大阪・神戸・姫路・岡山・倉敷編
(OSAKA/KOBE/HIMEJI/OKAYAMA/KURASHIKI)


大阪 (OSAKA)

大阪城 (OSAKA CASTLE)

 大阪のシンボルは何か。通天閣が有力な候補であったが、やはり大阪城の写真から始めることにする。ところで

大阪城といえば豊臣秀吉を思い浮かべる人が多いかも知れないが、現在の大阪城は江戸時代に再築されたもの

で、さらに天守は1665年に落雷により焼失しているから、大阪城の天守が大阪のシンボルになったのは実は最近

のことだ。1931年に昭和天皇の即位を記念する昭和御大礼記念事業として、当時の大阪市長の発案により天守

閣を復興したという。正確に往時の天守を復元したものではなく、コンクリート製のまがいものではあるのだけれ

ど、今日すっかり大阪の顔として定着してしまった。もし東京に江戸城の天守を復元したら、最初は多分不評だろう

が、東京のシンボルになることは間違いなしだと思う。

大阪南港 (PORT OF OSAKA)

 「これが大阪の港です。」と言っても、ピンとこない人が多いだろう。海側から見た写真だけで港を紹介するのは

結構難しい。大阪港周辺は、ベイエリアなどと称して南港の他、北港・舞洲、天保山・弁天埠頭に様々な商業施

設、娯楽施設が集まっている。WTCコスモタワーからの眺めは最高だが、私は上から眺めているよりは船に乗って

いる方が好きだったりする。

太鼓橋 (TAIKO-BASHI)

住吉大社 (SUMIYOSHI SHRINE)

 大阪南港からニュートラムに乗り、住之江公園駅から少し行ったところに住吉大社がある。祭神は、底筒男命

(第一本宮)、中筒男命(第二本宮)、表筒男命(第三本宮)、神功皇后(第四本宮)であり、神徳は海路平安、農

耕、和歌の神だという。そのため、大概の港町には住吉神社がある。ここはその本社というわけだ。

絵馬 (EMA)

 少々悪趣味かも知れないが、私は絵馬に書かれた願い事を読むのが好きだ。「志望校大阪大学」とか、「良い縁

の方とはやくめぐり合ってはやく結婚できますように 菜穂子26歳」というのに混じって、「人事異動 監査室から緊

急に異動させて下さい」というのがあった。余程嫌な職場なのだろうが、神様は人事権までお持ちなのだろうか。

通天閣 (TSUUTENKAKU)

 大阪と言えば、ここ通天閣だろう。ビリケンさん、王将、ジャンジャン横町、通天閣歌謡劇場、そして通天閣の歌

姫・叶麗子と、ナニワのエッセンスが詰まっている。しかしここを好んで訪れるのはよそ者らしい。大阪出身の女の

子に新世界を訪れたことを話したところ、「そんなところに行ったんですか。」という反応だった。確かに怖そうなお

っちゃん達がフラフラ自転車に乗っていたり、将棋を指していたりして、怪しい空気が漂っている。しかし最近では、

「フェスティバルゲート」とかいう遊園地ができ、街の雰囲気が変わりつつあるようだ。ただ、この怪しげな空気は残

しておいて欲しい。通天閣はパリのエッフェル塔を真似て作られたそうで、そう言われてみればエッフェル塔の面影

がないわけでもない。もっとも、地面にめり込んでしまった短足のエッフェル塔だが。

法善寺横町 (HOUZENJI YOKOCHOU (ALLEY))

 大阪で食い倒れてみたい人は、ここ法善寺横町を訪れることになる。この街は織田作之助の『夫婦善哉』で知ら

れたところ。早速登場人物の柳吉に案内してもらうことにしよう。

夫婦善哉 (ZENZAI)

 「昔何とか太夫ちふ浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛りにするより、ちょっとずつ二杯にする方

がぎょうさんはいっているやうに見えるやろ、そこをうまいこと考えよったのや。」

 つまりこれは二人前ではなく一人前だ。水掛不動の脇にある店だが、メニューにはこのぜんざいしかない。

自由軒の名物カレー (MEIBUTSU KAREI - a kind of "curry and rice")

