クルーズ客船の評価について
よく「ファイブ・スターの名船」とか、「スリー・スターの船では」といった言葉を耳にすることがあっても、その具体的
な内容については、ご存知ではない方が多いのではないだろうか。これはダグラス・ワードさんのクルーズ客船の
評価のことで、ベルリッツ社から毎年出版されているガイドブックに評価が掲載されている。ここではクルーズ客船
の評価の基準について述べている個所を、2001年版のガイドブックから引用して紹介することとしたい。
この本の構成は大きく二つに分かれており、第一部の「クルーズの世界」ではクルーズに関する一般的な情報が
網羅され、第二部の「クルーズ客船と格付け」ではクルーズ客船のデータの他、船内設備やクルーズの体験につい
て、具体的に、しかもプラスの情報のみならず、マイナスの情報についても客観的に書かれている。感心するのは
船会社の広告が一切掲載されていないことと、写真が殆ど無く、文字による情報が極めて豊富である点、ページ数
が600ページを超える本であるにも関わらず、定価が$21.95(2001年版の場合)と、廉価である点だ。全訳の日本
語版が出版されないのは、船に対する辛辣な評価に、日本の船会社、旅行業者が堪えられないからなのかも知れ
ない(笑)。アマゾン・ドット・コムでは割り引き販売しているので、是非一読をお勧めしたい本だ。
Douglas Ward, Ocean Cruising & Cruise Ships 2003 (2002)
どのようにして船を評価しているか
私は1980年以来、クルーズ客船の評価と格付けを行い、職業としている。加えて、少数の訓練された「プロの乗
船客」のチームからも定期的な報告を受けている。格付けは今日の外航クルーズ客船のすべてについて、国際的
に通用する予め定められた基準と点数によって、全く客観的に行われているものだ。
本当に「世界一のクルーズ・ライン」とか「最高のクルーズ客船」というのはなく、貴方にピッタリの船とクルーズが
最高の船であり、クルーズだ。それゆえ、違った基準が世界中の違った大きさ、スタイル、市場の船に当てはまる
ことになる。装飾の異なる似通ったサイズの非常に多くの新造船があるので、ダイニングでの体験の水準やクルー
ズでのサービスやもてなしに、より力点が置かれることになる。
この章には本書が書かれたときに就航していた256隻の外航クルーズ客船を収録している。最も新しい船を除い
た殆ど全ての船は、私のクルーズの体験やチームからの報告に基づき、400以上のチェック・ポイントにより、慎重
に評価されたものだ。分かり易くするために、最終的な点数は、まず20の項目に分け(それぞれの項目につき100
点、総計2000点満点)、そして読者の便宜を考え、5つの大きな項目に分けている。
クルーズ・ライン、船主、及びオペレーターは、この格付けを株価のように注目すべきだ。格付けは競争の激化
や、より顧客に好まれる設備を備えた新造船の投入や他の市場や乗船客の要素によって、毎年下がりもすれば、
上がりもする。
格付けは、ハード・ウェアである船の設備よりは、ソフト・ウェアである乗客に提供されるクルーズの水準が、より
反映される。であるから、船が最新のものでデザインや装飾が世界一であったとしても、食事やサービス、スタッフ
やもてなしが良いものでなければ、点数と格付けは、これらの側面をより明らかに反映したものになる。
各ページの上部の船名の脇に添えられた星は、総合的な格付けを表している。最も高い評価はファイブ・スター
(★★★★★)であり、最も低い評価はワン・スターである。この方式は接客業において世界的に認知されているも
のだ。プラス(+)は、その船が星をもう一つ獲得するには少し足りないことを示している。しかしながら、総合点よ
りは星の数の方が、多分、船を比較するのには有用であろうかと思う。
格付けの意味するところ
1851点―2000点 ★★★★★+
最高の贅沢なクルーズ体験が期待できるだろう。実際、これ以上のものはないのだ。本当に心に残る、隅々にま
で心配りのなされた、手際の良い、個人的なサービスがなされるに違いない。装飾はエレガントで上品なもので、き
