大手クルーズ客船会社紹介
8大クルーズ客船会社
すべての8大クルーズ客船会社に当てはまることがある。それは(概して7日間の)良くパッケージされたクルーズ
で、面白い旅行日程や豊富な食事、合理的なサービス、良い娯楽の選択、(多くは技術的な効果や素晴らしい照
明を用いた)プロダクション・ショーが含まれている。船には大きなカジノやショッピング・モール、広いスパ、フィット
ネス設備も用意されている。多くの場合、クルーズ料金の他に、港湾税、保険料、職員への心付けや、多くの追加
のものを支払うことが要求されている。
クルーズ客船会社は、設備、広さ、食事、呼び物とするサービスに違いがあり、クルーズのサービスの実現にお
いて微妙に異なっている。なお本書の刊行後に、サービス内容の変更や向上、あるいは悪化があり得るということ
を注意して欲しい。
Carnival Cruise Lines
1999年に1,800,000人の乗客を輸送した。ここは世界で最も大きく、そして最も成功したクルーズ客船会社であ
る。大量の陽気な音楽や、大人の夏のキャンプようなところでよく見かける乗客参加のゲームなど、若い心を持っ
た人達のためのクルーズに特化している。潜在的に堕落したような者も一部に見受けられるが、それにも拘らず、
この会社のテーマである「愉快な(ファン)」行事が好きな乗客に、大変好まれている。すべての船は信じられないく
らいに想像力に富んで多色を用いており、大変に陽気な装飾を施している(それぞれの船には独自の装飾テーマ
がある。)。
Carnivalは自社を「上級市場対象」のクルーズ客船会社として売り込もうとはしていない。そのパンフレットで言っ
ていることを正確に提供しており、クルーズ初心者を大量に産み出している。最新のハイテク娯楽設備と特色を持
った洒落た新船で、よくパッケージされたクルーズ休暇を提供している。寄港地観光は、船室内の(「ファン・ビジョ
ン」)テレビ・システムにより予約する(寄港地観光窓口はなく、それ故、誰も質問には答えてくれない。)。殆ど同型
の大型船で、この会社は殆どノン・ストップの催物を行う良い仕事をしている。もし(甲板で)プラスチックのグラスで
飲物を飲み、当り前のハンバーガーやホットドッグ、豊富なファースト・フード(簡易料理)でも構わないのならば、こ
の会社は殆ど休みなくそれらのものを提供していると言えるだろう(ピザは1日24時間入手可能だ。)。この会社
は、優れた子供向けプログラムの他(若い家族連れに理想的)、優れた「まぶしくてうるさい」プロダクション・ショー
や、多くの夜の選択可能な娯楽をパーティ好きの人々に提供している。
船隊のすべての船室は、かなり良い広さだ。Carnivalは四六時中、愉快にさせてくれるが、しかしあまり知られて
いないクルーズ客船会社で知ったかもしれない手際の良さや細やかな心遣いは期待できない。乗船客の苦情の主
たるものは乗船時と下船時(港側の職員)であり、大勢の保安要員が乗船していることもあげられる(同様の苦情
は、Royal Caribbean Internationalにもある。)。
この会社は過去数年間に劇的に成長を遂げており、サービスを十分に向上させている。1996年、とりわけクルー
ズが楽しいものかどうか分からない初めての乗船客(クルーズを止める乗客は殆どいないが)のために、「休暇保
障」プログラムを導入して成功している(業界におけるその種の最初のもの)。
Celebrity Cruises
Celebrity Cruisesは、その料理、とりわけ食堂における給仕で傑出した評判を確立してきた。すべての料理は様
々な食材が使われており、事前に包装されて箱詰めにされたものや、予め調理したものなどは一切使われていな
い。正に賞賛に値するものであり、他の8大グループとの違いである。メイン・ディッシュに添えられるソースは、とり
わけ素晴らしい。このように料理の味の水準が高く、それは今日の大型の標準的な市場を対象にした船ではしば
しば欠けているものである。ウェイター(多くは東欧諸国の出身だが)は大変良く訓練されており、概して意思疎通
に問題はない。食堂の椅子は肘掛けがないが(あればもっと快適になるだろう)、いくつかの2人用のテーブルがあ
る。
この会社が高品質のクルーズ体験を提供できるもう一つの理由は、他の船会社の船の大きさや乗客数に比べ、
遥かに多くの職員を乗船させていることにある。このことは、とりわけベッド・メイクや食事、飲料の部門で顕著であ
