新日本海フェリーの船旅(SHIN NIHONKAI FERRY)


 日本地図を眺めてみると、日本は関東地方辺りを中心にグニャリと弓状に折れ曲がった形をしていることがよく

分かる。このことから何が言えるか。実は太平洋側をまわるよりは、日本海側をまわる方が短距離で南北に移動

することができる。そして短距離ということは低運賃で移動できることも意味する。このページではその日本海側を

カバーしている新日本海フェリーについて、私なりに紹介してみたいと思う。

 ところで新日本海フェリーは、2000年現在、小樽と新潟・敦賀・舞鶴を結ぶ航路の他に、苫小牧と秋田・新潟・敦

賀を結ぶ航路を開設している。しかし苫小牧・秋田・新潟・敦賀航路は、別のページで詳しく紹介しているので、ここ

では小樽と本州とを結ぶ、正に日本海の航路だけを取り上げたいと思う。便宜上、舞鶴、敦賀、新潟の順に見てい

くことにしたい。なお、情報はすべて2000年現在のものなので、利用される際はその点、注意していただきたい。

*2002年9月に敦賀―小樽航路が廃止され、敦賀―苫小牧東航路に移行しました。また使用船舶にも変更が生じています。


舞鶴(MAIZURU)―小樽(OTARU)

JR東舞鶴駅(JR HIGASHI MAIZURU STATION)

 舞鶴は西と東の二つの町から成るが、フェリーはここ東舞鶴から出ている。東舞鶴はかっての軍港。このJR東舞

鶴駅からフェリー・ターミナルまでは2キロ程あるが、ブラブラ歩いて行ける距離だ。飲食店は海岸に出ると殆どな

いので、何か食べるのならば、駅周辺で済ますことをお勧めする。もちろんフェリー・ターミナルにも食堂はあるが、

カレーライス程度の食事しかできないので、そのつもりでどうぞ。

 舞鶴は正直に言って、あまり元気のある町とは言えない。店の営業が火、木、土というところがあったりするから

驚く(定休日ではない、営業日だ)。西と東では、西の方が大きいだろうか。そんな感じの双子の町だ。

舞鶴(前島埠頭)フェリーターミナル(MAIZURU FERRY TERMINAL)

 これが、舞鶴のフェリー・ターミナル。後ろに見えているフェリーは、「フェリーらいらっく」だ。1階に発券売り場と食

堂。2階が待合室と売店になっている。船好きのあなたならば、外に出て船を眺めているかも知れない。

フェリーらいらっく(FERRY LILAC)

 そんなあなたが撮るのは、たぶんこんな写真だろうか。船全体の写真というのは、中々撮り難いものだ。「フェリ

ーらいらっく」は、総トン数19,329G/T。これは国内総トン数なので、国際総トン数では4万トン級の日本最大級の客

船だ。1984年就航。

特等洋室(SPECIAL CLASS)

 船室は、スイート・ルーム、特等、1等、2等寝台、2等という区分けになっている(この会社のフェリーのすべてに

共通する)。特等と1等の違いは、バス・トイレがついているか否かにあると言っていいだろう。1等以上の船室を確

保すると、快適な船旅を実現することができる。なるべく安くしたい場合は2等寝台がお勧めだ。いずれにしても寝

ている内に移動できるので、宿泊費を節約することができる。

 特等にはこんな感じの専用のバルコニーもついている。これから見ていただくように、新日本海フェリーの船は、

クルーズ船並みの設備を備えている。船内設備を見る限り、フェリーとクルーズ船の差は殆どなくなってきていると

言っていいだろう。CRUISING RESORT という謳い文句は、あながちウソではない。

フォワード・サロン、スモーキング・ルーム(FORWARD SALON/SMOKING ROOM)

 こちらは「フェリーらべんだあ」。「フェリーらべんだあ」は1991年就航の船で、総トン数は19,904G/T。この航路に

就航している「フェリーらいらっく」、「ニューあかしあ」とほぼ同じ大きさの船と言っていいが、この船は中々豪華だ。

 「フェリーらべんだあ」のプール・サイド。贅沢な船旅が、低料金で楽しめる。オープン・デッキでは生ビールやジン

ギスカン料理が楽しめる(夏季のみ)。デッキ・ランチというわけだ。

ラウンジ(LOUNGE)

 これはラウンジ。普段イベントがないのが少々残念。「ショー」でもやっていただけたら、言うことなしだ。

 夕日。船から見る夕日はとにかくきれいだ。船旅ならではの楽しみの一つと言えるだろう。舞鶴・小樽航路は2000

年現在、舞鶴発が23:30発で小樽には翌々日の04:00着。小樽発が10:00発で舞鶴には翌日の17:00着のダイ

ヤ。就航船は、「ニューあかしあ(19,796G/T)」、「フェリーらべんだあ(19,904G/T)」、「フェリーらいらっく

(19,329G/T)」の3隻だ。運賃は6,710円(2等)より。

フェリーらいらっく(FERRY LILAC)


