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貨物船の旅

貨物船の旅(Freighter Travel)をご存知でしょうか。日本の船会社でも、かっては貨物船に旅客を乗せることがありま したが、現在ではそうしたことは行っていません。しかし世界の船会社の中には、現在でも貨物船に旅客を乗せている例があり、コンテナ船等 の貨物船を使った船旅を楽しんでいる人達がいます。ここでは日本では余り知られていない、貨物船の旅を紹介します。

貨物船の旅

現在、毎年3000人を超える乗客が貨物船で旅をしている。そして今日のクルーズ産業の大部分を形成する大型のリゾート船に幻滅した 旅行者の数は増加している。貨物船の旅は娯楽のない、全くお仕着せではない航海を経験できる究極の方法でもあるのだ。

おおよそ250隻の貨物船(貨客船やコンテナ船)が寝台を提供しており、現在、約半数以上の船はドイツのオペレーターによって運航され ている。正式の貨物船(一般のばら積み船やローカルのコンテナ船)は、12人まで乗客を乗せることができる。貨物船のスケジュールは、船 主や運んでいる貨物の気まぐれによって絶え間なく変更されるものであるが、コンテナ船は定まったスケジュールに従って運航されている。こ こでは話を単純にするために、すべてを貨客船と呼んで説明していくこととしよう。

今日の貨客船は、コストの管理と効率が船会社の経営の一番の関心事になってきていることから、最近、劇的に変化している。今日のコンテ ナ船は、客船会社がかってしていたような、定まったスケジュールに従った運航や祝日の運航を行っているのだ。

このタイプの旅行を選択する乗客は、独立したタイプ(つまり集団で旅行することにアレルギーのあるタイプ)や、退職者、再就職して重役 になった人、外国に家族を持つ人、海外の教育機関を卒業して帰国する人、研究休暇中の教授などが典型的だ。医療設備がないので、多くの貨 客船運航会社は年齢制限をしており、65歳以上の人は健康証明のための診断書の提出が求められることだろう。

貨客船の旅を予約したら、何が得られるか。ダブルかツインのベッドのある船室に、小さな書き物机、それにバスルームが手に入るだろう。 それに良い仲間やカクテルを傾けながらの会話、豊富な料理(船のオフィサー達と同じテーブルを囲んで食事ができるだろう)、興味深い航 海、大海原、そして洋上の生活の魅惑を得ることだろう。

では逆に何が得られないか。エンターテインメント、ビンゴ、ホース・レース、心無いゲーム機(これは持っていかなければ、だ)が得られ ない。しかし、完全にくつろげる時間を得て、読書をするなり(何隻かの貨客船には小さな図書室がある)、乗り合わせた数少ない乗船客とト ランプやボード・ゲームをするなりして過ごすことだろう。

今日の貨客船の宿泊設備は、海水面よりも遥か上に、広々とした海の見える、丸窓よりはむしろ大きな窓を持つ船室を備え、快適なラウンジ や個人用の設備を備えるようになってきている。

貨客船の旅は、通常のクルーズ船の旅よりは1日当たり75ドルから150ドルの費用で安くつくのだが、貨客船の航海は、期間がずっと長 いことを忘れてはならない。代表的な航海で、30日間かそれ以上だ。だから航海の費用は実際にはかなりの額になってしまう。大部分の航海 はかなり早めに売り出される(1年以上も前のことも多い)。そのため前もって予定を立て、旅行を取消した場合の保険を購入しておくことも 忘れてはならないだろう。

何を持っていくべきか。普段着、あらゆる薬、化粧品、洗面用具、ヘアー・ドライヤー、コンバーター・プラグ、洗濯用洗剤、その他の雑品 だ。(クルーの為の)小さな売店があるかも知れないが、歯磨き粉のような物しか売っていないだろう。それから船が予定外の港に入港し、ビ ザが必要となった時の為に、証明写真を何枚か余分に持っていくことを忘れないように。ウエイターやキャビン・スチュワードへのチップは、 1人につき、1日あたり1ドルから2ドル必要だ。

*スケジュールは積荷と天候によって変更される。
*米国の港に寄港する際には、査証が必要となる。(Douglas Ward, Berlitz Complete Guide to Cruising & Cruise Ships 2001 (2000) )

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