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2001年8月

2001年8月の海外旅客船情報

SNAV ALEXA(イタリア)

ローマ発、8月13日。 イタリアのフェリー、SNAV Alexa(610総トン、1997年建造)が、荒天の昨夜、シシリー島の北部海岸の沖にあるリパリ諸島で座礁したと、今日、沿岸警備隊が発表した。乗船していた164人 の乗客は全員無事に救出されたが、2名が重傷、数名がショックのため手当てを受けた。

この双胴船のフェリーの定員は300名。230km南のリパリ諸島に向け昨夕ナポリ港を出港した。ストロンボリ島で乗客を降ろした後、 船はパナレア島に向け出港したが、高波と風力5(疾風)の為、パナレア島から1マイル離れた岩礁の浅瀬に流された、と沿岸警備隊は語っ た。フェリーは岩に衝突して船体に穴が開き、ゆっくりと沈没し始めた。海事当局がこの事故の捜査に乗り出している。(Reuters)

韓国―中国間のカーフェリー利用者が激増(韓国)

韓国と中国の間のカーフェリーの乗客数は、1990年の9,000人から昨年44,700人に激増していると、昨日、海事水産大臣は 語った。

現在両国間にはカーフェリーが10航路ある。仁川(インチョン)―威海(ウェイハイ)航路は、最初に韓国―中国間に開設されたカーフェ リー航路だが、1990年に開設されたとき乗客数は9,000人だった。昨年、147,000人を数えるまでになった。

仁川(インチョン)から丹東(タントン)、大連(ターリエン)、金州(キンチョウ)に行く旅行者は370,000人を数え、その80 パーセントはカーフェリー利用者が占めている。

大臣の予測では、乗客は毎年11パーセント増加し、2005年には900,000人に達するとのことだ。(2001.05.25)

新しいロシア・ドイツ間のフェリー・ラインは1ヵ月あたり300-400のコンテナを輸送する能力がある(ロシア)

ロシアの通信社インターファックス通信の英語によるレポートからの抜粋

ロシア、サンクト・ペテルブルグ発、8月18日。サンクト・ペテルブルグ、ロシアのバルト海の都市カリーニングラード、ドイツのキール 港を結ぶRORO船のフェリー・ラインが8月18日土曜日に開設された。

ロシアの運輸大臣(下院議員)Vladimir Yakunin 氏はサンクト・ペテルブルグ港で開かれたオープニング・セレモニーで、同航路の開設はロシアの友好を広げ、国内の輸送機関を強固にし、社会基盤とカリーニングラードの住民 の経済的権利を保障するものだと語った。

第一段階はロシア―ドイツ―フィンランドのベンチャー、TransRussiaExpressにより運営されている Transrussiaフェリーだった。このラインは1ヵ月あたり300-400のコンテナとトレーラーを積載する能力がある。サンク ト・ペテルブルグの会社、Baltics Transport Systemsは、そのプロジェクト・オペレーターだ。このプロジェクトの次の段階は、自動車輛と同様に、乗客を輸送することにある。

Yakunin氏によると、ロシア運輸省はこのプロジェクトに、船のコストを考慮せずに、1億5,000万ドル支出している、とのこと だ。(BBC Monitoring Former Soviet Union - Economic: 2001-08-19)

フェリーのガスで7人が吐き気(米国)

シアトル発。昨日(20日)の午後、Bainbridge島からColman Dockに到着したフェリーWenatcheeのガスで7人が倒れた後、2人のフェリー従業員が入院した。

44歳と49歳の2人の女性はHarborview Medical Center(注、病院)に搬送され、手当てを受けた。フェリー会社の広報担当者Susan Harris-Huetherは、被害者はすべてフェリー会社の従業員か売店の関係者だと語った。運航が再開される前にフェリー1便が欠航した。

消防局は、問題の排気ガスを咎め、運航再開前に船を調査した。(The Seattle Times: 21/8/01)

高速フェリーの衝突でナポリ港で8人が怪我(イタリア)

高速フェリーがナポリ湾でモーターヨットに衝突した際に大破し、乗客8人が重軽傷を負った。怪我人のうち、2人はいずれもジブラル タルの在住で、重傷。72歳の女性Maruja Lliambiasは重体。

単胴船の高速フェリーEuropa Jetは、ナポリを本拠とするAlilauroによって運航されているが、月曜日、カプリ島からソレント港に航行中、左舷後方側面に全長14mのモーターヨットと衝突し、 そのヨットの船首部分がフェリーのメイン・ラウンジに突き刺さった。

414人乗りのフェリーは、1988年にスウェーデンのMarinteknikにより建造されたもので、事故当時、220人が乗船 していた。4m×3mの穴が開いたが、船長は何とか船を沈没させずにソレント港に到着させた。8人の怪我人のうち6人はジブラルタル 在住者。