らびやかではなく抑制の効いたものでなければならず、公室のレイアウトは風水の原則に合致したものだろう。こ
のクラスの船は、クルーズ産業界で卓越した存在でなければならず、それに見合ったサービスともてなしのある、と
ても特別なものでなければならない。とても高い水準の環境、快適さ、サービス・レベル、最高で新鮮な食材で、全
てのパンとロールパンは船上で焼かれたものでなければならない。高度に創造的なメニューとダイニングは選択の
幅が広く、バラエティーに富んだものでなければならない。そして特別の注文はダイニングの作法の一つになって
いることだろう。ダイニング・ルームの食事(とりわけディナー)は、申し分のない、心に残る出来事で、最上の陶器
で正しく給仕され、ワインの選択は適切で、正しい大きさのグラスで給仕されることが求められる。サービス・スタッ
フは本当に個人的な、それでいて控えめで手際のいいサービスで貴方を喜ばせてくれるだろう。そして「ノー」という
言葉は彼らの辞書に絶対にあってはならない。これは、船上での洗練された型にはまらない生活の本当に最高の
もので、そして貴方の銀行の預金通帳にかなりの損害を与えるかも知れないものでもあるのだ。
1701点―1850点 ★★★★★
極めて心に残る本当にすばらしいクルーズの体験が期待できるだろう。そしてそれは手際の良い、支払った金額
に見合った細かいところにまで配慮の行き届いたものだろう。サービスともてなしの水準は、とりわけもてなしの訓
練において、すべてのオフィサーやスタッフの中で際立って高いものだろう。食事とサービスは高い水準と釣り合っ
たものであり、そしてその高水準は配慮が行き届いているが控えめな、実際に可能な最高のものなのだ。食事は
十分な味で至極心に残るものでなければならない。特別の注文は決して問題が生じるようなものであってはなら
ず、とても高い水準の創造的な料理でなければならない。ワインの選択は多彩なものでなければならず、それは正
しい大きさのグラスで適切に給仕されるべきものなのだ。エンターテインメントは申し分のない内容で、バラエティー
に富んだものであることが求められる。また、このクラスの船に乗船するスタッフの誰の辞書にも、「ノー」という言
葉はあってはならない。この高いクラスの船によるクルーズは、貴方の銀行の預金通帳に損害を与えるかも知れ
ないが、とりわけ最も広いグレードの客室を選んだ場合はそうなることだろう。
1551点―1700点 ★★★★+
上質のクルーズの体験が期待でき、それは至極心に残るものではあるが、全ての面で優れているというには少
し足りないところがあるだろう。個人的なサービスと細かなことへの心配りが、多分僅かに優れているに過ぎないだ
ろうが、それにも関わらず、いいクルーズの体験が得られるだろう。つまり極めて清潔かつ快適で、滅多にない親
切な個人的なサービス、エンターテインメントの水準の高いクルーズだ。料理とサービスはとても洗練されたもの
で、上質の陶器で提供される新鮮な食材とバラエティーに富んだメニューは、まず誰にも気に入れられることだろ
う。要するに、これはよく洗練されたクルーズの体験が得られるもので、恐らく船は新造船か、殆ど新しいものであ
ろう。
1401点―1550点 ★★★★
とてもいい水準のクルーズの体験が期待でき、多分、モダンでとても快適な船が、いい設備とサービスを提供す
ることだろう。食事は、明らかに「グルメ」向きのものではなく、サービスは貴方が信じていたかも知れないパンフレ
ットにある作り物の笑顔ではあるものの、概して極めて上品だ。船上でのサービスは、時折少々ロボットのようで人
間味に欠けることがあり、クルーズ・ラインが訓練しているプログラムだけが良いものではあるが、よく組織化され
ていることだろう。しかしながら、いいひとときを過ごすことが出来、貴方の銀行の預金通帳に与える損害はまぁ、
月並みのものに違いない。
1251点―1400点 ★★★+
上品なクルーズの体験が期待できるだろう。船のサービスのレベルは、良いものではあるが、しかし多分、より高
級な環境で期待される手際の良さに欠けることだろう。この点数の船に乗船するクルーは、点数を上げるために
