ガリンコ号Uで迎える21世紀 (GARINKO 2)
「明けましておめでとうございます。」船旅ファンの皆様におかれましては、どのようにして21世紀を迎えたことでし
ょうか。私は、迷った挙句、やはり船上で初日の出を迎えることにしました。このページでは、北海道はオホーツク
海に面する港町、紋別で迎えた新年の模様をご紹介することに致します。
ガリンコ号U(GARINKO 2)
ガリンコ号U(Garinko 2)
ということで、いきなり「ガリンコ号U」である。真っ赤な船体が、Murmansk Shipping のЯМАЛ (Yamal) のようで
かっこいい、と書くと少々誉め過ぎになるが、流氷砕氷船は珍しいだろう。
ガリンコ号の乗り場は、紋別市街から5キロ離れた「ガリヤ・ゾーン」という地域にある。ここには、アザラシだけを
飼育している「オホーツクとっかりセンター」や「北海道立オホーツク流氷科学センター・ギザ」、「オホーツク健康プ
ール・ステア」等があり、「ガリンコ号ステーション」からは、「クリオネ・プロムナード」が延び、その先に「氷海展望塔
オホーツクタワー」がある。
「ガリンコ号ステーション」には、ご覧のガリンコ号の模型が展示されていた。左に見えるのが、「初代ガリンコ
号」。こんな説明がついていた。
「ガリンコ号」は当初アラスカの油田開発作業用に水陸・氷上を移動できるよう設計・開発されました。幾多の実
験を重ね、ユニークなアルキメディアン・スクリューを備えた新型式砕氷船として、昭和56年12月に建造・進水しまし
た。その後予定された全ての実験作業も終了し、三井造船(株)より紋別市が借り受け旅客船に改造、「ガリンコ
号」と命名。昭和61年より冬季観光の主役としてデビュー、10年間で約8万人が乗船しました。」
ガリンコ号Uはそれをさらにパワー・アップして、1997年1月20日に就航した。総トン数150G/T、航海速力10.4kn
の流氷砕氷船だ。
本来ならば、この後乗船のシーンになるはずなのだが、実は前日、紋別地方は大荒れだったとのことで、船上で
の「初日の出」イベントは中止になっていた(ええっ!)。そこで、オホーツクタワーに会場を移して「イベント」となっ
た(ちょっと、それってどういうこと?)。
オホーツクタワー (OKHOTSK TOWER)
オホーツク・タワー(Okhotsk Tower)
これが「オホーツクタワー」。手前の掲示に「落ちたら死にます」とあるが、確かにそうだ(笑)。海に突き出るよう
にして建てられており、高さは38.5m、海面下には「海底自然観測室」もある。写真では分からないかも知れない
が、凍える寒さだ。
紋別港(Port of Monbetsu)
紋別の町並み。「紋別」はアイヌ語の「モウペット(静かな川)」が名称の由来だ。オホーツク海に面した北洋漁業
の根拠地。人口は3万人程。ご覧のようにオホーツクの海の色は、青というよりは緑に近い。そろそろ日の出だ。
オホーツク海(Sea of Okhotsk)
紋別の2001年1月1日の日出は午前7時2分とのことだった。もう7時2分なんだけれども、日は昇ったのかな。どさ
くさに紛れて、夜が明けてしまった(笑)。この地に流氷が接岸するのは、例年1月の下旬とのこと。まだ、流氷は見
えない。
本来は船上で行われるはずだった、「鏡開き」。このあと枡酒が振舞われた。先を争って酒にあり付こうとする人
がやはりいたが、こんなところで本性が現れるもの。皆さんはいかがだろうか。私はもちろん、控えめでしたよ
(笑)。
お雑煮(Zouni)
さらに「お雑煮」も振舞われた。「お雑煮」は、関東風が「澄まし仕立て」で、関西風が「白味噌仕立て」が定番であ
るが、これはそのどちらでもない、ちょっと変わった「第三のお雑煮」だった。机はなく「立ち食い」だったので、この
写真は人込みの中、床において撮影するという、正に「決死的」なものだった(私は何を苦労しているのだろう)。湯
気の上がり具合から、寒さを連想して欲しい。
タワーの中は、海底自然観測室(B1F)、エントランスホール(1F)、流氷観測室・映像ホール(2F)、氷海展望ラウ
ンジ(3F)がある。最近は台湾や香港(中国)、韓国からも観光客を呼ぼうという動きがあるらしい。
