーセント落ち込んだと語った。2002年度の第一四半期の見込みでは、4.5 パーセント落ち込んでいる。

「力強い回復ですよ。第二四半期の統計が出た時、何が起きているのかを観察する必要性が本当にありますね。」と話す。(中略)

あの攻撃の経済的な「死の灰(放射性降下物)」は、2つのクルーズ客船会社、American Classic VoyagesとRenaissance Cruisesを倒産に追いやり、残りの会社は予約の取り消しと低調な予約に見舞われた。

その1年後、大手のクルーズ客船会社は、かってほど早くはないがなんとか満船にしているとアナリストは言う。料金水準もあの攻撃前の水 準 からは程遠いものだ。(The Associated Press: 8/30/02 12:14 AM)