り、乗客に最高のサービスを提供している。船隊の最新船にある美術品もため息の出るようなもので、今日のクル
ーズ産業において、おそらく最も印象的な現代美術のコレクションだと言えるだろう。
現在6隻ある船隊のうち、2隻の船(Horizon と Zenith)にはチーク張りの船を1周できる遊歩甲板がある。
Century、Galaxy、Millennium、Mercuryには付いていない。船は常に染み一つなく清潔で、常に掃除機がかけら
れ、休みなく磨かれている。Celebrity Cruisesの船の(乗客一人当たりの)清掃、サービス部門の職員は、他の8大
クルーズ客船会社と比べて一番多いだろう。実際、他の8大クルーズ客船会社よりも、乗客一人当たりの職員数は
一番多い。
新しい所有者、Royal Caribbean International の下で、確立された高水準が維持されるかどうかが、やがて明ら
かになる。しかし現在のところ、8大クルーズ客船会社の中では、Star Cruisesと並んで、食事とサービスの最高の
水準を維持している。
Costa Cruises
1999年に361,000人の乗客を輸送した。この会社はヨーロッパ人(あるいはヨーロッパ風が好みの乗客)向けのク
ルーズに特化しており、とりわけイタリア人を対象にしている。船は、内装やサービスの仕方において明確にヨーロ
ッパを感じさせるものであり、とても後ろ向きのものだと言える。
食事は全く標準的なホテルの宴会料理であり、失望させるようなものであって心に残るようなものではない。サー
ビスも同様で陳列品は殆どなく、手際の良さもない(船内のどこでもイタリア人のウェイターを探すのは大変だが、
会社は既にこうしたことを知っているだろう。)。しかしこの会社は、いつも人気のあるおいしいイタリアのパスタ料
理を提供しており、フォーマル・ナイトには蝋燭の明りの灯る夕食が摂れる。しかしワイン・ウェイター(ソムリエ)が
いないのだ!セルフ・サービスのバイキング料理は、とりわけ不味いもので、8大クルーズ客船会社の中で最悪の
ものかどうかは議論の余地があるところだ。
船室は広さにおいて貧弱なものだが、しかし内装は新鮮で陽気だ。そして浴室は大変実用的なユニットになって
いる(引き戸が付いている船もあり、浴室の広さを確保するには素晴らしいものだろう。)。
良いものといえば、様々な公室やラウンジ、バーであり、その多くはかなり寛げる空間を提供している。娯楽やシ
ョーは、船隊の殆どどんな船でも見かける各国からの乗客に合わせられている。Costa Cruisesは、すべての船に
礼拝堂がある唯一の会社で、毎日ローマ・カトリックのミサが執り行われている。Costa Cruiesの親会社、Carnival
Corporationが、1997年にこの会社を買収した。
Holland America Line
1999年に410,000人の乗客を輸送した。多くの他のクルーズ客船会社が、人工芝やその他の敷物を使っている
のに対して、このクルーズ客船会社は、チーク張りの屋外の遊歩甲板をその特色としている。船は大変に清潔で、
よく手入れがなされている。
料理は心に残るものではないが、まずまずのものだ。しかし近年、料理の質、表現、サービスが大変に標準化さ
れたものとなってきており、メニューの豊富さは一見合理的だが、大半が予め包装されたものを使っている。食堂
の給仕の仕方は速過ぎるが親しげであり、望まれる水準からは遥かに遠い意思伝達能力を持つインドネシア人の
ウェイターがいつも微笑んでいる。しかしこの会社は、船上では一日の何時間かはカプチーノやエスプレッソ・コー
ヒー、無料のアイスクリームを提供し、すべてのバーでは熱いオードブルを出している。他の大手クルーズ客船会
社ではしていないか、あるいは追加料金を取っているようだ。
バイキング形式の料理では、Celebrity CruisesやPrincess Cruisesに比べて(柔らかいので高齢の乗客が好む)
缶詰の果物が出されている。しかしCosta CruisesやNorwegian Cruise Lineの船と大体同じ量だろう。
パンフレットにおいてこの会社が「五星」であると主張している船は、間違いであり人を惑わすものだ。船はとても
感じが良く、いくつかのいい、やや取捨選択されたオランダ領東インドや西インド諸島の美術品で、優雅な「気分」
にはさせてくれる。優れたものはといえば、社交ダンスがいつもメニューにあることだ。このことは高齢の乗客には