この界隈は火山や地震とも無縁の地域であり、その点で日本では珍しい地域とも言える。噴火や震災の心配が
ほとんどないので、来るべき「東京地震」を前に移住を考えてみるのもいいかも知れない。ただ、寒いのが難点。
アザラシ(A seal)
タワーに通じる「クリオネ・プロムナード」には、アザラシがいた(ゴマちゃんランド)。しかし、このアザラシ君が漬か
っている水(海)は凍るような冷たさだった。多分、私達とは考えていることや感覚が違う動物なのだろうね(笑)。
ガリンコ号U(GARINKO 2)
ガリンコ号U(Garinko 2)
そうそう、主役になるはずだった、ガリンコ号Uを忘れてはならない。これがその全景。左にちらりと見えるのが、
「ガリンコ号ステーション」だ。もっと近づいてみよう。
船首(Bow)
まずは船首部分から。アルキメディアン・スクリューが2基登載されている。実は網走にも「おーろら号」という流氷
砕氷船が就航しているが、そちらにはこうした砕氷ローターは登載されていない。このユニークさがガリンコ号Uの
人気の秘密だろう。ただ小さい船なので、少し海が時化るとすぐに欠航になってしまうとのこと。乗ってみようと思わ
れた方は、そのつもりで挑戦を。
アルキメディアン・スクリュー(Ice Breaker)
アルキメディアン・スクリュー。『サンダーバード(Thunderbirds)』の「ジェットモグラ(Mole)」を連想してしまう。これで
ガリガリやりながら流氷の海を進むのは面白いだろう。まさに「ガリンコ」だ。
乗船口には、こうした看板が用意されていた。真中の穴から顔を出して記念撮影する無邪気さは、今の私にはあ
りません(笑)。
ガリンコ号Uの旅客定員は195名。しかし予定通りに「初日の出クルーズ」が実施されたとして、この船の中で雑
煮を食べるのは、ちょっと大変だったかもしれない。
船尾(Aft)
ガリンコ号Uは、冬季ばかりではなく、夏季も運航している。夏は「釣ざんまいクルーズ」や「ホタテ漁ウオッチン
グ・クルーズ」、「カニ食べ放題クルーズ」や「ランチ・クルーズ」も用意しているとのことだ。
紋別プリンスホテル (MONBETSU PRINCE HOTEL)
紋別プリンス・ホテル(Monbetsu Prince Hotel)
さて、「紋別セントラル・ホテル」とご覧の「紋別プリンス・ホテル」が、紋別の大手のホテルと言えるだろう。手元に
ある資料によると、「紋別プリンス・ホテル」は1989年の開業。1993年に増築をしている。地上6階、地下1階のビジ
ネスホテルだ。紋別港を一望できる。
これは、そこの「バイキングおせち」。ホテルの料理というよりは、紋別の家庭の料理という感じだった。ここのお
雑煮も変わっていて、さっきの雑煮とは流派が違う。そばの汁に餅を浮かべたような雑煮だった。
土産物をざっと見る。こんな感じ。写真だけ撮って、買ったつもりになっている私は、相当なケチだな(笑)。
厳島神社(MONBETSU ITSUKUSHIMA SHINTO SHRINE)
厳島神社(Monbetsu Itsukushima Shinto Shrine)
紋別の「厳島神社」に初詣をする。「厳島神社」と言っても、宮島の「厳島神社」とは随分感じが違う。港町では、こ
の「厳島神社」の他、「住吉神社」、「金刀比羅宮」が定番の神社といえるだろう。
朝日(The Rising Sun)
振りかえると、朝日が昇っていた。何とか21世紀を迎えたようだった。映画の『2001年宇宙の旅(2001: A Space
Odyssey)』(1968年)で描かれていた世界は、もっと「未来的」だったが、現実の2001年はこんなものだった。まぁ、
現実とはこんなものなのだろう。では、この辺でオホーツク海(Sea of Okhotsk)からお別れとしよう。今世紀も宜し
く。 (取材2001年1月1日)
Garinko 2
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そこで、著作権の主張は致しません。
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