 「ここの、ラ、ラ、ライスカレーは、御飯にあんじょうまむしてあるよって、うまい。」

 確かに「あんじょうまむして」あるが、この自由軒の名物カレーは何というカレーだろう。誰かの食べかけの続きを

食べているような感じだ。中心にある生卵の黄身とすこし辛目のカレーが合わさると程好い辛さになる。こういう癖

のあるものはハマルと癖になりそうだ。もちろん普通の「別カレー」というメニューもあるが、なぜかここに来店する

客の大半は、「名物カレー!」と注文していた。織田作之助(1913年―1947年)自身がよく通った店だそうだ。

くいだおれ人形

 この他、おでんが有名な「正弁丹吾亭」の店先には、「行き暮れてここが思案の善哉かな」という織田作之助の文

学碑がある。さらに食い倒れたい人は、お好み焼きの「千房」、ふぐの「づぼらや」、ついでに難波の「りくろーおじさ

んの店」のチーズケーキ、「北極」のアイスキャンディーに挑戦されるのがいいだろう(短時間にすべて挑戦したの

は、この私です)。

 写真のくいだおれ人形は有名だが、この人形をかたどったキーホルダーが観光土産となって人気だ。しかし、こ

のキーホルダーにはちゃんと店の電話番号が書かれており、大阪人はやはり抜け目がない。

道頓堀 (DOUTONBORI)

 ここ道頓堀の戎橋を見て、映画『ブラック・レイン(BLACK RAIN)』(1989年)を思い浮かべる人はあまり多くないか

も知れないが、大阪の街が実に神秘的な犯罪都市として描かれていて感心した。『エイリアン(ALIEN)』(1979年)の

リドリー・スコット(RIDLEY SCOTT)監督の刑事アクション。映画とはこういうものかと思う。


神戸(KOBE)

K-CAT(神戸シティエアターミナル)

 港町神戸はやはり船で訪れたい。そこで私は関空からK-JET(神戸ジェットシャトル)を使って神戸に行った。ジェ

ットホイルは揺れなくて速いが、甲板に出られないのでつまらない。そう思いません?(因みにこの船は2002年2月

に廃止になってしまった。)。

南埠頭

 ガントリー・クレーンが並んでいるのが見え、港に来たことを実感する。

商船三井ビル

 三宮から、かっての外国人居留地を徒歩でぶらつく。私は阪神大震災(1995年)以前に発行されたガイドブックを

持って神戸を訪れていた。そのガイドブックによると、レトロビル・ウォッチングは、1海岸ビル、2商船三井ビル、3

明海ビル、4旧神戸居留地15番館、5神戸市立博物館の順に巡るとよい、とされていた。3、4は地震で倒壊してしま

い再建工事中だった。ここ商船三井ビルは日本初の耐震構造建築だという。確かにそれだけのことはあって、しっ

かりと建っていた。

旧居留地38番館

 こちらも大丈夫のようだった。このように、同じような揺れに晒されても倒れない建物がある。これは興味深いこと

だった。大阪の写真と比較されるとよいが、神戸は少し気取ったところがあるおしゃれな街だ。実は横浜に大変感

じが似ている。だから私は横浜の街を歩いているような錯覚にとらわれたものだった。南京町の方に歩いて行く。

南京町広場にて (CHINA TOWN)

 神戸の中華街は、横浜のそれに比べて、いや長崎のそれに比べても小規模だと思う。ここは豪華な中華レストラ

ンで食事をするところというよりは、屋台で豚まんをパクつくところという感じだ。写真はアメリカ人のストリート・ミュ

ージシャン。札幌を回って神戸に来たそうだ。ちょっと陰気な雰囲気を漂わせていたが…。

明石海峡大橋

 「あれっ、神戸はこれだけ?」との声が聞こえてきそうだ。実は私が訪れたときはまだ街中が工事中という風情

で、異人館巡りをのんびりするにはまだ早かった。そのうち何らかの形で神戸を取り上げようと思う。


姫路(HIMEJI)

JR姫路駅前 (STATION AREA)

 これから取り上げる姫路、岡山、倉敷は港のある港町ではあるが、小京都が好きな私が無理に港町として取り

上げていることは白状しておかなければならない(まぁ、そう堅いことは仰らないで)。

 これはJR姫路駅前。写真ではよく見えないが、中央にあの姫路城の姿が見えている。初めてあの姫路城の姿を

見たときは、素直に感激した。世界遺産に登録され、世界的にも有名な城であるためか、駅には外国人の姿が多

かった。では歩いていこう。

姫路城 (HIMEJI CASTLE)

 国宝姫路城だ。日本でお城をひとつ見るとしたら、やはりここ姫路城だろう。圧倒的な美しさだ。姫路城の歴史

は、1333年に遡るが、現在の城郭は池田輝政が1601年から8年かけて造営したもの。

三の丸から見た天守群

  姫路城については、菱の門、いの門、ろの門というように写真で全てを紹介していきたいが、それもできないの

で、この写真を掲載するにとどめようと思う。とにかく美しい。


岡山 (OKAYAMA)