特に喜ばれている。しかし、多くの微笑んでいるだけの職員との意思疎通にはイライラさせられ、乗客の世話(これ
はHolland America Lineがかってよく分かっていたことだが)は、今では本当に月並みのものとなってしまっている。
スィートと船室はちょうど良い割合であり、よく配備されている。大変快適であり、またHolland America Lineはいい
化粧品セットも用意している。おみやげとしてズック袋が乗客全員に配られるが、これは買物や浜辺に行くときに
は便利なものだ。
Carnival Cruise Linesの親会社、Carnival Corporationが、Holland America Lineのすべてを所有している。
Norwegian Cruise Line
1999年に503,985人の乗客を輸送した。このクルーズ客船会社は、若くて、活動的で、スポーツに関心がある乗
客に良いサービスを提供している。職員の大半はカリブの出身であり、概してヨーロッパ人の職員の比率が高い船
にある手際の良さを持ち合わせてはいない。船室は十分に魅力あるもので機能的だが、最新船では収納室と引
出しは大変に制限されたものとなっている。
食堂の料理は、概して心に残るものではない。しかし堅苦しい食堂で煩わされることよりも「食べて走って」行きた
い向きのために、船隊のすべての船には「居酒屋」があり、安い料金で提供されている。とりわけスポーツ・ファン
は、スポーツ・バーが大変印象に残り、これらの船に乗船したことは若い心を持ったスポーツ・ファンやその熱狂者
にとって、忘れられないものとなるだろう。
娯楽に関しては、プロダクション・ショーは華やかで良く振りつけられたものだが、僅かに軽薄で騒がしく、大変に
エネルギッシュなタイプだ。Norwegian Cruise Lineは、2000年にStar Cruisesに買収された。
Princess Cruises
1999年に613,085人の乗客を輸送した。「ラブ・ボート」として宣伝してきたにも拘らず、Princess Cruisesでは、
Dawn Princess、Grand Princess、Ocean Princess、Sea Princess、Sun Princessの食堂の2人用のテーブルは少な
い。
Princess Cruisesは、かって食堂の食べ物が良いことで知られていた。しかし今日では、全く並みの料理で、全く
心に残らないものだ。悲しいことに、もはやワイン・ウェイター(ソムリエ)はいないのだ。テーブル・ウェイターが現
在、ワインを給仕するものとされている。しかし、略式の食堂の選択の幅は大変に幅広いものとなり、とりわけ
Horizon Courtではそうなっている。
船室は概して気前が良い割合であり(例外、Dawn Princess、Sea Princess、Sun Princess)、合理的によく設計さ
れている。温もりのある内装で実用的な浴室のある、設備の整った快適なものだ。すべての船にはフィリピン人が
乗船しており、その他の船室係員や最前線のサービス区画にはヨーロッパ人の職員がいる。
この会社の寄港地観光プログラムは、ここに記した8大会社の中で一番かは議論の余地がある。娯楽は、品の
あるプロダクション・ショーと通常のキャバレー・ショーという大変に伝統的な傾向にあるが、その音量は忍耐の限
度を超えている。この会社では、他の大きなクルーズ客船会社がしているように多くの追加料金を取ることから、
殆どすべてをクルーズ料金に含むようにしてきている。英国に本拠を置くP&O Groupが、Aida Cruises、P&O
Cruises、P&O Cruises (Australia)を所有しているのと同じように、Princess Cruisesのすべてを所有している。
Royal Caribbean International
1999年に1,882,593人の乗客を輸送した(うち、およそ410,000人がCelebrity Cruisesの乗客)。Enchantment of
the Seas、Grandeur of the Seas、Legend of the Seas、Rhapsody of the Seas、Splender of the Seas、Vision of
the Seasは、以前の船であるMajesty of the Seas、Monarch of the Seas、Sovereign of the Seasよりも、僅かに船