は、もてなしと乗客の必要とする世話を喜んでする点で、積極的な態度をとる必要がある。細かなことへの心配りと
柔軟性の点で、スタッフの訓練が多分必要であろう。ダイニング・ルームの食事とサービスのレベルは適切ではあ
るが、特別の注文や通常と変わったことには、少し難しい点があるかも知れない。
1101点―1250点 ★★★
月並みに上品な、中庸のクルーズの体験が期待できるだろう。船内設備の広さと質は、月並みのものだろう。船
室は少し狭いものとなろう。食事とサービスのレベルはまずまずのものだが、全てが規格化されていて、特別の注
文に関しては少しばかり杓子定規なところがあるだろう。クルーの態度は疑いも無く改善の余地があり、もてなしと
清潔さのレベルは、穏当だがやや物足りなく、エンターテインメントは多分、貧弱なものだろう。しかし、堅苦しくない
自宅にいるような快適さを求める向きには、良い船で、預金通帳に損害を与えることは殆どないだろう。
951点―1100点 ★★+
宿泊設備、品質、食事、サービス、そしてもてなしのレベルの点で低い水準のクルーズが期待できるだろう。環境
は全く気取りの無いものだ。とりわけ、食事とそのサービスは、多分失望させるもので、むしろ道端の典型的なカフ
ェの水準だろう。サービス、もてなしの水準の点で柔軟性が殆どなく、スタッフの訓練は貧弱も同然と言うべきだろ
う。それゆえ総じてクルーズの体験は、支払った低料金に見合ったものとなることだろう。
801点―950点 ★★
質素なクルーズが期待できるだろう。船は多分、メンテナンスとサービスのレベルの点でより注意を払う必要があ
り、もてなしについては言うまでもない。食事は本当にまずく、均一化されたもので、質は低く、サービスはせいぜい
可もなく不可もなくといった望まれる態度からは遠く離れたものとなろう。スタッフの訓練は僅かなもので、人の入れ
替わりは頻繁だろう。「埠頭の外れでなされているような」エンターテインメントを見るよりは、良い本でも読んでいた
い気分になることだろう。
651点―800点 ★+
殆ど初歩的なクルーズの体験が期待できるだろう。細かなことへの心配りは殆どなく、多分、低賃金で雇われた
満足な訓練を受けていないスタッフからは、貴方は物のように扱われるだろう。船は多くの場合、かなりの修繕とグ
レード・アップが多分必要で、設備は殆どないだろう。清潔さと衛生状態はかなり怪しいもので、個人的なサービス
の手際良さは全くなく、クルーの態度は酷く、見るに耐えないエンターテインメントがなされ、それは低い点数と評価
の重要な要素となることだろう。他方、クルーズの料金は、おそらくとても安価なものだ。
601点―650点 ★
もてなしの殆どない酒樽の底のようなクルーズの体験が期待できるだろう。細かなことへの心配りなぞ忘れること
ができる。これは最も基本的なモーテルにいるのと同じような種類の経験だろう。設備は殆どなく、多くの人がもて
なしがないことに耐えることとなる殆ど訓練を受けていない気の利かないスタッフ、船は修繕とグレード・アップが
必要だろう。このクラスのクルーズ客船のクルーズは費用が安いため、全く品質のないものとなる。このことはとり
わけ食事、サービス、エンターテインメントの分野に現れる。別の言葉で言えば、これは全く忘れても構わないよう
なクルーズの体験となり得るのだ。
格付けと評価は次の5つの分野に渡る。以下、重要な点について述べる。
1)船 2)宿泊設備 3)料理 4)サービス 5)クルーズの体験
1)船
この分野には全体の25%が配点される。
ハード・ウェア/メンテナンス/安全性
この点数は以下の点を反映している。ハードウェアとしての船の一般的なプロフィールと状態、船齢とメンテナン
ス、船体の状況、外部の塗装、床材と水漏れ防止、プールとその周辺、デッキの調度品、テンダー・ボート、救命ボ
ート、救命いかだ。また内部の清潔さ(化粧室、エレベーター、床の敷物、壁紙、階段、通路、出入り口)、調理室、
冷蔵庫、生ごみの処理、保管、焼却、ごみ処理施設も点数に反映される。
屋外の設備/広さ
この点数は以下の点を反映している。オープン・デッキの乗客と広さとの比率、混み具合、プール・ジャグジーと