JR岡山駅 (STATION AREA)

 岡山といえば、「ももたろさん」。とにかく街中桃太郎なのだ。写真の桃太郎の他、ポストの上の桃太郎、マンホー

ルの蓋の桃太郎、駅弁の「桃太郎の祭りずし」など、これらをすべて紹介しただけでも、またウェブ・サイトのひとつ

が生まれてしまいそうな感じがする(ひょっとしてあるかも知れない)。

 もっとも桃太郎伝説を巡っては争いがあり(学問的に重要な論争かは知らないが)、岡山の他、高松、犬山も名

乗りをあげている。しかし岡山にはとても勝てそうにないだろう。

 ところで岡山の人にはおなじみのものだろうが、廣栄堂の吉備団子は大好きだ。あの耳たぶのような柔らかさと

いい、甘さをおさえた風味といい、これはお奨めですよ。

岡山城 (OKAYAMA CASTLE)

再現された天守内部

 ご存知のように、ここ岡山にも城がある。黒い城なので、「烏城」とも呼ばれる。宇木多秀家が1597年に造営した

城。旭川を挟んで、日本三大名園の1つ、後楽園が広がっている。不等辺五角形、六角形の特異な外観を持つ天

守だが、1945年に戦災で焼失した。現在のものは1966年に復元されたものだが、古写真と見比べると外観の感じ

は随分違う。おそらく残っていた写真などを基に復元されたものだからだろう。

 このように復元された天守であるため、エレベータがついている。そのエレベータの前で並んでいたとき、私の前

にいた、髪を金髪に染め最新のファッションで身を固めたお姉さんが、携帯電話を取り出してこう話し始めた。「今

岡山城におるんじゃ。」 私は方言を笑う気は毛頭ないが、この落差がとても可笑しかった。

 因みに大阪では語尾が「や」になるが、これは「じゃ」が転化したものだ。


倉敷 (KURASHIKI)

中橋

 最後に倉敷を取り上げてこのページを終わりにしたい。倉敷の町は、「くらしき」という名前だけで大変得をしてい

ると思う。倉敷という名を聞いただけで、白壁、格子窓の倉屋敷が目に浮かぶようで、それだけで旅に出てしまい

たくなる。

 ところが実際に来てみると、そうした景観を持つ地域は、「倉敷美観地区」に限られており、ちょっぴり残念だ。こ

こには古い蔵屋敷と美術館とが軒を連ねているが、こうしたレトロな観光地というのは小樽のようでもあり、門司の

ようでもある。しかし小樽や門司が、倉敷をお手本にしたというのが正解だろう。

大原美術館 (OOHARA MUSEUM OF ART)

 このミニ大英博物館のような建物が、大原美術館。倉敷紡績の社長、大原孫三郎氏により1930年に設立した西

洋近代美術館だ。もっとも有名な所蔵品が、エル・グレコの『受胎告知』。ご覧になるとお分かりになると思うが、こ

このコレクションは一流のものばかりだ。私はロンドンの大英博物館や、パリのルーブル美術館も訪れたことがあ

るが(何かこういうことを書くと嫌味な感じがするよね)、そうしたレベルの美術館が日本にある、しかも倉敷にある

ことが驚きだった。

喫茶店エル・グレコ

 その美術館の脇には、喫茶店エル・グレコがある。昔は画学生が多く出入りしたそうだ。確かにいい絵を見た後

は珈琲が飲みたくなる。

市内の土産物店

 しかし市内の土産物店は、江戸情緒に溢れていた。日本人が器用だと思うのは、このように東洋的なものと西洋

的なもの、あるいは古典的なものと近代的なものとをうまく融合させている点だ。私は日本的なものとは一体何だ

ろうかと考えたことがある。神道的なものも候補の1つだったが、このようにあらゆる文化の良いところを取り入れ

て自国の文化にしてしまうところが、もっとも日本的なところだろうかと考え始めている。だいたいこうして書いてい

る日本の文字だって元は中国の文字なのだから。


ここに掲載した写真はすべて私が撮影したものであり、法律上、著作権は私に帰属しますが、コンピュータにダウ

ンロードして閲覧するというインターネットの特殊性から、その主張は極めて困難と考えます。

そこで、著作権の主張は致しません。

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02/02/08