8月13日には双胴船Snav Alexaがパナレア諸島に近いFormiche岩礁に座礁した。その時は164人の乗客の内、重傷者は報告されなかった。1週間後も船はまだFormiche岩礁に浮か んでいる。

船員はEuropa Jetの損害を調べている。これは過去2週間にイタリアで起きた、2度目の高速フェリーの事故だ。(Giovanni Paci-Wednesday August 22 2001)

DFDSの「2001年中間報告書(DFDS 2001 Half Year report )」(デンマーク)

コペンハーゲン-ヘルシングボリ-オスロ航路

乗客数は7%増加し、便数は6%増加した。便数の増加は、QUEEN OF SCANDINAVIAが2000年の上半期に長期間ドック入りしていたことによる。この航路の業績は、2000年上半期の水準だった。7月末にQUEEN OF SCANDINAVIAは、PEARL OF SCANDINAVIAと交替した。PEARL OF SCANDINAVIAは720の船室に2,100人の乗客を収容でき、365台の車輛、500人収容の会議場設備を有する。

エーテポリ-クリスチャンサン-ニューカッスル航路

乗客数は3%の増加、便数は11%増加。口蹄疫の影響で需要が落ち、とりわけエーテポリ―ニューカッスル間で影響が出ており、便数 に対する乗客数の減少となって現れている。この航路の業績は、2000年上半期より僅かに低下した。

アムステルダム-ニューカッスル航路

乗客数は13%の増加。しかし口蹄疫の影響で予想より僅かに下回っている。したがって稼働率が落ち、この航路の業績は2000年上 半期よりも僅かに低下している。6月末にKING OF SCANDINAVIAはQUEEN OF SCANDINAVIAと交替した。QUEEN OF SCANDINAVIAは600の船室を有し、この航路の乗客収容能力を50%増加させた。

エスビア-ハリッジ航路

乗客数は2%の増加で予想より下回っている。それはDANA ANGLIAが2000年上半期の最初の2ヶ月間にドック入りしていて、便数が減少していたためだ。乗客数の伸び悩みは、口蹄疫によって市場が一般に弱気になっていること の結果であり、同様の影響を受けている航空機との競争も激化している。さらに貨物の収益も減少し、この航路の業績は予想よりも僅かに 下回っている。

ハンブルグ-ハリッジ航路

乗客数は15%の減少で、今年上半期の口蹄疫による厳しい市況の影響を受けている。しかしながら、この航路の貨物の収益は伸びを見 せており、乗客数の減少を補っている。そのため、この航路の業績は2000年上半期の水準に留まっているが、予想よりは下回ってい る。

スペインとモロッコとの距離が近くなる(スペイン)

スペインとモロッコの間を運航しているフェリー会社のTrasmediterranea、EuroFerrys、 Buquebusは、主にセウタ―アルへシラス間の最短ルートとしてヨーロッパを旅行する北アフリカ人により、乗客数は増加する ものとみている。セウタは前年の同時期に比べ、7.4%乗降客が増えているようであり、フェリー会社は金曜日の早朝に、臨時便を 出さなければならなかった。

1日だけで、9.737人の乗客と2,111台の自動車が、スペインに向け乗船した。7月15日以来、225,000人がヨー ロッパ大陸に渡った。Trasmediterraneaは、1年の他の時期には乗客需要は定員の25%程しかないのに、7月、8 月、9月には利益を出している。(Expansion; Aug 25, 2001)

ペルシャ湾がフェリーで結ばれることに(アラブ首長国連邦)

ドバイを本拠とするNAIF Marine Servicesは、ドバイとイランのブーシルとの間にフェリー航路を昨日開設したが、役員によると、全ペルシャ湾地域をフェリーで結ぶ計画を持っている。

Naif Marine Servicesの営業担当取締役 Essa bin Hadherは、現在、会社はJabal Ali 1、2、3という3隻のペルシャ湾の港を結ぶフェリーを保有しており、合理化され強化された運航計画が立てられていると語った。イラクとイランの間は、現在、この会社の フェリー航路により結ばれており、クウェートとバーレーンが次の寄港地となり得るとのことだ。

「これは十分実現可能なことで、ドバイを訪れたいと思う湾岸諸国の生産者が、わざわざ陸路を走らずに自動車ごと乗って行けるの です」と語った。

彼はまた、Jabal Ali船隊の大型船ではより多くの貨物、とりわけ腐敗し易いものを短時間に輸送できると語った。RORO船のシステムは、船の速い回転を可能にする。

「まだ始めたばかりで反応を見ているところなので、ブーシルへの料金とスケジュールは決まっていないんですよ」とBin Hadher氏は語った。

初航海には、実業家やサプライヤー、マスメディアが招待され、Naif Marine Servicesの取締役も参加した。(Khaleej Times: 27 August 2001)