敦賀(TSURUGA)―小樽(OTARU)

JR敦賀駅(JR TSURUGA STATION)

 関西から北海道に向かう場合は、ここ敦賀の方が交通の便が良いかも知れない。フェリー・ターミナルは敦賀新

港に移転し(1996年)、ここから6キロ程離れている。連絡バスが出ている。歩くのは止めた方がいいだろう。

すいせん(SUISEN)

 敦賀―小樽間には、29.4ノットで走る超高速フェリーの「すずらん」、「すいせん」が就航している。共に1996年就

航の船だ。

エントランス・ロビー(ENTRANCE LOBBY)

 3層吹き抜けのエントランス・ロビー。アトリューム(中庭)と言ってもいいだろう。「フェリーも随分立派になったもの

だ。」と感心してしまう。パンフレットによると「すいせんは、人と光の調和をテーマに、くつろぎのある優雅なインテリ

アを追求しました。」とのこと。

プロムナード(PROMENADE)

 船旅好きのあなたならば、こうした空間が一番好きなのでは。実は私もそうで、いつもここで過ごしている。この船

は高速船なので、甲板に出ると風が強い。だからここにいるのがいいと思う。2等料金で乗船して、日中はここで過

ごすというのもいい考えかも。

ビデオ・シアター(VIDEO THEATER)

 ビデオ・シアター。クルーズ船のような船旅が、気軽に楽しめる。ここで映画を見て過ごしても、時間に余裕がある

のが船旅の良さだ。

スポーツ・ルーム(GYM)

 スポーツ・ルームには卓球台が用意されている。他に「シャワー・ルーム」、「サウナ」、「ジャグジー」、「ゲーム・ル

ーム」、「チルドレン・ルーム」、「ビデオ・ルーム」、さらに「フォワード・サロン」、「ショップ」、「自販機コーナー」、「大

浴場」、「コインランドリ―」などが完備されている。

 これは朝食の例。「レストラン」、「グリル」、「カフェ・テラス」がある。「グリル」の方は、「クルージング・ディナー(洋

食・和食)」を予約した場合にのみ利用できる。「グリル」はクルーズ船と同様、「お盆」に載っていない(つまりテーブ

ルに直接食器が並ぶ)ので、優雅な感じがするだろう。

 こうした写真を見ると、また船に乗りたくなってしまう私は、「困った奴」だ。敦賀・小樽航路は2000年現在、敦賀発

が23:30発で小樽には20:30着。小樽発も同じ時間となっている。就航船は、「すずらん(17,345G/T)」と「すいせん

(17,329G/T)」。両船は内装が若干違うものの、同じ船と考えて良いだろう。舞鶴発のフェリーに比べ、船が早い

分、早く着くが、夜に到着するとその日はどこかに宿泊しなければならないので、その点で利用し難い。しかし「行

き」ではなく、「帰り」に利用するという方法も考えられる。「行き」は舞鶴・小樽航路、「帰り」は敦賀・小樽航路を利

用するのがいいと思う。運賃は7,420円(2等)より。

すいせん(SUISEN)


新潟(NIIGATA)―小樽(OTARU)

JR新潟駅(JR NIIGATA STATION)

 こちらはJR新潟駅。乗船前に食事をするのならば、駅前で食事をするのが良い。ただ、この地方の味付けは少

々塩辛い。もうちょっと塩分控えめでいいのでは。お土産売り場を覗くと、「酒」、「煎餅」、「米」が並んでいる。つま

り新潟の名産品は「米」ということになるらしい(米しかないという悪口は控えよう)。あと「笹団子」もあるが、これは

手がべたべたになる虞があるので、ご用心。

新潟(山の下埠頭)フェリーターミナル(NIIGATA FERRY TERMINAL)

 新潟・小樽航路はかっては夜に出発する便と朝に出発する便とがあった。しかし、苫小牧・敦賀航路の開設に伴

い、1999年7月以降、夜便は運航終了となった。その点で残念なのだが、代わりに新潟から秋田経由で苫小牧、

或いは敦賀にも行けるようになった。だから喜ぶべきことなのかも知れない。因みにこれは知る人ぞ知ることだ

が、首都圏から北海道に向かう場合、長距離バスで新潟に出て、ここから2等で小樽に向かうのが、もっとも安く北

海道に行く方法だ。発見者は外国人とのこと。そのせいか、外国人旅行者が多い(もっとも最近、大洗発着のフェ

リーが運賃の大幅な割引をしているので、必ずしもそうは言えなくなってきているが。)。

ニューはまなす(NEW HAMANASU)