その周辺、リド・デッキ、デッキの長椅子の数と種類(クッションがついているか否か)、デッキの他の調度品、屋外
のスポーツ設備、シャワー室、更衣室、タオル、(音楽のない)静かな場所。
屋内の設備/広さ/人の流れ
この点数は以下の点を反映している。立ち入り禁止の通路を含む屋内のパブリック・スペース、乗客の流れと混
雑の程度、天井の高さ、ロビー、階段、全ての乗客用通路、エレベーター、公室と設備、標識、明るさ、エアコンと
換気装置、快適さと混雑の程度。
装飾/調度品/美術品
この点数は以下の点を反映している。インテリアの装飾と配色、ハードとソフトの造作、木製のパネル(本物か、
イミテーションか、化粧板か)、絨毯(ふさの密度、色、実用性)、ふさわしさと仕上げ(縫い目と縁取り)、椅子(快適
さ、高さ、支柱)、天井と装飾の処置、反射面、美術品(絵画、彫刻、アトリウムの中央装飾)、明るさ。
スパ/フィットネス設備
この点数は以下の点を反映している。すべての健康スパ、健康センター、フィットネス設備、位置と入り易さ、明る
さと床材、フィットネスと筋力トレーニング・マシーンとその他の器具、フィットネス・プログラム、スポーツと遊戯設
備、屋内プール、ジャグジー、グランド・バス、アクア・スパ、サウナ、スチーム・ルーム、垢すり、マッサージ、その他
の治療室、気分転換用設備、ジョギング、ウォーキング・トラック、プロムナード。
2)宿泊設備
この分野には全体の15%が配点される。
スイートとデラックス・グレード
この点数はスイートとデラックス・グレード・キャビンのすべてのグレード、プライベート・バルコニー(床から天井ま
での間仕切り、部分的な間仕切り、バルコニーの明るさ、バルコニーの調度品)のデザインとレイアウトを反映して
いる。また、ベッド・寝台、家具(その配置、実用性)、その他の備品、クローゼットと洋服を吊るすスペース、引出し
のスペース、ベッドサイド・テーブル、鏡台、浴室の設備、洗面台、洗面用具入れ、明かり、エアコン、換気、オーデ
ィオビジュアル設備、贅沢さの質と程度、美術品、隔壁、騒音、振動のレベルも然りだ。スイートは寝室と居間とが
完全に分離していてはいけないものではない。ご注意、最近の大きな船の中にはデッキの全てが上級の客室に当
てられていて、この種の客室とスタンダード・キャビンとの差が大きくなってきている。
この点数はまた案内書(サービス一覧)のような細かなものも反映する。紙と絵葉書(個人専用の文房具を含む)
電話帳、洗濯物リスト、お茶やコーヒーを入れる器具、花(もしあれば)、果物(もしあれば)、浴室の個人用のアメ
ニティ・キット、バスローブ、スリッパ、そのサイズ、厚さ、品質、タオルの材質。
スタンダード・サイズ
この点数は以下の点を反映している。デザインとレイアウト(アウトサイドかインサイドか)、ベッド・寝台、家具(そ
の配置と実用性)、その他の備品だ。また以下の点も反映している。クローゼットと洋服を吊るすスペース、引出し
のスペース、ベッドサイド・テーブル、鏡台、浴室の設備、洗面台、キャビネット、洗面用具入れ、明かり、エアコン、
換気、オーディオビジュアル設備、備品の質と程度、美術品、隔壁、騒音、振動のレベル。
この点数はまた案内書(サービス一覧)のような細かなものも反映する。紙と絵葉書(文房具を含む)、電話帳、
洗濯物リスト、お茶やコーヒーを入れる器具、花(もしあれば)、果物(もしあれば)、浴室の個人用のアメニティ・キ
ット、バスローブ、スリッパ、そのサイズ、厚さ、品質、タオルの材質。
3)料理
この分野には全体の15%が配点されるが、料理はしばしば今日のクルーズの目玉であり、とても重要なものだ。ク
ルーズ・ラインは、いかに料理が良いかを、乗客に最大限の力説をしているが、それはしばしば約束通りのサービ
スをするのが不可能と言ってもよい程のものとなっている。概して料理の水準は良いものだ。大雑把な言い方をす
れば、「もし貴方が良いレストランで食事をするとしたら、何を期待するだろうか。その船は貴方の期待に応えるも
のだろうか。食事のためもう一度乗船したいと思うだろうか。」ということになる。
多分、乗客の数だけ違った味の好みがある。「スタンダード」の市場を対象にしたクルーズ・ラインは味覚の範囲
