れいんぼうらぶ


 「へすていあ」「ばるな」両機関長と一緒に、客船埠頭に係船中の「れいんぼうらぶ」にやってきた。近くで見ると、

流石にでかい。国内総トン数では、13,621トンの船だが、国際総トン数に換算すれば3万総トンはある船だろう。

 イルカのマークもご覧の通り健在だ。「れいんぼうらぶ」は、東日本フェリーの子会社、「九越フェリー」が、1997年

から直江津―博多航路で運航していたカーフェリーだが、あんまり豪華に造り過ぎてしまったのか、不採算船だっ

たようで、海外に売却して、代替船の貨物主体のカジュアルフェリー、「ニューれいんぼうらぶ」と交代することにな

っていた。ところが、購入することになっていたギリシャのAnek Lines の経営が悪化し、突然キャンセルされ(正に

ドタキャン)、係船されることとなってしまった。

 ギリシャでは現在、同一航路に数社が競合して航路を開設するなど過当競争状態になっており、2001年は不況

から乗船客が減少して各社は危機的な状況に陥っていた。そうした事情から、Anek Lines は日本の中古船の購入

を諦めたものと思われる。2004年のアテネ・オリンピックを当て込んで新造船のOlimpic Chanpion (32,694 G/T) を

就航させたりしていたが、これも裏目に出たと言えるだろう(米国への2001年9月11日のテロ攻撃はその後の事情

だが、これにより米国人の観光客が決定的に減少し、ギリシャのフェリー、クルーズ客船業界は、正に存亡の危機

にある。)。

 ということで、「れいんぼう」の係船は、テロ事件の余波ではなく、むしろ世界同時不況の影響と見るのが正しい。

 …などと難しいことを書いてしまったが、この船は、別のページで詳しく書いたように2度乗船したことがあり、その

乗船記を掲載したことを切っ掛けに、島根県の塩津小学校の子供たちからEメールやお手紙をもらうなど、私にと

っては特別の存在となっていた。できれば海外に売却して欲しくはないが、そういう訳には行かないのだろう。日本

の会社で使ってもらえないかと思うが、5隻あったクルーズ船も実質上、3隻に減船される不況の日本、この船を使

ってクルーズ事業を行うところなど、そう簡単に現れる訳ないか…。私が始める訳にもいかないし(笑)。

*シャトルハイウェイラインにより、2002年7月より横須賀―大分航路に就航するという情報もある。

ギャングウェイ

 いざ乗船。ところが入口はご覧の通り。確かに道坂ではあるものの、殆ど梯子状態だ。以前はマリンガールに迎

えられてエスカレーターで乗船したが、そのマリンガールは現在就航している「ニューれいんぼう」には乗船していな

い。悲しいことだ。ロープにしがみついて、よじ登る。


船内

車輛甲板

 そのよじ登って出たところが、この車輛甲板。「へすていあ」「ばるな」と殆ど同じだ。広い。

 エレベーターで、かってのBデッキに上がる。照明は消えていて真っ暗。しかし、高感度フィルムとストロボのおか

げで、明るく写った。自販機なども取り外され、寂しい。しかし、映画の「タイタニック」や「海の上のピアニスト」のよ

うに、以前の豪華客船が変わり果てていたという程のものではなかった。掃除をして少し整備すれば、すぐにも使

えそうだった。

エントランス・ホール

 この船に乗船されたことのある方ならば、正面の階段を上ると、カフェテラスがあり、その奥に感じのいいレストラ

ンがあったことを覚えていることだろう。

 これはその階段を降りたところにある、案内所前。この船に初めて乗船したのは、博多発の便。あの時は台風の

通過直後で、天気は良いものの、揺れたっけ。その後、直江津発の便で博多に行ったときは、久留米の陸上自衛

隊の隊員達と一緒で、その為かどうかは知らないけれど、「ブリッジ見学」は中止で、結局ブリッジは見学したことが

なかったな。そんなことを考えながら、船内を見て歩いた。


船橋

船員食堂

 しかし、係船中と言えどもエンジンは動いており、係船要員がいる区画は活きている。英国BBCのコメディに「宇

宙船レッド・ドワーフ号(Red Dwarf)」というシリーズがあるけれど、係船中の男所帯の船内は、「レッド・ドワーフ号」

みたいな感じかも知れない(笑)。船員用船室を覗くと、やはりここでもパソコンと格闘中だった(笑)。世の中皆パソ

コンのようだ。

事務室

 しかし、男所帯といっても船内はすっきりと整頓されていた。もっともあの「レッド・ドワーフ号」にも、クライデンとい

う、執事のような、掃除・洗濯が大好きなロボットが乗船していたけどね。

操舵室

 こちらが「操舵室」。係船中ではあるが、三度目の正直で、何とか「ブリッジ見学」を果たした。内部は、先ほどの

「へすていあ」「ばるな」とほぼ同じだ。

 神棚は付いてはいるが、特に正月用の飾りつけはなし。右に見えるのは、「九越フェリーのカレンダー」。

 船橋の右舷には、上の棚に信号旗が並べてあった。このソファーはパイロット用のものかも知れないが、考えて

みれば、どの船も同じような構造になっているような気がする。

 こちらは左舷。左に見えるのが、「へすていあ」、右が「ばるな」だ。手前の流しにはコーヒーメーカーがあり、盆栽

などが置かれていたりするが、そう言えばどの船もコーヒーはこちら側にあるのでは(外船も含めて。)。詰まらぬこ

とを発見して喜んでいた。

エンジンコントロール

 しかし、エンジン・コントロールには、「閉鎖中」の張り紙が。これが係船中ということなのだろう。名残惜しいが、

これで「れいんぼうらぶ」を後にすることにした。

 車輛甲板のハッチ。豪華フェリーもサービスを終了すれば、こうなってしまうらしい。苦笑しながら、殆ど垂直のギ

ャングウェイをつたって埠頭に降りた。「れいんぼうらぶ」に乗船するのは、これが最後だろうか。これはちょっと分

からないが。


れいんぼうらぶ

Rainbow Love

13,621 G/T (Japanese domestic grt)

Entered Service: February 1997-2001

Builder: Mitsubishi Heavy Industries

Length: 196m

Beam: 27m

Draft: 6.70m

Pass. Capacity: 450


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そこで、著作権の主張は致しません。

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02/06/19