 という訳で、現在は夜便で新潟から小樽に向かうことはできない。ここでは今はなき、夜便で小樽に行く船旅を紹

介しようと思う。この船は「ニューはまなす」。2000年現在、苫小牧―敦賀航路に就航している。17,304G/T、1987年

就航のフェリー。私は木目調の内装の姉妹船、「ニューしらゆり」の方がゆったりしていて好きだ。

一等洋室(FIRST CLASS)

 インサイドの1等船室。洗面所、テレビ、ビデオ・デッキ、ロッカーなどがある。ただ、このベッドは狭苦しい。寝返り

を打ったら落ちてしまいそうだった。2等寝台の方がいいかもね。

 特等室が並ぶ「ブリッジ・デッキ」には、こうしたゆとりの空間があった。

ラウンジ(LOUNGE)

 こうしたラウンジは、すずらん、すいせんを除くすべての船にある。が、何か宝の持ち腐れという感じ。だから新造

船の(建造後5年経っているので、もう新造船ではないが)すずらん、すいせんには設けなかったのかも知れない。

レストラン(RESTAURANT)

 「レストラン」。この船にも「グリル」があり、コース・ディナーを予約すればそこで食事をとることになっているが、そ

んなことをしている人はいないようだった。レストランはカフェテリア・スタイルだが、この船ではここで十分だと思う。

 朝食。朝早く起きて甲板を散歩していると、厨房から揚げ物のいい匂いが漂ってくる。たぶん真中に見えるフライ

ド・ポテトの匂いだと思う。何か腹が空いてきたなぁ。

 こちらは、売店。新日本海フェリーは、オリジナル・グッズに力を入れていて、クルーズ船並みの品揃えとなってい

る。

奥尻島(OKUSHIRI ISLAND)

 奥尻島が見えてきた。1993年7月の「北海道南西沖地震」で津波の被害にあったところとして、記憶されているこ

とだろう。ここの海が大きくせりあがって島を襲ったのだろうが、私の想像力ではとても想像できない。船はこの島

と北海道との間を進んだ。

小樽港(PORT OF OTARU)

 かくして、小樽に到着(15:15)。2000年現在、新潟・小樽航路は、新潟発10:30発で小樽には翌日の04:10着、小

樽発は10:30発で新潟05:30着のダイヤとなっている。就航船は「フェリーあざれあ(20,554G/T)」、「フェリーしらか

ば(20,552G/T)」だ(共に1994年就航)。早朝到着するので、観光には便利だろう。運賃は5,250円(2等)より。

フェリーしらかば(FERRY SHIRAKABA)


小樽(OTARU)

小樽(勝納埠頭)フェリー・ターミナル(OTARU FERRY TERMINAL)

 さて、舞鶴・敦賀・新潟から小樽にやって来た。折角だから小樽のフェリー・ターミナルの周辺をご案内しよう。ご

覧のように、ここのフェリー・ターミナルは設備が充実している。海を一望できる展望風呂やレストラン、売店などが

ある。早朝到着して、ここのレストランで朝食をとっていると、朝日が差し込んで来る。普段は朝の5時から食事なん

てとてもできないけれども、何故か食べられるんだよね、これが。

石原裕次郎記念館

 フェリー・ターミナルから歩いて数分のところに、「石原裕次郎記念館」がある。石原裕次郎(1934‐1987)は幼少

期(1937‐1943)を小樽で過ごしたことから、ここに作られたものらしい。裕次郎は神戸の生まれ。小樽の稲穂国民

学校に入学した。2階には東京成城の居間が再現されている。裕次郎に憧れて船乗りになってしまった方も案外多

いのではないだろうか。小樽港マリーナに隣接している。

マイカル小樽(MYCAL OTARU -SHOPPING CENTER & HOTEL)

 その小樽港マリーナの前には、こんな巨大なショッピング・センターがある。博多にもこうした商業施設があります

よね。

クリスタル・オブ・ザ・シー(CRYSTAL OF THE SEA)

 そのマイカル小樽の前からは、小樽旧市街にポート・シャトルが出ている(小樽観光振興公社)。船好きならば、

これに乗って運河見物に繰り出してしまうことだろう。

МАРИНА ЦВЕТАЕВА

САХАЛИН‐7

 こちらは「小樽市外航客船公共待合所」。サハリンと小樽の間を結んでいるSASCOの

МАРИНА ЦВЕТАЕВАとСАХАЛИН‐7だ。街にはロシア人の姿が多い。ロシアはすぐ近くだ。

ニューしらゆり(NEW SHIRAYURI)・フェリーらいらっく(FERRY LILAC)


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03/02/10