が広いものであるのに対し、より高級なクルーズ・ラインは、より良い品質の料理を提供し、貴方好みに調理してく
れることができるだろう。
ダイニング・ルーム/料理
この点数は以下の点を反映している。ダイニング・ルームの構造、窓の手入れ、座席の設備(小部屋と個人用の
椅子、肘掛があるか否か)、明るさと雰囲気、テーブルの一式、リネン製品の質と状態、陶器とスプーンやフォーク
などの食事用器具、テーブルの中央装飾物(花)。また、メニュー、料理の質、プレゼンテーション、料理のとり合
せ、料理の創造性、バラエティーさ、デザインのコンセプト、魅力、味、質感、口に合うこと、新鮮さ、彩り、バラン
ス、付け合わせ、盛り付け、食前酒、スープ、パスタ、テーブル・サイド・クッキング、新鮮な果物とケーキ、ワイン・リ
スト(権威あるワイン・リスト)、価格の範囲、ワインのサービス。
インフォーマル・ダイニング/ビュッフェ
この点数は以下の点を反映している。ハード・ウェア(ホットあるいはコールド・ディスプレー・ユニット、くしゃみ除
け、鋏、アイス・コンテナと柄杓、給仕用器具)、ビュッフェの飾り付け(全く失望させられたりお仕着せになったりし
ていないか)、プレゼンテーション、お盆と一式、正しい料理の温度、料理の分類、朝食、昼食、デッキ・ビュッフェ、
ミッドナイト・ビュッフェ、夜食、氷像彫刻のような飾り付け、スタッフの態度、サービス、コミュニケーション技術。
食材の質
この点数は以下の点を反映している。使われている食材の質、調和と一人前の量、肉、魚、鶏肉の等級、クルー
ズ・ラインが一日当たり乗客一人当たり食材に支出した価格。食材の質は味同様、見た目や品質を大きく左右す
る。またお茶やコーヒーの質も含まれる(より良い品質の船は、より良い品質のお茶とコーヒーを提供することが求
められるものだ。)。
お茶/コーヒー/バー・スナック
この点数は以下の点を反映している。提供されるお茶とコーヒーの品質とバラエティーさ(アフタヌーン・ティー、コ
ーヒーとそのプレゼンテーションを含む)、マグかカップか、そして受け皿は提供されるか、牛乳は正しいオープン・
コンテナか密閉されたパックで給仕されているか、セルフ・サービスか丁重に給仕されるか。ケーキやホットケー
キ、パイのようなものの品質、バーラウンジのスナック菓子、ホットかコールドのカナッペ、オードブルもまた、この
項目を形成する。
4)サービス
この分野には全体の20%が配点される。
ダイニング・ルーム
この点数はレストラン・スタッフのプロ根性を反映している。すなわち、メートル・ドテール、ダイニング・ルーム・マ
ネージャー、給仕長、ウェイターとバスボーイ、そしてソムリエとワイン・ウェイターだ。セッティングや正しいサービス
(正しい側からの給仕)、コミュニケーション技術、態度、垢抜けていること、服装のセンス(制服)、そして手際の良
さも含まれる。ウェイターは乗客が右利きか左利きか、テーブルの場所に気が付くべきであり、スプーンやフォーク
などの食事用器具とグラスが正しい場所に置かれているか確かめるべきだ。刃物類とワイングラスもまた然りだ。
バー
この点数は以下の点を反映している。明るさと雰囲気、バーとラウンジのサービス全体、騒音のレベル、(バー
テンダー、バーのスタッフ、乗客との)コミュニケーション技術、スタッフの態度、人となり、垢抜けていること、手際
の良さ、グラスの正しい使用(正しい大きさのグラスであることも)、(船内で料金が生じ)請求書を発行するときの
請求書作成とその態度。
船室
この点数は以下の点を反映している。清掃係とハウスキーピング・スタッフ、(ペントハウスとスイートの乗客の為
の)執事、キャビン・スチュワード、スチュワーデスとその監督スタッフ、細かなところと清潔さへの心配り、ルーム・
サービス、リネン製品やバスローブの交換、言葉(語学)とコミュニケーション技術。
オープンデッキ
この点数は以下の点を反映している。オープンデッキでのスチュワード、スチュワーデスの飲み物と食事のサー
ビス、デッキの長椅子のタオルの配置と取替え、セルフサービスのタオル、使用済みのタオルを入れる容器を空に