室が広い。
この会社は乗客参加の催物に力を入れており、例えば、乗客隠し芸大会、仮装大会、カントリー・ウエスタン・
ジャンボリーなどだ。すべて簡単に想像のつくものであって、同じプログラムがすべての船で行われている。これは
これまで試され証明されてきたものだからだが、今日では少しばかり「時代遅れ」のものなのかも知れない。
Royal Caribbean Internationalの食べ物は、総じてCarnival Cruise Lineの船と同水準であるが、Carnivalの船の
方が、Celebrity CruisesやHolland America Line、Princess Cruisesと同じく船室が広い。フランス、イタリア、東洋、
カリブ、アメリカが、毎晩の献立のメイン・テーマとなっている。ワイン好きの人は、ワイン・リストにビンテージ(極上
ワイン)がないことを知っておくべきだ(かなり若いワインしか置いていない。)。
船は艫が丸く、すぐにそれと分かる面白い意匠の輪郭で、形の良いものだ。またトレード・マークのViking Crown
Loungeが煙突の周りにあり、煙突の前方にあるかその一部分となっている。広く明るい照明のカジノがあり、どこ
へ行くにも乗客が通過しなければならないショッピング・ギャラリー(売店)も同様に広く明るい。これは最大限の収
益を乗客から、もちろん上品な方法で引き出すために、とても巧みに設計されたものだ。
船上でのサービスに関する限り、商標は合理的に区別されているが、Royal Caribbean Internationalは、
Celebrity Cruisesも所有している。
Star Cruises
1999年に900,000人の乗客を輸送した。この会社は1994年に設立されたばかりのもので、様々な船により構成さ
れる船隊で、多くの国籍やタイプの乗客に食事を提供している。しかしその市場は、基本的には、オーストラリア、
ヨーロッパ(とりわけ英国、ドイツの乗客)、インド、東南アジアである。Star Cruisesはアジア太平洋地域で運航して
いる。
ここは、もともとカジノから始まったもので、この会社は「普通の」クルーズ客船会社に移行する過渡期にある(カ
ジノはここの船の重要な娯楽設備ではあるが。)。12隻保有する計画で、星座の12宮があてられる(現在8隻保
有)。明かに2つのタイプの乗客を対象にしている。すなわち「バルコニー・クラス」と「非バルコニー・クラス」だ。
Star AquariusとStar Piscesは、カジノの博徒を対象に短距離クルーズに就航しており、MegaStar Aries、
MegaStar Capricorn、MegaStar Sagittarius、MegaStar Taurusの4隻は、VIPクラブのメンバーや、個人チャータ
ー・クルーズや、新航路の試験を対象にした小型の良い豪華船だといえる。
新造大型船SuperStar LeoとSuperStar Virgo(7つも食堂があり、アジア人行楽客向けの娯楽が提供される)、さ
らにSuperStar Aries(旧Europa)もすべて良いクルーズ船である。加えて、SuperStar Carpricorn(現在Hyundai
Kumgang)は、Hyundai Cruisesに4年間傭船されている。
Star Cruisesは、スカンジナビア人の航海士用の、傑出した訓練用施設であるシュミレーション・センターを持つ唯
一のクルーズ客船会社である。Star Cruisesの親会社Genting Berhadは、広大な土地を開発して陸上に本拠を置
くリゾートやホテルを所有しているが、娯楽、航空機産業、発電所、石油ガス施設、ゴムや椰子油の農園を含む権
益も有している。
このクルーズ会社は若いが、しかし今や世界第3位のクルーズ客船会社となっている(Star CruisesはNorwegian
Cruise LineとOrient Linesのすべてを所有している。)。サービスの水準や手際の良さは不安定だが、船上でのも
てなしは、多くの異なる民族的背景を持つ人々のために選択できる食事を提供しており、大変に良い。
(注:Star Cruisesの船隊については、多少情報が古くなっています。)
From Douglas Ward, Berlitz
Complete Guide to Cruising & Cruise Ships 2001 (2000)
03/01/13