していること、デッキの全ての備品が整頓されていること、標準ではない時間(例えば夜や早朝)のサービスの有用
性。
5)クルーズの体験
この分野には全体の25%が配点される。
エンターテインメント
この点数はエンターテインメントのプログラムと、特定の乗客を想定している内容の全体を反映している。クルー
ズ船のエンターテインメントは幅広い年齢層と様々なタイプの乗客にアピールするものでなければならない。ステー
ジ、技術支援、照明、スポットライトの操作やセット・背景のデザイン、音響・照明のシステム(レーザー・ショーも含
む)、録音された音帯と全ての特殊効果、スケールの大きなプロダクション・ショーの豊富さと質(ストーリ、筋、内
容、繋がり、衣装の創造性、適切さ、品質、振り付け、ボーカルの内容も含む)、演奏、バラエティー・ショー、歌手、
ビジュアル・アクト、バンドとソロの音楽家。
催物
この点数は日中の催物・イベントの豊富さ、質、量を反映している。格付けはクルーズ・ディレクターとクルーズ・
スタッフ(彼らの注目度、有用性、能力、プロ根性も含む)、スポーツ・プログラム、乗客参加のゲーム、特別な関心
のあるプログラム、港や買い物の講義、心豊かにする講義をも含むものだ。
また積み込まれたあらゆるウォーター・スポーツ用具(バナナ・ボート、ジェット・スキー、スキューバ用のタンク、シ
ュノーケル用の器具、ウォータースキー・ボート、ウインドサーフ用のボードを含む)、インストラクション・プログラ
ム、スタッフの監督、(通常は船尾にあるか)側面にある伸縮自在のウォーター・スポーツ用のプラットホーム、(も
し当てはまるのならば)立ち入り禁止の遊泳区域も点数に反映される。
映画/テレビ番組
この点数は以下の点を反映している。船の劇場で上映される映画、これにはスクリーン、映像、音質が含まれ
る。船室内のテレビで上映されるビデオ、船独自のテレビ局のプログラムを含む他の放映プログラム、内容、エン
ターテインメントの価値。船室内のテレビ音声チャンネルもこの項目に含まれる。
もてなしの水準
この点数は、クルーのもてなしの水準と細かなことへの心配り、そして個人的な満足感が反映される。それは上
級のオフィサー、中間管理職、支配人、クルーズ・スタッフ、一般のクルーの、社交性、体裁、ドレス・コードあるい
は制服、雰囲気、モチベーション、コミュニケーションの技術(とても重要)であり、一般的な雰囲気と心配りを含む
ものだ。
約束されたサービス全体の実現
この点数は、休日の体験としてのクルーズ全体の質―すなわち乗船して受けたサービスに対して期待した、パン
フレットに書かれ、そして(実際にあるいは言外に)約束していたことの実現が反映される。
格付けの結果―著者の覚書
クルーズ客船の評価と格付けは当然ながら、困難かつ、より複雑なものとなってきている。船が可能な限りの最
新のハイテク設備を備えた最も新しいものだったとしても、乗客は、船の料理とサービスにしばしば失望させられた
と繰り返し言い続けているのだ。
クルーズ・ラインは、乗客は喜んで安い料金に見合った料理を受け入れると言って、自己弁護する。この態度は
次のような結果を招くだけだ。つまり、料理の質、新鮮さ、豊富さ、創造性、プレゼンテーションの急速な低下。サー
ビス、職員の質、クルーの訓練、安全性、メンテナンス、他の関連事項の急速な低下もまた然りだ。
(料理の質、クルーの賃金、その他の細かい事項の)削減は、しばしばクルーズ・ラインによって、乗客が気が付
かないだろうとの希望をもって行われる。しかし最終的には、評価を下げた偉大なる得点表において、点数を上げ
ることは殆どないのだ。
格付けは、クルーズ・ラインが自社のサービスに注意を払い、自社の収益を産み出す乗客の声に耳を傾け、適
正な料金ならばこの「金を出す価値のある」良い休日の長期的な成長に貢献する筈であるのに、クルーズの休日
の体験において現在は欠けている、幾つかの事項と手際を元に戻すことを意図している。
(Douglas Ward, Berlitz Complete Guide to Cruising & Cruise Ships 2001,126-131 (2000)より)
01/08/12